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保育士だけど夜勤?病院内保育での働き方

保育士として働く場所は認可保育園や認可外保育園だけではありません。
保育士が活躍できる場所の一つに「病院内保育園」(以下、院内保育園)があります。

保育士だけど夜勤?病院内保育での働き方
そこで今回は院内保育士として働くことの特徴やメリットを整理し、ご紹介したいと思います。


◆年齢別クラスなし!院内保育士とは

◯院内保育園増加の背景
「院内保育園」とは病院内あるいは病院近郊に設置されている保育園のことで、主に病院に勤務する医師や看護師など医療スタッフたちの子どもを預かる保育施設のことを指します。
近年、院内保育園の設置が増えているのでは、深刻な看護師不足が原因です。
産後、看護師の赤ちゃんが待機児童になってしまったら、病院は優秀な看護スタッフを失ってしまいます。
産後の職場復帰を確実なものにするために、比較的規模が大きな病院を中心に、院内保育園を設置する動きが増えています。
こうした院内保育園で働く保育士を「院内保育士」と呼びます。

◯院内保育士の勤務スタイルの特徴
院内保育園と一般の保育園との最大の相違点は、年齢別による「クラス」というものが存在しない点です。
企業内保育園同様、保育の利用者を従業員(医師・看護師を含む病院スタッフ)の子どもに限定しているケースが多いため、どの院内保育園も規模が小さめです。
そのため年齢別にクラス編成ができない、という方が正確かもしれません。
院内保育士は来園してくる園児たちは1部屋でまとめて保育することになります。
園によって差はありますが、一般の保育園よりも相対的に乳児の割合が高いと言われています。
また、看護師の勤務シフトが変則的なため、来園時間も変則的です。
夜勤の看護師は夕方から翌朝にかけて子どもを預けることになります。
そのため、院内保育士の勤務シフトは変則的で、院内保育園は24時間365日対応することが求められます。

◯院内保育士の待遇
上記のように、院内保育士は看護師の勤務スタイルに合わせて24時間体制で保育サービスを提供することが求められます。
一般の保育士に比べ、変則的な勤務スタイルにならざるをえないため、その分待遇面で補われることが多いようです。
保育士全体の平均年収は約310万円、月給は約20万円、初任給(月給)約16~17万円と言われています。
一方、院内保育士の場合、初任給でも月18万円を越えるところが多く、賞与平均は1位の公立保育園、2位の認定こども園に続く第3位、約50万円となっていて、保育士としては高めの数値になっています。
また、院内保育士の給与の特徴は「夜勤手当」が付く点です。
看護師の勤務スタイルに合わせて、院内保育士にも夜勤があります。
夜勤をした場合は手当が支給され、その分手取り収入が増えます。
さらに、院内保育園を設置する主体が大手病院であり、経営が安定していることも、相対的に院内保育士の給与が高い理由だと言われています。


◆院内保育士の働き方とその特徴

◯院内保育士の労働時間の特徴
大病院が経営する保育施設ということで、経営に安定性があり比較的待遇も良いことから、院内保育園で働きたいと考える保育士も少なくないことでしょう。
しかし院内保育士には、一般の保育士とは大きく異なる点があります。
それは独特な勤務体系です。
院内保育士が主に保育するのは病院職員、特に看護師の子どもたちです。
預ける保育士の勤務体系が不規則なため、院内保育園の利用もどうしても不規則になってしまいます。
病院自体が24時間365日機能しており、職員の数に変動はあるものの必ず誰かは出勤していますから、彼らの子どもたちも誰かしら来園することになります。
したがって、院内保育園自体も24時間365日対応となり、自ずと院内保育士の労働時間も24時間張り付くシフト制にならざるを得ません。

◯院内保育士はプライベートな時間の確保が難しい?
院内保育士が求められる夜勤は、多い場合で月に5回以上、少なくとも1〜2日の夜勤は入ると考えておいた方が良いと言われています。
365日開園している場合は、土日祝日出勤もあり、院内保育士の数によっては勤務曜日が一定とならない可能性があります。
もちろん労働時間は労働基準法に守られていて、一般の保育士に比べ特別長いというわけではありません。
ただ、給与などの待遇が良い反面、プライベートの時間や家族との時間の確保が難しくなるというデメリットがあることを良く考慮しましょう。
加えて院内保育の場合人数も保育のための面積も限られているため教室が比較的小さめで園庭がない場合もあります。
子どもたちと元気に走り回って遊んであげるような保育を好む人にとっては窮屈に感じるかもしれません。
また、園児の数が少数であるため、お遊戯会や運動会などの行事も少ないのも特徴です。
大規模な一般保育園で培えるような保育スキルが身につきにくいのもデメリットと言えるでしょう。

◯院内保育士になるメリット
院内保育園には一般の保育園のように運動会や発表会もありませんし担任を持つこともないので比較的楽なお仕事と言えます。
求められる保育の質も比較的高くないのでブランクからの復帰には最適かもしれません。
実際にひさしぶりに保育のお仕事をする方が院内保育所を選ぶことも多いようです。


◆大切な子どもを預かることにかわりはない

院内保育士は通常の保育士とは異なる勤務体系、労働時間で、プライベートの時間の確保が難しい、行事負担が少ないなどの長所・短所があることがわかりました。
しかし、院内保育士であろうが、一般の保育士であろうが、子どもたちの大切な命を預かっていることにかわりはありません。
大切な子どもたちを保育しているという責任感を胸に、院内保育士としての仕事を全うすることが大切です。


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