園によって大きく異なることが多いのが、保育方法ですよね。
園の方針と言っても過言ではないので、保育士として就職を考える際にも、その保育方法は気になるところではないでしょうか?
今回は様々な「保育」の特徴の一例として、「一斉保育」と「異年齢保育」についてご紹介していきます。
メリット・デメリットなどもしっかり把握して、就職先選び等に活かしてくださいね!
協調性を育てる「一斉保育」とは
○一斉保育とは
一斉保育とは、クラス全体で同じ内容の取り組みを行う保育のことです。
具体的にはクラス全体で絵を描いたり、運動を行ったり、体操をすることを指します。
近年の保育園では一斉保育と自由保育の両方を行うところが多いようです。
朝の会を行ってから一斉保育、お昼寝をしておやつを食べたら自由保育、という形が一般的です。
○一斉保育の保育内容
上記の通り、一斉保育では同じ内容での取り組みとなります。
よって、指導する保育士はその保育に対しての指導計画を立てなければなりません。
また、必要な場合は教材や食材の準備をしなければなりません。
また、通常の保育園では長時間を一斉保育で過ごす、というのは難しいところがあります。
よって、指導計画を立てる際にも時間に余裕を持たせる場合が多いです。
○一斉保育のメリット
一斉保育では、集団行動を通して社会性を育むことができます。
3歳頃までは他人を思いやる、協調性を持つことはとても難しく、自分のやりたいことをやるのが当たり前ですが、その頃から集団行動を経験させることによって少しずつ他人を思いやる心が芽生え、5,6歳の頃には協調性が身につくとされています。
また、自由保育は自分のやりたいことをやるものに比べ、一斉保育の場合、子ども自身が進んでやろうとしていないこともやることになります。
それは逆に、いろいろな体験ができることであると言い換えることができます。
普段、自分から大きな声を出さない子どもが、一斉保育で、みんなで歌を歌う機会を持ち、歌を歌うことの楽しさに気づくことができれば、それは一斉保育による影響であるといえるのではないでしょうか?
○一斉保育のデメリット
子どもによっては集団行動が得意な子どももいれば苦手な子どももいるでしょう。
集団行動が苦手な子どもにとって、一斉保育はストレスが溜まる環境であるのは間違いないでしょう。
また、落ち着きがない、集中力がなくふらふらとしてしまう子どももいます。
そのような子どもは一斉保育の中では特に手のかかる子、と扱われてしまうことがあります。
一斉保育の中で注意を受けることが増えてしまい、自己肯定感が育たなくなってしまいます。
いずれも、「一斉保育のデメリット」というより、「一斉保育を行う際に陥りがちな失敗」となります。
指導計画を立てる際にそのような子への配慮はしっかりなされているか、何よりも一斉保育を行う保育士自身の子どもへの理解、子どもとの関わり方によってはメリットとなりえることがあります。
成長のチャンスがいっぱい「異年齢保育」とは
○異年齢保育とは
異年齢保育とは、異なる年齢でクラスを編成して保育を行う方法です。
と言っても主に3~5歳の幼児の中で編成されるのが主になります。
保育園によって異年齢保育を行い、3~5歳児のクラスが2,3あるような形が一般的でしょう。
また、全ての活動を異年齢で行うのではなく、異年齢でのクラスと同年齢でのクラスを持ち、時と場合によって使い分ける保育園もあります。
○異年齢保育のやり方
異年齢保育では、発達段階においてできること、できないことが異なります。
例えばお絵かきという内容にしても3歳ではまだ円を描く、線を描くというのができるようになったばかりの子どももいれば、5歳で人間、動物を上手にかける子もいます。
なので、そのような年齢差による発達の違いを踏まえたうえで指導計画を立てなければなりません。
○異年齢保育のメリット
月齢の小さな子は異年齢保育の中で月齢の高い子の姿を見て憧れを抱きます。
例えば上手に箸を使う姿、おもちゃを使いこなす姿を見て自分もそうなりたい、という思いが生まれます。
そしてどのように行っているかを観察し、模倣することによって上手にできるようになっていくでしょう。
同じ年齢、同じ月齢の中だけでは体験できないことを異年齢保育の中で体験し、成長することができます。
また、月齢の高い子は月齢の低い子の面倒を見たがります。
同年齢内でトラブルが多い子も自分より小さい子の面倒を見たいと思うことによって他人に親切にしてあげることを覚えます。
このように、お互いが良い刺激を与えあうことが異年齢保育のメリットと言えます。
○異年齢保育のデメリット
やはり発達段階が違う子が集団となるので一つの遊び、課題をとっても慎重に行わなければなりません。
遊びの段階を考えた時、3~4歳では連合遊びという遊びが主流で、一緒に遊んでいますが、中身は個々のものになります。
しかし、5~6歳では集団遊びという、数人で集まってルールのある遊びを楽しむことができます。
このような差を考えた時に、年少児に合わせた遊び方にすると年長児が楽しめない。
逆に年長児に合わせた遊びを行うと年少児は楽しむことができません。
そのようなことにならないためにも保育者は柔軟な考えと幅のある遊び方を計画しなくてはなりません。
また、保育者自信が未熟な場合は年齢差によるトラブルに対処しきれずに、最悪の場合クラスが機能しなくなる場合もあるでしょう。
いずれにしても、保育者の力量によるものが大きいとされています。
特徴を理解した上で保育に取り組むことが大切
今回は一例として「一斉保育」と「異年齢保育」についてご紹介しましたが、どんな保育方法にもメリット・デメリットはあるものです。
保育方法の特徴をしっかりと理解し、良い部分を大切にしながら問題点をフォローできるように保育に取り組むことが大切ですね。