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『公立幼稚園』について知ろう

公立幼稚園とは?

幼稚園教諭免許を取得している人にとって、公立幼稚園・私立幼稚園の特徴はそれぞれ押さえておきたいところではないでしょうか?

『公立幼稚園』について知ろう
今回は、公立幼稚園の運営主体についてや、公立幼稚園と私立幼稚園との違いなどを具体的にご紹介していきたいと思いますので、ぜひ職場選びの参考にしてみてくださいね。


公立幼稚園の運営主体

幼稚園教諭の免許を生かして働こうと考えた時、公立幼稚園にするか私立幼稚園にするかという部分で悩む方も多いでしょう。
そもそも、公立幼稚園と私立幼稚園は何が違うのでしょうか? 根本的な部分はそれぞれの運営主体がどこにあるのかによります。
運営主体が異なることにより、公立幼稚園と私立幼稚園での職員の待遇や園の教育方針などに違いが出てしまうことになります。
まずは公立幼稚園の運営主体がどこにあるのかをものに、公立幼稚園の特徴を見ていきましょう。

○公立幼稚園の運営主体はどこ?
国内には、およそ14,000の幼稚園があります。
そのうちの約4割が公立幼稚園になります。
公立幼稚園の運営主体は基本的に各市区町村の教育委員会が行っていますが、近年、運営主体となっている各市区町村の財政難などにより、公立幼稚園の廃合計画が進んでいる地域もあるようです。
そのため、今後は公立幼稚園の数が減ったり、民営化されたりする傾向が見られるようになるでしょう。
公立幼稚園の教育基準は、文部科学省の「幼稚園教育要領」を基盤に、各市区町村の教育委員会が指導を行い、教育が実施される形態になっています。
そのため、運営主体となる市区町村内の公立幼稚園の教育方針には一貫性が見られます。

○公立幼稚園で勤務するにはどうしたらいいの?
公立幼稚園で幼稚園教諭として勤務する職員は、運営主体が市区町村になるため公務員扱いになります。
よって、公立幼稚園で働きたい場合には、その幼稚園を設置している市区町村の教育委員会に採用されることが必要になり、公務員試験を受けることになるので専門知識だけでなく、一般常識なども必要になってきます。
また、公務員試験の倍率は、私立幼稚園の採用試験に比べて高くなるケースが多いため、「狭き門」と言われています。
公立幼稚園に採用された場合、自治体内の転勤はありますが、安定した収入や産休・育休などの就労制度がしっかりしているため、離職を迫られるようなケースは少なく、勤続年数の長い先生が多くなります。
そのため、公立幼稚園で働く先生は「ベテラン先生」と言われるわけです。
転勤先は採用された市区町村内になり、運営主体が同一のため教育方針には差が生じないため働きやすいでしょう。

○公立幼稚園の運営費は?
公立幼稚園の場合、運営主体が各市区町村であるため、その主な運営費は税金を使用していることにあります。
よって、保育料を決定するのもその幼稚園を設置している市区町村になります。

○公立幼稚園と国立幼稚園は違うの?
国立幼稚園は国立大学の管轄下にあるのでその運営主体は大学になります。
よって、公立幼稚園とは全く違うものになります。
各市区町村の教育委員会の指導を受ける必要はないので、独自の教育方針を持っている園が多いです。
国立幼稚園は俗に言う「お受験」が必要になります。
国立大学の管轄下にあるため、幼稚部からそのまま付属の小学校、中学校、高校、大学と進学できるケースもあります。
保育料は高いと思われがちですが、実際は公立幼稚園と変わりはないようです。


公立幼稚園と私立幼稚園の違いは?

公立幼稚園と言えばベテランの先生が多く、園の雰囲気も落ち着いた様子。
一方、私立幼稚園と言えば、若い先生が多くて元気いっぱいのイメージ。
もちろん地域や園によって職員のカラーに違いはあるのでしょうが、公立と私立、どんな違いがあるのでしょうか。
まとめてみましたので参考にしてみてください。

○お給料の違い
公務員である公立幼稚園の先生のお給料は市の職員並みで、勤続年数に応じて上がっていきます。
手厚い福利厚生も整っています。
私立幼稚園は、園の規模や地域によって様々ですが、一般的には、お給料は公立幼稚園の水準よりも低くなるようです。
また、たとえ長く勤めたとしても公立幼稚園並みの昇給は期待できないようです。

○離職率の違い
手取り給与が少ないうえに、将来的な昇給もあまり期待できないという現実から私立幼稚園の離職率は高く、男性職員は家族を養うことができないという理由で辞めてしまうこともあるのだとか。
一方、公立幼稚園は待遇の良さから、よほどの理由がないかぎり離職する人もいないとのこと。
辞める人がいない(離職率が低い)ということから、公立幼稚園の採用は狭き門になり、新規採用がゼロの年もあるそうです。

○カリキュラム、行事の違い
私立幼稚園では、音楽や体操など早期、英才教育をするなど、独自のカリキュラムを組んでいるケースが多く、専任の講師が指導することもあります。
また園によっては、キリスト教や仏教など宗教に基づく教育を行ったり、モンテッソーリ、シュタイナーなど、特定の思想に基づく教育を行ったりするところもあります。
一方、公立幼稚園は、英語とか楽器とか、何か一つのことを特化して教えるような教育はあまりせず、お勉強も外あそびもバランス良く経験させるところが多いようです。
保護者が参加するようなイベントや行事も少なめで、私立に比べると地味な印象です。

○保護者の意識の違い
早期・英才教育、モンテッソーリやシュタイナー教育を行うような私立幼稚園に通わせる保護者は、園への期待も高く、我が子にあった教育を希望する保護者が多いようです。
若い先生が多い私立幼稚園に比べ公立幼稚園では経験豊かな先生に任せられるという安心感があり、その部分で公立を選んだ保護者が多いと言えます。


公立幼稚園がなくなる可能性も・・・

公立=安定と思いがちですが、忘れてはならないのが、幼稚園がなくなる可能性もあるということです。
こちらでは公立幼稚園が廃止された東久留米市のケースを現実の参考としてご紹介したいと思います。

○公立幼稚園がなくなる?(1)存在意義が問われだした経緯
現在、幼稚園の多くは定員割れに悩まされています。
そもそも公立幼稚園の開園に至った経緯は、幼児人口が急増した時期に私立幼稚園では定員枠が足らず、私立幼稚園を補完する役割として設置されたことにあります。
しかし、近年の少子化や保育園利用者の増加に伴い、私立幼稚園の深刻な定員割れが問題になり、閉園に追い込まれる私立幼稚園が増えています。
そのため、補完的な役割は終わったと言っても過言ではなく、公立幼稚園の存在意義自体が問われるようになっています。
それに加えて、昨今の財政難の波を受けて、自治体としても、市町民税で運営する公立幼稚園の存続が厳しくなっています。
それらの結果として、公立幼稚園の閉園や民営化を決断する自治体が多くなっているのです。

○公立幼稚園がなくなる?(2)東久留米市のケース
現在、東京都東久留米市には既に公立幼稚園が存在していません。
東久留米市では、2009年、市内にあった公立幼稚園3園(大道幼稚園、下里幼稚園、上の原幼稚園)全てを廃止しました。
前述した経緯と同じく、東久留米市においても、公立幼稚園(私立幼稚園)の設立をした当初の目的は、「私立幼稚園に入りたくても入れない」子どもを受け入れるためでした。
しかし、東久留米市においても私立幼稚園の定員割れが目立ち、公立幼稚園の存在意義が問題視されるようになったのです。
(なお、平成16年の東久留米市の調査によると、現在「私立幼稚園に入りたくても入れない」子どもの数は、幼稚園全体の1%未満であり、さらに公立幼稚園に通わせている保護者の9割が補完的役割と捉えていないことを調査結果で明らかにしています。
そのことからも東久留米市は公立保育園がなくなることは問題ないものとしていました。)
また、市民1人当たりの市税収入を比較した場合、東久留米市は多摩地区26市の平均を下回っています。
このような財政構造の市が行政サービスを確保していくためには、より効率的な税の活用を考えざるをえません。
そうしたことも、公立幼稚園がなくなる理由の一つになっています。
こういった理由で公立幼稚園がなくなることは仕方がない場合もあり、全く理解できないものではありません。
しかし、廃止発表当時、市は閉園後の利用計画も立てていないなど、対応の無責任さに市民から批判の声が上がっていたことも事実です。


公立幼稚園は自治体に大きく影響される

公立幼稚園について運営主体や私立幼稚園との違いをご紹介させていただきました。
公立幼稚園ならではの良さももちろんありますが、今後地方自治体の財政状況によっては安定とは反対方向の職場と転じてしまう可能性もありそうです。
自分の考えやライフスタイルにそうか、地方自治体の出方はどうか、ということなどを総合的に考えていく必要があるかもしれませんね。