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保育士の就職フェアとは。服装や持ち物、就活の情報収集のコツ

保育士や幼稚園教諭を目指して就職活動を開始する前の、まず第一歩の場として就活生の参加が急増している「保育士専門の就職フェア」。一般的な就職セミナーや合同企業説明会とは何が違うのか、就職フェアに行く意味、参加の際の服装や髪型や持ち物、就職フェアでの聞くことや質問の仕方などまとめました。就職フェアで、就活を始める際のさまざまな不安を解消しましょう。

保育士の就職フェアとは服装や持ち物就活の情報収集のコツ miya227/shutterstock.com

保育士の就職フェア(セミナーや合同企業説明会)とは


保育士専門の就職フェアとは

保育士の就職フェアとは、保育施設を運営するさまざまな法人や企業が、1つの会場に集まって、それぞれブースを出展し、自分たちが運営する園の特色を、来場者である求職意欲のある人たちに説明する場です。
その他に、就職活動に役立つ講座や保育知識を深めるワークショップなどが企画されていることがあります。
保育園の名前や様子を知ってもらうことが大きな目的になるため、その場での面接の設定をしているイベントではないと考えて良いでしょう。


参加資格

一般的な保育士専門の就職・転職フェアは、保育の仕事にたずさわりたい人全般が対象になります。卒業見込みのある就活生や、既卒の転職希望者など参加が可能です。就職フェアによっては、保育施設で働きたい看護師・栄養士などの資格を持つ人も参加対象です。
一方で、新卒の就活生を対象にしている就職フェアは、指定保育士養成学校(大学・短大・専門学校)の卒業見込みのある学生のみを対象にしていることがほとんどです。


参加費用

就職フェアなどほとんどのイベントは、参加費や入場料は無料です。就職応援で、来場者に参加特典やノベリティがつく場合もあります。


開催場所

東京を中心とした首都圏や、横浜・名古屋・大阪・福岡大都市など、アクセスが良好で就活生が多く集まる場所で開催されることが多いです。特に東京で開催されるフェアでは、全国に系列園を持つ法人や大手企業が多数参加しているため、地方から参加する就活生もいます。


開催期間

新卒の就活生限定の就職フェアは、多くが3~9月までの期間で開催されています。 じつは保育士の就職フェアは、在学中・新卒・既卒を問わず参加できるフェアが多いのです。ほぼ通年で保育士向けの就職転職フェアを行っている運営もあります。
学生の場合、卒業見込みが立てば、早い段階から就職活動に向けての情報収集を開始することが可能です。


参加、申し込み方法

保育士専門の就職フェアは、各自治体や新聞社、保育士専門求人サイトなどが主催しています。フェアによって参加する法人や企業が違っていたり、就活に役立つセミナーや講演会などが組み込まれていたりします。参加方法はまずWEBで検索し、フェアに出展する法人や企業、イベント内容などをしっかり確認した上で、WEBサイトから必要事項を記入して申し込みをします。


一般的な就職セミナーや合同企業説明会の違い

一般的によく聞かれる「合同企業説明会」、「就職セミナー」、「就職フェア」など名称でのイベント内容の違いは、実はあまりありません。
あえて区別するならば、次のような趣旨の違いがあります。


合同企業説明会

どちらかというと参加企業の数の多さなど、企業側の説明に重点を置いたイベントの趣旨が強い傾向です。


就職セミナー

就活や仕事に役立つ内容の講演会やワークショップなど、参加者がより能動的に参加できる内容に重点を置いている趣旨が強い傾向です。
ですが、両者の間に最近では差がなくなっており、企業説明ブースも講演も両方行う「就職フェア」のようなイベントが、現在では主流になっている傾向です。


保育士のための就職フェアの特色

保育士のための就職フェアには、一般的な就職フェアとは違うどのような特色があるのでしょうか。


さまざまな園の比較ができる

就職フェアには多くの法人や園がブースを出展しており、どのブースでも自由に説明を聞くことができます。わずか1~2時間の参加で、3~6ブースをまわることができ、さまざまな園の環境を比較することができます。自分が今まで知らなかった保育方針や、想像していなかった働き方などを具体的に知るきっかけになることも多いようです。


自由に質問や相談ができる

就職フェアはさまざまな園の環境や待遇などの情報を知るための場で、採用や面接の場ではありません。そのため、参加項目で「履歴書不要」と書かれていることがほとんどです。
就職フェアに出展している法人や園は、自分たちの園の特色、働く環境などをより詳しく具体的に説明し、多くの参加者に自園を知ってもらうことを目的としています。
ブースで話を聞く際には、面接や園見学と違いアットホームな雰囲気です。働く環境や給与、休暇制度などの待遇面についても、法人側から詳しく説明があるようです。


現役の保育士・園長と話せる

一般的な説明会やセミナーと違うのは、人事担当者だけでなく、その園で働く現役の園長先生や保育士たちもブースに参加しているところ。実際に働いている人たちから、働く環境についてのリアルな情報を聞くことができるようです。 保育士として経験豊かな人たちに、仕事のやりがいや苦労、保育への取り組み方など、直接話を聞くチャンスです。共感する保育方針や、目標にしたい仕事への取り組み方をしている先輩保育士に出会える機会も大いにあるでしょう。


就活生が保育士の就職フェアに行く意味 mykeyruna/shutterstock.com

就活生が保育士の就職フェアに行く意味

就活生が就職フェアに行くと、就職活動をする上でどのような意味やメリットがあるのでしょうか。


就職活動開始のきっかけに

新卒保育士が就職活動を始める上で、とても重要とされている「情報収集」。ただ、どうやって情報収集をすればいいのか、たくさん掲載されている求人票のどこを重視して見ればいいか分からない...という学生の方も多いのではないでしょうか。
保育士の就職フェアは各ブースで、園の情報を求人票などの情報を見ながら詳しく説明してくれる場です。求人票の読み方や、運営法人の特徴、待遇面での制度など、情報収集をする上で知っておくべき基本的な知識を、ブースで勉強することができます。


就職活動の方向性づけ

1日で多くのブースをまわると、実にさまざまな特色を持った法人や園があることがわかるでしょう。その情報を客観的に比較することで、自分が卒業後にどんな保育がしたいのか、働き方をしたいかなど「就職活動をする上で重視する点」が、より分かりやすくなります。


就職活動を通したさまざまな出会い

保育理念や方針に共感できる園があったり、「この人を目標にしたい!」と思える園長先生や先輩保育士と出会えることもあるでしょう。そういった場合は、多くがその場で、または後日改めて園見学のアポイントをとることが可能です。


就職への不安解消

学生から新社会人になる上で、環境が大きく変化することに、戸惑いや不安を感じる人も多いのではないでょうか。不安の原因は「保育士としての働き方や、社会人生活の想像がつかない」という理由も大きく占めているでしょう。
保育士の就職フェアは、そういった不安を解消する場でもあります。法人ブースで新人保育士としての働き方や、じっくり仕事のスキルを上げるだめの研修制度、先輩保育士たちが新人保育士の頃の働き方なども説明してくれますし、質問も可能です。


保育士の就職フェアでの就活情報収集の方法、コツ


法人(企業)ブースのまわり方

出展法人は事前にチェック

出展法人や園は、事前に就職フェアのWEBサイトで告知されています。どんな園があるのか、一通り目を通してチェックしておきましょう。その中で気になった法人や園は、事前にピックアップして、当日に備えておきましょう。


まわり方のコツ

自分で行きたい法人をピックアップすると、どうしても似たような条件の園ばかりになってしまうことが多いようです。就職フェアの大きな魅力の1つは、自分で知らなかった、または調べきれなかった情報が知れること。できれば目当ての法人を決め過ぎずに、自分の知らない園を数多く回って、さまざまな環境を比較するとよいかもしれません。


質問や聞くことは事前に用意

それぞれのブースでチェックしたいこと

自分が絶対にきいてみたい、と思う質問や待遇条件は、できるだけ書き出しておきましょう。質問事項を決めておくことで、働き方や環境面など自分が重要だと思っている部分を忘れずに聞き出すことができます。
また、就職フェア参加後、集めた複数の園の情報を冷静に比較して、見返す際の指標にもなります。

何を質問したらいいか分からない場合

就職活動の方向性が見えず、フェアでの質問内容が思い浮かばない...という場合には、保育士専門の就職・転職サイトのアドバイザーに相談するのも一案です。
会場内に保育士専門のアドバイザーが常駐している就職フェアもありますので、ブースを回る前に、どんな質問をしたらいいかや、どこを重視して話を聞いたらいいかなど、相談してみましょう。


各法人や園の資料やパンフレット

就職フェアに参加している法人や園の、求人用パンフレットや資料が無料で持ち帰ることができる「資料コーナー」が用意されています。話を聞いたブース以外の回り切れなかった園の情報を持ち帰ることができますし、回った園のパンフレットも改めて自宅でじっくり見返すことが可能です。


講演会やワークショップへの参加

講演会

就職フェアでは、保育士や保育に対して知識が深い講師を招いて、就職活動に関して、知っておくべき知識や活用してほしい考え方などの講演会が企画されていることも多いです。
内容と講師のプロフィールは事前にWEBサイトで告知されていますので、興味がある場合はぜひ参加してみましょう。

ワークショップ

保育実習や保育士として子どもと毎日接する際に役立つ遊びのネタや工作など、ワークショップを開催して、保育の知識を持ち帰ってもらうだけでなく、参加者同士の交流を深めるイベントを行っている就職フェアもあります。


キャリアアドバイザーの活用

保育士の就職・転職の相談に乗り、カウンセリングをしてくれる専門職「キャリアアドバイザー」が常駐している就職フェアもあります。今まではこのサービスを転職者が多く利用しているイメージでしたが、現在は就活生が積極的に活用し始めています。
キャリアアドバイザーは就職活動を行う際に重要になる履歴書の書き方や志望動機、自己PRの書き方の相談に乗ってくれたり、就活の不安などのカウンセリング、希望や適正をヒアリングした上で、それに沿ったさまざまな保育園の紹介を行ってくれます。
フェアではそんなアドバイザーに無料で相談できる、個別ブースを設けていることもあります。


保育士の就職フェアに参加するための準備 sukiyaki/shutterstock.com

保育士の就職フェアに参加するための準備

保育士専門の就職フェアに参加する際の準備をまとめました。


服装

新卒向け限定の就職フェアでは、リクルートスーツでの参加が望ましいと言われています。服装について特に記載のない「就職フェア」では、リクルートスーツで参加しましょう。
靴はパンプスが望ましいですが、たくさんのブースが回れるように、できるだけ歩きやすい、ヒールの低いパンプスがよいでしょう。面接ではないので、スーツと違和感のないきれい目のフラットシューズでも問題はありません。
実は「服装自由」の記載がある就職フェアも多くあります。こういった場合は、普段着での参加も可能です。ブースに参加している保育士の方々は園で働く服装で参加している人が多いため、場内は非常にアットホームな雰囲気です。


カバンと持ち物

カバンは服装に合わせたカバンを選びましょう。ブースを回ると園の資料やパンフレットをもらうため、A4サイズがすっぽり入るカバンや、出し入れが楽なトートバックがよいでしょう。100均でも手に入るクリアファイルを用意しておくと、たくさんの資料が整理しやすいですよ。
持ち物で、「履歴書不要」と明記されている場合は、履歴書は不要です。
ブースで話を聞く際に必要なメモ帳と筆記用具は、必ず準備していきましょう。


髪形・髪色

髪形や髪色は、就職フェアでは面接ほどこだわることはありません。ですが、子どもを預かる「保育士」という責任がある職業を目指すことを意識して、相手に不快感を与えないよう、できるだけすっきりした髪形でのぞむとよいでしょう。いざ就職活動が本番になり、園見学や面接に進む際には髪色は落ち着いたカラー(黒)が望ましいため、早めに対処しておくことも一案です。


保育士専門の就職フェアは志望園の選び方の指針になる

新卒保育士の就職活動の情報収集は6月から、本格的な活動は9月からというのが一般的な傾向でした。ですが、保育士専門の就職フェアに参加して情報収集や園見学を開始する流れは、年々早くなっているようです。
新卒の就活生限定の就職フェアだけでなく、通年行っている転職者向けのフェアに積極的に参加して、多くの情報収集や園見学をいち早く申し込んでいる就活生が増加しています。
多くの園の環境や運営法人の保育方針を知って、働き方の想像がつくと、自分の「本当にやりたいこと」が見えてきて、就職活動の方向性が決まりやすくなります。活動や新社会人生活への不安も、解消しやすくなるのではないでしょうか。

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