新卒保育士や保育学生の中には、保育士の仕事においてパソコンが必要なのか気になる方もいることでしょう。保育士は子どもとかかわる仕事以外に、事務作業を行うこともあるため、パソコンの必要性やメリットを知ることができたらいいですよね。今回は、保育士にとってのパソコンの必要性やメリット、持っておくと役立つスキルを紹介します。
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■目次
保育士にとってパソコンは必要?
新卒保育士や保育学生の中には、「保育士にパソコンって必要なのかな?」と悩む方は多いのではないでしょうか。
保育士の仕事は子どもたちとのかかわりだけでなく、おたよりや指導案といった書類作成を含むさまざまな事務作業にも対応しなければなりません。
事務作業はおたよりや指導案の作成以外にも、
- 月間計画の作成
- 週案、日案の作成
- 保育日誌の作成
- 個人記録の作成
- 連絡帳の作成
などが挙げられるでしょう。
そのなかで、これらを手作業で行う園も多く、時間や手間がかかってしまうこともあるのではないでしょうか。
しかし、パソコンを活用することで、画面上で編集や修正、確認などの対応ができ、読みやすい書類の作成や表、グラフを使用した資料の作成なども手間なく行うことができるかもしれません。また、業務時間の短縮をすることができれば、保育士の業務効率を上げることにつながりそうですね。
さらに近年、保育園や幼稚園でもパソコンを導入するところが増えており、保育士の業務を簡素化したいというねらいがあるようです。保育学生や新卒保育士が園で働く際にも、パソコンを使用することも考えられるため、保育士の仕事をするうえでパソコンは必要といえそうです。
保育士の仕事におけるパソコンの必要性がわかったところで、まずはパソコンを活用することで得られるメリットについて見てきましょう。
保育士がパソコンを活用することで得られるメリット
保育士の仕事において、パソコンを活用することでどのようなメリットがあるのでしょうか。
保育士がパソコンを活用することで、
- 作業時間の短縮、作成に手間がかからない
- 確認漏れやミスを軽減できる
- 情報共有がしやすくなる
などのメリットがあるようです。
では、保育士がパソコンを活用した場合のメリットについてくわしく見ていきましょう。
作業時間の短縮・書類作成の手間が省ける
パソコンを使用することで、書類作成などの作業時間を短縮でき、書類の作成に手間がかからないなどのメリットが挙げられるでしょう。
具体的に紹介します。
ミスや確認漏れの対応に時間や手間がかからない
パソコンを活用すれば、ミス等が発生した場合でも時間や手間をかけずに作業することができるでしょう。
おたよりやあらゆる書類を手書きで行った場合、文章の作成やイラストの挿入などに時間がかかるだけでなく、一箇所でも間違えてしまうと、一から書き直したり、間違えた部分を修正したりと作成に時間がかかっていしまいますよね。
しかし、パソコンで書類を作成した場合は、画面上で簡単に編集・修正ができます。そのため、はじめから書き直す手間もなく、違っている部分だけを修正できるので、作業時間を短時間でできるというメリットがあるといえるでしょう。
一から書き直す必要がない
保育士の事務作業を行う中で、週案と日案のように内容が重複する書類の作成があるかもしれません。書類の内容が重複していても、手書きの場合はもう一度同じ内容をかくことになるため時間がかかりますよね。
一方パソコンを活用すれば、同じ内容を別の書類に記載する場合でも一から書くのではなく、元の書類から該当部分をコピーし、別の書類に貼り付けて内容が異なる部分だけを編集・修正することが可能になります。そのため、時間をかけずに作業することができそうです。
書類の作成が簡単にできる
手書きで書類を作成した場合、字の大きさが書いている途中で変わってしまったり、全体のレイアウトが上手くできなかったりということもあるでしょう。また、手作業で作成した書類は、字やレイアウトのバランスが人によって異なるため、園の職員や保護者が見たときに分かりにくいと感じることもあるかもしれません。
パソコンで書類を作成することで、文体が整って見えるため全体的に見やすくなるでしょう。また、文字の幅や大きさもすぐに変更でき、全体のバランスを見ながらレイアウトを決めることもできるので確認しやすい書類が作れるかもしれません。
ただし、連絡帳といった保護者とコミュニケーションがとれるものについては、パソコンではなく手書きで行う園も多いようです。手書きは、保育士それぞれの個性を伝えられるだけでなく、パソコンでは伝えきれない温かみがあるという意見もあるため、手書きとパソコンを並行しながら活用するといいかもしれませんね。
確認漏れやミスが少なくなる
保育士の仕事においてパソコンを活用できれば、目視での確認漏れや計算ミスが少なくなるかもしれません。
たとえば、園児の身長、体重等を記録する成長記録表や園児の登降園時間、保育料など数字を扱うことも多い保育士の仕事では、電卓で計算したり目視で確認したりすると、時間と手間がかかるだけでなく、確認漏れや計算ミスなどが発生しやすくなるかもしれません。
一方、パソコンの場合は、計算式などを利用すると自動的に数字を算出できるため、計算ミスの軽減につながるでしょう。また、手作業のときよりも正確性があるため、ミス等を減らすことができるという面でもパソコンを活用するメリットといえそうですね。
情報の共有がスムーズになる
パソコンを使用することで、情報の共有がしやすくなるというメリットもあるでしょう。
紙で情報共有を行った場合、書類のある場所が分っていれば誰でもすぐに確認することができ、ファイリングされていれば複数の紙が散乱することもないでしょう。
しかし、紙の書類は汚れてしまったり、紛失してしまうことが考えられます。さらに、紙の書類は保管場所を確保する必要がありますし、職員の間で書類がある場所を共有しておかないと、探すときに時間がかかってしまうかもしれません。
一方、パソコンで情報共有を行えば、職員間での情報共有もスムーズになるでしょう。また、必要なときに情報を取り出しやすくなるため、情報を探す手間が省けるかもしれません。
このように、保育士がパソコンを活用することで、書類を作成する作業時間の短縮、確認漏れやミスの軽減、情報の共有がスムーズになるなどのメリットがあるようです。
これらのメリットを踏まえて、保育士が持っておくと仕事に役立てることができるパソコンスキルについて見ていきましょう。
保育士の仕事に役立つパソコンスキル
ここでは、保育士の仕事に役立つパソコンスキルについてくわしく紹介します。
文章作成スキル
はじめに説明しましたが、保育士の業務には保育日誌やおたよりの作成といった事務作業がありますよね。手書きで作成する場合は紙に直接字やイラストをかくことになりますが、パソコンの場合は、文章作成ツールなどを利用すれば画面上で文字の入力や文章作成を簡単に行うことができます。
そのため、文字をかいたり、編集したりすることの多い保育士の仕事には、文章作成スキルを持っておくとよさそうです。
文章をかくときはキーボードを使うことになりますが、このキーボードでの文字入力に慣れると手書きで書類を作成するよりも早く文字を入力でき、文字の変換や削除などの編集も簡単に行えるでしょう。タイピングに慣れない方は、はじめは戸惑うかもしれませんが、慌てずに誤字脱字がないよう自分のペースでかいていくといいかもしれません。
キーボードを使っての入力をスムーズに行う方法として、無料でキーボード入力の練習ができるサイトもあるので、手が空いたときや休みのときに入力する練習をすると、文章作成スキルをより高めていくことができそうですね。
文章作成スキルがあることで手書きよりも早く文章を打つことができ、文章作成ツールを上手く使うことで、書類の作成時間が短縮できたり、見やすい書類ができるようになるかもしれません。
表やグラフの作成スキル
保育士が仕事を行う中で、さまざまな書類を作成することになるでしょう。パソコンで表やグラフの作成スキルがあれば、表やグラフを使いながら書類作成の作業をスムーズに進めることができるかもしれません。
たとえば、紙で職員の勤務表を作成する場合、定規などを使用しながら手作業で表を作り、その表に名前や日付をかいていきます。人数が多いと表を作るだけでも時間がかかりますし、誤字脱字で修正が多くなってしまうと見づらい勤務表になってしまうかもしれません。
しかしパソコンでは、表計算ソフトを使用することで時間をかけずに表を作ることができます。表を増やしたり、減らしたりするのも簡単ですし、名前や日付を間違えてもすぐに修正ができるため、見た目も綺麗な勤務表が作れるでしょう。
また、パソコンはきちんとデータを入力してあれば、手書きよりも簡単に円グラフや棒グラフを作成できるだけでなく、データを確認しやすくなりそうですね。グラフがあれば、業務の振り返りをするときなど視覚的に分かりやすくなるかもしれません。
このように、文章作成スキル、表やグラフの作成スキルなどのパソコンスキルを覚えることで、保育士の仕事に役立てることができるでしょう。
ほかにも、パソコンでは写真の加工や動画の作成も行えるため、用途に応じてツールを利用しながら活用してみてもいいかもしれませんね。
保育士の仕事におけるパソコンの必要性やメリットを知って日々の業務に役立てよう
今回は、保育士の仕事においてのパソコンの必要性やメリット、また日々の業務で役立てられるパソコンスキルを紹介しました。
パソコンを活用することで、作業時間の短縮ができるだけでなく確認漏れや計算ミスも少なくなるでしょう。また、職員同士での情報共有もしやすくなり、保育活動が円滑に進められるようになるかもしれません。
あわせて、パソコンを活用する場合は、文字の入力、編集などの文章作成スキル、表やグラフの作成スキルを持っておくと、日々の仕事をよりスムーズに進められそうですね。
保育学生や新卒保育士は、就職先の保育園や幼稚園でパソコンを導入していることも考えられるため、パソコンの必要性やメリット、業務に活用できるパソコンスキルを知り、日々の仕事に役立てられるといいですね。