園見学後のお礼状の書き方。宛先ごとの例文や送る時期について

保育学生さんは保育園や幼稚園の園見学後に、お礼状を書く機会もあるのではないでしょうか。しかし、お礼状の書き方がわからなかったり、いつまでに送ればいいか悩んだりすることも多いですよね。今回は、園見学後に送るお礼状の書き方について、例文や送る時期についても説明しているので参考にしてみてくださいね。

園見学後のお礼状の書き方。宛先ごとの例文や送る時期について

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園見学後はなぜお礼状を書くの?

保育園や幼稚園に園見学に行った際、園や運営している法人にお礼状を出しますよね。

保育学生さんの中には、「お礼状ってどうして書くの?」「お礼状の書き方が分からない」という方も多いのではないでしょうか。

まず、お礼状を書く理由には、忙しい中で園見学に対応していただいたことへの感謝を伝えるという意味があります。

出さないという方もいるかもしれませんが、お礼状は感謝の気持ちだけでなく、園見学で学んだことや印象に残っていることに加え、自分が入園したいという気持ちを伝えることもできるため、就職活動に役立てることもできるでしょう。

このようなことを踏まえて今回は、お礼状を書く前に確認しておくポイントやお礼状の書き方の例文などくわしく紹介します。

園見学後のお礼状を書く前に確認しておくべきポイント

保育園や幼稚園での園見学の後にお礼状を書く際、意識すべきポイントがいくつかあります。

お礼状を書く前に確認しておくべきポイントについてくわしく説明します。

お礼状の形式

園見学後に送るお礼状はある程度形式が決まっています。そのため、形式をきちんと理解してからお礼状を書くといいでしょう。

はがき、メールなど

お礼状を書く際、便箋やはがきに手書きで書いたり、メールなどで送ったりする方法があります。

園長先生や人事担当者からメールアドレスを教えてもらった場合は、メールで園見学のお礼を伝えるとともに、別にきちんと手書きのお礼状を送ったほうがいいでしょう。特に、学校から紹介されて園見学へ行ったときなどは、手書きで送ることが望ましいようです。

そして、手書きでお礼状を送る場合であってもお礼を伝えたり、入園したいという思いを伝えたりするため、はがきよりも便箋のほうが適しているといえるでしょう。

便箋は無地のものがフォーマルのようですが、罫線が入っているものを使用しても失礼にはあたらないようです。

縦書き、横書き

お礼状を書くとき縦書きで書くか、横書きで書くかで迷う方もいるかもしれません。

一般的に手紙では、親しい人であれば横書きでも問題ないとされていますが、園長先生や人事担当の方宛てに送るようなお礼状は、縦書きで書くのが望ましいといわれています。
そのため、お礼状を書くときは縦書きで書きましょう。

ペンの種類

お礼状を書くときのペンにも形式があります。

ペンにもさまざま種類がありますが、サインペンや鉛筆は目上の方に送ることになるお礼状にはあまり適していないようです。ボールペンは書きやすいですが、お礼状を書くときに使用すると失礼にあたるという意見もあるため、避けたほうがいいかもしれません。

お礼状を書くときは、なめらかな字体でも書けるため万年筆を使う方が多いようです。万年筆や他のペンを使用する場合でも、お礼状では黒インクを使用しましょう。

お礼状に入れるといい内容

お礼状を書いた経験がないと何を書いていいか分からなくて困りますよね。

次に、お礼状に入れるといい内容について紹介します。

忙しい中で対応してくれた園への感謝

お礼状に入れるといい内容として園への感謝が挙げられます。

保育園や幼稚園での園見学は、園側が保育学生さんを受け入れるためにさまざまな準備を行ってくれています。そして、園見学中は先輩保育士さんが保育学生さんを指導し、時にはアドバイスをくれることもあるでしょう。

そのため、お礼状の中では忙しい中で園見学に対応してくれたことに対する感謝やお礼の言葉を伝えることが大切になります。

園で印象に残ったところや気に入ったところ

お礼状に入れるといい内容としては、園で印象に残ったところや気に入ったところを入れるのもいいでしょう。

お礼状の書き出しの部分や締め部分は、どうしても定型的な文章になってしまいがちです。しかし、園見学で印象に残ったところや気に入ったところは個人の感想ですので、自分の思いを素直に園や法人の担当者に伝えることができるため、アピールポイントにもなりそうですね。

また、印象に残ったところや気に入ったところなどを書くことで、後半で伝える園で働きたいという思いに具体性を出すことにつながるでしょう。

園で働きたいという熱意

お礼状に入れるといい内容では、園で働きたいという熱意が挙げられます。

お礼状は、園見学でお世話になったことへの感謝を園に伝えるものでもありますが、入園して働きたいという気持ちを伝えてもいいでしょう。

かといって、園で働きたいという熱意を全面に押し出してしまうと、お礼状とは違ったものになってしまいますので、文章のバランスを意識することが大切です。お礼状では結びの前に、簡潔に入園したいという旨を伝えるといいかもしれません。

お礼状を送る時期

お礼状をいつまでに送ればいいのか、迷う保育学生さんは多いのではないでしょうか。

お礼状をいつまでに送るかは明確に決まっていませんが、目安として園見学が終わってから1週間以内に郵送で送るのが一般的のようです。

送るのが遅くなってしまったり、忘れてしまったりすると出しにくいと感じるかもしれませんが、お礼の気持ちを伝えるためにもお礼状を出すという心がけが大切になるでしょう。その際、遅れてしまったことへのお詫びの言葉を冒頭に添えるとより丁寧な印象を与えることができそうです。

そして、お礼状は絶対に書かかなければいけないと決められているものではないので、出さないことで問題が発生することはないかもしれません。しかし、自分のために時間を割いてくれた園に対してお礼をするのは社会人のマナーでもあります。

また、お礼状は園見学に行ったところに入園したい場合、就職への熱意を伝えることで担当者に自分の気持ちをアピールすることにつながるかもしれません。

このように、お礼状は便箋で縦書きといった形式がありますし、入れる内容を意識することで書きやすくなりそうですね。そしてお礼状を書き終えたら、遅くならないように出すといいでしょう。

園見学後のお礼状の書き方

園見学後に出すお礼状は、基本的に目上の方に手紙を出すときと同じような書き方になります。そうはいっても、近年は手紙を書く機会も少なくなってきているため、どのように書けばいいのか分からない保育学生さんも多いでしょう。

ここでは、園見学後に出すお礼状の書き方についてくわしく説明します。

お礼状の書き出しの言葉

お礼状の書き出しでは最初に「頭語」や「時候の挨拶」を入れ、その後で感謝の言葉を伝えることになります。
手紙の書き出し方について見ていきましょう。

冒頭に頭語や時候の挨拶を入れる

まず頭語とは、手紙を書く際に形式的に用いられている言葉です。「こんにちは」などの挨拶と同じものだと考えるといいでしょう。

頭語には拝啓や前略、謹白などがさまざまな種類があります。
親しい人に手紙を出す場合や一般的な手紙であれば、拝啓や啓上でもいいかもしれませんが、園長先生や人事担当の方に出すお礼状はより丁寧な意味がある「謹啓」を使用するといいでしょう。

また、頭語には対となる結語というものがあり、こちらは「さようなら」になどの意味合いになります。結語は文章の最後に書くものですが、組み合わせがきちんと決まっており、頭語で「謹啓」を使用するときは、結語は「謹言」を使用するのが一般的のようです。

頭語を書いた後に続くのが、時候の挨拶です。「寒さが身にしみる昨今ですが~」「長雨が降り続いている毎日ですが~」のように、時候の挨拶では季節や天候を表す一文を書きます。

相手の安否をたずねる、繁栄を祝福する

頭語や時候の挨拶を書いた後に続くのが、相手の安否や園の繁栄を祝福する一文です。

たとえば、「貴園におかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます」「皆様、いかがお過ごしでしょうか」のような一文が挙げられます。お礼状で園のことを書くときは貴園と書きましょう。

そのほか、園長先生宛てにお礼状を送る場合でも、皆様という言葉を使用しても問題ないようです。内容によっては苗字の後に先生や様をつけて書いてもいいかもしれません。

感謝を伝える

相手の安否や園の反映を祝福する一文を伝えてから、園見学での感謝の気持ちを伝えます。

「先日の園見学では、園長先生をはじめ多くの先生方に大変お世話になりました。」「先日はお忙しい中、貴重なお時間を割いて頂きまして、誠にありがとうございました。」のように、自分を受け入れてくれたことへの感謝を言葉にします。

長くなってしまわないように、一文で簡潔に伝えるようにしましょう。

お礼状の内容

園見学後のお礼状の書き方で悩みやすいのがお礼状の内容です。

お礼状を書くときのポイントのところでも説明しましたが、お礼状では園見学を通して自分が気に入ったところや魅力な感じたところ、園で働きたいという思いについて書きます。

  • 園見学を行う前は不安や緊張を感じていましたが、先生方が優しく指導して頂いたこともあり、保育士としてより具体的に働くイメージが掴めました。
  • 園見学で製作を見学させて頂いた際、先生方がクラスの子どもたち全員の様子を確認し、丁寧に対応している姿に、改めて子どもと向き合うことの難しさを学ばせてもらいました。
  • 子どもたち一人ひとりに対して真摯に向き合い、笑顔で指導する皆様方の姿にこの園で働きたいという思いがより一層強くなりました。

などのように書くといいかもしれません。

園見学後のお礼状で就職に関してあまり明記したくない場合は、「保育士として仕事に就きたいという思いが一層強くなりました」「この園見学での経験を活かし、より一層精進して参ります」のように書くとよさそうです。

気に入ったところや魅力に感じたところが多かった場合や、園で働きたいという思いが強いとたくさんと書きたくなるかもしれませんが、文章が長くなりすぎないように注意しましょう。

お礼状での結び言葉

お礼状では最後に結びの言葉を言ってお礼状を締めることになります。

お礼状に使う結びの言葉としては、「未筆ながら、貴園のますますのご健勝をお祈り申し上げます」「暑い日が続きますが、皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます」といった、園の今後の発展や園の職員の健康を願って締めるといいでしょう。

また、「取り急ぎ書中をもって、心より御礼申し上げます」のように、再度園見学のお礼を伝えて締めてもいいかもしれまん。

宛名を書くときの注意点

お礼状の書き方も重要ですが、封筒に宛名を書くときの注意点を理解することで、より完璧な形でお礼状を出すことができるでしょう。

封筒に宛名を書くときの注意点についてくわしく紹介します。

お礼状を出す相手を明確にする

園見学後のお礼状は、お世話になった担当者の方に出す、ということもあるかもしれませんが、園の代表となる園長先生や法人の場合は人事担当の方に出すのが一般的のようです。そのため、封筒に書く宛名は園長先生の名前や法人では人事担当の方の名前になります。

また、宛名を書くときは、郵便番号の枠の下辺りに園、もしくは法人本部の住所、その右隣に施設名や法人名を書きます。そして、更に右側に少し大きい字でお礼状を出す相手の名前を書くとバランスよく見えそうですね。

施設名や法人名を書くときは決して略さず、正式名称を書くようにしましょう。

間違った敬称を使用しないように気を付ける

宛名で園長先生の名前を書くときなど、名前の後に「様」をつけることが多いでしょう。また、園長先生宛ての場合は「〇〇先生」と書く方もいるかもしれませんが、先生も敬称の一つですのでお礼状の宛名に書いても問題ないようです。

ただし、先生様としてしまうと二重敬語になってしまうため注意が必要です。
同じく個人のときに宛名に使用する敬称として「殿」がありますが、殿は格下や同格の相手に使うものという意見もあるため、避けたほうがいいかもしれません。

法人本部に送るときや相手の名前が分からないときなど、「社会福祉法人〇〇 人事部長殿」のような場合は殿を使用しても失礼にはあたらないようです。

このように、お礼状は冒頭の書き出しで頭語や時候の挨拶を使用し、相手の安否をたずねたり、繁栄を祝福したりする一文が続きます。その後、園見学でお世話になったことへの感謝や園で気づいたこと、園で働きたい思いなどを書くといいでしょう。

最後に園や運営する法人の発展を祈ったり、ご多幸を祈ったりという言葉で締めることで綺麗にまとまりそうですね。

園見学後に送るお礼状の例文

園見学後にお礼状を送る例文を紹介します。

園長先生宛てのお礼状と、法人宛てのお礼状とありますので、書くときの参考にしてみてくださいね。

園長先生宛てのお礼状の例文

謹啓

 葉桜が目に鮮やかに映る季節になりましたが、皆様方はいかがお過ごしでしょうか。
 先日の園見学では、ご多用の中5日間にわたりご指導頂きまして、誠にありがとうございました。園見学では4歳児クラスを担当させて頂きましたが、実際に子どもたちに向き合うことで、貴園の「明るく、優しく、たくましく」という保育方針を肌で感じることができました。さらに、実際に働く先生方から園のことを詳しく伺えたことで、より深く園のことを理解することができたと感じております。

 短い日数ではありましたが、この園見学での経験を生かして保育者という仕事に就けるように、より一層学業に励んでまいります。

 未筆ではございますが、皆様のますますのご健康とご多幸をお祈り申し上げます。

敬具

令和○年○月○日

○○学校 ○○学部 ○○(自分の氏名)

○○園 園長 ○○様(宛名に書く方の名前)

法人宛てのお礼状の例文

謹啓

 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

 先日の園見学では、お忙しいところ貴重なお時間を割いて頂き、誠にありがとうございました。短い期間ではございましたが、園長先生をはじめとする先生方の丁寧なご指導と子ども達との触れ合いを通して、学校の授業だけでは知ることができなかった「子どもの成長」を直に感じることができました。また、定員が10名という少人数制の保育園のため、園長先生や先生方が実践する子どもたち一人ひとりへのきめ細やかな保育に大変魅力を感じ、貴園の一員として働かせていただけたらと願っております。

 末筆ではございますが、貴園のますますのご健勝をお祈り申し上げます。

敬具

令和○年○月○日

○○学校 ○○学部 ○○(自分の氏名)

○○法人 ○○部署 ○○様(宛名に書く方の名前)

このように、園見学後にお礼状では頭語を必ず最初に入れ、季節の挨拶や相手を気遣う言葉を書いてから、園に対するお礼や感謝の言葉を伝えます。季節の挨拶が思いつかないときは、「時下」というすべての季節で活用できる時候の挨拶を活用してもいいかもしれません。

さらに、自分らしい言葉で園の印象に残っているところや魅力を感じたところ、入園したいという思いを伝えて、結びの一言で締めることで、気持ちが伝わるお礼状になりそうですね。

園見学後のお礼状には感謝や入園したい気持ちを書いて、適切な時期に送ろう

今回は、園見学後に送るお礼状について、書く前に確認することや封筒に書く宛名の書き方、例文を交えて書く内容を紹介しました。

お礼状は頭語や時候の挨拶を使用するため、書き慣れないと時間がかかることがあるでしょう。そのため、お礼状を出さない方もいるかもしれませんが、お礼状を送ることで働きたいという熱意を伝えることができるため、人事担当者の印象に残ることもあるようです。

何より自分のために時間を割いてくれた園にお礼を伝えるのは、社会人としてマナーといえるでしょう。また、お礼状はなるべく保育園や幼稚園の園見学後から一週間以内を目安に、手書きで書いて送るといいかもしれませんね。

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