私立保育園と公立保育園の違いが気になっている保育学生さんもいるのではないでしょうか。働き方を考える上で、給料・待遇・福利厚生などの労働条件、仕事内容についても知っておきたいですよね。今回は、私立保育園と公立保育園では、就職する場合にどのように違うのかについて紹介します。
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私立保育園と公立保育園の違いとは?
私立保育園と公立保育園の大きな違いは、運営主体が市区町村などの自治体か民間の企業などかということのようです。公立保育園に勤務する場合は、地方公務員として働くことになります。一方、私立保育園の場合、民間企業や社会福祉法人、医療法人、お寺や教会といった宗教法人など、運営主体はさまざまです。
そのため私立保育園と公立保育園では、保育士さんの働き方などにも違いがあるそうです。なお、子どもたちの保育料は年齢や年収、住んでいる地域による違いはありますが、認可保育園の場合は自治体ごとに基準が決められているということを覚えておきましょう。
次に、私立保育園と公立保育園の働き方の違いについて、詳しく紹介します。
私立保育園に就職する場合
私立保育園に就職する場合、採用試験や労働条件はどのようになっているのでしょう。3つの視点でまとめてみました。
就職の仕方
私立保育園の場合、運営主体や園によって採用試験の時期や試験内容が異なります。就職を希望する保育園の情報をできるだけ早く収集し、余裕をもってエントリーするようにしましょう。また、試験内容については過去の問題を分析するなどの準備をしっかりしておくとよいようです。
採用の年齢制限がない私立保育園は、保育士経験の豊富な方も受験をするため、面接で志望動機などをはっきり伝えられるようにしておきましょう。
労働条件
私立保育園の給料や待遇は、運営主体の方針や経営状態によって違いがあるようです。給料や賞与などは、その年の企業の状態によって変わることもあるかもしれません。
勤務時間は保育園によって違いがあります。朝7時から夜7時過ぎまで子どもを預かる園や、土曜日に半日預かる園、休日にイベントのある園など、さまざまな違いがあるようなので、園見学などで情報収集をしておきましょう。
また、有給や産育休、年金といった福利厚生を含める待遇面でも、運営主体によって違いがあるので、エントリー前に確認しておくとよさそうです。
仕事内容
自分の特技やアイデアを活かしたいと考える保育学生さんにとって、私立保育園は働きやすい職場かもしれません。園の保育方針をふまえて自分の意見を提示するなど、積極的に保育に参加することもできそうです。例えば音楽の得意な保育学生さんの場合、鼓笛隊の指導などが仕事内容にあると、はりきって働けるのではないでしょうか。
公立保育園に就職する場合
公立保育園に就職する場合、採用試験や労働条件は私立保育園とどのように違うのか見ていきましょう。
就職の仕方
公立保育園の採用試験の時期は運営する自治体が決めますが、保育士養成校卒業年度の9月が一般的のようです。試験は公務員試験となり、試験内容には筆記試験と実技試験があります。筆記試験は難易度が高いようなので、受験する自治体の過去問などで対策をしておきましょう。
公立保育園を受験する場合、市町村で決めた年齢制限があるようなので、事前に確認しておくとよいかもしれません。
労働条件
公立保育園に勤務する場合、公務員なので給料が安定しているというよさがあります。地方公務員法により、給料表や昇給の基準などが明確になっているため、特別な事情のない限り給料は年々上がっていくようです。
また、勤務時間も自治体で決められているので、超過勤務などはほとんどないそうです。待遇面を見ると、出産育児、病気やケガなどの場合、共済制度により福利厚生がきちんと実施されています。そのためか、公立保育園には長く勤める保育士さんも多いようです。
仕事内容
公立保育園の仕事内容は私立保育園と違い、自治体内で統一されています。保育方針や行事なども市区町村で決定することが多く、園独自の仕事は少ないようです。そのため子どもたちへの対応に集中できるというよさがあるかもしれません。
私立保育園と違い、公立保育園には転勤があります。同じ自治体内での転勤なので、転勤先で仕事内容が大きく変わるということはないようです。
私立保育園か公立保育園かを選択するときのポイント
卒業後の勤務先として私立保育園がよいか公立保育園がよいか迷うときは、どのように選択をするとよいのでしょう。選択するときのポイントを紹介します。
自分にあう働き方を考える
私立保育園か公立保育園かを選択する場合、どちらがより保育学生さん自身にあう働き方ができるかを考えるとよいでしょう。例えば、同じ保育園で毎年卒園していく子どもたちを見送りたいと考える場合や、自分の特技やアイデアを活かして働きたいと考える場合は、私立保育園が働きやすいかもしれません。
また、いろいろな地域の子どもたちとふれあいたいと考える場合や、長く安定した生活をしたいと考える場合は、公立保育園がよいでしょう。
どちらかを選択する場合でも、しっかり自己分析をして考えることが大切です。
気になる園の見学をする
卒業後に働く保育園を決める際は、事前に気になる園の見学をしておきましょう。特に私立保育園は園によって保育の仕方に違いがあるので、情報収集と同時に子どもたちや保育士さんたちの様子を実際に見ておくとよさそうです。
公立保育園の場合は赴任先がわからないので、受けたい自治体の園のひとつを見て、選択をするときの参考にしましょう。
私立保育園と公立保育園の違いを理解して就職先を選ぼう
今回は私立保育園と公立保育園の違いについて紹介しました。
私立保育園も公立保育園も、子どもの保育料の基準は地域で決められていますが、仕事内容や働き方にはさまざまな違いがあるようです。特に私立保育園の場合は、運営主体によって給料や福利厚生といった待遇面で大きく異なることがあるかもしれません。
一方公立保育園の場合は地方公務員として働くことになり、転勤することもあります。保育園に就職を希望するときには、私立と公立の違いなども考えて、就職先を選びましょう。