保育でできるひな祭り製作のアイデアを知りたい保育学生さんもいるのではないでしょうか。紙コップや紙皿、コーヒーフィルターなどを使ったひな人形の作り方を知って、実習や入職に役立てられるとよいですね。今回は、ひな祭り製作のアイデアを乳児クラスと幼児クラスに分けて紹介します。あわせて作るときのポイントをまとめました。
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■目次
保育園で行うひな祭り製作のねらい
そもそもひな祭りとは、「女の子の健やかな成長を願う日」として3月3日に行なわれている伝統的な行事の一つです。以前は「人形を流す流し雛」をしていたようですが、時代の変化により「人形を飾る」という文化になり、現在は家でひな人形を飾ったお祝いのしかたが定着しているでしょう。
保育園ではひな祭りが近づくと、お雛様をテーマにした製作を行なうことが多いのではないでしょうか。活動のねらいをして、以下が挙げられます。
- 製作を通してひな祭りが何かを知る
- ひな祭りに親しみを持つ
保育園で楽しみながらひな祭り製作をするために、事前の準備をきちんと確認して年齢に合った題材を選べるとよいですね。
今回は、保育園でできるひな祭り製作のアイデアを乳児クラス向けと幼児クラス向けに分けて紹介します。
ひな祭り製作アイデア:乳児クラス向け
まずは、0歳児、1歳児、2歳児向けのひな祭り製作アイデアから紹介します。
指スタンプの装飾がかわいい紙コップひな人形
指スタンプでかわいい着物のひな人形を作りましょう。
用意するもの
- 紙コップ 2個
- 画用紙
- 絵の具
- のり
- はさみ
作り方
1.紙コップの一つにピンク、もう一つに青色の指スタンプを押します。
2.あらかじめ作っておいた顔、笏、扇をのりで紙コップに貼り付けたらできあがりです。
製作のポイント
紙コップは丸いので、指スタンプしにくいかもしれません。その場合は、横にすると押しやすくなるので、保育学生さんがフォローするようにしましょう。
絵の具の色は、赤や水色なども用意しておくと好きな色を選べるかもしれません。0歳児の場合は、絵の具のついた指を口元にもっていかないようそばで見守りながら、製作できるとよいですね。
手形で作るひな人形
手形スタンプでおひな様とお内裏様の着物を作ってみましょう。
用意するもの
- 画用紙(白、ピンク、黄色、赤など)
- 絵の具
- のり
- はさみ
作り方
1.白い画用紙にピンクと青の手形を押して、はさみで切ります。
2.画用紙の台紙にあらかじめ作っておいた顔や笏、扇と(1)を貼り付ければできあがりです。
作るときのポイント
スタンプするときに手が動いてきれいにできない場合もあるので、保育学生さんが手を押さえて動かないようにするとよいでしょう。1歳児の子どもたちのなかには、何度も押したい子も出てくるかもしれません。その場合に備えて材料は多めに用意しておきましょう。
紙皿で作るひな人形
紙皿を着ものに見立てたひな人形を作ってみましょう。
用意するもの
- 紙皿 2枚
- 画用紙
- クレヨン
- 絵の具
- のり
- はさみ
作り方
1.紙皿に絵の具を塗ります(青とピンク1枚ずつ)
2.紙皿を半分に折ります。
3.あらかじめ作っておいた顔と紙皿をのりで貼り付けます。
4.(4)を画用紙の台紙に貼り付ければできあがりです。
作るときのポイント
絵の具の筆は子どもにとって持ちにくいかもしれないので、保育学生さんがいっしょに持って塗るとよいでしょう。のりを塗る工程では「ここでいいかな」と子どもといっしょに位置を確認して貼るとよいかもしれません。
2歳児の子なら筆を持って自分で色を塗れるかもしれないので、塗れない子がいた場合のみ、いっしょに筆を持つなどの対応をするとよいかもしれません。
ひな祭り製作アイデア:幼児クラス向け
次に、3歳児、4歳児、5歳児向けのひな祭り製作のアイデアを紹介します。
折り紙で作るひな人形
折り紙を折ってひな人形を作ってみましょう。
用意するもの
- 折り紙(赤、青)
- ペン
作るときのポイント
大きめの用紙を使って折り方を教えると子どもたちはわかりやすいかもしれません。折り紙ができたときにすぐに貼れるよう、台紙を用意しておきましょう。笏や扇などの小物などを用意するとよりひな人形らしくなりそうです。
3歳児の場合、折るのに苦戦する子どももいるかもしれません。あらかじめ折る線に印をかいたり、説明後にわからない子の対応をしたりとみんなで楽しめるように援助していきましょう。
フラワーペーパーのひな人形
フラワーペーパーでおひな様とお内裏様の着物を作ってみましょう。
用意するもの
- フラワーペーパー(赤、白、ピンク、青、水色、白)
- 画用紙
- 折り紙
- のり
- はさみ
- ゴム
作り方
1.おひな様は赤、白、ピンク、お内裏様は青、白、水色と、3色ずつフラワーペーパーを配ります。
2.(1)をそれぞれジャバラ折りにして、ゴムやホッチキスでとめます。
3.(2)をお花になるように広げます。
4.画用紙で作っておいた顔に目や口などをかきます。
5.(4)を(3)にのりで貼り付けます。
6.台紙の画用紙に(5)を貼り付ければできあがりです。
作るときのポイント
フラワーペーパーは薄くて破れやすいので、保育学生さんは「ゆっくり広げるといいよ」などと言葉がけをするとよいかもしれません。着物の色は他の色を使ったり、子どもに何色がよいか聞いて用意したりしてもよいでしょう。
牛乳パックのひな人形
牛乳パックでおひな様とお内裏様をつなげる、つるし雛を作ってみましょう。
用意するもの
- 牛乳パック
- トイレットペーパーの芯 2本
- クレヨン
- 折り紙
- 千代紙
- のり
- はさみ
作り方
1.トイレットペーパーの芯の3分の1ぐらいのところに肌色の折り紙を貼り付けます。(人形の顔になる部分)
2.(1)の下から、千代紙を巻きつけます。
3.顔に目や口、かみの毛をクレヨンでかきます。
4.牛乳パックを(3)が出る高さに切って、内側の白い面が外側にくるようにテープでとめます。
5.(4)に黄緑やピンクでひしもちのように線をかきます。
6.台紙に(5)を貼り付けて、そのなかに(3)のおひな様とお内裏様を入れればできあがりです。
作るときのポイント
あらかじめ牛乳パックを切っておくと製作がスムーズに進みそうです。トイレットペーパーの芯に折り紙や千代紙を貼る際は、はじめにのりを塗っておき、紙の上に転がすようにするときれいに巻きつけることができるでしょう。
3歳児の場合は、トイレットペーパーの芯に折り紙を巻くのが難しいかもしれないので、状況に応じて保育学生さんが貼り付けてもよいでしょう。
にじみ絵の着物をきたひな人形
コーヒーフィルターでにじみ絵をして、きれいな着物を作ってみましょう。
用意するもの
- コーヒーフィルター
- 水性ペン
- クレヨン
- 画用紙
- 折り紙
- 霧吹き
作り方
1.コーヒーフィルターに水性ペンで色を塗ったり模様をかいたりします。
2.コーヒーフィルターに霧吹きをかけていきます。
3.(2)を乾燥させます。
4.コーヒーフィルターの上の部分を着物の真ん中に向かって左右から折り込んで着物のようにして、テープで貼りつけます。
5.おひな様とお内裏様の顔をペンやクレヨンでかきます。
6.(4)に(5)を貼り付けます。
7.(6)を台紙に貼り、小物や冠もつければできあがりです。
作るときのポイント
おひなさまは赤やピンク、黄色にしお内裏様は青や緑、紫色を用意しそれぞれをイメージできるような色を選ぶようにするとよいでしょう。小物などは、あらかじめ保育学生さんが作っておくとよいかもしれません。
紙皿を使ったひな人形
紙皿の真ん中でゆれるのがかわいいひな人形を作ってみましょう。
用意するもの
- 紙皿
- 折り紙
- 画用紙
- 紐
- カッター
- はさみ
- のり
- パンチ
作るときのポイント
上座の真ん中を切るのは3歳児の子どもたちにとって難しいかもしれないので、あらかじめ保育学生さんが行なっておきましょう。4歳児や5歳児の子どもが切る場合は、線を鉛筆で書いておくと製作がスムーズに進むかもしれません。
ひな祭り製作をするときのポイント
最後に、ひな祭り製作をするときのポイントをまとめました。
ひな祭りを感じられるような装飾を意識する
赤やピンク色、金色を使い、桃の花や菱餅をイメージさせ、よりひな祭りらしさを感じられるようにするとよいでしょう。ぼんぼりなどをあらかじめ作っておいたり、「ひな人形の他に何があるかな?」など言葉をかけて子どもたちから出てきたものを装飾したりして、工夫してみてもよいですね。
年齢に合わせた題材にする
年齢によってできることが異なるので、受け持つ年齢に合わせた題材にすることが大切です。乳児クラスであればのりや絵の具、紙皿など比較的使いやすい素材を使いましょう。
一方幼児クラスの場合、はさみやクレヨン、トイレットペーパーや牛乳パックなど材料の幅を広くしてみると楽しめるかもしれません。
また、子どもが行う工程を調整すれば、同じ題材にも挑戦できそうです。その場合は、保育学生さんの援助も変わってくるので取り入れる前にきちんと子どもと自身の役割を決めておきましょう。
ひな祭り製作のアイデアを知って、入職や実習に役立てよう
今回は、保育園でできるひな祭りの製作アイデアを紹介しました。
紙皿やトイレットペーパー、コーヒーフィルターなど、さまざまな素材で作ることができます。0歳児、1歳児、2歳児クラスの場合は、手形スタンプや指スタンプをしたり、3歳児、4歳児、5歳児の場合は折り紙やにじみ絵をしたりさまざまなひな人形を作ることができるでしょう。
担当する年齢によって題材が異なってくるので、子どもたちに合わせた製作ができるとよいですね。