入職してから作成する6月のおたよりにどんな内容を書くのか知りたい保育学生さんもいるでしょう。梅雨の訪れにかかわる時候の挨拶や、季節の移り変わりのなかで遊ぶ子どもたちの姿にふれた文章を入れると、その時期ならではの情景が浮かびそうです。今回は、6月のおたよりの書き出しや子どもの様子の文例などを紹介します。
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■目次
6月のおたよりにはどんなことを書くとよい?
6月には、他の月にはない特色として「梅雨」があります。書き出しや本文に梅雨や季節の変わり目に関する話題を組み込むと、より6月らしさが伝わるかもしれません。
おたよりを書くときは、基本的に以下のような構成に沿ってそれぞれの内容をまとめましょう。
- 季節の挨拶(書き出しの部分)
- 子どもたちの様子
- 保育園の行事に関するお知らせ
- 6月に誕生日を迎える子どもの紹介
- 園またはクラス担任からのお知らせ
梅雨の時期は、保育園でも室内で過ごすことが多くなるかもしれません。そのため、室内での生活や遊びに焦点を当てた内容にできるとよいですね。
ここからは、6月のおたよりを書くときのポイントや、年齢ごとの子どもの様子についての文例などを紹介します。
保育園で6月のおたよりを書くときのポイント
保育園で6月のおたよりを書くとき、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。
季節感のある挨拶を入れる
6月の時候の挨拶を取り入れた書き出しにすると、より季節感のあるおたよりとなるかもしれません。
一般的なマナーに沿った時候の挨拶の例文は「入梅の候」や「夏至の候」などとなりますが、おたよりではやわらかい表現を使うと伝わりやすいでしょう。
たとえば「季節は春から初夏へと移り変わりつつあります。園庭には鮮やかな紫陽花が咲き始めました」、「梅雨入りとなりましたが、晴れ間には日差しの暖かさも感じられます」といった内容にすれば、情景が浮かびやすい挨拶となりそうですね。
6月ならではの注意点を伝える
梅雨入りを迎える6月は、子どもたちが自宅と保育園を往復する際に、傘やレインコートを使う機会も増えてきます。傘を持ち歩く際に振り回したり遊んだりしないなど、安全に傘を使うための注意点を伝えましょう。
また、6月に衣替えを行うという園もあるかもしれません。薄手の服に切り替えることにより、子どもが体調を崩すことも考えられます。羽織り物など気温に合わせて調節しやすい衣服の準備をお願いすることなども大切なポイントとなりそうです。
6月のおたよりの文例~時候の挨拶を含む書き出し~
ここからは、実際に6月のおたよりを作成するときに役立つ文例を紹介します。
まずは、時候の挨拶を含む書き出しの例を見ていきましょう。
短めの書き出しの例文
- 毎朝、保育室から子どもたちの元気な「カエルの合唱」や「カタツムリ」の歌が聞こえてきます。
- 雨の日が多くなるので、部屋の中でお絵かきや製作、体操などを楽しめるよう工夫したいと思います。
- てるてる坊主を作りながら、「早く晴れないかな」と外に出るのを楽しみにしている様子の子どもたちです。
長めの書き出しの例文
- 雨の季節がやってきました。子どもたちはお気に入りのレインコートや長靴をうれしそうに披露してくれます。
- あいにくの雨も続いていますが、晴れ間には戸外へ出てたくさん身体を動かして楽しむ姿が見られます。久しぶりの外遊びはいつも以上に気合いが入るようで、走り回ったり、泥あそびを楽しんだり、みんな大忙しです。
- 雨の日には肌寒く、晴れの日には夏のような暑さを感じられる日もあります。水分補給や衣服の調節などに気をつけて過ごしたいと思います。
6月ならではの梅雨にふれた時候の挨拶や、子どもたちの様子を書き出しにまとめるとよいでしょう。文章の長さはレイアウトによって調整してみてくださいね。
6月のおたよりの文例~子どもの様子~
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次に、6月のおたよりに書く子どもの様子を、年齢ごとに紹介します。
0歳児
- 雨の日には、窓についた雨粒を観察している〇〇組の子どもたち。いつもと違う景色に興味津々です。
- 今月は、子どもたちの手形をアレンジして「てるてるぼうず」を作りました。壁に飾ると部屋の中が鮮やかになり、子どもたちも興味深そうに毎日眺めています。
0歳児クラスでは、雨が降っている様子を観察する子どもの姿などを伝えると情景が浮かびやすいでしょう。また、製作活動ではどんなことをして、どんなものを作ったのか書くと、園での様子が伝わりやすくなりそうですね。
1歳児
- 新しい環境にも慣れてきた子どもたち。お昼寝の時間には保育者のマネをしてお友だちをトントンとする様子も見られますよ。
- 靴箱には色とりどりの長靴が並んでいます。登園時には、レインコート姿をくるくると回って見せてくれ、まるでファッションショーのようです。
1歳児クラスでは、子どもが長靴を履いたりレインコートを着たりして、普段と違うことを楽しんでいる様子を書くのもよさそうです。また、だんだんと園生活に慣れていることを伝えれば、保護者の方も安心感をもてるかもしれませんね。
2歳児
- 〇〇組ではカタツムリの製作をしました。クレヨンで殻の模様を自由にかくと、渦巻き模様だけでなく縞模様や水玉模様など、カラフルなカタツムリが並びました。
- 歯医者さんから歯についての話を聞いてから、より興味を持ち始めた子どもたち。ぬいぐるみを使って歯医者さんごっこをしている子もいますよ。
2歳児クラスでは、季節ならではの製作の様子や上手に使えるようになってきた道具についてふれると、家庭でも取り入れやすくなるでしょう。また、園での歯みがきのやり方を伝えるなどすると、保護者の方の参考になるかもしれませんね。
3歳児
- 戸外に出られる日には、泥遊びを楽しむ子どもたち。泥団子を作ったり、川を作ってみたりと、思い思いの遊び方をしていますよ。
- 〇〇組では、部屋のなかでも体を動かして遊べるように、リトミックを取り入れています。音楽にあわせて自由に表現し、大はしゃぎで楽しんでいます。
3歳児クラスでは、梅雨のなかでも元気いっぱいに遊んでいる様子などを取り入れましょう。戸外で泥遊びをすることがある場合は、おたよりで長靴や汚れてもよい服の用意などをお願いしておくと、保護者の方も準備しやすくなりそうですね。
4歳児
- 今月は、ちぎり絵で紫陽花の製作をしました。ちぎった折り紙を規則的に並べる子、いろんな色をランダムに貼る子……とてもカラフルな作品ができあがり、部屋のなかが鮮やかになりました。
- 〇〇組では、「変身遊び」が大ブーム。合図にあわせて、動物や乗り物に変身して遊んでいます。簡単にできるので、お家でも楽しんでみてくださいね。
4歳児クラスでは、6月の製作の様子とともに、ちぎり絵などのやり方についてもふれると、家庭でも取り入れるきっかけになるかもしれません。また、室内遊びのアイデアを伝えるのも、部屋の中で過ごすときの参考になりそうですね。
5歳児
- 戸外遊びの最中に園庭でカタツムリを見つけ、部屋の中で飼育することにしました。食べ物は何か、ケース内にどんな物を入れれば快適に過ごせるかなど、図鑑を調べながら熱心に取り組んでいます。
- みんなのかいた絵をダンボールに貼り、パズルにアレンジする製作を行ないました。それぞれ好きな形とピース数のパズルを作り、思い思いに楽しむ姿が見られます。ときには友だちと交換しながら遊んでいますよ。
5歳児クラスでは、6月ならではの生き物についてふれると、子どもがどんなものに興味を示しているのか伝わるかもしれません。また、年長さんらしい難しい製作に挑戦したことを話題として取り入れると、家庭でも楽しむきっかけになりそうですね。
6月のおたよりの文例~保護者へのお知らせ~
最後に、6月のおたよりで保護者へお知らせすることの文例を紹介します。
園生活について
- レインコートや傘置き場にはできるだけコンパクトにして収納し、スペースを譲り合っていただくようお願いします。また、持ち主不明の忘れ物も増えています。必ず記名をしていただくようお願いいたします。
- 6月10日の「時の記念日」にあわせて、保育園では「長い針がてっぺんまでいったらお片づけね」といった声かけを意識するようになりました。お家でも、時計の見方を教えたり、時間を意識したお話をしたりしてみてくださいね。
園生活についてのお知らせでは、梅雨の時期に使うグッズの正しい使い方や保管の仕方について知らせると、園のルールを伝えられそうです。
また、6月のイベントに触れつつ保育の様子などについてお知らせすると、家庭での話題のきっかけになるかもしれませんね。
保健について
- 食中毒が心配な季節になりました。予防に大切なのは、しっかりと手洗いやうがいをすることです。保護者の方もいっしょに行いながら、丁寧に洗うよう心がけましょう。
- 爪は短めに整えていただくようお願いします。衣替えをして薄着になったため、以前より肌の露出が増えています。爪が当たってお友だちを傷つけないよう、こまめにチェックをお願いいたします。
6月の保健についてのお知らせは、衛生面に関する内容にすると家庭でも参考にしやすいでしょう。
また、6月4日が「虫歯予防の日」とされていることから、園によっては歯科検診や歯みがき指導などを行うこともあるかもしれません。歯にまつわる話や家庭での歯みがきの仕方などを内容に取り入れると、歯についての関心を高められそうです。
衣替えのお願い
- 6月から衣替えを行ないます。半袖や半ズボンなど、夏物の用意をお願いいたします。
- 肌寒い日は保育中に衣服の調節をするため、パーカーやカーディガンなど羽織り物をお持ちください。
- その日の陽気によっては汗をかく日もあります。〇〇組では、汗をかいたらこまめに着替えを行うため、いつもより多めにご用意くださいますようご協力をお願いいたします。
6月に衣替えを行う園では、用意してもらう衣服や衣替えの時期についてのお知らせを盛り込むのもポイントになるでしょう。
雨の日は肌寒く、晴れの日は少し暑いといったように、寒暖差を感じる時期になります。調節しやすい羽織り物や、多めに着替えを準備することもあわせてお願いするとよいかもしれませんね。
6月ならではのお知らせを入れたおたよりを作ろう
今回は、保育園で6月のおたよりを書くときのポイントや時候の挨拶、保護者へのお知らせなどの文例を紹介しました。
梅雨にまつわる書き出しや子どもの様子を取り入れることで、6月の季節感を出すことができるでしょう。また、雨の日の道具の扱い方や衣替えについて、1歳児や3歳児など子どもの年齢にあわせたお願いや注意点を書いておけば、保護者の方も参考にしやすくなりそうです。
その時期ならではの挨拶やお知らせを書くなどのポイントを押さえて、6月のおたよりを作成してみてくださいね。