保育実習中の子どもたちの様子や感想などをまとめる日誌。中でも反省の書き方が分からず、悩む方もいるのではないでしょうか。特に日誌の作成に慣れていない保育学生さんは、参考になる文章があれば書きやすくなるかもしれませんね。今回は、保育実習日誌の反省の例文を、シーン別や担当年齢別に紹介します。
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保育実習日誌の反省とは
日誌の反省とは、保育実習が終わった後に1日を振り返り、自身の至らなかった点や改善点を記載する項目です。
主に、その日にあった出来事をまとめたり、園で反省会を行ったりするときに必要となります。
反省を書くときは、以下の流れを意識するとまとまりのある文章に仕上がるでしょう。
子どもたちや保育士の行動・感想→自身の失敗→今後の目標・改善したいこと
感想や改善点、今後の目標などを記載し、責任実習など次回の保育実習につなげられるとよいかもしれませんね。
また、分からないところは担当の保育士さんに質問してアドバイスをもらい、自分の課題を洗い出しておくとスムーズに記入できるでしょう。
今回は、そのような日誌の反省を記入するときに参考となる例文をくわしく紹介します。
【シーン別】保育実習日誌の反省の例文
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ここでは、保育実習日誌の反省の例文を、保育園実習の場合と施設実習の場合に分けて紹介します。
保育園実習の場合
まずは、保育園実習に参加したときの例文です。
それぞれのケースに分けて、1日ごとの反省をまとめました。
参加実習の場合
本日は参加実習として○○クラスの保育に入らせていただきました。
子どもと会話をしたり製作の援助をしたりすることが多かったのですが、特に悩んだのは子ども同士のケンカの対応でした。
他の保育士さんは、叩いてはいけない理由や何が悪かったか、お互いに何を思っているのかを分かりやすく説明し、ケンカを解決していました。
しかし、私が実際に行うと上手に気持ちを代弁できず、ケンカの解決までに至ることはできませんでした。
その後に担当の保育士さんに相談したところ、ケンカのパターンや仲裁するときの方法などをアドバイスいただいたので、次回はご助言を活かして対応できるようにします。
参加実習の場合の例文です。
「他の保育士さんはケンカを解決していたものの、私が行うとうまくできなかった」と反省点を述べています。
「仲裁方法などのアドバイスを活かして対応する」と今後の目標を添えれば、次の実習で気をつけることが明確になるでしょう。
部分実習の場合
今回は、部分実習で転がしドッジを行いました。
担当の保育士さんと何度も打ち合わせを行い、どのようにルールを話せば伝わるか、うまく遊べない子どもがいるときはどうすればよいかを相談しました。
緊張はしていたものの、ルールを説明しゲームを始めるところまではスムーズに進みました。しかしゲームを始めてみると、うまくボールを転がせなかったり、ボールに当たっても円の外に出なかったりする子どもがいました。
そのようなときにうまく対応をすることができず、途中でゲームが滞ってしまうことが多々ありました。
担当の保育士さんからは「図などを使って説明するとよい」「手を添えていっしょにボールを転がす」などのアドバイスを頂きました。
次の責任実習では保育士さんのアドバイスを参考に、ゲームの導入や進め方をより工夫していきます。
部分実習の場合の例文です。
「転がしドッジでトラブルにうまく対応できず、ゲームが滞ってしまった」という反省点と、「手を添えていっしょにボールを転がす」など保育士さんから頂いたアドバイスをまとめています。
このように保育士さんからの助言をくわしく記載しておけば、見返したときに自分が学んだポイントが分かるかもしれませんね。
責任実習の場合
今回は責任実習を行いました。
主活動ではどんぐりヨーヨーの製作を取り入れましたが、担当の保育士さんのアドバイスのおかげでスムーズに進めることができました。
具体的には、事前準備としてカップにキリで穴をあけておく、子どもが拾ったどんぐりを茹でて消毒しておくという工夫を行いました。
実践してみると、カップ同士をつなげる工程が難しく、中にはテープが絡まってしまう子どももいました。
そのようなときは近くでお手本を見せたり、様子を見ながら手伝ったりするなど場に応じた援助を行うことができました。
次の実習でも今回の経験を活かし、製作の手順をよく確認したり、必要な援助を事前に洗い出したりしておくことで、子どもが楽しく活動できるよう進めたいと思います。
責任実習を想定した例文です。
「事前にカップにキリで穴をあけておく」など保育士さんから頂いたアドバイスや、「近くでお手本を見せた」のように工夫した点を記載しています。
次回の実習で注意する点もまとめれば、次の目標を立てるときの参考になるでしょう。
反省会で振り返りを行う場合
ここでは、反省会などで実習全体の振り返りを行うときの例文を紹介します。
今回の実習では、子どもの気持ちを汲み取ることを意識しました。
子どもがうまく気持ちを伝えられないでいるときに、言葉だけでなく表情や行動などにも注意して観察することで「何を思っているか」が分かったことが何度かありました。
例えば、○○ちゃんに「先生、やって!」といきなり言われ、困ってしまったことがありました。
聞き返しても顔を指差して「やって!」と悲しそうな顔で言うだけで困惑してしまったのですが、その日の様子を思い返してみることにしました。すると、朝○○ちゃんがかわいい髪型によろこんでいたことを思い出しました。
そのときはちょうどお昼寝が終わった直後の時間だったので、「○○ちゃんは髪型を直してほしいんだ」と気づくことができました。
こうした経験を通じて、言葉だけではなく表情や動きから気持ちを汲み取ることの大切さが分かりました。
実習全体の反省点をまとめるときの例文です。
「○○ちゃんの表情や動きに注目することで、気持ちに気づくことができた」のように、印象的なエピソードを挙げています。
「表情や動きから気持ちを汲み取ることの大切さが分かった」など感じたことを最後に総括すれば、自身の保育観に気づくきっかけとなるかもしれませんね。
施設実習の場合
続いて、施設実習の場合の例文を紹介します。
今回は、○○児童養護施設で施設実習を行いました。
今まで実習に行った保育園とは異なり、幼児から高校生までさまざまな子どもがいました。
学校へ行く子どもを見送ったり、宿題している姿を見守ったりするなかで、児童養護施設は生活をする場なのだと意識することができました。
夕方くらいまでは幼児とふれ合って過ごしたのですが、一番難しいと感じた部分は子どもへの声かけです。
心に傷を負っている子どもが辛い過去を話してくれたときに、どのような言葉をかけてよいのかが分からず「そうなんだね、辛かったね…」としか返すことができませんでした。
担当の保育士さんに相談したところ、「児童養護施設の子どもへの声かけは注意が必要。ちょっとした言葉で傷ついてしまうこともある。」とのことでした。
それを踏まえ、「過去のことよりも未来に向けた声かけをしている」とアドバイスをくださり、感動したと同時にとても納得することができました。
次の施設実習では保育士さんのアドバイスを踏まえ、声かけの仕方を工夫しながら取り組んでいきます。
施設実習に行ったときの例文を挙げています。
「声かけの方法が分からずに悩んだ」と自身が感じた課題や、担当の保育士さんから頂いた「未来に向けた声かけをしている」などのアドバイスをまとめています。
「次回は声かけの仕方を工夫しながら取り組む」と今後の目標も添えれば、前向きなイメージを与えられるでしょう。
【担当年齢別】保育実習日誌の反省の例文
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続いて、保育実習日誌の反省の例文を担当年齢別にまとめました。
0歳児クラス
ハイハイをする子どもやつかまり立ちをする子ども、お座りまでできる子どもなど、月齢による行動の違いに最初は戸惑ってしまいました。
午後には1人ひとりに合わせた援助ができるようになり、ハイハイをしているときは目を離さないようにしたり、お座りをしているときは手遊びを行ったりできました。
しかし、私が誤って落としたティッシュを、気づかないうちに子どもが食べようとしてしまった場面がありました。
担当の保育士さんから「一歩遅ければ事故になっていたかもしれない」とご指摘を受け、その言葉に重みと責任を感じ、あらためて気を引き締めなければと感じました。
次の参加実習では常に子どもから目を離さないようにし、子どもが安心して遊べる環境を整えます。
0歳児クラスに入ったときの例文です。
「目を離さないようにしたり手遊びを行ったりできた」のようによかった点や、「誤って落としたティッシュを子どもが食べようとしてしまった」など反省点をまとめています。
「常に子どもから目を離さないようにする」と改善策を書くことで、次回の実習目標につなげられるでしょう。
1歳児クラス
今回は、1歳児クラスに入りました。
マットで作った山を登ったり下りたりする活動で、私は子どもがマットから落ちないように注意深く見守っていました。
途中で○○ちゃんがマットの山に登ったものの、怖くて下りられなくなってしまったのか泣き出してしまいました。
私はすぐに抱っこをして助けましたが、高いところが怖かったらしく、しばらく○○ちゃんは泣いていました。
このことを踏まえて、次からはさまざまな高さの山を用意しようと思いました。
子どもによって得意なことも苦手なことも違うため、一人ひとりに合った遊びを選べる環境を用意していきたいです。
もちろん、少し難しいことに挑戦する勇気も必要だとは思いますので、そのときは子どものペースに合わせてチャレンジを促していきます。
1歳児クラスに入ったときの例文です。
「○○ちゃんがマットの山に登ったところ、怖くて泣き出してしまった」ことを踏まえ、「次からはさまざまな高さの山を用意しようと思う」と反省点を述べています。
「一人ひとりに合った遊びを選べる環境を用意したい」と目標も書けば、担当の保育士さんも納得しやすくなるでしょう。
2歳児クラス
今回は、2歳児クラスで実習を行いました。
トイレトレーニング中に1人で排泄をしようとしている子どもに対して、どのように援助をすればよいか悩んだのが印象的でした。
「頑張っているから手を出してはいけない」と思いハラハラと見守っていたのですが、うまくズボンを脱ぐことができず、最後は結局衣類を濡らしてしまいました。
担当の保育士さんに相談をすると「見守るのはとてもよいけれど、必要な援助をすることも大切」とのことでした。
それを聞き、自分の中でどこから援助をするかを決めておくことが大切だと痛感しました。
次の実習では「まずは10秒くらい見守り、できないときは手を添えて援助する」を念頭に置いて、保育を行っていきます。
2歳児クラスで実習を行ったときの例文です。
「トイレトレーニング中の子どもへの援助方法が分からなかった」という印象的なエピソードをまとめています。
担当の保育士さんのアドバイスを踏まえ、「10秒くらい見守ってもできないときは援助する」と具体的な方法を考えれば、次の実習を改善することにつながるでしょう。
3歳児クラス
今回は、3歳児クラスを担当しました。
以前担当した乳児クラスでは1人で遊ぶ子どもが多かったのですが、3歳児クラスでは友だちといっしょに遊ぶ姿が見られました。
特におままごとが人気のようで、料理を作ったり絵本のストーリーをまねたりする子どもが多くいました。
しかし、中にはうまく輪に入ることができず友だちの様子をじっと見ているだけの子どももいたため、「皆とおままごとしないの?」と聞いてみました。
すると、「皆と遊びたい」とのことだったので、近くでおままごとをしている子どもたちのところまで連れていき、私が「入れてあげて」とお願いしてしまいました。
後でそれを見ていた担当の保育士さんから、「自分で『入れて』と言えるように促すこと」とご指摘を受けました。
それを受けて、「自分で言えなければ保育士の援助がないと輪に入れなくなってしまう」と気づいたため、猛反省しました。
次の実習では何でも援助するのではなく、子どもの力を伸ばせるような行動をしていきます。
3歳児クラスに入ったときの例文です。
「輪に入れない子どもを援助するため、自ら『入れてあげて』と言ってしまった」ことを反省点として挙げています。
担当の保育士さんのアドバイスもまとめれば、次回の保育実習の目標を決めるときに役立つかもしれませんね。
4歳児クラス
今回は4歳児クラスで実習を行いました。
予定していた戸外遊びが雨でできなかったため、ホールでフルーツバスケットを行いました。
初めて行う遊びに最初は子どもたちはワクワクしていましたが、15分ほど経つと飽きてきたのか「イチゴ!」と呼ばれても動かなくなってしまいました。
担当の保育士さんはすぐに機転を利かせ、「『イチゴとメロン!』のように2つのグループを呼んでもよい」とゲームをアレンジしてくださいました。
そのため、子どもはまた遊びに夢中になりましたが、自分は遊びを変えるという発想がなかったので力不足を痛感しました。
次の実習では子どもがいつでも遊びを楽しめるように、アレンジをいくつか用意したり、似たような遊びを覚えておいたりします。
4歳児クラスに入ったときの例文です。
「フルーツバスケットを行っていたところ、子どもたちが飽きてしまった」と、直面したトラブルをくわしくまとめています。
「アレンジをいくつか用意する」「似たような遊びを覚える」のように工夫するポイントも記載すれば、責任実習や入職後に活かすことができるでしょう。
5歳児クラスの場合
今回は5歳児クラスに入り、お散歩で秋の自然を楽しみました。
秋のきれいな景色を眺めて「きれい!」「これなんて葉っぱ?」と言う子どもたちを見て、ほほえましい気持ちになりました。
落ち葉がカサカサと鳴る音を楽しんだり、落ち葉で顔を作ったりして遊んだのですが、途中で走っていた○○くんが転んでしまう場面がありました。
濡れた落ち葉ですべってしまったようで、事前にこのような注意点に気づいて声かけできなかった自分を歯がゆく思いました。
次の保育実習では遊びをするうえでの注意点を事前に考え、始める前にしっかり声かけをしていきます。
5歳児クラスに入ったときの例文です。
最初に、「子どもが自然を楽しむ姿を見てほほえましくなった」と感想をまとめています。
「濡れた落ち葉で○○くんが転んでしまった」というトラブルに際して「注意点に気づけなかった」などの悔しい気持ちも記載すれば、次回の実習に活かすことができるでしょう。
反省の例文を参考に、保育実習日誌を上手に書けるようになろう!
今回は、保育実習日誌を書くときに参考となる反省の例文を紹介しました。
日誌における反省とは主に自身が至らなかった点や、改善点を記載する項目です。
自身の感想や失敗、今後の目標などを書けば、分かりやすい文章に仕上がるかもしれませんね。
保育学生さんはここで紹介した例文を参考に、保育実習日誌をスムーズに書けるように工夫していきましょう。
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