新年度に向けての準備は、保育士さんにとって大切な時間。子どもたちとの出会いにワクワクしながらも担任として「どんな準備が必要なのかな?」と考えることもあるでしょう。今回は、新年度の準備をスムーズに進めるために、保育士さんがやるべきことをチェックリスト付きでまとめました!余裕をもってクラスの担任をスタートできるよう、新卒の保育士さんも役立ててくださいね。
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新年度の準備はこれでバッチリ!保育士向けチェックリスト
新年度のスタートに向けて、担任クラスの準備は、子どもたちが安心して園生活を始められるようにするために重要です。
ただ、この時期は卒園式や進級準備と、一年で最も忙しい時期。
「何から手をつければいいの?」と悩む保育士さんも多いのではないでしょうか。
準備をスムーズに進めるために、「新年度までにやるべきこと」のチェックリストを見てみましょう。
- 子どもの情報を確認し、引き継ぐ
- 子どもの様子を把握し、関わる機会をつくる
- 職員間で情報共有を行い、連携を深める
- 年間のクラスの運営や保育方針を考える
- 行事の役割・業務の分担を行う
- 必要な書類を整理・作成する
- 子どもが生活しやすい環境を整える
- 入園・進級当日の流れをイメージして準備する
チェックリストに沿って、準備を進めれば効率よく取り組むことができそうです。
子どもたちが安心して新しい環境に慣れ、気持ちよくスタートできるように環境を整えていきたいですね。
ここからは、項目ごとにチェックリストの必要な準備を詳しく紹介します。
1.子どもの情報を確認し、引き継ぐ
新年度をスムーズに迎えるには、子ども一人ひとりの情報を正しく把握し、職員間で共有することが大切です。
【やることリスト】
- 前年度の児童票や記録を確認する(健康状態、アレルギー、生活習慣、発達の様子など)
- 気になる点は前担任や職員に聞いておく
- 必要な情報をクラスの職員と共有し、サポートの方針を決める
子どもの情報については無理にすべてを覚えようとせず、まずは一人ひとりを「知ること」から始めましょう。
前担任からの引き継ぎの際は、その子との関わりの中で印象に残っているエピソードを聞いてみると子どもの個性が見えてくるかもしれません。
入園児を担当する際は、家庭調査票(児童調査票)を確認し、子どもの生活環境や好きな遊びなどを確認し、慣らし保育の準備をしましょう。
2.子どもの様子を把握し、関わる機会をつくる
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新年度が始まる前に子どもたちの様子を確認し、関わる機会を増やしてコミュニケーションを大切にしましょう。
【やることリスト】
- 遊びや活動の様子を観察し、どんなことに興味を持っているのかを知る
- 普段の様子を確認し、得意なことや苦手なこと、友だち関係を把握する
- 名前を呼んで積極的に関わりを持ち、自分のことを知ってもらう
新年度のスタートに向けて、不安を抱く子もいるでしょう。
「どんなことが好き?」「○○がお気に入りなんだね!」といった声かけを意識しながら、少しずつ信頼関係を築いていきましょう。
また、発達に心配がある子に対しては、特性を把握するために接する機会を増やし、どのような関わりや配慮が必要かを考えておくことが大切です。
3.職員間で情報共有を行い、連携を深める
新年度のクラス運営をスムーズに進めるためには、職員同士で情報を共有し、連携を取ることが大切です。
ペア担任制や複数担任制のクラスでは、子どもへの関わり方や保育の方針にズレが生じないように、事前の共有が重要です。
子ども一人ひとりの情報を確認し、気になることがあれば早めに話し合っておきましょう。
また、困ったときにすぐ相談できる関係をつくることで、保育の中での迷いや不安を減らし、安心して新年度を迎えられそうです。
些細なことでも声をかけ合い、チームで支え合える環境を整えられるとよいですね。
4.1年間のクラスの運営や保育方針を考える
新年度が始まる前に、1年間のクラスの流れをイメージし、子どもたちとの関わり方を考えましょう。
特に経験したことのない学年の担任を担当する場合は、その年齢ならではの発達や生活リズムを把握することが重要となります。
【やることリスト】
- 過去の指導計画や記録を確認し、前年度のクラスの様子を参考にする
- 担当する発達段階を把握し、成長に合わせた関わり方を考える
- クラスの目標や大切にしたいことを職員間で共有する
特に新卒の保育士さんは先輩保育士や同僚に相談し、実際の保育の流れやポイントを聞いておくと安心ですね。
「どんなことに気をつけて保育計画を立てるべきか」「子どもたちのペースに合わせた関わり方は?」といった視点で話を聞くと、より具体的なアドバイスをしてもらえそうですね。
5.行事の役割・業務の分担を行う
職員間で年間行事の役割や日常業務の分担を決めておくことで、スムーズに業務を進められるでしょう。
【やることリスト】
- 年間行事の企画・運営担当を決める(運動会・発表会・遠足など)
- 日常業務の役割を明確にする(掃除・壁面製作・環境整備など)
行事が近づいてからの準備に追われないよう、事前に役割を明確にし、余裕をもって取り組める環境を整えることが大切です。
また、役割を決める際には、職員にアンケートを取り、業務の得意・不得意を考慮するとよいかもしれません。
「手先が器用で製作上手な人」「行事の進行が得意な人」など、それぞれの強みを活かして分担することで、負担が偏らず、チームとして協力しやすくなるでしょう。
6.必要な書類を整理・作成する
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新年度が始まる前に、クラス運営に必要な書類を整理し、スムーズに準備できるようにしておきましょう。
園によってはICT(保育アプリやクラウドシステム)を活用している場合もあるため、管理方法を確認したうえで、作成するとよいですね。
カテゴリ | 書類名 |
---|---|
子どもに関する書類 | ・園児名簿(クラス名簿) |
・健康調査票・アレルギー情報 | |
・緊急連絡先リスト | |
・出席簿 | |
・家庭調査票 | |
保護者向けの書類 | ・4月のおたより(クラスだより・年間予定) |
・持ち物リスト・生活ルールの案内 | |
・連絡帳 | |
保育計画・記録関連 | ・年間指導計画 |
・月案・週案 | |
・日誌・個別記録 | |
・発達記録 | |
園の運営に関わる書類 | ・職員分担表(役割・担当業務の確認) |
・避難訓練計画・マニュアル | |
・行事予定表 |
この他にも各園の方針に基づいて書類を作成していきましょう。
作成に時間がかかるものが多いため、優先順位を決めて取り組むとよいでしょう。
7.子どもが生活しやすい環境を整える
いよいよ新年度の始まりが間近になると、本格的に子どもたちを迎える準備を行います。
子どもたちが落ち着いて快適に過ごせるように、保育室の環境を整えておきましょう。
【やることリスト】
- 名札やロッカーの名前を書き、子どもが自分の場所を認識しやすくする
- 保育室のレイアウトを見直し、動線を考えた配置にする
- おもちゃや教材の収納場所を決め、分かりやすくラベルをつける
- 持ち物の置き場所を示すマークを貼り、子どもが自分で管理できるようにする
- 玄関や壁面の装飾を行い、明るい雰囲気づくりに取り組む
- 誕生日表を作成し、飾る
新しい環境に慣れるまでは不安を感じる子どももいるため、安心できるような工夫が大切でしょう。
先生の写真やイラストつき自己紹介を掲示すると、顔や名前を覚えてもらいやすいでしょう。
「どんな先生なのかな?」と興味を持ってもらえるように、好きなものや趣味なども簡単に紹介すると、親しみを感じてもらえそうです。
8.入園・進級当日の流れをイメージして準備する
新年度初日は、子どもたちや保護者にとって新しいスタートを迎える大切な日です。
気持ちよく1日を過ごせるように、当日の流れをイメージし、必要な準備を整えておきましょう。
【やることリスト】
- 当日のスケジュールを確認し、指導案を作成して職員間で共有する
- 子どもたちを迎える言葉や担任としての挨拶を考えておく
- 持ち物のチェックリストを作成し、保護者対応に備える
- 避難経路やトイレの場所など、子どもに伝えるべきことを整理する
入園・進級初日は、子どもたちに「楽しい!」「明日も来たい!」と思えるような1日にしたいですね。
笑顔で迎え、一人ひとりの気持ちに寄り添いながら安心できる、楽しい雰囲気づくりに取り組みましょう。
保育士さんはチェックリストの作成や確認を行い、新年度の準備に取り組もう
新年度を迎える準備は、しっかり計画を立てて進めることで、子どもたちにとっても保育士さんにとっても、安心してスタートできる環境が整うでしょう。
チェックリストを活用しながら、やるべきことを整理し、抜けもれのないよう確認することが大切です。
また、「どんなクラスにしたいか」「子どもたちとどんな1年を過ごしたいか」を思い描きながら準備を進めると、担任としての責任を自覚し、よりよい保育を実践するための意識も高まるでしょう。
一つひとつの準備が、子どもたちの成長や園生活の充実につながると考え、前向きな気持ちで取り組めるとよいですね。
また、「保育士バンク!新卒」では、子どもたちと楽しめる遊びネタや行事ネタを配信しています。
就活・転職のサポートも実施しているため、「保育士として違う環境で経験を積んでみたい」といった希望がある方はお気軽にご相談ください。あなたらしく働ける職場をいっしょに見つけていきましょう。