保育士試験になかなか受からないと悩んでいる学生さんもいるのではないでしょうか。不合格と記載された通知が届くと、あんなに勉強を頑張ったのに…とがっかりしてしまいますよね。今回は、保育士試験に受からない原因や、受験対策の例、就活生に役立つポイントを紹介します。
metamorworks/shutterstock.com
保育士試験とは
保育士試験とは、指定保育士養成校を卒業していないけれど保育士になりたいという方が、資格を取得するために受ける試験です。
保育士試験は、大学や短大などで62単位以上習得した者などの要件を満たした方が受けることができます。合否は科目ごとになっており、合格した科目の試験は3年間免除されるそうです。毎年全科目を受験する必要がないので、合格科目が増えると勉強も楽になるかもしれません。
一方で、保育士試験は合格率が20%ほどと難易度が高く、なかなか試験に受からないと悩む人も少なくありません。一生懸命勉強したのに不合格になったときは、なぜ受からないのかを知りたいですよね。
今回は、保育士試験に受からない原因や対策をまとめてみました。
保育士試験に受からない原因
保育士試験の合格率は、なぜ20%ほどしかないのでしょう。試験に受からない原因を考えてみました。
出題範囲が広い
保育士試験に受からない原因として挙げられるのは、出題範囲が広いということです。教育基本法や生活保護法などの法律から絵本の内容まで、問題の幅は限りなく広いように感じる方も多いのではないでしょうか。出題範囲に関する受からない原因を3つ紹介します。
問題数が多い
1つ目は保育士試験の問題数が多いことではないでしょうか。筆記試験には9科目あり、そのうち7科目は20問ずつになっています。また、1つの問題のなかに少問題が数問入っていることも少なくないので、答えを導き出さなければいけない数が多いようです。限られた時間のなかで合格点を出せるように解答するには、スピード感も求められるかもしれません。
科目ごとに事例問題がある
次に保育士試験に受からない原因として考えられるのは、事例問題が何問か出題されているということでしょう。事例問題には、◯歳児クラスの◯ちゃんの事例というように具体的な事例が挙げられ、対応の仕方が何通りか出題されています。「保育所保育指針」の内容と照らし合わせながら答えを導き出すように指示されている問題もあるので、悩んでしまうことが多いかもしれません。
専門知識が必要
出題範囲に関係する3つ目の原因としては、保育士試験には専門知識が必要な問題も出題されていることが考えられます。例えば保育実習理論の場合、音楽の記号やコードネームの他に、伴奏として当てはまるものを選ぶ問題もあるようです。
また、造形に関する事例のなかには表現方法や芸術家についての知識を使って考える問題も出されています。このように専門的に勉強しないと解答できないような問題があることも、保育士試験に受からない原因と推測されます。
一問一答形式でない
保育士試験に受からない原因として次に考えられるのは、解答の仕方かもしれません。一般的な試験は一問一答形式が多いようですが、保育士試験の場合は、1つの問題のなかに設問と解答が何組かあり、設問に対する解答の組み合わせが正しいものを選ぶという形式になっています。
例えば5問の設問のうち3問の答えがわかっていても、残りの2問がわからないと正答を選択することができないということになるようです。
勉強方法が自分にあわない
最後に考えられる保育士試験に受からない原因は、勉強方法が自分にあっていないということではないでしょうか。保育士試験のための勉強をするときに、参考書や問題集を何冊も使っているという方や、覚えることを全てノートに書いているという方もいるかもしれません。そのような努力をしても受からない場合は、勉強方法を見直してみるのもよさそうです。
保育士試験の受験対策の例
west_photo/shutterstock.com
保育士試験に受かるためには、どのような対策を立てるとよいのでしょう。受験対策の例をいくつか紹介します。
自分にあう問題集を選ぶ
保育士試験の問題集はさまざまなものがあるようなので、自分にあう問題集を選ぶと勉強しやすいかもしれません。問題数の多い厚い問題集もよさそうですが、薄くて何度も繰り返し勉強のできる問題集を使うと、全部やりきったという達成感も得られそうです。スムーズに解答できるようになり、自信がついたら2冊めに取り掛かりましょう。
過去問を分析する
過去に保育士試験に出題された問題を調べ、傾向を分析することも受験対策になりそうです。過去3年間の問題を見ると全く同じものはないようですが、何度も登場する人物や法律などが見受けられるので、力を入れて勉強した方がよい分野がわかるかもしれません。
覚え方を工夫する
保育士試験に出題される内容には暗記問題も多いので、覚え方を工夫するといった対策もよさそうです。重要なことをカードに書いて家のあちらこちらに貼っておくとか、自分のためのクイズを作り、しばらくしてから問題を解いてみるという覚え方もよいかもしれません。
また、言葉や文章を暗記するだけでなく、内容をしっかり理解することも受験対策といえるでしょう。
模擬試験を受ける
保育士試験の模擬試験を受けることも受験対策になりそうです。試験結果から、自分の苦手分野や勉強していなかったことなどを、はっきり捉えることができるかもしれません。また、模擬試験を受けることで保育士試験の解答の仕方に慣れ、試験の本番でも落ち着いて答えることができるのではないでしょうか。
2年計画などの対策を立てる
保育士試験の場合、科目ごとに合格不合格の判定があり、合格科目は3年間有効となっています。そのため、最初の年の前期試験で3科目合格すると、後の2年半で6科目合格すればよいということになります。
そこで、合格を目指して2年計画で勉強をするといった対策もよいかもしれません。ただ、「教育原理」と「社会的養護」は同一試験で両科目とも6割以上とらないと合格にならないことや、3年かけて筆記試験に全て合格しても、実技が不合格になると1年目の合格科目が無効になるなどの条件があるので気をつけましょう。
保育士試験を受けるときに意識すること
保育士試験に合格するために、試験をどのように受けるとよいのでしょう。試験中に意識することや実技試験に向けたポイントをまとめました。
問題文を落ち着いて読む
保育士試験は問題文が長いものもあるので、試験が始まったら最後までていねいに読みましょう。設問も答えになる記述も、しっかり読み取り、何を聞かれているのかを考えてから解答を導き出すことが大切になります。法律の条文などの問題では、設問と答えの記述をよく読むことでヒントを見つけられるかもしれません。
自信のある問題から始める
保育士試験に限らず、どの試験でも自信のある問題から始めると、時間に追われずに答えを考えられるのではないでしょうか。試験が始まったら最後の問題まで素早く目を通し、すぐに答えられそうな問題にチェックを入れておくとよいかもしれません。自信のある問題で確実に点数を取ることで、保育士試験合格を目指しましょう。
実技試験にも対策を立てて臨む
筆記試験に全て合格できても、実技試験で不合格になってしまうと、保育士資格を得ることができません。筆記試験の勉強とあわせて、実技試験の対策も立てておきましょう。
音楽表現で受ける場合は、ピアノ練習を毎日続けていると、筆記試験が合格したときに慌てずにすむかもしれません。造形に関する表現で受ける場合は、普段から子どもや景色などのイラストを描くように心がけるとよさそうです。
保育士試験に合格するための準備は計画的に
今回は、保育士試験に受からない原因や対策について紹介しました。
保育士試験の筆記試験は9科目あり出題範囲が広いために、精一杯勉強しても不合格になってしまうことがあるようです。なかなか受からないと不安になったときは、もう一度受験の対策を立て直してみるのもよいかもしれません。過去問の分析をしたり自分にあう問題集を選んだりして、合格を目指して計画的に準備を進めましょう。