大規模保育園と小規模保育園では、どういう違いがあるのかやどちらに就職すればよいのか悩む保育学生さんもいるかもしれません。それぞれの働きやすさも視野に入れながら就活を進めていきたいですよね。今回は、大規模と小規模保育園の違いやメリットとデメリット、就職先を迷ったときのポイントを紹介します。
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■目次
大規模保育園と小規模保育園の違い
就活を進める保育学生さんの中には、「大規模保育園」と「小規模保育園」という施設形態にどのような特徴があるのか知りたい方もいるのではないでしょうか。
まずは、それぞれの特徴を交えながら違いを紹介します。
大規模保育園
大規模保育園とは、一般的に子どもの数が100人以上いるところを指し、園によっては200人~300人が通っているという場合もあります。
園児数に比例して職員数も多く、30人以上いるところがほとんどのようです。
預ける子どもの対象年齢は0歳児から5歳児までで、年間カリキュラム、月案、週案などの指導案に沿って保育を行っています。
小規模保育園
小規模保育園は、待機児童対策として2015年に国の認可事業となった保育園で、園児数は19人以下と定められています。
A型、B型、C型と種類があり、施設設備によって職員数にも違いがありますが、10人前後というところが多いようです。
預ける子どもの対象年齢は、主に0歳児から3歳児未満が多いという特徴があります。
小規模保育園は、家庭保育室や病院内保育園、企業内保育園など施設形態はさまざまでしょう。
では、大規模保育園と小規模保育園において、保育士として働くときにどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
出典:地域型保育事業/内閣府
大規模保育園のメリットとデメリット
まずは大規模保育園におけるメリットとデメリットを紹介します。
メリット
メリットの例として、以下のようなことが挙げられるでしょう。
たくさんの子どもや保育士と関わることができる
大規模保育園は園児数も多く、たくさんの子どもと関わることができるので、保育士としてのやりがいも大きいかもしれません。
保育スキルの面でも、いろいろな年齢や性格の子どもと関わりながら保育ができるため、よい経験になるでしょう。
また、保育士の人数が多い園では、さまざまなタイプの保育士と関わることができます。
ベテランの先輩保育士さんから学ぶことや、新人の保育士さんを教えることで得ることも多いかもしれません。
行事を通してやりがいが感じられる
大規模な保育園では、行事にも力を入れている場合が多いようです。
発表会や運動会のための計画や練習、実践経験というのは、保育士さんや子どもたちにとってかけがえのない思い出にもなるでしょう。
行事を通して子どもの成長を実感できたり、保護者の方から感謝されたりすることでやりがいを感じられるかもしれません。
休みを取りやすい
大規模な保育園は保育士の人数も多いので、急に休暇を取りたいというときでも臨機応変に対応してもらえるかもしれません。
代替の保育士も見つけやすいことから、計画的な有給休暇の取得もしやすいといえるでしょう。
デメリット
デメリットの例としては、以下のようなことが挙げられます。
仕事の負担が大きい
大規模園は行事を行うための負担が大きく、準備が大変な面もあるようです。
行事前は日常の保育も行いながら行事の準備が必要となり、長時間労働になりがちでしょう。
場合によっては残業や持ち帰りで準備をすることもあるかもしれません。
また、園児の人数も多いことから、日常の保育における書類作成などの負担も多いのもデメリットの一つでしょう。
一人で業務をこなすのが難しい場合は、ほかの保育士と分担できるところはしてもらうなど、業務負担を軽減する工夫が必要かもしれません。
職員の人数が多く人間関係が複雑
職員の人数が多くなると、人間関係が難しいと感じることもあるかもしれません。
職員配置によっては、必然的に自分とは合わない人といっしょに働かなくてはならない可能性もあります。
ただし保育の進め方は人によってさまざまなので、良い面を吸収し悪い面から学ぶこともできるでしょう。どのような人と組むこととなっても、勉強のつもりで接するとよいかもしれません。
小規模保育園のメリットとデメリット
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次に、小規模保育園のメリットとデメリットを紹介します。
メリット
メリットとして、以下のような例が挙げられるでしょう。
一人ひとりとじっくり関われる
園児が少人数のため、一人ひとり特徴や個性などを把握した保育を丁寧に行うことができるでしょう。
毎日の保育内容も決まったカリキュラムに沿うだけでなく、「暑いから水遊びをする」など臨機応変な対応がしやすく、子どもの個性にあわせた過ごし方をできる園も多いかもしれません。
子どもに向き合える時間が増えることで、自分がやりたい保育を実践しやすくなり、やりがいにもつながりそうです。
自分の保育方針を貫くことができる
小規模であるだけに職員同士で連携がとりやすく、自分のもっている意見やアイデアが直に保育士間や園長に届くという環境もあるでしょう。
そのため大規模保育園より、自分の力でよりよい保育園に変えていくことやキャリアアップしやすい環境かもしれません。
仕事の負担が少ない
小規模なので会議やイベント、行事は少ないところが多いようです。そのため、集中して保育に取り組むことができるといえるでしょう。
行事があっても小規模なものになるので、準備にかかる時間も少ないかもしれません。
また、子どもの人数が少ないことで事務関係の仕事も少ない傾向にあります。そのため、小規模保育園は残業も少ないようです。
デメリット
次に、デメリットの例を紹介します。
欠員が出ると負担が大きくなる
配置基準をギリギリの人数で満たしている小規模保育園の場合は、職員に欠員が出てしまうと、その穴を埋めるほかの保育士の負担も大きくなるでしょう。
また、自分自身も休みをとりにくい状況が発生するかもしれません。
そのため有給休暇を取得する際は、ほかの保育士さんにも相談したうえでとるとよさそうです。
スキルが身につきにくい
大規模な保育園で行うような発表会や運動会などの大きなイベントが少ないため、一部保育スキルが身につきにくいことが挙げられます。
たとえば、大人数を相手として保育をするスキルや幼児と乳児の合同保育を見るという経験は大規模ならではの特徴であり、小規模保育園で得にくい事柄かもしれません。
ただし、比較的新しい園でベテランの職員が少ない場合、保育士さんたちの力で保育方法を構築していくというスキルは身につけられるでしょう。
大規模と小規模保育園で就職先を迷ったときのポイント
最後に、就活で大規模保育園と小規模保育園のどちらにするか迷ったときのポイントを紹介します。
規模ではなく園の方針を重視する
大規模・小規模に関わらず、母体となる運営法人の方針によって保育の仕方はさまざまです。
規模だけで就職先を選ぶのではなく、多くの求人情報に目を通し、その園の保育方針を重視するとよいでしょう。
園見学をする
大規模保育園と小規模保育園、どちらの保育園で働くのが自分に合っているかを知るためには、就職をする前に園見学に行ってみるとよいかもしれません。
園見学の際は、以下のような点をチェックするとよさそうです。
- 子どもが楽しそうに過ごしているか
- 保育士さんが楽しそうに働いているか
- 保育士さんの声の大きさは適切か(必要以上に大声を張りあげていないか)
- 清掃がきちんと行われているか
- 施設内の安全面はしっかりしているか
- どんなおもちゃが揃っているか
このような点は保育園の規模に関わらず、日々の保育を行ううえで重要なポイントとなります。
園見学において実際に確認しながら、その園が自分にとって合っているかや働きやすいかを考えてみるとよいでしょう。
大規模と小規模保育園の特徴を把握して就活に活かそう
今回は、大規模保育園と小規模保育園の特徴やそれぞれのメリットとデメリット、就職先を迷ったときのポイントを紹介しました。
保育の仕方や行事など、働きやすさのポイントは規模によって違いがあるようです。
就職する保育園選びで迷った場合は、園見学をしてみましょう。
そこでどんな保育が行われているのか、子どもたちの雰囲気はどんな感じかなど、実際に見てみることで自身が働くときのイメージもしやすくなるかもしれません。
大規模保育園と小規模保育園の特徴を把握して、自分に合った保育園をしっかり見極められるとよいですね。