保育士として働きやすい保育園とは、どのような園なのでしょうか。就職先に求めるものは人によってさまざまですが、一般的に職場環境や勤務条件が安定していることなどが挙げられます。今回は、働きやすい保育園の特徴や求人を選ぶときのポイントについて説明します。
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■目次
保育士にとって働きやすい保育園とは?
保育士として働く際、保育の考え方や労働条件が自分の理想と一致しないと、働きにくいと感じるかもしれません。
では、どのような園であれば働きやすいのでしょうか。
保育士さんにとって働きやすい保育園の特徴として、主に以下の3つが挙げられます。
- 園の規模や保育方針が自分と一致している
- 勤務条件が理想に近い
- 職場環境の良さ
一つひとつくわしく見ていきましょう。
働きやすい保育園の特徴:①園の形態や保育方針が自分と合っている
園の形態や保育方針が自分と合っていると、保育士として働きやすいと感じるかもしれません。
園の種類・規模
働きやすい保育園の特徴として、自分が求める保育環境であるかどうかが挙げられるでしょう。
保育園や幼稚園、認定こども園以外にも、大規模園や小規模園など園の種類や規模はさまざまです。
また、認可の有無によっても園の特徴は異なります。
自分がどれくらいの規模のどんな園で働きたいかによって、保育士として働きやすい園の基準は変わるため、自分の理想とする園の特徴がどんなものか明確にすることが大切かもしれません。
保育理念・保育方針
保育理念や保育方針が自分の考えと一致している保育園の場合、保育士として働きやすいと感じるのかもしれません。
園によっては、決められたカリキュラムのもとで保育を行なう園もあれば、園独自の保育方針のもとで保育している園もあるでしょう。
就職先を決めるときは、事前にホームページなどで園の保育理念や保育方針を確認しておくと働いたときのイメージがしやすくなりそうですね。
園の立地
園の立地がいい保育園は保育士として働きやすいようです。
その理由として、駅チカだったり利便性がよかったりすると、通勤の負担が少ないことが挙げられます。
つまり、通勤のストレスが少ないことが働きやすさにつながるのかもしれませんね。
働きやすい保育園の特徴:②勤務条件が理想に近い
保育園の勤務条件が自分の理想に近いほうが、保育士として働きやすいと感じるでしょう。
働きやすい保育園の勤務条件について説明します。
給与の高さ
給与は生活するうえで基盤となるものですので、ある程度の水準を定めている保育学生さんも多いのではないでしょうか。
給与額は園ごとに異なりますが、給与は基本給と交通費や住宅手当といった固定手当で構成されています。働きやすい保育園を選ぶときは、給与の内訳まできちんと確認しておくとよいかもしれませんね。
あわせて、残業代について確認することも大切です。
園によっては、給与に含まれていることがあるため、あらかじめ把握しておくことで「思っていた金額と違う!」と、入職後に不満に思うことがなくなりそうです。
年間休日の多さ
年間休日数が多い保育園のほうが働きやすいようです。
年間休日は「完全週休2日制」か「週休2日制」で異なります。
厚生労働省「労働時間・休日」の基準にもとづいて計算すると、1日の労働時間が8時間の場合は年間休日数の最低ラインが105日となります。
仮に完全週休2日制で土日が休みという場合は、年間休日数は104日程度です。
さらに、祝日も休みの場合は、16日を加算して年間休日は120日になります。
2018年度の厚生労働省「平成31年就労条件総合調査の概要」のデータでは、一般的な年間休日の日数が108日程度となっているので、保育園を選ぶときの目安にしてみてもいいかもしれません。
福利厚生の充実
働きやすい保育園の特徴として、福利厚生が充実している事が挙げられます。
そもそも福利厚生には厚生年金や健康保険といった国が義務づけているものと、交通費や資格手当のように園が独自に定めているものがあります。
そのため、保育園によって福利厚生は異なるといえるでしょう。
保育士として働き続けることを考えると、退職金制度があったり産休育休制度があったりと福利厚生が充実しているほうが安心して働くことができ、働きやすさにつながるのかもしれません。
残業が少ない
残業(時間外労働)などがない保育園は働きやすいと感じるようです。
保育士の労働時間は一般的に1日8時間程度のようですが、なかには8時間以上のところもあるかもしれません。
イベントや行事に力を入れている園などでは、残業が発生することも考えられます。
勤務時間の長さは保育士が辞める原因としても挙げられているため、残業時間の有無をあらかじめ確認しておくことで、働きやすい保育園を見つけられそうです。
働きやすい保育園の特徴:③職場環境がいい
同じ保育園で長く働き続けるためには、職員環境も重要になってくるでしょう。
働きやすい保育園の職場環境について具体的に説明します。
保育士の連携が取れている
保育士同士の連携がきちんとできていて、雰囲気がいい保育園は働きやすいようです。
職場の人間関係でつまずいてしまうと、保育士として働き続けることが難しくなるかもしれません。逆に、保育士同士できちんと連携が取れていたり、和気藹々とした雰囲気だったりすると、仕事がしやすく、働きやすいと感じられるでしょう。
また、園長先生や主任保育士さんに相談がしやすい、または意見しやすい環境だと保育の質を高めることにもつながりそうですね。
設備が整っている
園内の施設が整っている保育園は、働きやすいようです。
設備が老朽化していると子どもたちがけがをしてしまう可能性があります。
一方、遊具や設備などが新しいと子どもたちがうれしいと感じるだけでなく、保育士さん自身も効率的に仕事ができて、結果残業の短縮や業務量の削減につながるかもしれません。
特にICTシステムを導入している園であれば、事務作業が簡素化されるため働きやすさにつながりそうです。
研修が充実している
研修制度が充実している園は保育士として働きやすいと感じるでしょう。
新人研修があると、新卒保育士として働く際の心構えや社会人のマナー、日々の保育で活用できそうな絵本の読み聞かせや発達心理学などを学ぶことができるかもしれません。
研修を受けることで保育士としてスキルアップすることも期待できるため、働きやすいと感じられそうです。
働きやすい保育園の求人を探すときのポイント
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働きやすい保育園に勤めたいと思っても、どのように求人を探せばいいか分からない保育学生さんもいることでしょう。
働きやすい保育園の求人を探すときのポイントを紹介します。
求人票の細かい部分まで確認する
就職先を選ぶときは、求人票の細かい部分までしっかり確認しておくと、入職前と後で差異がなくなるでしょう。
求人票では以下のことを確認しておくとよさそうです。
- 勤務時間
- 給与
- 年間休日
- 福利厚生
- 園の規模
- 研修制度の有無
- 運営の母体(自治体か社会福祉法人など)
- 最寄り駅、もしくはバス停から園までの距離
勤務時間や給与などは新卒保育士として働くうえで重要になります。
しかし、自分の理想にすべて当てはまる保育園を探しだすのは大変なため、絶対譲れない条件の順位を決めておくと就職先を絞りやすくなるかもしれません。
園見学に参加してみる
求人票やホームページなどで園の概要を知ることはできますが、実際に自分の目で見たほうが働いたときのことをイメージしやすくなりそうです。
園見学では、職場の雰囲気や職員の平均年齢、子どもたちの様子、施設内の清掃状況などを確認しておきましょう。
確認できなかった事柄については、担当者に質問をすると答えてもらえるかもしれません。
就職フェア・合同説明会に参加する
就職フェア・合同説明会では、複数の保育園が集まっているので比較的検討することができるでしょう。
一度に複数の園の情報を得られるだけでなく、園によっては採用担当者がきていたり、現役保育士さんがきていたりすることがあるので、よりくわしく園について質問することができそうですね。
そのほか、求人サイトや転職サイトでは、専門のスタッフが自分の希望に合わせて保育園を探してくれるところもあるようです。
園に対して疑問に思ったことも、スタッフを通して気軽に質問できるので並行して利用してみてもいいかもしれません。
保育士にとって働きやすい保育園の特徴を把握して就職先を選ぼう
今回は、働きやすい保育園の特徴と求人を探すときのポイントを紹介しました。
園に求めるものは人それぞれかもしれませんが、勤務条件が自分の理想としているものに近かったり、保育方針が一致していたりすると、入職後も不満を抱くことが少なくなりそうです。
職場環境は求人票やホームページだけでは判断することが難しいため、園見学や就職フェアを活用すると不安や疑問を解決できるかもしれません。
保育士にとって働きやすい保育園の特徴を把握して、就職先を選ぶときに役立ててみてくださいね。