保育園で行なうひな祭り会の内容を知りたい保育学生さんもいるかもしれません。
行事の由来を話したり、園内を装飾したりと当日までの準備はもちろん、ゲームなどの出し物のアイデアを知って入職後に役立てましょう。
今回は、保育園のひな祭り会について、ねらいやプログラム、事前準備などを紹介します。製作や当日楽しめるネタもまとめました。
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■目次
保育園で行なうひな祭り会とは?
3月3日はひな祭り。
保育園や幼稚園でも伝統行事の一つとして実施することもあるでしょう。
そもそもひな祭りとは、ひな人形を飾って女の子の健やかな成長を願う日です。もともと、紙で雛人形を作って病気やけがなどのよくないものを川へ流す「流し雛」をして厄を払っていたとされており、現代にも伝わったと言われています。
保育園でひな祭り会を行なうのには、以下のようなねらいが挙げられます。
- ひな祭り会を通してひな祭りが何かを知る
- ひな祭りという行事に親しみを持つ
このようなねらいをもとに、ひな祭り会の計画を立てていきます。
保育園でひな祭りを楽しく過ごすためには、事前の準備やひな祭りの由来や意味をきちんと説明することが大切です。子どもたちに由来をわかりやすく伝えながら、楽しいひな祭り会にできるとよいですね。
今回は、保育園のひな祭り会について、準備することや当日の流れなどを紹介します。
保育園でひな祭り会をするときの事前準備
ひな祭り会を盛り上げるために、子どもたちとできることや保育士さんが準備をすることをまとめました。
ひな人形を製作する
当日に向けて事前にひな人形製作をする園が多いようです。手作りすることで、ひな祭り会への期待を持てるようなるでしょう。また、作り終わったあと、部屋に飾って雰囲気作りをすることができそうです。
また、園内に飾られている自分の作品を見て、子どもたちはひな祭り会が待ち遠しくなるかもしれません。いくつかひな祭りにちなんだ製作アイデアを紹介します。
紙皿で作るひな祭りリース
紙皿で、ゆらゆら揺れるひな祭りリースを作ってみましょう。
<用意するもの>
- 紙皿
- 折り紙
- 画用紙
- ひも
- カッター
- はさみ
- のり
- 穴あけパンチ
<製作のポイント>
お雛様とお内裏様の着物は千代紙を貼ったり、事前に染め紙をしたりしておきましょう。カッターを使うと危ないこともあるで、保育学生さんが事前に紙皿を切ってくとよいかもしれません。(詳しい作り方はこちら)
紙コップで作るひな人形
紙コップを使って、お雛さまとお内裏さまを作りましょう。
<用意するもの>
- 紙コップ
- 千代紙
- 顔の形の画用紙
- 折り紙
- のり
- クレヨン
- 新聞紙
<作り方>
1.千代紙をちぎります。
2.紙コップにのりで千代紙を貼り付けます。
3.顔にかみの毛、目、口を描きます。
4.紙コップに顔を貼り付けます。
5.作っておいた小物を貼り付ければできあがりです。
<製作のポイント>
乳児クラスが製作する場合には、事前にかみの毛や目、口などは画用紙で作っておき、子どもたちがのりで貼り付けるとよいかもしれません。幼児クラスの子どもたちは、ちぎった千代紙を1枚ずつ貼っていくようにするとのりを付ける練習にもなりそうです。(詳しい作り方はこちら)
ひな祭りクッキングをする
ひな祭りにちなんだものをクッキングする保育園もあるようです。
おやつに出てくる桜餅や、ボーロにピンクや緑の色を付けてのひな祭り版にしたり、ひしもちを作ったりするところもあるかもしれません。
小豆を使う場合は、給食室で煮てもらい桜餅の皮の部分をホットプレートで焼いたり、ボーロを丸めてみたりするだけでも、ひな祭りらしいクッキングができそうです。
園内の飾り付けをする
ひな祭り会を盛り上げるために、園内の飾り付けをしましょう。
廊下や各クラスで製作した雛人形を壁などに装飾したり、ひな祭り会を行なう会場に雛人形を飾ったりするとよいですね。雛人形は、立春から2月中旬にかけて飾るとよいとされているのであわせて覚えておきましょう。
園内がひな祭り仕様になると3月3日のひな祭り会も盛り上がりそうですね。
保育士さんなどによる出し物の練習、準備をする
パネルシアターやペープサート、紙芝居などの練習や準備をしてから、ひな祭り会に臨みましょう。ぶっつけ本番で行なってしまうと、スムーズに演出が進まない場合もあるかもしれません。事前に練習や準備をしておけば、当日子どもたちの気持ちも盛り上がるかもしれません。
保育園のひな祭り会の流れ
ここからは、保育園で行なうひな祭り会の流れの例を紹介します。
1.ひな祭りの歌を歌う
歌をみんなで歌ってひな祭り会を楽しみます。「うれしいひなまつり」などの歌をクラスで練習しておき、本番を迎えましょう。歌詞のなかには、雛人形の人形の名前も出てくるため、歌いながらそれぞれの名前を覚えることができそうです。
2.ひな祭りの由来を話す
由来を話すときのポイントとして子どもたちにわかりやすく、かみ砕いて話すことが大切です。ひな祭りにちなんだ紙芝居やペープサート、パネルシアターなどを使うと、子どもたちは目で見て楽しみながらひな祭りの由来を知ることができるでしょう。
3.ゲームなどの出し物を行う
ゲームや出し物をしてひな祭り会を楽しみましょう。
ひな祭りクイズ
<遊び方>
1.ひな祭りに関連したクイズを出します。
例 「おひなさまが好きなお祭りは何だ?」
2.子どもたちが答えます。
3.(1)と(2)を繰り返して遊びます。
<遊ぶときのポイント>
園全体で行なうので、答えを2択か3択用意して答えだと思うところに手を挙げてもらったり、手を挙げた人が代表して答えるようにするとよいかもしれません。どの年齢でもわかるようなものにすると楽しめそうです。
フルーツバスケット~ひな祭り編
ひな祭り編のフルーツバスケットとは、オニひな人形の名前を言うと、呼ばれた人形の子どもは席を移動するというゲームです。
<用意するもの>
- イス
- お雛様、お内裏様、三人官女、五人ばやしのイラストが書いてある紙
<遊び方>
1.円をえがくようにイスを内側に向けて並べます。子どもたちの数より椅子は1つ少なくしましょう。
2.オニ以外の子どもたちは、椅子に座り、オニになった子どもは円の真ん中に立ちます。
3.子どもたちを「お雛様」「お内裏様」「三人官女」「五人ばやし」に分かれ、それぞれのイラストが描かれている画用紙を首から下げます。
4.4種類のなかからオニはすきな人形を言います。
5.たとえば、「お雛様」といったときは、お雛さまのカードを持っている子どもだけが座った場所とは別の椅子を探して座ります。オニも空いている椅子を探して座り、座れなかった人が次の鬼になります。オニになってしまった人は、人形のカードをオニだった友だちに渡します。
6.(4)と(5)を繰り返して遊びます。
<遊ぶときのポイント>
オニが「フルーツバスケット」と言うと、全員で席を移動します。ひな祭り会で行なうときは、学年ごとに行ない、他の子どもたちは周りで見ているようにすると混乱も少なく遊べるかもしれません。
椅子取りゲーム~ひな祭り編
集団遊びとして盛り上がる椅子取りゲーム。
本来は、音楽に合わせて動き、椅子の数が減るなかで最後まで残った子どもが勝ちですが、ひな祭り仕様に少しアレンジしてみましょう。
<遊び方>
1.椅子を外側に向けて円を作ります。
2.学年別に分け、椅子のなかを音楽に合わせて歩き、音楽が止まったら椅子に座ります。
3.1回終わるごと椅子を1つずつ減らしていきます。
5.(2)と(3)を繰り返して遊びます。
6.残りが2人なったらお雛様の扇とお内裏さまの尺を渡してチャンピオンとなります。
<遊ぶときのポイント>
流す音楽は歩きやすい「さんぽ」や「どんな色がすき」など子どもがよく知っている曲にしましょう。
チャンピオンになった子どもが扇と尺のどちらでも選べるように多めに用意しておくとよいかもしれません。普段の椅子取りゲームにアレンジを加えるだけで、ひな祭りにちなんだものになりそうです。
4.製作したものを発表する
各クラスや年齢ごとに製作した雛人形を発表しましょう。
「乳児さんはこんなのを作りました」など前に出て発表をします。他のクラスが作ったものを見て「すごいね」「じょうずだね」と子どもたち同士で感想を言いあえるきっかけになるかもしれません。
園によっては流れもさまざまかもしれませんが、一般的にはこのような流れでしょう。他にも、ひな祭り会に発表会や年長とのお別れ会を取り入れている園もあるようです。
保育園のひな祭り会をするときに注意するポイント
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保育園のひな祭り会で注意するポイントをまとました。
園全体で楽しめるようにする
まず、園全体で楽しめるようにすることが大切です。女の子の成長を願う行事ではありますが、男の子も楽しめるようにしましょう。ひな祭り会のゲームや保育士さんの出し物も事前の準備をきちんとしておくようにするとよいかもしれません。
ゲームは、乳児クラスと幼児クラスで分ける
ゲームを行なう場合、乳児と幼児クラスで分けて行いましょう。幼児クラス用のゲームでも乳児用にルールを簡単にするとわかりやすくなり、小さい子どもたちも楽しんで遊べるかもしれません。
事前準備をきちんとして保育園のひな祭り会を楽しもう
今回は、保育園で行なうひな祭り会の流れやねらいなどについて紹介しました。
当日までに、ひな人形の製作やひな祭りクッキング、園内の飾り付けなどをすると行事の雰囲気や子どもたちの気持ちも盛り上がりそうです。また、出し物やゲームなど、子どもたちが楽しめるものを用意しておきましょう。
今回の記事を参考にしながら事前準備をきちんとし、流れや内容をきちんと確認したうえで子どもたちと楽しいひな祭り会を行なえるとよいですね。