さまざまな理由から1年目で辞めたいと悩む新卒保育士さんもいるでしょう。特に1年目は覚えることや慣れないことが多く、落ち込んだり不安になったりしてしまいますよね。今回は、保育士1年目で辞めたくなる原因や、退職前に考えておく内容をまとめました。また、スムーズに転職するコツについてもくわしく紹介します。
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1年目の保育士が辞めたいと思う理由
新卒保育士さんのなかには、晴れて保育士として働くことができ、ワクワクとした気持ちで入職する方も多いでしょう。
しかし、実際に働いてみると業務をうまくこなせなかったり、勤務時間が長かったりする場合もあり、新卒保育士さんでも辞めたいと思ってしまうことがあるかもしれません。
まずは、1年目の保育士さんが辞めたいと思ってしまう理由についてくわしく見ていきましょう。
覚えることが多い
1年目の保育士さんはあらゆる業務が初めての経験なので、掃除や行事の企画、保護者対応など、覚えることが多く大変に感じてしまうようです。
仕事をすべて覚えるまでにはかなりの時間や労力が必要となり、精神的にも体力的にもきついと思ってしまうかもしれません。
仕事熱心で真面目な人ほど、業務が思うようにできないと落ち込んでしまう場合もあるようです。
しかし、新卒保育士さんは入職したばかりのため焦る必要はなく、自分のできる範囲で業務に打ち込みましょう。
うまく仕事を覚えられない方は、こまかな業務はしっかりとメモを取ったり、子どもの名前は何度も呼んだりするとよいかもしれませんね。
自分の保育観とギャップがある
園の保育方針に納得できなかったり、先輩保育士さんの保育のやり方に違和感を覚えたりすることで、理想とする保育とのギャップを感じてしまうケースもあるようです。
保育士として働くうえでは、基本的に園や先輩保育士さんの保育方針に合わせる必要があるため、辞めたいと思うきっかけの一つになってしまうかもしれません。
労働条件が合わない
業務量が多いものの給料が少なかったり、残業が多かったりする場合は、辞めたいと思ってしまうこともあるでしょう。
また、シフトが早朝からでつらいなど、勤務時間の条件が合わないときに不満を感じ、退職を考える原因になるかもしれません。
休みを取りづらい
1年目の保育士さんのなかには、休日に持ち帰り業務をしなければならなかったり、残業が多かったりして休めない場合もあるようです。
そのため、身体的・精神的に疲弊してしまい、限界を感じて辞めたいと思ってしまうかもしれません。
子どもと関係を築くことが難しい
1年目の保育士さんは子どもと関係を築いている途中のため、うまく遊べなかったり、生活をサポートしたりすることが難しいと感じる場合もあるようです。
そのようなことが積み重なると「自分は保育士に向いていないのでは」と思い、落ち込んでしまうこともあるでしょう。
保育は子どもと同じ目線で接することが大切と言われているので、いっしょに思いきりダンスを踊るなど、子どもがよろこびそうな遊びに少しずつ取り組めるとよいかもしれません。
人間関係にトラブルがある
上司や先輩とうまくコミュニケーションを取れなかったり、保護者とうまく関係を築けなかったりすると、不安やつらさを感じてしまうこともあるでしょう。
特に、保護者は自分の子どもを保育士さんに任せても大丈夫なのかと、厳しい目線を向けることもあるかもしれません。
そのため、「今日はすべり台を一人ですべれるようになりましたよ」など、ちょっとしたコミュニケーションを取り続ければ保護者も安心でき、信頼関係を築きやすくなりそうです。
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保育士1年目で辞めたいと思ったときに考えるべきこと
どうしても業務を続けることが困難な場合、1年目の保育士さんでも辞めることはできますが、退職する前に一度冷静に考えるべきこともあるでしょう。
ここでは、保育士を辞めたいと思ったときに検討するとよい内容について紹介します。
改善策を考える
辞めたいと思う理由を明確にすれば、具体的な対策を考えられるようになるかもしれません。
例えば、業務を覚えることが大変な場合は一度にすべて覚えようとするのではなく、まずは物の場所をしっかり覚える、指導案の書き方をマスターするなど細かい目標を立てて少しずつ取り組んでいくとよいでしょう。
しかし、労働環境など自分では解決しにくい問題が原因の場合や、業務によって体調不良が起こっている場合などは、退職を考えたほうがよいかもしれません。
転職を反対される可能性がある
「業務量の負担が多い」など正直に退職理由を伝えても、「改善するから」と引き止められ、交渉が長引いてしまう可能性があるでしょう。
そのため、スムーズに退職をしたい場合は、事前に退職理由はどうするのかを考えておくことがポイントです。
体調不良で診断書を用意できたり、引っ越しなどやむを得ない事情であったりすれば、園にも受け入れられやすいかもしれません。
ただし、事実と異なる退職理由を伝えると、バレたときに転職先の園に伝えられるなど、後にトラブルが起こる可能性もあるため嘘はつかないようにしましょう。
退職時期を検討する
転職するのであれば、キリのよい年度末に転職をするのが無難と言われています。
担任などが変わる時期なので引継ぎもしやすく、保育園での1年の流れを経験しているため、転職先を見つける際に評価されやすいかもしれません。
やむを得ず年度中に退職をする場合は、4月中や大きなイベント前は園が慌ただしいので、できるだけ控えたほうがよさそうですね。
1年目の保育士がスムーズに転職するコツ
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保育士1年目でも転職できることをお伝えしましたが、スムーズに転職先を見つけるためには段どりを押さえることが大切です。
最後は、転職する際のコツについてまとめました。
転職先を決めてから退職する
スムーズに転職をするためには、あらかじめ転職先を決めてから退職するとよいでしょう。
そうすれば、後から転職先が決まらずに焦ることもなく、退職の交渉をした際に引き止められることも少なくなるかもしれません。
慎重に転職先を決める
人間関係で悩んだ保育士さんは人間関係のよい園、残業で悩んだ保育士さんは労働環境が整っている園など、自身が退職する理由をふまえたうえで慎重に転職先を選びましょう。
ただし、求人票や園見学では見えない部分もあるので、入職後にギャップを感じないためにも、転職サービスを利用すると安心かもしれません。
保育士向けの転職サービスを利用すれば、アドバイザーが人間関係のよさや労働条件などについてくわしく教えてくれるため、自分にぴったりの園を見つけるのに役立ちそうです。
保育士1年目で辞めたいと思ったら、まずは理由や改善策を考えよう
今回は、保育士1年目で辞めたいと思ってしまう理由や、退職前に考えるべきことを紹介しました。
新卒保育士さんは覚えることが多かったり、自分の保育観とギャップを感じやすかったりするため、不安や焦りを感じ、退職を考えることも多いようです。
辞めたいと思う理由や改善策を考えたうえで、それでも転職をしたいときは退職理由や時期をしっかりと検討しましょう。
環境が合わないなど仕事を続けるのが難しい場合は1年目でも転職できます。効率的に保育士転職サービスなどを利用して、自分に合った園を探してみてくださいね。