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フレックスタイム制とは?保育学生さんが知っておきたいメリット・デメリット

フレックスタイム制とはどのような働き方かご存じでしょうか。保育学生さんにはあまり馴染みのない勤務形態かもしれませんが、なかには導入している園もあります。今回は、保育士の働き方の一つ「フレックスタイム制」について、厚生労働省の資料をもとにわかりやすく解説します!また、働くうえでのメリット・デメリットもまとめました。


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フレックスタイム制とは?

保育士の働き方には、固定勤務やシフト制などさまざまありますが、そのうちの一つとしてフレックスタイム制を採用している園もあるよう。


フレックスタイム制とは、簡単に言うとあらかじめ定められた総労働時間の範囲内であれば、労働者自身で日々の労働時間を決められる制度です。


多くの保育園で採用されているシフト制は、「何時から何時まで」という形で勤務時間が決められており、日ごとや週ごとに早番や遅番などのシフトを交代しながら働きます。


一方フレックスタイム制では勤務時間が固定ではないため、日々何時から何時まで働くかを自身で決めることができます。


つまり、保育士さんが仕事とプライベートのバランスをとることが可能な働き方と言えるでしょう。


では、フレックスタイム制の仕組みについて見ていきます。



フレックスタイム制の仕組み

フレックスタイム制と、シフト制や固定勤務などの労働制度との違いを示したのが以下の図です。


フレックスタイム制の図

出典:フレックスタイム制のわかりやすい解説&導入の手引き/厚生労働省から抜粋


このように、フレックスタイム制は従来の働き方に比べて勤務時間を柔軟に設定できるのが特徴です。では、フレックスタイム制の仕組みについてわかりやすく紹介します。



清算期間


フレックスタイム制を導入する場合、事業所は労使協定を結ぶ必要があります。その労使協定のなかで清算期間と呼ばれるものが定められています。


清算期間とは、労働者が働くべき時間を定めた期間です。


わかりやすく言えば、「30日間で170時間働かなければならない」と労使協定を結んでいる保育園の場合、30日間が清算期間となります。


2019年に法改正が行われ、2022年時点で清算期間の上限は3カ月となっています。



清算期間における総労働時間


清算期間における総労働時間とは、労働契約において労働者が清算期間内に働くべき時間として定められた時間で、簡単に言い換えると所定労働時間です。


つまり、フレックスタイム制では清算期間を単位として所定労働時間が定められています。


所定労働時間は法定労働時間内に収まるように決める必要があるため、1週間あたりで換算した場合原則週40時間以上働くようなことはありません。


フレックスタイム制を採用している園で働く場合は、月の労働時間がどのように設定されているか確認しておきましょう。



標準となる1日の労働時間


標準となる1日の労働時間とは、有給休暇を取得した際に支払われる賃金を算定する際の基礎となる労働時間の長さを定めたものです。


清算期間における総労働時間を期間中の所定労働日数で割った時間を基準として定められています。


例を用いて簡単に説明すると、所定労働時間が170時間、所定労働日数が20日の場合、「170÷20=8.5」より8.5時間が「標準となる1日の労働時間」となります。


つまり上記の例で有給休暇を1日取得した場合、8.5時間働いたものとして賃金が支払われる仕組みです。



コアタイム


時計

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コアタイムとは、労働者が1日のうちで必ず働かなければならない時間帯です。


コアタイムは雇用側が任意で設定するものですが、設ける場合は開始・終了時刻を労使協定で定める必要があります。


例えば、就業規則に「12時~5時をコアタイムとして設定」といった形で記載されている園の場合、12時~5時は職員全員が働かなければなりません。


保育園は開園時間が長く保育士さんが交代で業務を行うスタイルが多いため、コアタイムを設けている園は少ないかもしれません。



フレキシブルタイム


フレキシブルタイムとは、労働者が自由に労働時間を決められる時間帯です。


雇用側が任意で設定するものですが、コアタイムと同様に設ける場合は開始・終了時刻を定める必要があります。


フレキシブルタイム内であればいつでも出勤・退勤してよいため、その日の都合にあわせて柔軟に勤務時間を調整できるのが特徴です。


出典:フレックスタイム制のわかりやすい解説&導入の手引き/厚生労働省



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裁量労働制・変形労働時間制との違い

笑顔の保育士

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では、フレックスタイム制と混同されやすい裁量労働制や変形労働時間制について紹介します。


数としては多くないものの採用している保育園や幼稚園はあるため、違いを押さえておきましょう!



裁量労働制とは


裁量労働制とは、労働者自身が仕事の進め方や労働時間を自由に決定できる制度です。


専門業務型裁量労働制と企画業務型裁量労働制の2つに分類されており、裁量労働制の対象となる業務や事業所には制限があります。


裁量労働制のもとでは総労働時間も自身で調整できるため、フレックスタイム制のように「必ず月に〇時間働かないといけない」といった決まりはありません。


フレックスタイム制よりもさらに柔軟に仕事を進められるのが裁量労働制と言えるでしょう。



変形労働時間制とは


変形労働時間制とは、1カ月や1年など決められた期間内で労働時間を調整できる制度です。


定められた期間における平均労働時間が法定労働時間の週40時間以内に収まっていれば、雇用側が「繁忙期は1日10時間勤務、閑散期は1日6時間勤務」などと調整することができます。


変形労働時間制のもとでは雇用側が週や月ごとの勤務時間・日数を決定するため、労働者が勤務時間を調整できない点がフレックスタイム制との違いです。


出典:労働時間制度の概要/厚生労働省




保育士がフレックスタイム制で働くメリット・デメリット

保育園

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では、保育士さんがフレックスタイム制を採用している園で働くメリットとデメリットを紹介します。メリットとデメリットを比較して、就活における園選びの参考にしてみてくださいね。



メリット



ワークライフバランスを取りやすい

フレックスタイム制のメリットの一つが、ワークライフバランスの取りやすさです。


先ほど説明したように、フレックスタイム制では日々の勤務時間を自分で決定できるため、私生活を大切にしながら働くことができます。


たとえば子育てをしながら働く場合、子どもの送り迎えができたり学校行事などに参加できたりと、両方のバランスを取りながら仕事を続けられるでしょう。


通勤ラッシュを避けることができる

メリットの二つ目が、通勤ラッシュを避けられることです。


一般的に朝7時~9時頃は通勤ラッシュの時間帯。バスや電車などの公共交通機関は、出勤する人や通学中の学生で混雑していますよね。


フレックスタイム制を採用している園で働けば、出退勤の時間をずらしてラッシュにあわずに通勤することが可能です。通勤がストレスになりやすい人にとってはメリットと言えるでしょう。


急な事情でも仕事を休まずに済む

フレックスタイム制では、家庭の事情や急な病気・ケガなどがあった場合でも始業時間を遅らせたり終業時間を早めたりすることが可能です。


勤務時間が決まっていると遅刻や早退扱いになってしまう場合でも、フレックスタイム制であれば翌日やその週のなかで労働時間を調整して対応できます。


急な用事があっても仕事を休まなくて済むのはメリットと言えますね。



デメリット


考える女性

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コミュニケーションが取りづらくなることも

フレックスタイム制では、職員の出勤時間がバラバラになります。


特にコアタイムがない場合、全員と顔をあわせる機会が少なくなるかもしれません。


口頭でのコミュニケーションが減る可能性もあるため、情報共有が難しいと感じることもあるでしょう。


対面でのコミュニケーションを重視したい保育学生さんにとっては、デメリットとなりそうですね。


自己管理が求められる

時間管理がゆだねられている点をデメリットに感じる保育学生さんもいるかもしれません。


フレックスタイム制では出退勤時間を自身で決められるため、ついつい1日の勤務時間が長くなって毎日夜まで働くといったこともあるでしょう。


時間をしっかり管理できないと集中力や生産性の低下につながるおそれもあるため、自己管理が苦手な方にとってはマイナスポイントと言えそうです。



フレックスタイム制とは何かを知り、園選びの参考にしよう

今回は、保育士の働き方の一つであるフレックスタイム制についてわかりやすく紹介しました。


フレックスタイム制とは、決められた範囲のなかで自由に勤務時間を調整できる勤務制度です。


採用している園は多くはないものの、求人票で目にする機会があるかもしれません。どのような働き方なのか頭に入れておき、納得した園選びにつなげましょう!


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