保育実習後、お世話になった園に送るお礼状。手紙の内容だけでなく、封筒の書き方に迷ってしまう保育学生さんもいるかもしれません。園の方に気持ちよく受け取ってもらえるように、宛名や表書き、封筒サイズのマナーなどを押さえておきましょう。今回は、保育実習のお礼状の封筒の書き方や、便箋の入れ方などを紹介します。
pu_kibun/shutterstock.com
■目次
保育実習後に送るお礼状とは?
保育実習を受け入れてもらったことや、指導してもらったことへの感謝を伝えるお礼状。
実習後、学んだことやこの園で働きたいという思いとあわせて、お世話になった園にお礼状を送る保育学生さんも多いのではないでしょうか。
その際、郵送・手渡しのどちらの場合でも、お礼状を受け取った園の方が最初に目にするのは封筒です。
お礼状を入れる封筒にもきちんとした書式があるため、手紙の内容だけでなく宛名の書き方や切手の貼り方などのマナーを押さえることが大切になります。
今回は、お礼状を入れる封筒の書き方や便箋の折り方などについて紹介します。
【保育実習のお礼状】必要な準備と便箋や封筒の選び方
お礼状は園長先生や担当保育士さんに送るものなので、使用する便箋や封筒はマナーに則ったものを選びましょう。まずは、お礼状を書くために準備するものと選び方を説明します。
お礼状の作成に必要な準備
お礼状の作成に際して、以下のものを準備しましょう。
- 封筒(和封筒、白無地)
- 便箋(縦書き、白無地、罫線入り)
- 筆記具(ベストなのは万年筆)
- 切手
- のり
保育実習後のお礼状は期間を空けずに出すのが望ましいので、実習前に必要なものをそろえておくとよいですね。
お礼状の作成に使用する道具の選び方
お礼状を書くうえで使用する便箋や封筒は、フォーマルな手紙としてふさわしいものを選ぶ必要があります。
便箋
お礼状の便箋は、「白無地」で「縦書き」のものを用意しましょう。
イラスト入りや色付きの便箋はラフな印象に受け取られるため、改まった手紙の場合は白無地のものを使用するのがマナーです。
また、便箋のサイズは「B5」が標準的な大きさのようです。
万年筆を使用すると字が滲んでしまい書き直す必要が出てくるので、インクが滲みにくい紙質を選ぶのもポイントになるでしょう。
封筒
お礼状の封筒は、白色で無地の「和封筒」(縦長の封筒)が一般的です。同じ無地でも事務用の茶封筒は失礼にあたるので避けましょう。
封筒のサイズは便箋の大きさに合わせるのがマナーとされており、便箋がB5サイズであれば長形4号が適しています。
切手
切手の選び方についても注意が必要です。
お礼状はかしこまった手紙であるため、派手な柄やキャラクターデザインは避けて落ち着いたデザインのものを使用しましょう。
また、長形4号サイズの封筒であれば定形郵便物に分類されるため、切手料金は84円になります。
ただし切手を含む重さが25gを超えてしまうと94円となるため、何枚も便箋を入れる場合は切手を貼る前に重さを確認するとよいかもしれません。
筆記用具
お礼状は、黒色のボールペンや万年筆を用いて手書きで作成します。摩擦によって消えるペンなどは、気温が高いと文字が消えてしまうことがあるため避けましょう。
また、お礼状を書くときは修正液やテープを使わないことがマナーです。書き損じが心配な方は、一度下書きをして文章をまとめてから、改めて清書するとよいでしょう。
【保育実習のお礼状】封筒の書き方(表・裏)
保育実習のお礼状を受け取った方が最初に目にするのは封筒です。そのため、書き方のマナーを押さえられていないと雑な印象を与えてしまうかもしれません。
気持ちよく手紙の内容を読んでもらえるよう、封筒の表裏の書き方にも気を配りましょう。
【封筒の表】受取人の住所・肩書・宛名
封筒の表書きには、実習先の園の住所、園名、宛名(園長先生が一般的)を記載します。
郵便番号・実習先の園の住所
封筒に印字されている枠に実習先の園の郵便番号を記入します。もし枠がなければ右上のあたりに横書きで記しましょう。
園の住所は縦書きで封筒の右端から書いていきます。
住所は省略せず都道府県名から正式に書き、1行で収まりきらない場合は2行に分けましょう。また、縦書きのため漢数字を用いることにも注意が必要です。
実習先の園の名前
実習先の園名を住所と同じ高さに揃えて正式名称で記入します。
公立保育園の場合は、「〇〇市立」「〇〇区立」から書きましょう。
宛名
宛名には受取人になる方の名前を書きます。一般的には園長先生を宛名とすることが多いでしょう。
住所より下の位置で、肩書・フルネームの順で書きます。肩書と名前は、住所より少し大きめで書くのがポイントです。
受取人の敬称は「様」または「先生」のどちらでも大丈夫ですが、園長様や先生様と書いてしまうと二重敬語になってしまうため気をつけましょう。
お礼状は郵送のことが多いですが、園に直接うかがって手渡しすることもあるかもしれません。手渡しの場合は園の住所や郵便番号は記入せず、宛名に園の名前と受取人の名前だけ記載する形が一般的なようです。
<封筒の表書きの例>
【封筒の裏】差出人の住所・在籍学校・名前の書き方
封筒の裏側には、誰からお礼状が送られてきたのか一目でわかるように、差出人である自身の住所、学校名、氏名を記載します。また、封筒の左上部に投函日も書きましょう。
郵便番号・差出人住所
表書きと同じく、都道府県から丁番地まで略さずに書きましょう。マンション名などが1列で収まらない場合は、丁番地まで書いてから左横に記します。
差出人の在籍学校名・学部学科
保育実習のお礼状であることがわかるように、学校名だけでなく学科まで記載しましょう。
同じ学校から複数人の実習生がお世話になった場合でも、誰からのお礼状なのかわかりやすいかもしれません。学校名と学部名は住所の左隣に書きます。
差出人の氏名
自分の名前なので、「様」などの敬称はつけずに氏名を書きます。
学校名の左隣に、差出人住所より大きな文字で書くのがポイントです。
お礼状の投函日
封筒裏面の左上のあたりにお礼状を投函する日付を縦書きで記入します。封をする前に、便箋に書いた日付と相違がないことを確認しましょう。
<封筒の裏面の例>
【保育実習のお礼状】便箋の折り方や封筒への入れ方
Early Spring/shutterstock.com
保育実習のお礼状は和封筒に入れて送るのが一般的です。ここでは、便箋の折り方や封筒への入れ方を紹介します。
便箋の折り方
お礼状では、便箋を三つ折りするのがマナーとされています。
お礼状の書き出しが上にくるように便箋を置き、三等分にしたところの目安をつけます。便箋の下側を三分の一のところで折り上げ、上側を重ねるように折り下げればきれいな三つ折りとなるでしょう。
封筒への便箋の入れ方
便箋を封筒に入れる際の向きは、封筒の裏から見てお礼状の書き出しが右上にくるように入れます。
この入れ方は、封筒を開けたときに書き出しがすぐに見えるようにするために行う、相手側への配慮です。
封筒の閉じ方・切手の貼り方
お礼状と封筒の宛名を書き終えたら、三つ折りにした便箋を入れて閉じます。
封筒の閉じ方にもマナーがあるのできちんと押さえておきましょう。
のりづけして封を閉じる
郵送途中に開いてしまわないよう、きちんとのりづけをしましょう。
水のりは封筒がふやけることがあるので、スティックのりか両面テープで閉じるとよいかもしれません。セロテープは剥がれやすいうえに見た目があまりきれいではないため、使わないようにしましょう。
封字の「〆」を書く
封筒をのりづけしたら、真ん中あたりに「〆」「封」などの封字(封をした印)を書きましょう。
〆や封を書くことで、しっかりと封をしたという証になります。
切手は左上に貼る
必要な料金分の切手を封筒の左上に貼りつけましょう。
この際、できるだけ切手の枚数が少なくなるように貼りつけるのがマナーとされています。
たとえば必要な料金が84円だった場合はできるだけ84円切手1枚を貼るようにし、20円や1円切手を何枚も貼るといったことがないようにしましょう。
保育実習のお礼状を送るときの注意点
最後に、保育実習のお礼状を郵送、あるいは手渡しする際の注意点を紹介します。
できるだけ早いうちに送る
お礼状は実習後できるだけ早く送りましょう。
具体的には、保育実習の最終日か、最終日から1~3日以内に発送するのが理想的のようです。
ただし作成に時間がかかることもあるため、一般的なマナーとして実習最終日から1週間、遅くとも10日以内を目安に送付するようにしましょう。
お礼状の作成は、実習の記憶が鮮明なうちに書くとスムーズかもしれません。あらかじめ実習中や実習前におおまかなフォーマットを準備し、実習の感想や具体的なエピソードを添えればすぐに送れるようにしておくとよさそうですね。
遅れた場合も必ずお礼状を送る
万が一、お礼状を送るのが遅れた場合でも必ず送付しましょう。
お礼状は実習先の園へ感謝を伝えるためのものなので、そのまま出さずにいると失礼になってしまいます。お礼状には、感謝の気持ちとともに送付が遅れたことに対するお詫びの文章を書きましょう。
菓子折りなどは必要ない
保育実習のお礼として「菓子折り」などを添えたほうがよいのではないか、と考える保育学生さんもいるようです。
しかし、基本的に菓子折りは必要ないとされています。学生さんから贈り物などは受け取らないとしている園もあるようなので、学校側から指示があった場合は従いましょう。
封筒の書き方を押さえて、お世話になった園に保育実習のお礼状を送ろう
今回は、保育実習後に送るお礼状について、封筒の書き方や便箋の折り方、注意点などを紹介しました。
保育実習のお礼状は、手紙の内容だけでなく封筒の作成にもマナーがあります。手渡しでも郵送でも受け取った方が最初に目にするのは封筒なので、宛名の書き方や切手の貼り方などを押さえておくことが大切です。
封筒の書き方や便箋の入れ方などに気を配って、実習先の園に感謝を伝えるお礼状を送りましょう。