新卒保育士の採用試験において、向いている性格であるかなどを確かめるために、適性検査を行う企業や園もあるようです。どんなことを聞かれるのかや対策について把握しておけば、実際の試験でも役立つかもしれませんね。今回は、保育士の適性検査とは何かや内容例、気をつけるポイントと対策を紹介します。
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保育士の適性検査とは
一般的な適性検査とは、新卒採用にあたり、企業や園が求める職務要件を満たしているかや、将来的に期待できる人材かなどの判断をするための基準を測定するものです。
企業や園によって、適性検査を取り入れているかどうかは異なるようですが、自身の性格を分析して「自分だったらどう対処するか、どう思うか」などを答えていく検査や、実技に関する能力的な面を問われる検査などさまざまでしょう。
園独自に決めた検査項目に対して、選択式または記述式で回答するほか、マークシートで記入して外部で集計・結果判断をする場合などもあるかもしれません。
最終的に回答が揃うと、学生さんがどのような性格なのかを採用担当者が理解することができるようになります。
その結果を参考にしながら、面接などで質問を行なう場合もあるようです。
保育士の適性検査の内容例
では、実際に保育士の適性検査とは、どのような項目から成り立っているのでしょうか。
ここでは、その内容例を紹介します。
性格について
保育士の適性検査においては、以下のように学生さん自身の性格について問われることが最も多いようです。
- 困ったことがあれば周りに相談できる
はい/いいえ/どちらとも言えない - 新しいものは何でも試してみたい
はい/いいえ/どちらとも言えない - 物事を前向きに考えられる
はい/いいえ/どちらとも言えない
このように、性格に関する質問においては以上のような3択、または「あてはまる/どちらかと言えばあてはまる/どちらかと言えばあてはまらない/あてはまらない」といった4択から最も近いものを選ぶ場合があるようです。
性格に関しての質問は、学生さんが自身のことをよく理解していることが大切なポイントになります。
適性検査に臨む前に自己分析を進めておくと、本番でもスムーズに回答できるかもしれませんね。
事務作業について
保育士の仕事は子どもと関わること以外に事務作業があります。
学生さんがどの程度対応できる能力をもっているか見るために、以下のような質問がされることがあるでしょう。
- 週案や日案、指導案の作成経験がある
はい/いいえ/どちらとも言えない - パソコンで文章作成や表計算ができる
はい/いいえ/どちらとも言えない - おたよりなどのレイアウトができる
はい/いいえ/どちらとも言えない
事務作業に関する質問においては、保育計画や指導案などの作成ができるか、パソコンを扱えるかといった項目があるようです。
保育士の仕事においてどのような事務作業があるかあらかじめ調べておき、学生のうちに文章作成の練習をするなど能力を伸ばすのもよいかもしれませんね。
実技について
保育現場で活かせる技術や知識をもっているかを見るために、以下のような実技に関する質問がされることもあるようです。
- ピアノを弾きながら歌うことができる
はい/いいえ/どちらとも言えない - 大人数の前で話すことができる
はい/いいえ/どちらとも言えない - 金魚を保育室で飼うことになりました。あなたは保育士としてどのようなことに配慮して飼育しますか。
自由記述
このように、実技についてはピアノや読み聞かせなどスキルに関する質問に選択式で答えるほか、保育士としての関わり方などについて自由記述で答える場合もあるようです。
学生さん自身がどのようなスキルをもっているかや、保育士目線での考え方などをまとめておくとよいかもしれません。
保育士の適性検査で気をつけるポイント
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次に、保育士の適性検査での回答において、気をつけるポイントを紹介します。
正直に回答する
保育士の適性検査では、正直に回答することが最も大切なポイントになります。
性格検査はあいまいな質問が多く、多少嘘をついてしまうこともあるかもしれません。
しかし、あまりに見栄を張りすぎると面接でイメージと相違が出てしまい、採用担当者の方に「嘘をついているんじゃないか」という印象をもたれることも考えられます。
また、採用後も適性検査結果から見た性格から、相性のよさそうな保育士さんをペアとしてクラス担任などに配置することもあるので、自分の性格を偽って入職すると、あとあと苦労することもあるかもしれません。
そのため、適性検査においては自身の性格について嘘偽りなく、正直に答えるとよいでしょう。
時間内に回答を終える
丁寧に回答をすることや言葉を選ぶことも大切ですが、時間内に終えることを最優先に考えましょう。
適性検査では直感的に答えることを求められているにもかかわらず、1問1問を考え抜いていては全ての質問に答えきれず、正しい結果が出ないまま終わってしまうこともあるかもしれません。
回答時間に制限が設けられていることもあるので、どうしても答えきれない質問は飛ばして後回しにするなど、できるだけ素早く、なおかつ落ち着いて回答を進めることに意識を向けましょう。
保育士の適性検査への対策
最後に、保育士の適性検査への対策について紹介します。
基本的な知識を復習しておく
適性検査では、以下のような保育関連の知識について質問がされることもあるようです。
- 保育所保育指針における年齢ごとの特徴や保育内容
- 子どもがケガをしたときの対処方法
- 病気ごとの登園自粛期間
このような知識に関しては、適性検査前に学びを深めることもできるでしょう。
養成校において学習した内容を、もう一度復習しておくとよいかもしれませんね。
保育園の理念と自分の性格を照らしあわせる
保育園の理念と学生さん自身の性格を照らしあわせておくことも適性検査前の対策の一つとなりそうです。
適性検査では、企業や園がもつ理念や方針などに沿っているかを見るための質問がされる場合もあるかもしれません。
求人票や園のHPなどに記載されている理念や方針と、学生さん自身の性格と照らしあわせてみると、園がどのような人を求めているか、自身が当てはまっているかが見えてくることもありそうです。
それにより、実際に適性検査において性格に関する質問に回答するときも、スムーズに答えられるかもしれませんね。
適性検査の内容や対策を把握して、本番に活かそう
今回は、保育士の適性検査とは何かや実際の内容例、気をつけるポイントと対策について紹介しました。
採用試験にける適性検査は、面接では伝わりきらない学生さんの性格や行動パターンを把握することを目的に行われます。採用試験に取り入れているかどうかは、企業や園によって異なりますが、出題されてもいいように対策を練っておくとよいですね。
回答するときは自分をよく見せようとするのではなく、直感に従って正直に答えることが大切なポイントになります。
適性検査の内容を把握したうえで対策を行ない、本番で落ち着いて回答できるようにしておきましょう。