保育実習や入職後に向けて、子どもが泣いたときの対処法について知りたい保育学生さんもいるかもしれません。年齢によって泣く理由は異なるものの、特に0歳児、1歳児、2歳児などの場合は、「眠い」「思い通りにいかない」などが挙げられるようです。
今回は、子どもの泣く理由や原因、接し方のポイントを紹介します。
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■目次
子どもが泣くのには理由がある!
保育園では、子どもたちの笑い声や話し声、泣き声などさまざまな声が聞こえてくるでしょう。
なかでも年齢が低い子どもの場合、言葉でうまく伝えられないことを意思表示として泣いて示す場合があります。
また、年齢が大きくなるにつれて言葉にできない気持ちだけでなく、友だちとのトラブルなどで泣いてしまうことがあるようです。
それぞれ理由に違いがあるものの、それぞれ原因などがわかっていないと実習や入職後に困ってしまうかもしれません。
スムーズに対応するためにも、原因や心境などをきちんと知っておけるとよいですね。
今回は、子どもが泣く理由についてくわしく紹介します。
0歳児の子どもが泣く理由と対応の仕方
まず、0歳児の子どもたちが泣く理由と対応の仕方をまとめました。
0歳児が泣く理由
0歳児が泣くのには、生理的な欲求が挙げられます。
具体的には以下などがあります。
- お腹がすいた
- 眠い
- おむつが気持ち悪い
0歳児はまだ自分の行動や言葉するのが難しいため、これらのことを泣いて周りに伝えようとしている場合があります。
また、ずっと同じ体勢で飽きてしまったという場合や遊んでもらいたかったり、抱っこをして欲しかったりするときにも泣いて表現することもあるかもしれません。
対応の仕方
0歳児の生理的欲求への対応の仕方として、まずお腹が満たされるようにミルクや離乳食をあげたり、排泄、排尿の有無を確認し、おむつを変えたりしてみるとよいでしょう。
そのうえで、泣き止まない場合は眠いか飽きてしまったということも考えられます。
一度抱っこをしてみて機嫌がよくなった場合は、しばらく抱っこをしたり、あやしたり遊んでみましょう。
眠い場合は、しばらく抱っこやおんぶなど子どもが安心して眠れるようにするとよいかもしれません。
もし、ずっと泣き止まない場合は、同じクラスの保育士さんに相談をしたり、その子の眠りやすい環境づくりについて質問したりしてみましょう。
1歳児、2歳児の子どもが泣く理由と対応の仕方
次に、1~2歳児の子どもが泣く理由や対応の仕方をまとめました。
泣く理由
1~2歳児の子どもたちの場合、自分の気持が伝わらないときや要求が通らないときなどに泣いてしまうことがあるようです。
具体的な理由には以下などが挙げられます。
- 自我が出てくることで思い通りにいかない
- イヤイヤ期で何でもイヤイヤになってしまう
特に1歳児~2歳児は、うまくいかないことがあったり、自分の思い通りにいかなかったりすることで泣いてしまうことがあるでしょう。
また、自分はこうしたかったのにできなかった、1人でやりたかったのにできなかったなどの理由で泣いてしまうこともあるようです。
対応の仕方
1歳児や2歳児への対応の仕方として、まず「こうしたかったのかな?」と子どもの気持ちを代弁したり、抱っこをしてスキンシップを取ったりすることが大切です。
また、「これで遊んでみようか?」「こっちに行ってみようか」など言葉がけをして子どもの意識を別のところに向けるのもよいかもしれません。
さらに自分でやりたい場合には、基本的に子どもの姿を見守り、困っているなど思ったときには「手伝ってもよいかな?」「ここをこうしてみたらどうかな?」とヒントを与えたり、声をかけたりしてみるとよさそうです。
子どもが自分でできたという達成感を持てるように、なるべく手を出さず子どもが満足感を得られるようにかかわっていきましょう。
3歳児、4歳児、5歳児の子どもが泣く理由
最後に3歳児、4歳児、5歳児が泣く理由を見ていきましょう。
泣く理由
幼児クラスの場合、友だちといっしょに遊んでいるなかでトラブルになり、泣いてしまうことがあるようです。
具体的には以下などが挙げられます。
- 友だちとケンカをしてしまう
- 周りの友だちに自分の思いが伝わらない
- コミュニケーションがうまくとれない
3歳以降になると、園生活のなかで友だちとの意見の違いが出てきたり、集団生活から周りに合わせて我慢したりすることが増えてくるでしょう。
周囲にも目を向けられるようになることで社会性が芽生えはじめ、友だちとのトラブルが増えてくるようです。
対応の仕方
3歳児くらいから泣いている理由を自分で話したり、いっしょに遊んでいた友だちが説明してくれたりする場合もあるようです。
そのため、まずは話してくれたことに共感したり、ぎゅっと抱きしめたりと寄り添う姿勢を見せるとよいでしょう。
解決が難しい場合は、「こうしたらどうかな?」と提案をしてみるのもよいかもしれません。
また、泣くことで落ち着くという場合もあるので、保育学生さんは「泣いていいんだよ」と伝えて思いっきり泣ける環境を作るのもよいですね。
泣いている子どもに接するときのポイント
最後に、泣いている子どもに接するときのポイントをまとめました。
子どもの話を最後まで聞く
子どもの気持ちを受け止め、きちんと最後まで話しを聞くようにしましょう。
そうすれば子どもは「聞いてもらえた」「話をしてよかった」と思うかもしれません。
一方で、聞いてもらえない場合は不満が残ってしまいずっと泣いてしまうことも考えられるので注意しましょう。
また、友だちから説明を聞いても、本人が納得できないと泣きやまない場合もあるでしょう。
そんなときは、友だちの意見も聞いたあとで本人にも「〇〇だったのかな?」と気持ちを代弁しながら確認してみるとよいですね。
泣いているときは落ち着くまで待つ
子どもによって泣く理由はそれぞれ違いますが、無理に泣き止まそうとせずに、抱きしめたり、そばについて見守ったりするようにしましょう。
ずっと泣いてしまうことも考えられるので、その際は落ち着いてから「どうしたのかな?」と聞くとよいかもしれません。
子どもが泣く理由を知って年齢に合わせた対応をしよう
今回は、子どもが泣く理由についてくわしく紹介しました。
0歳児は生理的欲求、1歳児や2歳児は自分の思い通りにならないこと、3歳児、4歳児、5歳児は友だちとのトラブルで泣いてしまうなど、年齢によってさまざまな理由が挙げられます。
泣いている子どもに接する際は、落ち着いて話ができる環境を作り、子どもの話を最後まで聞くことが大切でしょう。
このコラムを参考に、子どもの年齢に合った対応をして、実習や入職後に役立ててみてくださいね。