3歳児たちにとって、夏祭りやお盆休みなど楽しい予定がたくさんある8月。新卒保育士さんには、月案作成に悩む方もいるかもしれません。今回は、3歳児クラスで使える8月の月案の文例を紹介します。3歳児にぴったりな養護・教育のねらいや活動内容に合わせて、安全や健康に関する配慮、月反省の書き方などもまとめました。
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■目次
8月の3歳児クラスの特徴とは?
虫捕りやプール遊びなど夏ならではの遊びを思い切りできる8月、3歳児の子どもたちはいっそう活発に過ごしているのではないでしょうか。
夏本番となる8月、3歳児クラスには以下のような特徴が見られる頃のようです。
- プールの準備など、夏季の生活習慣が身につき自信を持って過ごすようになる。
- 暑さが続くと食欲が落ちてしまう子どももいる。
- お盆期間には、少人数保育ならではの遊びや縦割りでの活動を楽しむ姿がある。
子どもたちにとって開放的な遊びを楽しめる季節ですが、暑さにばててしまう子もいるようです。
8月の月案の文例を知って、3歳児クラスの計画に活かしていきましょう。
【8月】3歳児の月案の文例:前月の子どもの様子
8月の月案に記入する前月の子どもの様子の文例をみていきましょう。
- 保育者に促されて気づき、汗の始末や水分補給を行う姿が見られた。
- 楽しんで七夕会に参加し、短冊に書いたお願いごとについて友だちと話していた。
- 友だちとのかかわりが増え、誘い合って遊び合う姿が増えてきた。
3歳児クラスでは、夏の生活の流れや、友だち同士のかかわりの芽生えについて書くとよいかもしれません。
前月の姿をもとに、8月の月案作成に活かしていきましょう。
【8月】3歳児の月案の文例:今月のねらい・活動内容
3歳児クラスの月案にぴったりなねらいや活動内容の文例を紹介します。
今月のねらい
ねらいについては、養護・教育2つの視点から文例をまとめました。
養護のねらい
- 休息を取りながら夏の時期を健康に過ごす
- 夏季の園生活の流れに慣れて、自信を持って生活する。
教育のねらい
- 身近な夏の自然に興味を持って、見たり触れたりしながら親しむ。
- 異年齢の友だちとかかわり、いっしょに過ごす楽しさを味わう。
活動内容
月案に記載したねらいをもとに、3歳児の子どもに経験してほしい活動内容を考えてみましょう。
養護
<生命>
- 午睡の時間には静かな環境で充分に休息を取る。
- 個々のタイミングで水分補給や汗の始末などを行う。
<情緒>
- 保育者との信頼関係を深め、安心して過ごす。
- プール遊びの準備に意欲を持ち、自分でやってみようとする。
教育
<健康>
- ダイナミックにプール遊びを楽しみながら身体を動かし、充実感を味わう。
- プール遊びを通して、楽しみながら水への親しみを深める。
<人間関係>
- お盆保育期間中には異年齢の子どもとかかわり、楽しさや憧れを感じる。
- 友だちといっしょに生活のなかで見たことや経験したことを再現しながら遊ぶことを楽しむ。
<環境>
- 夏の自然に興味を持ち、遊びのなかでふれてみたり、保育者に尋ねてみたりする。
- 身近な草花に親しみ、遊びに取り入れようとする。
<言葉>
- 夏のお話や絵本を楽しみ、季節に親しみを持つ。
- 経験したことや感じたことを自分の言葉で友だちや保育者に伝えようとする。
<表現>
- 自分なりに水や砂にふれて楽しみ、経験のなかで遊びを広げていく。
- 体操やダンスに親しみ、のびのびと身体を動かして表現する楽しさを味わう。
3歳児の子どもたちが夏の遊びを通してさまざまな経験ができるよう、8月の月案で計画を進めましょう。
生き物や植物にたくさんふれあいながら遊びを広げていけるとよいですね。
【8月】3歳児の月案の文例:環境構成と保育者の援助・配慮
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8月のねらいや活動内容に合わせた、保育者の援助と配慮の文例を紹介します。
養護
生命
- 子どもの生活リズムや体調に合わせて睡眠を取れるよう時間を調整する。
- 汗をかいたまま遊んでいる子どもにはさりげなく声をかけ、自分で気づいて着替えたりタオルで拭いたりできるよう促す。
情緒
- 子どもの甘えたい気持ちや自分を見てほしいという気持ちを受け止め、受容的にかかわる。
- 自分で水着やタオルの始末をする姿を認め、達成感や今後の意欲につなげていく。
教育
健康
- 子ども一人ひとりのペースで水とかかわれるよう、活発に遊ぶ子、じっくり遊びたい子などあらかじめスペースを分けておく。
- 保育者もいっしょに遊びながらさまざまな身体の動かし方を経験できるようにする。
人間関係
- 年上の子どもたちへの憧れに共感しながら、同じことをしようと挑戦する意欲を受け止めていく。
- プール遊びでは水鉄砲やじょうろなどの玩具を用意して、子ども同士でかかわりながら遊べるようにする。
環境
- 戸外に出たら生き物のいそうな場所を知らせ、期待を持てる声かけをしながらいっしょに探す。
- 草ずもうや色水作りなどに誘い、自然遊びの面白さを伝えていく。
言葉
- 季節の絵本を棚に用意しておき、自然に親しめるようにする。
- 子どもが話そうとする姿を受け止め、しっかりと傾聴することで話すことへの意欲を育む。
表現
- 園庭やテラスにバケツやスコップを用意しておき、水や砂の遊びを自由に楽しめるようにする。
- 盆踊りや夏の曲を使ったダンスをいっしょに楽しむ機会を作る。
3歳児の子どもたちが毎日の活動のなかで夏らしい遊びを楽しめるよう、月案でかかわり方や環境構成を計画しておきましょう。
8月の長期休みの期間には異年齢保育となるケースも多いため、年上(年下)の子どもと遊ぶときの援助や声かけの方針も考えておくとよいかもしれません。
【8月】3歳児の月案の文例:家庭連絡・安全・食育
3歳児の月案に記入する、8月の家庭連絡・安全・食育の文例をまとめました。
家庭連絡
- 子どもたちが自分で水分補給できるよう、水筒やコップの準備をしてもらうよう伝える。
- ドキュメンテーションなどを通して、夏の遊びを楽しむ姿やお盆保育中の様子を保護者に共有する。
健康・安全・衛生
- プール遊びを実施する前には監視体制について毎回確認して、事故がないよういっそう注意する。
- 戸外遊びで汗をかくようになるため、帽子や靴などは定期的に持ち帰って洗ってもらうようにする。
食育
- 食器の並べ方を保育室に掲示しておき、子どもたちが確認できるようにする。
- 個別に声をかけながら箸の使い方を丁寧に伝えていく。
行事の準備などが比較的少なく、お盆などで職員体制に余裕のある8月にはドキュメンテーションなど保護者への発信に力を入れてみるのもよいかもしれません。
3歳児の子どもの姿を写真付きで伝えられたら、より具体的に保育の様子や方針をイメージしてもらえるかもしれませんね。
【8月】3歳児の月案の文例:反省・自己評価
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3歳児の8月の月案の反省で役立つ、反省や自己評価の文例を見ていきましょう。
養護
- 活動の合間にしっかりと休息の時間を確保したことで、体調を大きく崩す子どもが少なかった。
- 子どもたちが自分で着替えやすいように、タオルや衣類の設置を見直していけた。
教育
- 一人ひとりのペースで水や泥にかかわれる環境作りをすることができた。
- 異年齢の子どもとかかわって感じた憧れなどの思いを尊重し、あたたかく受け止めていけた。
夏ならではのプール遊びやお盆期間の少人数保育でのかかわりについて振り返ってみましょう。
8月の3歳児クラスのねらいをもとに反省を書くとよさそうですよ。
月案に活用できる8月の3歳児保育のポイント
最後に、月案にも活かせる8月の3歳児クラスの保育のポイントをまとめました。
少人数保育・縦割り保育ならではの活動を取り入れていく
お盆期間には登園数が減り、少人数になるという保育園も多いでしょう。
そのため、実験遊びやクッキングなど普段はできない遊びを取り入れてみるチャンスかもしれません。
また、お盆には縦割り保育となるケースも多いようです。
年上の子どもの遊びに憧れを持ったり、優しくされてうれしく感じたりといった子どもの心の機微に寄り添いながらかかわっていけるとよいですね。
休み明けにはゆったり過ごせるように配慮する
お盆休み明けには、家庭で旅行などに行ったあとだったり、生活リズムが変わったりして子どもたちも疲れが溜まっているかもしれません。
休み中の思い出を話してもらうなどしながらゆったりと過ごせるように配慮するとよさそうです。
しっかり保護者の方と情報を共有して、安心して過ごせるようにしていきましょう。
夏祭りに向けて期待感が高まるような活動を
保育園によっては8月に夏祭りや納涼祭などのイベントを予定しているところも多いでしょう。
3歳児の子どもたちが、夏祭りとはどんなものかを知って、日々の遊びや生活のなかで親しめる機会を作ると、より期待感を持って参加することにつながるかもしれません。
夏祭りを題材にした絵本を読んだり、盆踊りを普段から遊びに取り入れたりと工夫できるとよいですね。
文例を知って8月の3歳児クラスの月案を作成しよう
今回は、8月の3歳児クラスの月案に使えるねらいや内容の文例を紹介しました。
8月にはお盆休みや夏祭りといったイベントもあるので、子どもたちが夏らしい季節感を味わいながら楽しく過ごせるよう活動の計画を立てておくとよさそうです。
暑さが厳しくなる時期でもあるので、こまめに水分補給を促したり、ゆったり休息を取れる時間を確保したりと子どもたちが元気に過ごせるよう配慮していきましょう。
月案の文例を参考に、8月の3歳児クラスの保育に活かしてみてくださいね。