色のついた砂を使い、自由に絵を描く砂絵。日々の保育や実習に活かしたいけれど、くわしいやり方がわからない新卒保育士さんや保育学生さんも多いでしょう。今回は、花火などの砂絵のアイデアや、行ううえで注意すべきポイントを紹介します。また、色のついた砂の簡単な作り方やねらいについてもまとめました。
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保育で行う砂絵のねらい
砂絵とは色のついた砂やキラキラと光る砂を使い、自由に絵をかく遊びです。公園や園庭で行う砂場遊びと絡めて行えば、遊びの連続性も生まれるでしょう。
そんな砂絵を保育で行うねらいについてまとめました。
色砂を自由に扱い、見立て遊びを楽しむ
色砂を自由に紙の上にまき、見立て遊びを行うことを目的としたねらいです。
乳児クラスの場合、テーマにそって描画するのは難易度が高いため、砂の散らばり方からイメージを膨らませて遊ぶとよいでしょう。
何に見えるのかを新人保育士さんや保育学生さんといっしょに考えることで、想像力を養うことにつながるかもしれませんね。
砂の感触や音を充分に味わう
砂のさらさらとした感触やじゃりじゃりとした音を楽しめば、子どもは五感を働かせながら遊べるかもしれません。
また、色のついた砂をつまんだり紙に乗せたりすることで、手や指を動かす運動にもなりそうですね。
接着剤の上に砂を乗せることで、絵ができあがるおもしろさを感じる
接着剤の上に砂をまけば、砂が自然とくっつき、絵ができあがっていきます。
子どもたちはいつもと違うお絵かきの方法におもしろさを感じ、意欲的に取り組む姿が見られるかもしれません。
砂絵で使う砂の作り方
砂絵を保育に取り入れる際は、インターネットなどで市販の色砂を購入しておきましょう。
しかし、砂場の砂を使って手作りすることもできるため、新人保育士さんや保育学生さんは、以下の作り方を参考に子どもたちといっしょに作ってみても楽しそうですね。
用意するもの
- 砂
- ザルやふるい
- ビニール袋
- 好きな色のアクリル絵の具数種類
- バットなどの入れ物
- 新聞紙
作り方
1.砂粒の大きさを揃えるため、砂をザルやふるいにかけます。
2.(1)をビニール袋に入れます。
3.水で溶いた少量のアクリル絵の具を(2)の中に入れ、よく揉んで少し置いておきます。
4.バットなどに新聞紙を広げ、(3)をそのうえに広げて乾燥させます。
5.(4)をもう一度ふるいにかけたらできあがりです。
ポイント
アクリル絵の具は濃すぎると、砂と混ぜた際に固まりやすくなってしまいます。紙に色水をつけてみて、透明感を感じる程度の濃度に調整しましょう。
また、絵の具の代わりに削ったパステルを混ぜる方法もありますが、砂の色が黒に近いときはしっかり色をつけるためにも、アクリル絵の具を使ったほうがよいかもしれません。
きれいに発色させるためには、できるだけ砂浜などの白い砂を用意することがポイントです。
保育に役立つ砂絵のやり方
続いて、砂絵の簡単なやり方についてまとめました。
接着剤を直接塗る
用意するもの
- 紙コップ
- 砂
- 好きな色のパステル数個
- 好きな色の画用紙1枚
- 接着剤
ポイント
接着剤のボトルを押しながらお絵かきする方法です。ボトルの口が太いとこまかな部分がかきづらいので、できるだけ口が細く、子どもの手にも収まりやすいサイズのものを用意しましょう。
しかし、子どもの年齢によってはボトルが扱いづらいことも考えられるため、その場合は接着剤を水に溶かして筆でお絵かきするとよいかもしれません。
(詳しい作り方はこちら)
スタンプを活かす
身近な廃材を使い、スタンプを作って砂絵を行う方法です。
まずは、ハートなど好きな形に切り抜いた食品トレーをペットボトルキャップに貼ったり、トイレットペーパーの芯のふちに切り込みを入れたりして、スタンプを作りましょう。
その後、スタンプの先に水で溶いた接着剤をつけ、紙にスタンプのように押してから色のついた砂をふるい落とせば、きれいな柄ができあがるかもしれません。
くわしいスタンプの作り方は以下の記事で紹介しているので、参考にしてみてくださいね。
関連記事:身近な素材で楽しめるスタンプ遊びのアイデア9選!ねらいと手作りするときのポイント/保育士就活バンク!
保育に役立つ砂絵のアイデア3選
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砂絵の簡単なアイデアを3つ紹介します。
動物
水で薄めた接着剤と筆を使って、画用紙に動物を描き、自由に色砂を乗せて遊びましょう。
ウサギをかいて青い色砂を乗せたり、犬にピンクの色砂を使ったりと、オリジナルの動物を作ってもおもしろいかもしれません。
また、導入として動物が出てくる絵本を読み、絵本の表現を使いながら登場した動物をかいてみても楽しそうです。
大きな木
保育学生さんや新人保育士さんが画用紙に大きな木を描き、葉にあたる部分に水で薄めた接着剤を塗ってから、子どもたちといっしょに色砂で色をつけていく遊びです。
夏は緑や赤、秋は茶色やオレンジのように、季節に応じて用意する色砂を変えれば、四季を感じられる作品ができあがるかもしれません。
花火
水で溶いた接着剤と筆を使い、画用紙に花火をかいてから、色砂を乗せて遊ぶアイデアです。
花火は夏の風物詩のため、夏の時期の製作にぴったりのアイデアと言えるでしょう。
4歳児や5歳児クラスでは、水で溶いた接着剤をストローで吹き、吹き絵のように花火をかいてみても楽しめるかもしれません。
しかし、ストローが喉に刺さってしまったり、接着剤を誤飲したりすることで可能性が考えられるため、保育学生さんや新人保育士さんは子どもたちを注意深く見守ることが大切です。
関連記事:【動画】夏の風物詩。花火をうちわで作ってみよう。/保育士就活バンク!
保育で砂絵を行うときの注意点
最後に、保育で砂絵を取り入れるときに、気をつけるポイントをまとめました。
ブルーシートを敷く
砂絵では、砂を乗せた後に紙を立てて余分な砂を落とすため、床に何も敷いていなければ片付けが大変になってしまいます。
事前に床へブルーシートを敷いておくなど、しっかりと遊びの環境を準備してから活動に入りましょう。
汚れてもよい服装を用意する
砂を手作りする場合、絵の具が洋服についてしまう可能性があるため、汚れてもよい服装を準備したほうがよさそうです。
保育学生さんの場合は事前に担当の保育士さんに話し、保護者に汚れてもよい服装を準備してもらえるようお願いしておきましょう。
誤飲に気をつける
色砂はきれいな見た目で、手に取りやすいので、子どもが興味本位で口に含んでしまうことが考えられます。
保育学生さんや新人保育士さんは、誤って子どもが口に入れないように、しっかり見守ることが大切です。
また、鼻から色砂を吸ってしまう可能性もあるため、「顔を近づけないようにしよう」などあらかじめ声かけもしておきましょう。
砂絵のやり方や作り方を覚え、保育に活かそう
今回は、砂絵の簡単なやり方や遊びのアイデアを紹介しました。
砂絵は砂のさらさらとした感触や、絵ができあがるおもしろさを感じられる遊びです。水で溶かした接着剤などを活かし、花火や動物などを色砂で作成してみましょう。
しかし、砂は誤飲につながる危険性もあるため、新人保育士さんや保育学生さんは子どもをしっかりと見守ることが大切です。
砂絵の遊び方を覚え、日々の保育や実習に取り入れてみてくださいね。