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【9月の月案】2歳児クラスの文例集。ねらいや配慮、援助や反省の書き方

涼しい日が増えてきて、2歳児の子どもたちも戸外で活発に遊べるようになる9月。月案の書き方に悩む新卒保育士さんもいるかもしれません。今回は、2歳児の9月の月案で使える養護・教育のねらいと活動内容などの文例を紹介します。また、安全・健康に関する配慮や月反省の書き方についてもまとめました。

9月の2歳児の写真

Waridsara_HappyChildren/shutterstock.com



9月の2歳児クラスの特徴とは?

朝夕に涼しさを感じる日が増えて、少し過ごしやすくなる9月。2歳児クラスの子どもたちには、以下のような特徴が見られる頃かもしれません。


  • 汗をかいたらタオルで拭いたり、お茶を飲んだりする習慣に慣れて、自発的に行う姿が増える。
  • 友だちと話をしたり、いっしょに遊びを楽しんだりして子ども同士の関係が深まる。
  • 運動会に向けて競技の練習を楽しむ。

お話が上手になる時期のため、友だちと言葉を交わしながらいっしょに遊ぶことが増えるかもしれません。


また、9月に運動会を実施する保育園では、ダンスやかけっこなど競技の練習についても月案で書けるとよいですね。



【9月】2歳児の月案の文例:前月の子どもの様子

ここでは、9月の月案に記入する前月の子どもの様子の文例を見ていきましょう。


  • 園庭で虫を捕まえたり、夏の草花を使って遊んだりする姿があった。
  • 排尿の間隔が伸びてトイレで成功することが増えたが、まだ失敗することもある。
  • 鉄棒にぶら下がったり片足立ちをしたりなど、身体の部位をさまざまに使って遊んでいた。

夏の時期に実践した活動について記載するほか、子どもたちの生活習慣や運動能力の発達についても振り返ってみるとよさそうです。


このような2歳児の様子をもとに、9月の月案の作成に活かしていきましょう。



【9月】2歳児の月案の文例:今月のねらい・活動内容

9月の2歳児の月案に活用できる、ねらいや活動内容の文例を紹介します。



今月のねらい


ねらいの文例は養護と教育の2つの視点に分けて見ていきましょう。


養護のねらい

  • 生活リズムを整えて、身の回りの支度に挑戦しながら安心して過ごす。
  • 気温に合わせて衣類を調整し、快適に生活する。

教育のねらい

  • 友だちとイメージを共有しながらいっしょに遊ぶ。
  • 秋の気候のなかでさまざまな運動遊びを楽しみ、運動会への意欲を持つ。


活動内容


ねらいをもとに、くわしい活動内容を考えていきましょう。


養護

<生命>

  • 保育者に自ら尿意を伝えてトイレに行こうとする。
  • 午前中に十分身体を動かし、ほどよい疲れのなかでゆったりと眠る。

<情緒>

  • 意欲的に身の回りの支度を行い、達成感や自立心を持つ。
  • うまくいかないことは保育者に手伝ってもらうことで、安心感を持って過ごす。

教育

<健康>

  • のびのびと運動遊びを楽しみ、さまざまな身体の動かし方を知る。
  • 運動会に向けて競技の練習を楽しみながら、身体を動かすよろこびを味わう。

<人間関係>

  • 簡単な再現遊びなどを通して、友だちといっしょに遊ぶ楽しさを味わう。
  • 敬老の日について知り、身近なお年寄りへの感謝を伝えようとする。

<環境>

  • コスモスやキンモクセイなど秋の自然について知り、散歩中などに見つけて香りを嗅いだり観察したりする。
  • 玩具や道具の扱い方を改めて知り、物を大切にしようとする気持ちを持つ。

<言葉>

  • 遊びに必要な言葉を使い、友だちとイメージを共有しながら遊ぶことを楽しむ。
  • 保育者に話を聞いてもらい、充実感や思いが伝わるよろこびを味わう。

<表現>

  • 敬老の日にはプレゼントの製作を行い、お年寄りへの感謝の気持ちやよろこんでもらいたい思いを表そうとする。
  • 気に入っている曲に合わせて踊ることを楽しみ、のびのびと表現するよろこびを感じる。

運動会を控える9月は、子どもたちが楽しみながら身体を動かすことができるよう、月案のなかで活動を考えていきましょう。


2歳児クラスでは、子どもたちが練習のしすぎで疲れてしまわないよう、遊びの延長線上で行うことをより意識するとよいかもしれません。



【9月】2歳児の月案の文例:環境構成と保育者の援助・配慮

9月の2歳児の写真

ucchie79/shutterstock.com


ねらいや活動内容をふまえ、9月の2歳児の月案に記入する環境構成・保育者の配慮の文例を紹介します。



養護


生命

  • 遊びに夢中でトイレに行っていない子には個別に声をかける。
  • 身体を動かす活動の前には視診を行い、体調や様子に合わせて安全に実施できるようにする。

情緒

  • 身の回りのことへの意欲を持てるよう、自分でできたことはしっかり認めたり励ましたりする。
  • 友だち同士のトラブルやうまくいかないことへの葛藤をゆったりとした気持ちで受け止めて、安心感を味わえるようにする。


教育


健康

  • 跳び箱や肋木を遊びに取り入れ、さまざまな動きを経験できるようにする。
  • 初めて行う運動遊びのあとは、よかったところをしっかり褒めて認め、次の活動への意欲へつなげる。

人間関係

  • 遊びのきっかけを作るとともに、興味を持った子どもを誘うことで、いっしょに遊ぶ楽しさを伝えていく。
  • 読み聞かせや人形劇などを行い、身近なお年寄りへの関心や感謝の気持ちを育む。

環境

  • 散歩の時間には秋の草花の存在や風の気持ちよさを伝えていく。
  • 玩具や道具を出すときには、正しい使い方を説明するようにする。

言葉

  • 遊びのなかで、保育者が率先して「いれて」「いっしょに遊ぼう」などの言葉を使い、子どもたちも身につけられるようにしていく。
  • 子どもの話にしっかりと耳を傾け、充実感やよろこびを味わえるようにする。

表現

  • 敬老の日のプレゼント製作は、お年寄りに渡すという期待感を持てるように声をかけていく。
  • ダンスをするときは、子どもたちが振り付けを覚えやすいよう、保育者が大きく身体を動かしてメリハリをつけながら踊る。

周囲への関心が強まる2歳児。子ども同士のかかわりが深まるよう、遊びのなかで保育者が声をかけていくとよいかもしれません。


また、運動会や敬老の日などの行事を見通して援助を考えると、月案が充実していきそうですね。



【9月】2歳児の月案の文例:家庭連絡・安全・食育

ここでは、9月の月案に記入する家庭連絡や安全、食育に関する注意点の文例をまとめました。



家庭連絡


  • 園での排泄の練習についてこまめに共有し、連携してかかわれるようにする。
  • 運動会で必要となる準備物を前もって連絡し、早めに用意してもらえるようにする。


健康・安全・衛生


  • 戸外遊びの前は、職員が実際に外に出て気温や風の有無、日差しの強さを確認し、安全に実施できるようにする。
  • 遊具の点検をしっかり行い、安全に遊べるように配慮する。


食育


  • 苦手な野菜も食べてみることができるよう、おいしさを伝えたり励ましたりしていく。
  • 秋の野菜を使ったスタンプ遊びを通して、食材への興味を育む。

9月に入ってもまだ日中は暑い日が続くことが予想されます。


気温差や夏の疲れによって体調が乱れがちであることをふまえ、引き続きしっかりと熱中症などの対策を行っていけるとよいですね。



【9月】2歳児の月案の文例:反省・自己評価

9月の2歳児の写真

Perfect Angle Images/shutterstock.com


9月の2歳児クラスの月案における反省と自己評価の観点となる文例を紹介します。



養護


  • 「自分で」という気持ちから保育者の援助を拒んだり、甘えから身の回りの支度をしたがらなかったりといった姿が見られた。それぞれの状況や思いに寄り添いながら、褒めたり励ましたりしていく。
  • 遊具の点検や環境設定の見直しなどを実施し、身体を動かす活動を安全に行っていけた。


教育


  • 子どもの興味や発達をふまえた運動遊びを計画することで、活動を楽しみ意欲を育むことができた。
  • 保育者が率先して遊びに誘っていくことで、子どもたちも友だちといっしょに遊びを楽しむことができた。

月案の反省では、ねらいで設定したことをふまえて、クラスの子どもの姿をもとにかかわりや活動内容を振り返っていきましょう。


9月には、2歳児の子どもたちの友だち関係や、行事に関する活動の様子に視点を置いてみるとよいかもしれません。



月案に活用できる9月の2歳児保育のポイント

最後に、9月の2歳児クラスの月案や保育で活かせるポイントをまとめました。



運動遊びを通してさまざまな動きを経験できるように


筋力や体力もついてきて、いろいろな動きができるようになる2歳児の子どもたち。


気候がよくなり戸外遊びを楽しめる9月には、運動遊びを積極的に行っていくとよいでしょう。


月案の文例でも紹介したように、鉄棒や肋木、ロープなどの道具を使って、「つかむ」「バランスを取る」「引っ張る」などさまざまに身体を使いながら楽しめる活動を考えてみてくださいね。



友だち同士でかかわれるきっかけ作りをしていく


9月は、クラス編成から半年ほど経過し、友だちとのかかわりが充実してくる頃でしょう。2歳児の子どもたちが言葉でやり取りをしながら、いっしょに遊びを楽しめるとよいですよね。


保育士さんは、遊びに必要となる「あそぼ」「かして」などの言葉を知らせたり、率先してほかの子どもを遊びに誘ったりしていくとよさそうです。


また、複数人の子どもで同じ遊びを共有できるよう、活動スペースや玩具の数に余裕を持たせておくこともポイントかもしれません。



身の回りのことを安心して行えるように配慮する


排泄の練習が進んできたり、衣類の着脱と片づけを一人で行えるようになったりと、生活面でも自立が始まる2歳児。


しかし9月頃には、これまで着脱や排泄をがんばってきた疲れが出たり、行事の練習での不安から身の回りの支度への意欲が持てなくなったりと、保育士さんに甘えたくなることもあるかもしれません。


子どもの表情や普段の様子をしっかりと観察しておき、甘えたい気持ちを受け止めつつ、子どものペースに合わせて励ますことが大切になりそうです。



文例を知って9月の2歳児クラスの月案を作成しよう

今回は、9月の2歳児クラスの月案に使えるねらいや反省などの文例を紹介しました。


徐々に過ごしやすい日が増えてくる9月、運動遊びや友だちとかかわれる遊びを月案で計画し、楽しく実践していきましょう。


また、敬老の日に合わせてプレゼント製作を行ったり季節の自然にふれたりと、この時期ならではの活動も取り入れるとよいかもしれません。


9月の月案の文例を参考に、2歳児クラスの保育計画に役立ててみてくださいね。

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