今回は子どもたちが必ず通る道”遊び食べ”についての話をしたいと思います。
生まれてすぐの子どもはミルク、母乳で育ちますが、生後6か月頃から離乳食をはじめます。
パクパク食べて上手!と思うこともあれば、せっかく作ったご飯を手で握ったり、頭につけたり、挙句の果てにはポイっと投げてしまう始末。
それが遊び食べです。
このような態度に対して、どのように接するのがよいのでしょうか?
食育という見方
○食育ってなあに?
「食育とは、国民一人一人が、生涯を通じた健全な食生活の実現、食文化の継承、健康の確保等が図れるよう、自らの食について考える習慣や食に関する様々な知識と食を選択する判断力を楽しく身に付けるための学習等の取り組みを指す。
」
とウィキペディアで意味付けられています。
要は、「食べること=生きること」。
毎日口にする食べ物が、私たちの体を作り、成長させ、活動源となり、病気に抵抗する力を生み出します。
健全な心身を保つためには、『何を・どれだけ食べればよいのか』を理解することが重要です。
そして、食べ物を通して五感の発達や、命の尊さ、感謝の気持ち、楽しさ、喜びなどの情緒が育ち、豊かな人間性が作られていきます。
○目指す姿とは?
保育園で取り組んでいる食育は、厚生労働省の「保育所における食事の提供ガイドライン」に基づいて実践されています。
目指すべき子ども像として、下記の5つを挙げています。
・お腹が空くリズムの持てる子ども
・食べたいもの、好きなものが増える子ども
・一緒に食べたい人がいる子ども
・食事作り、準備に関わる子ども
・食べ物を話題にする子ども
○具体的にどんなことに取り組んでいるか
・思い切り遊ぶ
必要な栄養をしっかりとるためには、食事の時間にちゃんとお腹が空いていることが重要です。
おいしく食べるためにも空腹はとても大切!
保育園では午前中に散歩などでしっかりと体をつかって遊び、給食の時間にはしっかりとお腹が空くように生活リズムを整えます。
・おいしい給食を
安心・安全な給食を目指して、食材にもこだわります。
また、記念日や行事のときは特別メニューにするなど、見ているだけでも楽しくなるようなメニューを用意している園もあります。
・食材への関わり
調理を見たり食材に触れることは、食欲を育むとともに、自立した食生活を送るためにも不可欠です。
園によっては施設内に菜園を設けて、野菜の栽培から収穫まで子どもたちと一緒に体験します。
自分で育てたものって愛着がわきますよね!
そうして興味や関心を深め、自然の恵み・命の大切さに気づくことができます。
・みんなで楽しく
楽しい食事の思い出には、一緒に食べた人も大きく影響します。
仲の良い友達や先生と一緒に楽しく食べる習慣は、今後の食生活でとても重要なものになります。
また、楽しむことによって情緒も育まれるので、クラスみんなで会話をしながら食事を楽しんで下さい。
・食文化やマナー
地域で培われてきた食文化を体験することで、郷土への関心を持ちます。
旬の食材を知ることで、季節を感じることもできます。
また、気持ちよく食事をするために、マナーを身に付けることも大切です。
「食育」とは、単に食事をしたり料理を教えることではなく、食に対する考え方、栄養学、食文化を含めた総合的な教育なのです。
最近では食品偽造などの問題も多いので、体の資本となる食べ物を正しく選び、生きる力を育みましょう。
○食育から考えること
以上のことを踏まえ、食育という観点から遊び食べを考えると一概に怒って済ますことが大切じゃないと考えることもできます。
まず子どもたちに食べることを楽しい、幸せだと感じてもらわなければ食事はただの作業になってしまいます。
食事のマナーもみんなが楽しく食事をできるようにするためのルールなのにマナーを守ることで食事をすることが楽しくなくなってしまえば本末転倒ですよね。
遊び食べについて
それでは今回のテーマである、「遊び食べ」について説明していきます。
親にとってはご飯中に遊ぶのはいかがなものか…と考えますが、ちょっと待って下さいね。
子どもがなぜ遊び食べをするのか、どう対処したらいいのかしっかり考えてみましょう。
○遊び食べとは
生まれてすぐの子どもはミルク、母乳で育ちますが、生後6か月頃から離乳食をはじめます。
パクパク食べて上手!と思うこともあれば、せっかく作ったご飯を手で握ったり、頭につけたり、挙句の果てにはポイっと投げてしまう始末。
それが遊び食べです。
○なぜ遊び食べをする?
そもそも、子どもは初めから食べ物を食べ物と認識していません。
何かわからないものを口に含み、飲み込んでいる状態と言えるのではないでしょうか?その状態から、「今飲み込んだものは何だろう?」と思うようになります。
それが、「好奇心」です。
今まで触ってきたもの、口に含んできたものは何だろう?と疑問に思い、色々な方法でどのようなものかを知ります。
それが「遊び食べ」の正体です。
いわば、成長の証と言えるのではないでしょうか。
○遊び食べをする子への対処法
先ほど記述した通り、子どもはご飯で遊んでいたり、ご飯を粗末にしているわけではなくて、好奇心を持って、「これは一体何なのか?」を探っているのです。
しかし、そのままほっといてもご飯で遊んでしまう子どもになってしまう…ではどうすればよいのでしょうか?
まず、「禁止」をしてはいけません。
好奇心が広がっている最中に禁止されてしまっては、せっかく子どもの世界が広がろうとしているところを止めてしまいます。
「禁止」するのではなく、「説明」しましょう。
「ご飯は遊ぶものじゃなくて食べるものだよ。もぐもぐするんだよ。」「ご飯さん、××ちゃんに食べてほしいって言っているよ」等です。
子どもは「××してはダメ!」と言われても戸惑ってしまいます。
「××したほうがいいよ」と声をかけたほうが、理解してくれるんですね。
そのコミュニケーションが子どもの感受性をさらに広めます。
そして、自然と遊び食べも少なくなってくるはずです。
食事はおいしく楽しく摂れるようにしてあげましょう
遊び食べは、多くの子どもが通る道です。
人が潜在的に持つ本来の姿として当然の行動と言える面もありますので、それをやみくもに起こってしまうと、食事することが嫌いになったり、興味を持たなくなったりしてしまうことも。
子どもの遊び食べに対しては、大人が正しい知識を持ってきちんと接してあげましょう。