てぃ先生から保育学生へのメッセージ〜前編〜

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6月30日、東京都板橋区にキャンパスを構える淑徳大学短期大学部にて、
てぃ先生の特別講演会が開催されました。
現在、自身のTwitterをはじめ様々なメディアで情報発信を行うてぃ先生は、
保育現場で働く現役の男性保育士です。

てぃ先生が登壇すると、学生の皆さんからは大きな歓声が。
今回は、てぃ先生が保育現場で経験した印象的なエピソードを始め、
実習生時代に感じた苦悩、保育士の専門性について思うことなど、気になる話が盛りだくさん!
講演の内容を、前後編に分けてお伝えします。

子どもってこんなに可愛い!面白い!

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今やTwitterで40万人以上のフォロワーを抱えるてぃ先生が、情報発信を始めたきっかけは、
保育や育児に対する世間のネガティブなイメージを変えたいという思いからでした。

「保育現場で働きながら、子どもって可愛い、保育って楽しい!と気付きました。
しかし、世間では保育や子育てに対する悪いニュースばかり流れていますよね。

僕は、世間の親御さんや、保育者たちがもっとポジティブな気持ちで子育てや保育ができたらいいなと思い、
子どもたちの可愛くて面白い部分を切り取って発信する活動をしようと決めました」

てぃ先生が子どもたちとの関わりを振り返る中で、こんな可愛らしいエピソードも。

「女の子って、ちょっとおませさんなんですよね。とある女の子に好きな食べ物を聞かれたので、

『先生はカレーが好き』って答えると、『ふふっ、子どもだね。私は昆布が好き』って(笑)。
ちゃんと面白いと分かって言ってるんだから、賢いなあと思いました。

あとは、ママが大好きな男の子がいて、登園すると昨晩から今朝までのママの行動をずーっと報告してくれるんです(笑)。
僕は10分くらい彼の話を聴いてるんですが、一生懸命話す姿がとても可愛いんですよ!」

てぃ先生の口からイキイキと語られる子どもたちの姿に、会場内では笑が沸き起こる場面も。
現場の保育士が肌で感じている「可愛い」「楽しい」が会場にいる全員に伝わってきました。

大人の言葉遣い、大丈夫?

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「実は僕、昨年ずっと悩んでいたことがあって」

昨年度は4歳児クラスの担任をしていたというてぃ先生。
子どもたちとの日々の関わりの中で、ハッとさせられる出来事も多いのだとか。

「たとえば、同僚にお願いして何かを取ってもらった時、皆さんは何て言いますか?
『ありがとう』ではなく『すみません』と言ってしまいませんか?

僕もつい『あ、すみません』と言ってしまうのですが、子どもに指摘されてしまいました……。

『先生、すみませんじゃなくて、ありがとうでしょー』って。
普段から口酸っぱく『ありがとう、って言うんだよ』と彼らに教えているんですけどね(苦笑)。

子どもは大人の言葉遣いのおかしいところにもちゃんと気づきます。
保育士を目指す人たちは、子どもの前だけでなく普段から言葉遣いを気をつけたほうが良いと思います。
僕も、おトイレとか、お料理とか、日頃から丁寧な言葉を使うように心掛けています」

男性保育士はトイレの使い方に要注意!

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楽しいエピソードの傍ら、男性保育士として感じた難しさもあったそうです。

「僕が学生の頃は、60人のクラスの中に、男は4人しかいませんでした。男性保育士の悩みは?とよく聞かれるんですが、
忘れもしないのは実習中に体験した出来事です。

実習先の保育園は、男性保育士がいない園だったため、着替える場所が用意されていなかったんです。
現場の先生たちは悩んだ末、僕のことを園庭の奥にある倉庫に案内してくれました。

ライン引きの石灰が置いてあるところです。スーツを脱いで着替えると、
エプロンもズボンも真っ白!

スーツも黒かったのに、倉庫を出る時にはグレーになっていました……(苦笑)。

最近は男性保育士の数も徐々に増えてきたので、着替える場所やロッカーも用意されているのではないでしょうか」
学生時代の苦い思い出を振り返るてぃ先生。女性が多い保育現場ならではの悩みです。

また、会場にいる男子学生に向けて、実体験に基づくリアルなアドバイスもありました。
「男性特有の問題なんですけど、トイレに入る時は注意してください。

以前勤めていた園で、便座を上げたまま下ろし忘れてしまい、主任の女の先生に物凄い剣幕で怒られました……。

保育園だけでなく、家庭内でも言えることですが、便座の閉め忘れは、女性たちとの溝が深まる原因です(苦笑)。
男性の方、気をつけてください。閉め忘れがないように座って用を足すのもおすすめですよ」

男性保育士は少数派であるため、こういったデリケートな問題に直面して悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
また、女性の学生からは「女性の保育士だからできることは、なんだと思いますか?」
という質問があがりました。

「一般的に、家庭の中には女性と男性がいるので、
保育園においては男性保育士がパパ、女性保育士がママの役割をすればいいんじゃないかなと思っています。
しかし、女性だからこうすべきということではなく、自分自身が小さい時に、お母さんにしてもらって嬉しかったことを、
言葉や行動で子どもに投げかけてあげたらまずは十分だと思います」

男性・女性という性別の区分に関係なく、保育士だからこそできるアプローチがあるとてぃ先生は語ります。
「保育と子育ての違いは一体なに?」と、専門性が曖昧に捉えられがちな保育の仕事。

後編では、てぃ先生が実践している保育のテクニックや、
パパやママではなく「保育士だからこそできること」について、講演の内容をご紹介します。

(後編へ続きます)
構成:佐藤愛美

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