新卒保育士さんの中には、入職後、連絡帳の書き方に悩む声もあるようです。連絡帳は、保育園や家庭での子どもの様子を伝え合う、大切なコミュニケーションツールといえます。保護者の方が安心できるよう、書き方のポイントを抑えておきましょう。今回は、保育園の連絡帳の書き方を【ポイント編】と【例文編】に分けて紹介します。
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保育園の連絡帳とは
保育園の連絡帳とは、家庭との連絡・必要事項のやり取りに使う、大切なツールです。
連絡帳の最大の目的は、保育士さんから保育園での出来事など重要なことを保護者の方に伝え、意思疎通を図りながら子育てのサポートをすることです。連絡帳を通してコミュニケーションがスムーズにできれば、保護者の方からの信頼度の向上へもつながるでしょう。
また、連絡帳は保護者の方にとって、
- 何ができるようになったか
- どのように過ごしたのか
- 食事の量
- お昼寝の時間
- 排便などの健康状態
などといった、子どもの園での様子を把握するための大切な記録でもあります。
食事の量やお昼寝の時間、健康状態は、帰宅後のスケジュール管理や子どもの体調を把握するためにも必要な情報といえるでしょう。
特に乳児期は、今までできなかったことが急にできるようになるときです。連絡帳で「保育園でも1歩歩きました」といったことや「〇〇ちゃんといっしょに電車で遊びました」など子どもの様子を知れるのは保護者の方も嬉しいでしょう。
今回は、保育園の連絡帳の書き方のポイントに視点をおいて紹介します。
【ポイント1】:5W1Hを意識する
実際に保育園の連絡帳を書くときは、5W1Hを意識することが大切になります。ここでは、元保育士の筆者と現役保育士さんが実際に気をつけていたことも交えながら紹介します。
5W1Hとは
5W1Hは、以下の5つのことを表します。一般的に、この5W1Hを念頭に置いて書くと、相手に伝わりやすい文章が書けると言われている項目です。
- When=いつ
- Who=だれが
- Where=どこで
- What=なにを
- Why=なぜ
- How=どのように
たとえば「〇〇くんが積み木で遊びました」よりも、「〇〇くんは自由保育の時間に、△△ちゃんとを積み木をどっちが高く積み上げられるか競争して遊んでいました」と書いた方が、園児の状況がよく伝わりますね。
元保育士の筆者・現役保育士さんからの声
元
保育士
毎日書く連絡帳は、子どもの姿をただ書くだけではなく、できたことやがんばったことをできるだけ情景が伝わりやすいように具体的に書くことを意識していました。
現役
保育士
連絡帳は保護者の方に伝えるものであり、ずっと手元に残るもの。相手にわかりやすい書き方を学んで練習しておくと現場ですごく役に立つと思います。
ただ子どもの様子を伝えるのではなく、保護者の方がイメージしやすいように具体的に書くことを意識することが大切になります。
入職前から、保護者の方にどんなふうに伝えればわかりやすいと感じてもらえるのか意識して練習してみましょう。
【ポイント2】保護者の方のコメントには必ず返信をする
連絡帳は保護者の方とコミュニケーションを交わしながら信頼関係を築いていくためのツールです。保育士さんは、子どもの成長の援助だけでなく、保護者の方へのサポートという役割も担っています。そのため、保護者の方から相談・質問を受けたときには、内容に対して必ず返信をするように心がけましょう。
元保育士の筆者・現役保育士さんからの声
元
保育士
保護者の方の不安な気持ちに寄り添い共感した上で、「〇〇くん、園ではがんばっていますよ。引き続き様子を見守っていきますね」などできるだけ安心できるような表現で返信するようにしていました。
現役
保育士
自分だけでは判断できない相談内容に関しては、先輩保育士さんや園長先生などに相談してから記入しています。
実際、子どもの家庭での様子だけでなく「好き嫌いが激しくて困っています。給食はしっかり食べられていますか?」といったような相談のコメントが書かれていることもしばしばありました。
もしも返信内容に悩むときは、周りの保育士さんにも相談してみるのもよいですね。そうすることで保護者の方も「しっかり読んでくれている」と感じ、信頼関係につながるでしょう。
【ポイント3】ポジティブな表現を使う
ポジティブな表現とは、保育園で起こったことを、「書き方」でプラスの印象に変える方法のことを言います。保護者の方が不安になるような表現を避けることで不安をあおることがなくなりますし、「できない」よりも「できる」に目を向けることによって、子どもの成長に敏感に気づけるようにもなります。
元保育士の筆者の声
元
保育士A
友だちや家族とのやりとりの中でも、ネガティブなことをポジティブな表現に言い換える訓練をしておくと就職後も役に立ちますよ。
元
保育士B
連絡帳の文字だけでは冷たく感じがちなので、どういった表現を使えば保護者の方に安心してもらえるか考えて、伝え方や書き方を練習することはすごく大切だと思います。
文章でのコミュニケーションだからこそ、保護者の方に安心感や親近感を与えられる表現を意識することが重要になります。
では、ある保育の一場面を連絡帳に書くときの例を見てみましょう。
書き方の例
書き方A
「〇〇ちゃんは、△△くんのように鉄棒にぶら下がろうとしましたが、怖がってできませんでした」
書き方B
「〇〇ちゃん、鉄棒に興味を持ってきたようですね。今日は保育者が抱っこしながら鉄棒を握ることにチャレンジしました。『今度は自分でぶら下がってみたい』と言っていたので、今後も援助しながら見守っていきたいと思います」
Aの書き方だと、子どもを友だちと比較して、なおかつ鉄棒ができなかったネガティブなことだけを伝えてしまっています。それに対し、Bは子どもの意欲的な様子やどんなことに興味を持っているのかをポジティブな表現として伝えています。表現の仕方を変えるだけで、読み手の気持ちがぐっと変わりますね。
保育園の連絡帳を書くときのおさらい
連絡帳は、保育士さんと保護者のコミュニケーションはもちろん、子どもの様子や成長記録がずっと残る大切なツールになります。
今回紹介した、
- 5W1Hを意識する
- 保護者の方のコメントには必ず返信をする
- ポジティブな表現を使う
以上の3つを意識して連絡帳を書くことができれば、子どもの様子だけでなく、保育士さんの気持ちも保護者の方に伝わりやすくなり、安心へとつながります。
就活生のうちからポイントをおさえ、新卒保育士として働いたときに役立ててみてくださいね。
まとめ記事:【保育士体験談あり】保育園の連絡帳の書き方。新卒時に役立つポイントや例文/就活バンク!
連絡帳の書き方~例文編~記事:~乳児向けの例文編~新卒時に役立つ!保育園の連絡帳の書き方/就活バンク!
元保育士イラスト:icon Stocker/shutterstock.com
現役保育士イラスト:Kongpop/shutterstock.com