さまざまな色が混ざり合い、不思議な模様が生まれるマーブリング。そのときのやり方によって異なる模様や色合いの作品ができる面白さがあるため、保育実習に取り入れてみたいと考える保育学生さんもいるのではないでしょうか。今回は、実習にも役立つ簡単なマーブリングのやり方や上手にするコツ、アレンジ方法などを紹介します。
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マーブリングとは
マーブリングとは、水よりも比重の軽い絵の具を水面にたらし、水面にできた模様を紙などに写しとる絵画技法のことです。
マーブリングのやり方には、大きくわけて2種類あります。
- 水のうえに直接墨や絵の具を落として模様をつくる、日本の墨流しに習ったスタイル
- 糊などを混ぜて粘性をつけた水溶液の上に絵の具を落として模様をつくる、ヨーロッパのマーブリングに習ったスタイル
保育園で実践する場合は、使用する道具や予算、子どもの年齢、人数などに合ったやり方を選ぶとよいでしょう。
上手にマーブリングをするコツ
マーブリングをするとき、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。
上手にマーブリングをするコツを紹介します。
専用の絵の具を使う
マーブリング専用の絵の具を使うと、色もきれいに出るのでおすすめです。
専用の絵の具が用意できない場合は、アクリル絵の具でも代用可能とされています。
水彩絵の具やポスターカラーは、水に溶けてしまうため上手にマーブリングができないのでおすすめしません。
絵の具は少しずつ垂らす
絵の具は、水面に1滴ずつ垂らすのがポイントです。勢いよく出しすぎると、絵の具が沈んでしまいきれいな模様が出なくなることもあります。
調節して出すのが難しい場合は、保育士さんが援助したり、つまようじやスポイトなどのアイテムを使ってみたりしてもよいでしょう。
かき混ぜすぎない
竹串などで水面をひっかくときに何回もやりすぎると、色が混ざってしまいマーブル模様にはならなくなってしまうことがあります。
子どもとやるときは「5回ひっかいてみようか」というように、回数を決めてあげるとわかりやすいかもしれませんね。
マーブリングの作り方
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ここからは、ヨーロッパのマーブリングのスタイルに沿ったやり方の例を紹介します。
【不思議でたのしい♪マーブリングのお魚さん】の動画を参考に手順やポイントを説明していきますので、保育実習や入職を控えている学生さんたちは参考にしてみてくださいね。
ねらい
- マーブリングの技法を知り表現することを楽しむ
- マーブリングによって生まれる色彩や模様の美しさにふれる
- 偶然できた模様から想像力をはたらかせて造形活動を楽しむ
用意するもの
- マーブリングインク
- マーブリング用水溶液 100ml
- 水 100ml
- 洗面器
- 竹串
- 画用紙
マーブリング用水溶液は、洗濯のりでも代用できます。容器として、洗面器以外にもバットや食品トレーを使ってもよいでしょう。
画用紙はあらかじめ好きな魚の形に切っておきます。
やり方
1.洗面器の中にマーブリング用水溶液(または洗濯のり)と水を入れてよく混ぜます。
2.水面に数色のマーブリングインクを垂らしていきます。
3.竹串でインクを好きなようにかき混ぜ、模様を作ります。
4.魚の形に切った画用紙を水面に浮かべます。この時空気が入らないように注意します。
5.約5秒置いてから画用紙を引き上げ、乾かしたら完成です。
複数人で何度もマーブリングを行いたい場合は、水面より少し大き目の新聞紙を用意し、水面と紙との間に空気が入らないようにしながら被せます。
数秒置いて新聞紙を引き上げると、水面のインクや汚れを取り除くことができるので、1回ずつ水を取りかえずに済むでしょう。
参考動画:「不思議でたのしい♪ マーブリングのお魚さん/保育士バンク!」
マーブリングのアレンジ方法
最後に、マーブリングをした後のアレンジ方法を紹介します。
しおりにする
マーブリングをした紙を小さめにカットし、穴を開けた後リボンを通して、しおりにします。
とても簡単にできるので、子どもから家族へのプレゼントとしてもよさそうです。
ラミネートまで行うと、耐水性もできて長く使えるかもしれませんね。
うちわを作る
不要になったうちわに色画用紙を貼り、その上にマーブリングした紙をカットして貼り、オリジナルうちわを作ります。
きれいな模様のうちわは、夏祭りなどのアイテムにぴったりでしょう。
不要品のうちわを集めたいときは、保育園から保護者向けにおしらせをしてもらうとよいかもしれません。
アイスのおもちゃとして使う
マーブリングした紙を丸め、テープで留めます。大きくしたい場合は中にティッシュを入れます。それをいくつか作り、アイスに見立ててアイス屋さんごっこを楽しんでみましょう。
色や模様によってアイスのフレーバーを考えるなど、遊びの幅が広がりそうです。子どもが口に入れる心配のあるときは、ラップでくるむなどの対策をするとよいでしょう。
マーブリングをしてオリジナルの作品を作ろう
今回は、保育園でマーブリングをするときのやり方やアレンジ方法などを紹介しました。
マーブリングは、簡単にできるうえ二度と同じ模様が出ないの面白さがあります。きれいな模様を出すためには、水彩絵の具やポスターカラーではなく専用の絵の具を使って行うことがポイントといえそうです。
子どもたちといっしょにマーブリングを楽しみながら、世界に一つだけのオリジナル作品をつくってみてはいかがでしょうか。