逆質問の切り返し方によっては、自分のやる気のアピールにもつながるかもしれません。
今回は、逆質問の答え方の例やポイント、意識することを紹介します。
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■目次
保育士の面接における逆質問とは?
保育士だけに限らず採用面接において、最後に「何か質問はありませんか」と逆質問をされるのが一般的とされています。
面接では、主に面接官からの質問に答えますが、逆質問は応募者が気になることや疑問点などについて園の方に自由に質問できる場になります。これを利用して、しっかり「やる気のある人物像」を印象づけることがポイントでしょう。
だからこそ、逆質問に対し「特にありません」と答えてしまうと、園に興味がないのかな、働く意欲がないのかな、と捉えられる場合もあるので注意が必要です。
なぜ「特にありません」と答えることがよくないのか、理由をくわしく説明します。
園側に印象を残せるから
面接には、企業や園側に「How to」があるので、質問に対する答え方はテンプレ化している場合があるようです。面接官からすると、テンプレとのちょっとした違いだけで合否を決めるのは難しいかもしれません。
そのため、面接官からの「何か質問はありませんか?」という言葉から、残り10~20分でどう印象を残せるかが鍵になります。
自分のことをできるだけ濃く印象づけるためにも、積極的に質問していくことが大切です。
働きやすさを見極められるから
保育学生さんにとって重要なのは、入職した保育園が働きやすいかどうかです。保育方針や表面的な条件だけを見ても、その保育園が働きやすいかはわからないでしょう。
そのため保育学生さんが質問をして、保育園を見定める必要があります。
「入職したのに、想像していた保育園と違った」とならないために、質問の機会があることはとても重要なチャンスといえるでしょう。
説明だけではわからない保育方針の内容などについて、入職する前にくわしく聞いておけるとよいですね。
保育士面接に臨む際には、逆質問の時間を、自己アピールしたり不明点をクリアにしたりする貴重なチャンスだと考えておくとよさそうです。
逆質問をするときのポイント
ここからは、実際に「何か質問はありませんか?」と言われ、逆質問をするときのポイントを紹介していきます。
切り返し方として、以下のようなポイントに気をつけるとよいでしょう。
1.調べれば分かることは質問しない
2.労働条件についての質問はしない
3.採用担当者とのコミュニケーションを大切に
以上について、1つずつ注意点や例を交えながら説明していきます。
1.調べればわかることは質問しない
保育園の規模や園児の人数などは公式サイトなどでわかる事なので、尋ねる必要はありません。調べればわかるようなことを質問してしまうと、「この人はこんなことも調べずに、うちの保育園に応募してきたのか」と思われかねません。
一番大切なのは、「応募する保育園についてとても興味がある」という姿勢のアピールです。どんなに些細なことでも、公式サイトなどに掲載されていない気になる点があれば積極的に質問してみてましょう。
2.労働条件についての質問はしない
残業や給与についてストレートに尋ねるのは避けた方がよいかもしれません。
もちろん質問すれば答えてもらえるとは思いますが、保育について尋ねるのではなく、条件面を気にしていると捉えられるので、「この人は条件のよさを一番に考えている」と誤解される可能性があります。
ただし、ご自身に事情があり、どうしても残業はしにくいという環境であれば、以下のような聞き方をするとよいかもしれません。
〈例〉
・〇〇なので残業が難しい場合があるのですが、残業時間はある程度考慮していただけますでしょうか?
このように、「協力したいけれども、環境的に難しい」という気持ちも伝えながら尋ねると、やわらかい印象を与えられるでしょう。
3.採用担当者とのコミュニケーションを大切に
逆質問は、質問をする機会であると同時に、採用担当者とコミュニケーションを取るチャンスです。
面接には、園長や主任、先輩保育士さんなど、さまざまな立場の人が同席します。
園長ならば人間性や意欲を気にしますし、現場の責任者であれば「いっしょに働きたいか」を基準にあなたのことを見ています。できれば、採用担当者の役職によって、質問の内容を変えてコミュニケーションを図るとよいでしょう。
また、「はい・いいえ」だけで終わってしまうような質問は、会話の広がりが期待できないのでできるだけ避けるようにするとよさそうです。
もし、聞きたいことがある場合は「はい・いいえだけで終わってしまわないか?」を確認し、聞き方を変えるようにすることが大切です。
逆質問をするときのポイントについて押さえたところで、次に質問の具体例を紹介します。
「質問はありませんか?」に対する質問の具体例
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「質問はありませんか?」に対する切り返し方として、応募者からする質問例を3つのカテゴリーごとに見ていきましょう。
保育方針についての質問例
まずは保育士さんとして働く際に大事になってくる保育方針についての質問例です。
- 貴園の保育方針を拝見しましたところ、食育に力を入れているとの記載がありました。
食育について、具体的に行っていることをお伺いしたいです。 - 貴園は体操に力を入れておられることを見学で知り、子どもたちがとても楽しんで体操に取り組んでいる姿が印象的でした。
園長先生は、体操を通じて子どものどのような所が成長していると感じられますか?
あなたの考える保育方針と入職先の保育園にズレがあると、先々で働くことがつらくなってくることもあるかもしれません。
今一度、保育方針や転職先の保育園の特徴について逆質問してみるのはいかがでしょうか。
環境についての質問例
次に、その保育園で働く際の環境についての質問例です。
- 貴園で保育の仕事をするうえで、最も大切にすべきことはなんですか?
- 保育のお仕事で、一番やりがいを感じられたのはどういったことでしょうか?
- できるだけ長く働きたいと思っていますが、出産後も育児と仕事を両立されている先生はどれくらいいらっしゃいますか?
こちらもやりがいや働きやすさにつながってくる大切な逆質問かもしれません。
やる気をアピールしつつ働きやすい環境か確認できる質問ができるとよいですね。
意欲のアピールも込めた質問例
取得している資格や保育士養成校で得た経験などをもとに、意欲のアピールを含めた質問をしてみるのも一つの方法でしょう。
- 現在通っている学校ではブラスバンド部に所属しているので、楽器の扱いには自信があります。私のスキルはこちらでの音楽教育に役立ちますでしょうか?
- 〇〇の資格を取得していますが、貴園のお役に立てるような業務や行事はありますか?
自身のアピールとともに意欲や熱量があることも伝えられるので、面接もいい雰囲気で終わることができるのではないでしょうか。
面接で逆質問をするときに意識すること
最後に、逆質問において意識することを紹介します。
あらかじめ質問を考えておく
面接で話した内容をもとに質問をしようとしても、その場でパッと聞くのは難しいことです。そのため、面接に臨む前に、質問の内容を考えておくとよいでしょう。
面接が想定通りに進むとは限らないので、5個~10個程度用意しておきます。準備した質問をすべて聞くのではなく、面接の内容や時間などを考えながら、優先順位の高いものから2、3個質問しましょう。
質問を覚えておくのが難しかったら、メモにまとめておいたものを見ながら質問する方がよいでしょう。志望動機などはメモを見ながら話すと印象が悪いですが、逆質問はメモを見ながらでも問題ないとされています。
最後は感謝の気持ちを伝える
質問することがなくなった場合、「もう大丈夫です」という言葉だけではなく、以下のような感謝の気持ちも伝えるようにするとよいでしょう。
- 質問について十分にご説明いただきましたので、理解できました。ありがとうございました。
- 聞きたかった〇〇についてお答えいただいたので安心しました。
このように、言葉にして感謝すると面接官の印象がよくなるでしょう。
感謝の気持ちと、「逆質問の時間のおかげで気になっていることが解決した」ということしっかり面接官に伝えることが大切なポイントです。
最後に「より一層貴園へ入職したい気持ちが強くなりました!」といった一言を添えるとさらによいかもしれませんね。
面接における逆質問の時間を、自己アピールのチャンスにしよう
今回は、保育士の面接において「何か質問はありませんか?」という言葉に対して逆質問するときのポイントや具体例などを紹介しました。
「よい質問をしないと!」と考えてしまうかもしれませんが、そこまで気負う必要はありません。逆質問は保育園の方とのコミュニケーションを図るチャンスだと考えることが大切です。
面接官は、応募者からの逆質問を受け付けると同時に、人柄や意欲などをもっと深く知りたいと考えているでしょう。面接時に盛り上がった話題や、話した内容を深める質問をすると、好印象を与えることができるかもしれません。
「質問はありませんか?」という言葉をプラスに捉えて、緊張しすぎずに面接に臨めるとよいですね。