求人票に記載の「休日」の見方について気になっている保育学生さんや就活生さんもいるのではないでしょうか。保育施設によっては土日祝なども開園しているところがあるため、希望する就職先の休日などを知ることは、働き続けるためにも大切なポイントといえそうです。今回は、求人票の「休日」の見方について表記の種類や意味、休暇との違いを説明します。
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■目次
求人表に記載の「休日」ってどんなもの?
就職活動を行うなかで、求人票を見て就職する園を検討する学生さんも多いのではないでしょうか。
求人票には保育施設に関するさまざまな情報が記載されています。その中で、給与や勤務時間などに注目してしまうかもしれませんが、「休日」も重要な項目の一つです。
休日は身体を休ませることができるだけでなく、気分をリフレッシュすることもできるため、働くうえで大切なものなので、入職前に必ず確認しておきましょう。
総務省「労働基準法」では、労働者には少なくとも毎週1回の休日を与えることとしており、求人票に記載されている休日は「労働義務がない日」という意味であると説明しています。
国が定めた休日は「法定休日」とも呼ばれていますが、一方で保育施設が就業規則にもとづいて独自に休日を設定する「法定外休日」というものもあるため、園によって休日の日数は異なるようです。
まずは、保育施設の求人票に記載されている休日の種類と、混同されやすい休日と休暇の違いについて見ていきましょう。
休日の種類
求人票に記載されている休日には以下のような種類が挙げられます。
- 週休2日制
- 完全週休2日制
- 隔週週休2日制
- 4週8休
これらは園の運営状況によって表記の内容が異なるので、きちんと意味を理解してから求人票を確認しましょう。
休日と休暇の違い
求人票には休日だけでなく、休暇が記載されていることがあります。
労働義務がない日という意味の休日に対して、休暇は、「本来労働する日にもかかわらず、労働義務が免除される日」という意味になります。
そのため、労働義務の有無が休日と休暇の違うところです。
また、休暇には一定の条件を満たすことで付与される有給休暇など、賃金が発生することも違いといえるでしょう。
求人票に記載されている「休日」の見方
求人票に記されている「休日」の項目では、週休2日制や完全週休2日制などと記載されていることがあります。
週休2日制と完全週休2日制では意味が異なるためきちんと覚えておきましょう。
完全週休2日制
完全週休2日制は、週の中で必ず2日休める日があるという意味です。
土日を休みにしている園もあるかもしれませんが、法律では休日の曜日までは定められていないため、平日のいずれかがお休みというところもあるでしょう。
土日以外の平日を休みにしている場合は、完全週休2日制(水・金)のように別途曜日を記載している保育施設が多いようです。
週休2日制
週休2日制と記載されていた場合は、毎週必ず2日休めるのではなく、1カ月の間に2日休める週が一週以上あるという意味になるため注意が必要です。
そのため、4週、もしくは5週ある中で2日お休みできる週が1週だけしかない、もしくは1週でも2日休めない週がある場合も、週休2日制という表記になります。
また求人票では、週休2日制(日、他)のように「他」という表記を使用しているところもあるでしょう。週休2日制(日、他)の場合は、毎週日曜に加えてその他の曜日が休みになる週もある、という意味になるので、覚えておくとよさそうですね。
隔週週休2日制
隔週週休2日制は、隔週で週2日休めるという意味です。
具体的に説明すると、1週目に2日休みがあったときは、2週目は休みが1日しかない、というような2日お休みがある週が交互にくる形になります。
その他
保育施設によっては、求人票に週休2日制以外の記載をしていることもあるでしょう。
週休以外の書き方をしている例を紹介します。
4週〇休
4週間の中でその日数だけ休むことできるという意味です。
たとえば、求人票に4週8休と記載されていた場合は、4週間の中で8回休むことができるということになります。
園の勤務形態としてシフト制を採用している場合など、月によって職員のスケジュールが異なるところでは、休日の項目に明確な曜日や日数が記載されていないことがあるので注意が必要です。
月〇~〇日
月〇~〇日と求人票の休日欄に記載されていたときは、月ごとに休める日に差があると考えましょう。
月6~8日と記載されていた場合は、6日休める月もあれば、8日休める月もあるという意味になります。
求人票に記載されている「休日数」の見方
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求人票には1年間に取得できる休日数が記載されています。
労働基準法では週40時間、1日8時間以上労働してはいけないと定められているため、法律に基づいて計算すると、年間休日数は最低ラインが105日となります。
しかし、保育施設によって記載されている日数が異なるようです。
休日数の見方についてくわしく見ていきましょう。
年間休日105日
完全週休2日制の場合、休日数は104日となるので、年間休日105日と記載されていた場合は毎週少なくとも1日以上のお休みがあると考えられます。
105日は、1年間の労働時間の上限である2085.7時間を1日の労働上限である8時間で割り、その日数を365日から引いて割り出しています。そのため、労働時間が7時間という場合は最大労働日数が298日、6時間では347日となるため、園によっては年間休日が100日以下というところもあるようです。
週休2日制を採用している園や祝日を休みに含めない場合も、年間の休日数が105日以下になることがあるため、休日数が気になる方は園に休日の基準について確認すると確実でしょう。
年間休日115日
年間休日115日と記載されていたときは、週休2日制、もしくは祝日も出勤する日があるかもしれません。
1年間は週にすると約52週ですので、土日がすべてお休みの場合は104日となります。祝日は年間で16日程度なので、単純計算をすると120日になります。
そのため、求人票に年間休日115日と記載されていたときは、
- 祝日がお休みの場合:週2日休めない日が年間に5回ある
- 祝日に出勤する日がある
上記のように考えていいでしょう。
年間休日120日
毎月の土日祝を合わせると120日となるため、年間休日が120日と記載されているときは毎週2日必ずお休みがあり、土日祝他もお休みできると考えてよいでしょう。
また、休日欄に年間休日120日以上と記載されていた場合は、土日祝他に夏季休暇や冬季休暇、年末年始があるという保育施設が多いようです。
求人票に記載されている「休暇」の見方
求人票には休日のほかに「休暇」も記載されていることがあります。
就職先を探すうえで、休暇を確認することにより働きやすい園が見つかるかもしれません。
休暇は大きく分けて、法定休暇と法定外休暇の2つに分けられます。
それぞれどのようなものなのか見ていきましょう。
法定休暇
法定休暇とは、労働基準法で定められている休暇のことです。
国の定める最低限の休日は4週間で4日以上なので、誰もが取得できるお休みとして休暇を定めています。
法定休暇の種類として以下の休暇が挙げられます。
- 有給休暇
- 産前産後休
- 育児休暇
- 介護休暇
- 裁判員休暇
その他にも、園によっては、生理休暇や子の看護休暇などを設定しているところがあるようです。ただし法定休暇は、自動的に消化されるものではなく、利用するには事前に申請をしなくてはいけないので注意しましょう。
法定外休暇
法定外休暇は特別休暇とも呼ばれていて、保育施設ごとに自由に定めている休暇のことです。園によっては福利厚生に含まれることもあるでしょう。
法定外休暇の種類として以下の休暇が挙げられます。
- 慶弔休暇
- 夏季休暇
- リフレッシュ休暇
- 病気休暇
- バースデー休暇
- ボランティア休暇
法定外休暇は保育施設が自由に定められるので、実施していないところもあれば、ほかの園にはない傷病休暇や結婚休暇などを設定しているところもあります。
また、法定外休暇は特定の条件を満たさなければ利用できないことがあるため、事前に確認しておくといいかもしれません。
求人票で休日を確認するときのポイント
求人票で休日等の項目を確認する際のポイントを紹介します。
表記の意味を理解する
求人票の休日の項目では、完全週休や隔週週休など似ている記載があるため、表記の意味をしっかり理解することが大切になります。
上で説明したように、週休2日制と記載されていると毎週2日休めるように思えますが、2日休める週は1回しかないというケースもあります。休日の表記の意味を理解することで、入職後に休日の内容や休日数が違ったというギャップが少なくなるでしょう。
休日数を確認する
休日数は園が定める休日や労働時間によっても異なりますが、夏季休暇や冬季休暇などの記載がなくても、年間休日120日以上となっていた場合は、土日祝他も休める日があるのと理解することができるしょう。
また、夏季休暇や冬季休暇は年間休日に含まれますが、有給休暇は個人で取得する数に差があるため年間休日には含まれていません。そのため、年間の休日数が105日と記載されていても別途休める場合もあるようなので、気になる場合は園に確認しておくといいでしょう。
求人票の休日等の見方をきちんと理解して、就職先する前に確認しよう
今回は、求人票に記載されている休日や休日数、休暇の見方について説明しました。
求人票に記載されている休日は、完全週休2日制や週休2日制など、保育施設によって内容はさまざまあります。一見、同じ内容に思えるかもしれませんが、週休2日制と完全週休2日制では毎月の休みの日数が異なるため、それぞれ表記の意味を理解することが大切です。
また、園によっては年間の休日数が異なるため、事前に確認しておくことでプライベートの計画が立てやすくなるでしょう。休日等の内容をきちんと理解することは、保育士さんとして働き続けるためにも重要なことといえそうです。