モンテッソーリ教育とはどのような内容か、気になっている保育学生さんもいるのではないでしょうか。特徴や教育内容を知っていると、就活に役立てられそうですよね。今回はモンテッソーリ教育の目的や教育内容、導入している保育園の特徴や保育学生さんが働くために必要なことを簡単に紹介します。
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モンテッソーリ教育とは
モンテッソーリ教育とは、イタリアの医師であり教育家でもあったマリア・モンテッソーリ博士が考案した教育法です。「子どもには、自分を育てる力が備わっている」という「自己教育力」の存在がこの教育法の前提となっており、歩くことを教えなくても歩こうとしたり生活環境の中で自然に言葉を覚えたりする姿は、子ども自身が自立に向かって成長する姿の現れと言えるでしょう。
モンテッソーリ教育の概要
モンテッソーリ教育にはどのような目的があり、教育内容はどのようなものなのでしょうか。モンテッソーリ教育の概要を簡単に紹介します。
目的
モンテッソーリ教育の目的とは、
「自立していて、有能で、責任感と他人への思いやりがあり、生涯学び続ける姿勢を持った人間を育てる」ということだといわれています。モンテッソーリ教育とはこの目的を達成するためにモンテッソーリ博士が確率した教育法で、子どもを科学的に観察し、その観察から得た事実に基づく教具を開発するなどしたようです。
教育内容
日本におけるモンテッソーリ教育は、主に小学校入学前の子どもを対象としているようです。この6年間を発達段階の特徴から0歳から3歳までの前期と3歳から6歳までの後期に分けていますが、ここでは後期の教育内容について簡単にまとめました。
日常生活の練習
日常生活の練習では、運動の感性を目的としているようです。幼児は大人のすることを何でも真似したがる傾向にあるので、その模倣したい気持ちと運動能力を育む時期とを利用して、自分の身体を自分の意志でコントロールする能力をつけるために、日常生活の練習の場が設けられているそうです。具体的には、
- 歩く
- はさみで切る
- コップに水を注ぐ
- ボタンをかける
- 室内を掃除する
などの実生活と結びついた練習が挙げられます。この練習をするときには、大人と同じ本物の道具を使うことがポイントとされています。
感覚教育
感覚教育は、五感を洗練させて、ものの考え方を身につける練習です。3歳をすぎるとさまざまな感覚刺激に対して敏感になり、小さなものを見つけたりかすかな音を聞きつけたりするようになるでしょう。また、小さい大きい、長い短いといった抽象的な感覚を、目に見える形にして理解することもできるようになるかもしれません。
感覚教育では教具を使って
- 対にする
- 段階づける
- 分類する
といった練習が行われます。具体的には、大きさの同じ立体を選んで積み上げたり、色の濃い順にカードを並べたりするといった教育内容になるようです。この練習を通してものを観察する能力などが身につくとされています。
言語教育
モンテッソーリ教育の言語教育では、言葉遊びやゲームを取り入れ、子どもの「ことばの発達段階」にあわせて「話す・書く・読む」能力を養いながら語彙を豊かにするそうです。接続詞についても早くから学び、最終的には文法にまで至ることを目指しています。
文字を書くときには、日常生活の練習などで養った、手や腕を自由にコントロールする力を利用するように考えられているそうです。
算数教育
算数教育では、数の基礎や十進法、簡単な計算などを学びます。幼児期の子どもは、車のナンバープレートの数字やお菓子の大きさなどに興味を示すようになるでしょう。そのような時期に数量を具体物で表したり、実際に手にとって扱ったりすることができると、子どもが数量について吸収しやすくなるかもしれません。
モンテッソーリ教育では、銀行遊びを通して四則計算を学ぶといった工夫をしながら算数教育を行なっているようです。
文化教育
文化教育とは、言葉や数以外の幅広い分野を指しています。具体的には、歴史や地理、生物など、小学校の社会科や理科にあたる教育です。子どもが太陽や月、星などに興味をもったときには、太陽系の惑星の模型を使って学ぶこともあるでしょう。音楽や美術といった芸術に関係する教育内容も、この文化教育に含められます。
モンテッソーリ教育を行う保育園の特徴
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モンテッソーリ教育を行なっている保育園には、どのような特徴があるのでしょう。主なものを簡単に紹介します。
縦割りクラス
モンテッソーリ教育では、原則として異年齢混合の縦割り教育を行なっているようです。年齢の異なる子どもたちが同じクラスで生活することで、年上の子どもが年下の子どものお世話をしたり、年下の子どもが年上の子どもの真似をしたりといったことが自然に行われるようになります。そういった関わりのなかで、社会性や協調性などが身についてくるかもしれませんね。
モンテッソーリ活動
モンテッソーリ教育を行なっている保育園では、1日に1時間から3時間程度のモンテッソーリ活動が設けられているところもあります。この時間は、「おしごと」とも呼ばれ、自分で決めた活動に自由に取り組むこととされており、子どもの知的好奇心を満たすための大切な時間となっているようです。
モンテッソーリ活動ではモンテッソーリ教具を使って活動するので、一般的な活動やごっこ遊びなどと区別されています。また、通常の保育活動とモンテッソーリ活動とをバランスよく組みあわせていることが多いそうです。
年間行事
年間行事は園によって違いがありますが、運動会や遠足などは通常の保育園と同様に行なっている園も多いようです。また、七夕などの日本の行事を取り入れている保育園もあり、保育方針に基づいて行事が計画されていると言えるでしょう。モンテッソーリ教育の目標にある自立した人間を育てるために、子どもの達成感を満たす個展や展覧会などの定期的な発表会を計画している保育園もあるそうです。
入園前のクラス
モンテッソーリ教育を行なっている幼稚園や保育園の中には、入園前の子どもを対象としたクラスが用意されている園もあるようです。赤ちゃん教室や1歳から3歳の子どものための教室、保護者のための育児相談や親子で楽しむ遊びなどが年間計画に位置づけられている保育園もあります。
モンテッソーリ教育の保育園で働くために必要なこと
保育学生さんがモンテッソーリ教育の保育園で働くためには、どのような準備をするとよいのでしょう。就職先として考えるときにやっておくとよいことを紹介します。
教育内容について詳しく学ぶ
モンテッソーリ教育にはしっかりとした目的と、目的を達成するための教育内容が設定されています。この教育法を取り入れている保育園で働くためには、モンテッソーリ教育とはどのような教育なのかを詳しく学んでおく必要があると言えるでしょう。内容をよく理解しておくことで、就活の面接でモンテッソーリ教育について聞かれたときも、落ち着いて受け答えができるかもしれませんね。
実践している保育園や幼稚園の見学をする
モンテッソーリ教育の目的や教育内容は一貫していますが、実際の活動は園の教育方針によって異なるようです。畑作りに力を入れていたり英語教育に力を入れていたりと、保育活動の中心にしていることはさまざまなので、就職を考える場合は希望する保育園や幼稚園の見学をしておきましょう。モンテッソーリ教育についてしっかりと理解できるまで、何度も見学してみてもよいかもしれません。
教員として働く場合は資格を取得する
モンテッソーリ教育を行なっている保育園で保育士として働くときには、保育士以外の資格は必要ないようですが、教員として働くためには資格を取得する必要があるようです。資格の取得するためには、公認施設で教員養成コースを終了する他に、通信教育とスクーリングを利用もできるので、保育学生さんにあう方法を選びましょう。
モンテッソーリ教育について学び、就活に活かそう
今回は、モンテッソーリ教育とはどのような教育法なのかを簡単に紹介しました。
モンテッソーリ教育は「自立していて、有能で、責任感と他人への思いやりがあり、生涯学び続ける姿勢を持った人間を育てる」という目的を持ち、日常生活の練習などを実践しているようです。導入している保育園の特徴としては、縦割りクラスで活動したり、お仕事の時間を設けたりしているといったことが挙げられます。
モンテッソーリ教育を行なっている園に就職を希望する場合は、教育内容についてしっかり学び、就活に活かしましょう。