保育学生さんのなかには、児童館で働く職員になりたいと考えている方もいるのではないでしょうか。児童館で働くためにはどのような資格が必要になるのか、また仕事内容や給料も気になりますよね。今回は、児童館で働く職員の役割や仕事内容、働くために必要な資格、また就活するうえで大切な志望動機の書き方も紹介します。
polkadot_photo/shutterstock.com
■目次
児童館とは
保育士資格を活かして働ける児童館で、職員として働きたいと考える保育学生さんや就活生の方もいることでしょう。
そもそも児童館とは、児童福祉法によって定められた児童厚生施設の一つで、子どもの遊び場として健康の向上と心を豊かにすることを目的とした児童福祉施設です。
0歳児から18歳未満の子どもが無料で利用でき、職員は遊びを通して健康を促進したり、子どもの育成や指導をしたり、子育て家庭への相談対応を行ったりしているところもあるようです。
今回は、児童館で働く職員の仕事内容や必要となる資格について、くわしく見ていきましょう。
児童館で働く職員の役割や仕事内容
児童館で働く職員にはどのような役割があるのか、また仕事内容について説明します。
職員の役割
冒頭で説明したように、児童館には子どもたちの健康の向上と、心を豊かにするという目的があります。
職員はその目的を達成できるように、遊び場となる部屋を掃除したり、使用する遊具の点検をしたりして、子どもの安全を確保しながら遊びの指導を行う役割を担っています。
学童保育室を併設している児童館で働く職員には、就労や通院などの理由から日中に子どもを保育できない保護者に代わって、子どもを預かるという役割もあるでしょう。
仕事内容
児童館で働く職員の仕事内容は、保育園や幼稚園で働く保育士さんのように子どもたちに遊びの指導を行ったり、子育てに悩む保護者の相談に対応したりすることがメインになるでしょう。
ただし、利用する子どもの年齢が幅広いため、子どもの年齢が高くなると勉強や人間関係に関する相談などもされるかもしれません。そのため、児童館の職員には、子どもの年齢に合わせた対応が求められるようです。
また、子どもとその保護者が楽しめるようなイベントを行う場合は、事前準備や当日の運営なども職員の仕事の一つといえるでしょう。
児童館の職員として働くために必要な資格
では、児童館の職員になるには、どのような資格が必要になるのでしょうか。
必要となる資格や試験についてくわしく説明します。
求められる資格
児童館で働くための資格は施設によって異なるようです。
ただし国の法律によって、児童館を含む児童厚生施設には、児童の遊びを指導する職員を配置するように定められています。
児童の遊びを指導する職員に該当するのは、
- 都道府県知事の指定する養成学校を卒業している方
- 保育士資格もしくは教員免許を有している方
- 社会福祉士の資格ある方
などが挙げられます。
児童館で働く職員になるには、子どもの成長や発達に関わる資格を求められることがあるため、無資格よりも資格を取得していたほうが児童館で働く際に役立てられるかもしれません。
ほかにも、都道府県が実施する研修を受講して取得する資格や一般社団法人が独自に認定している資格もあるので、気になる方は内容を確認して取得すると、職員の求人を探すときの選択肢が広がるでしょう。
公立の場合は公務員試験がある
児童館には公営と民営があり、公営の施設で職員になるには公務員試験を受験して合格する必要があります。
試験を実施する日程や試験内容は自治体によって異なりますが、筆記試験や面接を行うところが多いようです。公務員試験を受験する予定の方は、ホームページや役所などで事前に募集要項を確認してから臨むといいでしょう。
児童館で働く職員の給料や待遇
児童館で働くうえで、給料について気になる保育学生さんや就活生さんもいるかもしれません。給料や待遇について見ていきましょう。
給料
児童館で働く職員の給料はおおよそ20万円となっています。
あくまで目安ですので、実際に働く自治体によっても給料は変わってくるでしょう。
児童館に併設されている学童保育室で働く職員の給料は、16万円から20万円前後が平均ですが、なかには20万円以上の施設もあるのでそれぞれ確認することが大切です。
待遇
児童館で働く職員の待遇も施設によって異なるようです。
しかし、公営の児童館の職員は公務員として働くことになるので、福利厚生や各種手当などの待遇が安定しているところもあるでしょう。
待遇が充実している児童館を選ぶことにより、生活面が安定するので職員として働き続けやすくなりそうですね。
児童館で職員として働くメリット
takayuki/shutterstock.com
児童館で働くことにより、職員にはどんなメリットがあるのでしょうか。
ここでは、職員として働くメリットとやりがいを紹介します。
児童館で働くメリット
児童館で働くことで、以下のようなメリットが得られるかもしれません。
- 保育士資格や幼稚園教諭免許があれば優遇されることもある
- 幅広い年齢の子どもと関わることができる
- 持ち帰って仕事をすることが少ない
保育士資格や幼稚園教諭免許を取得していれば、児童館で働く際に優遇されることもあるようです。子どもたちと関わる仕事なので、基本的な専門知識を活かすことができるでしょう。
また、児童館を利用できる子どもは0歳児から18歳未満と、保育園や幼稚園と比較すると年齢の幅が広く、いろいろな子どもたちと関わることができるのは魅力といえるかもしれません。子どもたちの遊びの幅も広がるので、職員として働くなかで新鮮な気持ちでいられそうです。
さらに児童館はクラスがありません。そのため保育園や幼稚園とは違い、事前に製作物を用意することも少ないため、残業したり、持ち帰って製作したりすることはほとんどないそうです。
職員としてのやりがい
児童館は利用する子どもの年齢が幅広いため、年齢にあった対応をすることが難しいこともあるかもしれません。
そのなかで、子ども一人ひとりとしっかりコミュニケーションを取ったり、子どもの年齢にあわせて遊びの展開を広げられるようサポートしたりすることで、少しずつ信頼関係を築いていくことはやりがいとなるでしょう。また、児童館に通う子どもの成長を間近で見ることもできることも、職員のやりがいにつながりそうです。
ほかにも、保育園や幼稚園と同じように、季節に合わせて行事やイベントを行う児童館では、自分で企画を立てたり、内容を考えたりすることでやりがいを感じることもあるかもしれません。
児童館で職員として働くための試験対策
児童館で働くためには、公営でも私営でも書類選考や面接を受けることになります。
職員として働くためにできることとして、履歴書で志望動機を書くときのポイントや面接の対策方法を説明します。
志望動機の書き方
志望動機を書くときのポイントと例文を紹介します。
書くときのポイント
新卒の場合は職務経験がないので、児童館で働きたいという熱意や応募者の人柄を重視する採用担当者が多いようです。
そのため、人柄が感じられるようなエピソードや、働きたいという熱意がより伝わるように具体的な内容を書くことが大切になります。「子どもが好き」という理由は、保育園や幼稚園などの保育施設にも言えることですので、どうして児童館を選んだのかという理由を明確にするといいでしょう。
志望動機の例文
私は両親が共働きだったため、小学生の頃よく児童館を利用していました。その頃、施設で働いていた職員の方が一緒に遊んでくれたり、優しく接してくれたりしたことが今でも心に残っています。児童館で過ごす時間は長かった分、楽しい思い出も多かったので、将来児童館で働きたいと考えるようになりました。
私は児童館指導員として子ども達が楽しく過ごせるだけでなく、遊びを通して多くのことを学べるような指導をしたいと考えているため、クラブ活動に力を入れている貴法人の児童館を志望致しました。
面接時の対策
面接は受け答えの対策だけでなく、当日の身だしなみも重要になります。
身だしなみ
面接時の服装はスーツ、もしくは指定があれば私服になります。特に指定がなかった場合は、基本的にはスーツで臨むようにしましょう。
私服の場合は、ジャケットにブラウス、ワイシャツを合わせるなど、オフィスカジュアルを意識した服装にするといいかもしれません。面接官の方に与える印象に配慮して、黒やグレー、ネイビーなど落ち着いた色味のものを選び、露出が少ない服にすることもポイントです。
化粧は派手な印象にならないように、薄めのファンデーションと色のないリップをつけるなどナチュラルメイクを心がけ、髪型も清潔感のある印象になるよう整えてみてくださいね。
面接官に質問されたときの答え方のポイント
児童館の職員の面接で質問されたとき、どのように答えればいいのでしょうか。
面接官は履歴書を見ながら面接を行うため、応募者の基本情報をもとに進められるでしょう。そのため、志望動機や自己PRなどについて質問されたときは、履歴書に書いたことをそのまま答えるのではなく、履歴書に書ききれなかった思いや具体的なエピソードを交え、詳細な内容を伝えましょう。
また面接では、逆質問をされることがあります。「特にありません」と答えるのではなく、応募した児童館について、下調べでわからなかった点や具体的に知りたいと感じた点などを積極的に質問することで、児童館で働きたいという意欲を見せることにつながりそうです。
児童館で働く職員の仕事内容や役割などを理解して就活に活かそう
今回は、児童館で働く職員について、仕事内容や必要な資格、就職活動の対策として志望動機の書き方などを紹介しました。
児童館の職員として働く場合は、子どもたちがけがをしないように見守ったり、イベントを企画して運営したりすることもあるでしょう。利用する子どもの年齢が幅広いので、年齢に適した対応をするために求人の応募要件では資格を求められることがあるようです。
職員になるための書類選考や面接では、児童館で働きたいという思いが伝わるように、書き方例や伝え方のポイントを押さえて対応することが大切になります。児童館で働く職員を目指し、就職活動に活かしていきましょう。