保育園においてままごと遊びを取り入れたいとき、どのように環境設定をすればよいのか知りたい保育学生さんもいるのではないでしょうか。
ねらいや注意点などを知っておけば、保育実習や入職後に役立つかもしれません。
今回は、保育園でのままごと遊びとは何かやねらいとメリット、環境設定の仕方、配慮するポイントについて紹介します。
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■目次
保育園でのままごと遊びとは
保育園の子どもたちが大好きな遊びの一つ、ままごと遊び。
ままごとの「まま」とは、「飯(まま)」という意味からきているそうです。ごっこ遊びの中でも、特に家庭での様子や家事を真似する遊びが「ままごと」と呼ばれます。
ままごとは目の前にないものをイメージする想像力や、社会性、言語能力を高めるなど、子どもたちが成長するうえでとても重要な役割を担っているようです。
では保育園の中でのままごととは、どういった特徴のある遊びなのでしょうか。子どもの年齢とあわせて紹介します。
見立て遊びとしてのままごと
1歳児頃になると、主に身近なママやパパ、保育士さんが行っていることを徐々に真似し始めるでしょう。
挨拶や買いものの様子をはじめ、料理を作ることやお茶を飲むことなど、日常のちょっとした行動を真似して見立て遊びとしてままごとをするのが特徴です。
ごっこ遊びとしてのままごと
2歳児から3歳児頃になると、人形などの小道具を上手に使いながら設定を立て、ごっこ遊びとしてのままごとが始まるでしょう。
友だちといっしょに、パパやママなどの役になりきってままごと遊びをする子もいるかもしれません。
4歳児以上になると、「ママはお料理するから、お姉ちゃんは赤ちゃんにミルクをあげてね」「パパは買い物に行って、野菜とくだものを買ってきてね」など、複数人の友だち同士で状況の設定もできるようになっていき、遊び方の幅も広がっていくでしょう。
ままごと遊びのねらいとメリット
次に、保育園でのままごと遊びのねらいとメリットについて紹介します。
ねらい
保育園においてのままごと遊びには、ねらいとして以下のようなことが挙げられるでしょう。
- 身近な人の真似を楽しむ
- 物や人を何かに見立てて遊ぶ
- イメージの世界を広げる
- 自分の思いを伝えたり、友だちの考えを聞いたりしながら、いっしょに遊ぶことを学ぶ
- 友だちとイメージを共有し、考えを出しあいながら遊びを進めていくことを楽しむ
- 状況にあった言葉を選び、友だちと伝えあう
このように、物を何かに見立てて遊んだり、友だちといっしょにイメージを伝えあったりしながら楽しむことがままごと遊びのねらいのようです。
指導案を作成するときは、担当するクラスの子どもの様子にあわせて設定するとよいかもしれません。
メリット
次に、ままごと遊びのメリットを紹介します。
想像力を育む
ままごと遊びでは、子ども同士で役になりきりながら遊ぶことがあるでしょう。
子どもなりに「この役ならこういうことをするかな?」などイメージしながら遊ぶため、想像力や発想力を育むというメリットがあります。
コミュニケーション能力を伸ばす
ごっこ遊びとしてのままごとでは、友だちや保育士さんなど自分以外の人との関わりあいを必要とします。
自分でいろいろな会話を想像したり、役になりきりながら友だちとやり取りしたりすることを通して、コニュニケーション能力を伸ばすこともメリットとして期待できるでしょう。
言葉が豊かになる
ままごと遊びは、言葉を使ったコミュニケーションによってままごと遊びを進めていく場合があります。
子どもたちは会話を展開していくため、相手の言葉を真似したり、設定した状況にあわせて考え、言葉を発したりしていくでしょう。
自分とは違う役を演じるために、普段は使わない言葉を使うことを通して、言葉の語彙力が増えていき言葉が豊かになっていくかもしれません。
保育園におけるままごとの環境設定の仕方
ここからは、実際に保育園においてままごと遊びを取り入れる際の環境設定の仕方を紹介します。
用意するもの
まずはままごと遊びに用意するものを確認しましょう。
食材となるおもちゃ
- 野菜
- くだもの
- 魚
- 飲み物 など
この他、食材の材料として、木の実や毛糸、細かく切ったフェルト、おはじき、新聞紙、布なども用意すると、子どもたちが工夫して使えるかもしれません。
食器となるおもちゃ
- 皿
- 茶碗
- お椀
- スプーン
- フォーク
- コップ など
食器は大小さまざまなものを用意することで、料理として盛りつけるアレンジの幅が広がるでしょう。フォークのおもちゃは安全のため、先のとがっていない木製もしくはプラスチックのものがよさそうです。
調理器具として使うおもちゃ
- ガスコンロ
- 調理台
- 流し台
- オーブンレンジ
- ボウル
- 包丁
- まな板
- おたま
- フライ返し
- フライパン
- 鍋 など
いろいろな調理ができるよう、バリエーション豊富な調理器具が揃っているとより遊びの幅が広がるでしょう。
着用アイテム
- エプロン
- 三角巾 など
調理をするときの身だしなみも整えると、より役になりきれそうです。
配置
おままごとの道具を収納する棚と、調理スペース、食事スペースが必要になります。
机やイスをいくつか用意して、複数の子どもが同時に遊べるよう工夫した配置にするとよいでしょう。
子ども自身で簡単に移動ができるような小さな机や牛乳パックなどで手作りしたイスなどもあると便利かもしれません。
人的環境
人的環境として、見守る保育士さんの援助の仕方の例を紹介します。
〈保育士さんの援助の仕方〉
- 子どもの発想を妨げないよう見守る
- 世界観を壊さないように子どもたちと同じ目線に立って展開を楽しむ
- 抜けるときは、「〇〇ちゃんと遊ぶ約束があるから公園に出かけてくるね」など設定や役柄に応じた抜け方を心がける
以上のことを意識するとよさそうです。
保育士さんも設定の中に入り込み、子どもといっしょに楽しむことでよりままごと遊びが盛り上がるかもしれませんね。
ままごとの環境設定をするときに配慮するポイント
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最後に、ままごとの環境設定をするときに配慮するポイントを紹介します。
安全面に配慮したおもちゃを用意する
ままごと遊びでは、食事を作るふり・食べるふりをすることがあります。
食べるふりをするときに、子どもがおもちゃを口に入れることもあるかもしれません。
環境設定をするときは、そのようなことも想定し、子どもが飲み込める大きさのものや壊れやすいもの、よだれで塗料が剥げるものなどはままごと遊びのおもちゃとして取り入れないよう、安全面に配慮するのが大切になります。
想像力が広がる工夫をする
ままごと遊びで使うおもちゃとしてシンプルなものを用意すると、子どもは想像力を使って、それをいろいろな物に見立てて遊べるでしょう。
たとえば、カレーライスなどのできあがった食材を再現したおもちゃは、カレーライスとしてしか遊べません。しかし、さまざまな形おはじきや木の実などをたくさん用意すると、子どもの想像力によって、それがカレーライスになったり、チャーハンになったり、あるいはお金の代わりになったりするでしょう。
子どもの想像力が広がるようなおもちゃが用意できるとよいですね。
イメージを実現できるような環境を整える
少人数での遊びが多い場合、室内に区切られた空間があると遊びが発展しやすくなりそうです。
パーテーションや棚で区切るなど、ままごとをするうえで「おうち」や「お店屋さん」のイメージを持ちやすい空間を作り、その中に必要なものを準備するなど環境面での援助をすることで、より子どもたちがイメージを実現しやすくなるかもしれません。
保育園でままごと遊びを楽しめる環境設定をしよう
今回は、保育園にとってのままごと遊びのねらいや特徴、環境設定の仕方、配慮するポイントなどを紹介しました。
ままごと遊びには、子どもの想像力や発想力、友だちとの協調性を育むといったねらいがあるようです。身近な生活にもとづいているので、男の子も女の子も楽しむことができ、実際の家事の手伝いへとつながるかもしれません。
保育士さんは、そういったねらいを意識しながら、子どものイメージが広がるようなおもちゃを用意するなどの配慮をした環境設定ができるとよいですね。