保育園の製作で使用される素材はさまざまですが、取り入れやすい素材として牛乳パックが挙げられます。箱本体を活かせるだけでなく加工しやすいので、作り方などを知って保育実習や入職後に役立てましょう。今回は、牛乳パックを使った手作りおもちゃのアイデアを、乳児クラスと幼児クラス別にそれぞれ紹介します。
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保育園の製作に活用しやすい牛乳パック
保育園や幼稚園の製作でよく使われる廃材として、牛乳パックが挙げられます。
加工がしやすく水に強くて丈夫といった特徴があるため、子どもたちといっしょに行なう製作では活用しやすいかもしれません。
しかしその反面、必要なときに用意できない場合もあるので、実習で使用したいときは自身で準備するのに加え、事前に保育園に相談をして保護者の方に準備してもらえないか、確認しておくことも大切と言えるでしょう。また、使用する前にきちんと洗い、乾燥させる必要もあるので事前準備をきちんと行なっておくとよさそうです。
今回は、牛乳パックを使ってできる手作りおもちゃのアイデアを、乳児クラスと幼児クラスに分けて紹介します。
乳児クラスが楽しめる牛乳パックの手作りおもちゃ
乳児クラスで楽しめる、牛乳パックを使った手作りおもちゃを紹介します。
牛乳パックでつくるいないいないばあ
牛乳パックで開くと顔が出てくる、いないいないばあを作ってみましょう。
用意するもの
遊び方
保育学生さんが牛乳パックを開いて子どもたちに見せることで、0歳児の赤ちゃんや1歳児の子どもも喜んでくれるかもしれません。
いないいないばあ!ではなく、牛乳パックを開く前と開いた後でヒヨコからニワトリに変わるようにするなど、絵柄を工夫することでさまざまな遊び方ができそうですね。
牛乳パックのびっくり箱
牛乳パックで作るびっくり箱の作り方を紹介します。
用意するもの
遊び方
牛乳パックで作るびっくり箱は、ふたを開けるとキラキラした折り紙が飛び出てくる仕掛けになっています。
箱から勢いよく飛び出す動きやキラキラしたものに、乳児クラスの子どもたちも興味を惹かれるかもしれません。
ふたを開けた際、飛び出してきた牛乳パックで顔などをけがする恐れがあるため、保育学生さんは子どもたちの顔が箱に近づきすぎないように安全に配慮して遊ぶといいでしょう。
牛乳パックでできるパペット
牛乳パックで口がパクパク動くパペットの作り方です。
用意するもの
遊び方
保育学生さんはあらかじめ完成させたパペットを保育園に持って行き、まずは子どもたちの前で口をパクパクさせるなどして、興味を惹きつけるといいでしょう。
2歳児の子どもたちであれば動かし方を見せて説明すると、自分の指で牛乳パックを押して遊んでくれるかもしれません。
動画ではカエルのパペットを紹介していますが、うさぎやくまなど子どもたちが好きそうな動物で作るとさらに喜んでもらえそうですね。
牛乳パックでつくるカスタネット
牛乳パックでカスタネットを作ってみましょう。
用意するもの
遊び方
1歳児の子どもたちには保育学生さんが事前に作ったおもちゃを渡し、音を鳴らして遊んでもらうといいでしょう。0歳児の赤ちゃんは保育学生さんが音を鳴らすと、珍しい音に興味を示してくれるかもしれません。
2歳児の場合はキャップの裏にテープを貼り、指定の場所に貼りつけるなど子どもたちができそうな工程にチャレンジしてもいいでしょう。自分でおもちゃを作ることにより、愛着をもって遊んでくれそうです。
牛乳パックの絵合わせキューブ
牛乳パックの側面にかかれた絵をパズルのように合わせる、絵合わせキューブを紹介します。
用意するもの
作るときのポイント
この手作りおもちゃは牛乳パックを3個使います。個数が多いと用意するのに時間がかかってしまうため、家庭で用意してもらうと保護者の方の負担となってしまうことが考えられます。
そのため、保育学生さんが事前にいくつか作っておいて、当日子どもたちに遊んでもらうといいかもしれません。
牛乳パック同士がゴムでつながっているため、パーツがなくなって絵が揃わないということがないので安心して遊べそうですね。
牛乳パックでつくるへび
牛乳パックでぴょんと跳ねるへびを作ってみましょう。
用意するもの
作るときのポイント
このおもちゃは牛乳パックをハサミで切ったり、輪ゴムをはめたりする難しそうな工程はあらかじめ保育学生さんが行います。
2歳児の子どもたちであれば、へびの目や舌のパーツを貼る工程ができるかもしれないので、挑戦してもらってもいいでしょう。0歳児や1歳児には、できがあがったへびの飛び跳ねる様子を見せると、勢いよく飛んでいく動きを面白がってくれるかもしれませんね。
このように、1歳児や2歳児の子どもたちと牛乳パックの製作を行うときは、必要な道具をそろえたり、おもちゃを複数作ったりと保育学生さんが行う工程が多いので、早めに準備しておくとよさそうですね。
幼児クラスが楽しめる牛乳パックの手作りおもちゃ
幼児クラスで楽しめる、牛乳パックを使った手作りおもちゃの作り方を紹介します。
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牛乳パックでできる万華鏡
牛乳パックで万華鏡を作ってみましょう。
用意するもの
作るときのポイント
牛乳パックの先端を四角錐になるように折る工程は、子どもによっては難しく感じるかもしれません。そのため、保育学生さんがあらかじめ済ませておき、銀紙を貼る工程から子どもたちに始めてもらうとスムーズに進められるでしょう。
牛乳パックの側面に貼りつける絵は、子どもたちにフェルトペンでかいてもらうのもいいですが、デカルコマニーで不思議な模様を作ってみるのも楽しそうですね。
牛乳パックで作る電車
牛乳パックで作れる電車を紹介します。
用意するもの
作るときのポイント
キリで穴を開けてビニールタイを通す工程は、3歳児の子どもたちが行うとつまずく子も出てくるかもしれないので、担当する年齢によっては保育学生さんが行うといいでしょう。
このおもちゃは、先頭の車両部分を尖らせて新幹線にしたり、トイレットペーパーの芯を煙突に見立てて機関車にしたりするなど、工夫次第でさまざまな種類の電車を作ることができます。
保育学生さんは見本として電車が載っている絵本や図鑑を最初に見せると、子どもたちもイメージしながら製作することができるかもしれませんね。
牛乳パックで作れるパズル
すべて同じ絵になるように組み合わせて遊ぶ、牛乳パックを使ったパズルの作り方です。
用意するもの
作るときのポイント
このおもちゃを作るときは、子どもたちに同じ絵をかいてもらいますが、4つの面で同じ絵が出るように数をずらしてかく必要があります。
保育学生さんは子どもたちに分かりやすく説明するだけでなく、牛乳パックに目印をかいたり、実際に絵をかいたパーツを見せたりと、子どもたちが作りやすい援助を行うといいでしょう。
牛乳パックでできるたこ焼き
牛乳パックでできるたこ焼きの作り方を紹介します。
用意するもの
作るときのポイント
このおもちゃを手作りするときは、牛乳パックを上から下まで切って開く必要があります。この工程は力がいるので、保育学生さんが切っておいたものを子どもたちに渡すといいでしょう。
さらにたこ焼きのソースとして茶色の絵の具を使用することになるので、製作を始める前に用意しておくと、子どもたちが待つことなく作り進めることができそうですね。
牛乳パックで作るワニワニ人形
牛乳パックで口がパクパク動くワニの人形を作ってみましょう。
用意するもの
作るときのポイント
ワニの口を作るためにカッターで切る工程があるため、けがをしないように保育学生さんが行いましょう。子どもたちが牛乳パックに画用紙を貼ったら、保育学生さんのもとに持ってきてもらうと安全に作れるかもしれません。
また動画では緑色の画用紙を使用してワニを作っていますが、さまざまな色の画用紙を用意したり、歯の形を変えたりして子どもたちに自由に作ってもらっても楽しめそうですね。
牛乳パックの竹とんぼ
牛乳パックを使った竹とんぼの作り方です。
用意するもの
作るときのポイント
牛乳パックを1.5センチ幅に切る工程では、4歳児や5歳児の子どもたちでも作業しやすいように目印として線を引いておくと、まっすぐ切ることができそうです。
竹とんぼは思いのほか飛んでいってしまうことも考えられるため、手で回して飛ばすときは周りの友だちに当たらないように広い場所を確保して遊ぶといいでしょう。
このように、幼児クラスの子どもたちはハサミなどの道具が使えるようになるので、乳児クラスの子どもたちよりも製作の幅が広がるようになるでしょう。
ただし、製作によっては子どもが難しいと感じる工程もあるかもしれないので、様子を見ながら保育学生さんがサポートすることが大切です。
保育実習で牛乳パックの手作りおもちゃを取り入れてみよう
今回は、牛乳パックでできる手作りおもちゃのアイデアを乳児クラスと幼児クラス向けにそれぞれ紹介しました。
牛乳パックは加工がしやすく丈夫なので、製作の材料として取り入れやすいアイテムの一つです。そのため幼児クラスだけでなく、1歳児や2歳児の乳児クラスでも楽しむことができるでしょう。
折り紙や画用紙などと組み合わせれば、電車を作ったり、口がパクパクする人形を作ったり、工夫次第でパズルを作ることもできます。
保育園での実習や入職後などに、担当する子どもの年齢に合わせて、今回紹介した製作のアイデアを取り入れてみてくださいね。