ビニール袋は切ったり絵をかいたりと加工もしやすいため、保育園の製作において人気の材料の一つです。その性質を活かし、紙コップなどほかの材料と組み合わせれば製作の幅も広がるかもしれません。今回は、保育園でビニール袋を使用した製作のアイデアを10個と、行うときの注意点を紹介します。
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■目次
保育園での製作に使われるビニール袋の特徴
レジ袋やポリ袋など身近な素材の一つであるビニール袋。
大小さまざまなサイズがあり、色・柄つきなどデザインの入ったタイプもあるので、保育園ではそのまま袋として利用するだけでなく、手作りおもちゃや保育室の飾りの製作を楽しむこともあるようです。
ビニール袋は、素材が薄く簡単に形を変えられる性質をもつので、ハサミで切ったりシールを貼ったり、直接油性ペンで絵をかいたりと加工もしやすく、子どもの手でも扱いやすいかもしれません。
袋の形のままを活かすこともできますし、紙コップやストローなど別の材料を組み合わせれば、凧や魚といったさまざまなものを製作することができるでしょう。
保育園でビニール袋を使った製作をするときの注意点
まずは、保育園でビニール袋を使った製作をするときの注意点を紹介します。
子どもがビニール袋をかぶらないようにする
ビニール袋を頭からかぶると窒息の恐れがあるため、子どもが扱うときはそばにつき、注意深く見守ることを意識しましょう。
製作の導入時、頭にかぶらないことを子どもに説明しておくとよいかもしれません。
また、保管も必ず子どもの手の届かない場所にすることが大切です。
内容物に注意する
内容物の入れすぎによってビニール袋が破れたり、口が縛れなくなったりすることもあるので、入れすぎないように注意しましょう。
水やパーツをビニール袋の中に入れるときは、破れてこぼれないよう二重にしたり、厚めの袋を使ったりするなどの工夫が必要になります。
0歳児や1歳児のクラスでは、内容物の誤飲などを防ぐため、子どもが飲み込めるサイズのものはビニール袋の中に入れないといった配慮をするとよいかもしれません。
ビニール袋の製作アイデア~手作りおもちゃ編~
ここからは、保育園で楽しめるビニール袋を使った製作アイデアを紹介します。
まずは、手作りおもちゃのアイデアを6つまとめました。
ビニール袋のふぐ
ぷくっとした形がかわいらしい、魚の「ふぐ」の製作アイデアです。
用意するもの
- 透明なポリ袋
- シール紙
- 画用紙
- フェルトペン
- 色鉛筆
- セロハンテープ
- ハサミ
- 輪ゴム
援助のポイント
ふぐを膨らますときのコツとして、ポリ袋に空気を入れたあと、素早く袋の口を輪ゴムで結ぶと、空気が抜けず膨らみのあるふぐを表現することができるでしょう。
シール貼りの工程は、1歳児頃から楽しめそうです。
ポリ袋の大きさや色、貼りつけるシールにアレンジを加えると、さまざまな種類のふぐを作ることができるかもしれませんね。
ビニール袋の金魚
金魚すくいゲームにも活かせる、カラフルな金魚の製作アイデアです。
用意するもの
- 透明なビニール袋
- 折り紙
- モール
- シール
援助のポイント
動画では透明なビニール袋を使っていますが、色つきの袋にすることで、中に入れる折り紙との混色を楽しめるかもしれません。
たとえば、赤色のビニール袋に青色の折り紙を入れることで紫色に見えるなど、色の変化も楽しみながらさまざまな色あいの金魚を製作できそうです。
傘ビニール袋の伸びる動物
細長い傘ビニール袋と紙コップを活かした、伸びる動物のおもちゃの製作アイデアです。
用意するもの
- 紙コップ 2個
- 傘ビニール 1枚
- ストロー 1本
- キリ
- ハサミ
- テープ
援助のポイント
子どもたちが体の長い動物を想像して、好きなモチーフで作ってみても楽しめるかもしれません。
また、ゾウの鼻やカメレオンの舌など体の一部が長い動物でもよいでしょう。
模造紙に顔の絵をかいて穴を空け、模造紙の裏から空気を吹き込むことでビニール袋が伸びるようにすると、おもしろい仕掛け遊びにもなりそうです。
ビニール袋のおばけ
ゆらゆらと揺らして遊ぶかわいいおばけのおもちゃの製作アイデアです。
用意するもの
- ビニール袋
- タコ糸
- 割りばし
- ペン
- セロハンテープ
- ハサミ
援助のポイント
ビニール袋の角を丸めるときは、左右同じくらいの角度にするとバランスよく袋の中に空気を入れることができるでしょう。
ビニール袋の縁にPEテープを貼りつけたり、おばけの表情を変えてみたりするなど、さまざまなアレンジを楽しんでみてもよいですね。
手の部分を画用紙で製作すると、揺らしたときにパタパタと動いてよりかわいらしくなるかもしれません。
ビニール袋のパラシュート
飛ばすとフワフワ降りていく、ビニール袋のパラシュートの製作アイデアです。
用意するもの
- ビニール袋 1枚
- 同じ長さのタコ糸 4本
- トイレットペーパーの芯 1個
- 新聞紙 3~4枚
- 輪ゴム 1本
- カットした割りばし 1本
- ハサミ
- テープ
作り方
1.ビニール袋の胴の部分を20cm×20cmの正方形に切り取ります。
2.切り取った正方形の四隅にタコ糸をテープで貼りつけます。
3.タコ糸を4本まとめて結び、トイレットペーパーの芯に通してから、結び目をテープで留めます。
4.新聞紙を棒状になるように丸め、テープで留めます。
5.棒の先端部分に輪ゴムを通してから少し折り返し、テープで留めます。
6.輪ゴムにカットした割りばしをテープでつけたら発射台とパラシュートのできあがりです。
発射台にパラシュートを通してから割りばしをひっかけて押さえながら手前に引き、手を離すとパラシュートが飛んでいくおもちゃになります。
パラシュートや発射台を、ビニールテープやシールなどでデコレーションすればオリジナルのパラシュートになるでしょう。
遊ぶときは、広い場所を確保し、近くに人や物のないところで遊ぶことがポイントです。
ビニール袋と紙コップのロケット
ビニール袋をロケットの噴煙に見立てた、仕掛けのあるおもちゃの製作アイデアです。
用意するもの
- 紙コップ 大・小
- 折り紙
- 画用紙で作ったロケットのパーツ
- ビニール袋
- 折り紙
- ストロー
- ハサミ
- テープ
- キリ
援助のポイント
キリで穴を空けるところやビニール袋にストローをつけるところなど難しい工程は保育学生さんがやるようにしましょう。
ビニール袋の口にストローを固定するときは、少しだけ隙間を開けることがポイントです。
そうすることでストローから息を吹き込んだ際に、ビニール袋の外に漏れるような空気の流れができ、紙吹雪がうまく舞うようになります。
ロケットのパーツを貼りつけるところや、紙吹雪を作るところは子どもだけで楽しめるよう援助するとよいかもしれません。
ビニール袋の製作アイデア~運動遊びのアイテム編~
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次に、ビニール袋を使った運動遊びのアイテムの製作アイデアを2つ紹介します。
玉入れのカゴ
ビニール袋を使った玉入れのカゴの製作アイデアです。
用意するもの
- ビニール袋
- 牛乳パック
- マスキングテープもしくはセロハンテープなど
- 養生テープ
- 新聞紙
- ハサミ
- ホチキス
作り方
1.ビニール袋に持ち手部分がある場合、切り取って袋状にします。
2.牛乳パックの一面を3分割するようにハサミで切り、帯状にします。
3.帯をホチキスで留め、ビニール袋の縁を一周する長さにして円形にします。
4.帯とビニール袋をテープで留めたらできあがりです。
保育室の壁にカゴをつけたいときは、養生テープで貼りつけるとよいでしょう。
おもちゃのボールを玉として投げて遊んだり、新聞紙遊びを楽しんだ後に片づけと玉入れを同時に楽しんだりしてもよいかもしれません。
玉入れのカゴは保育学生さんが手でもち、高さを変えたり動かしたりするなどして遊び方をアレンジしてもおもしろそうですね。
ビニール袋の凧
手にもって走ると、ふわっと風に舞うビニール袋の凧の製作アイデアです。
用意するもの
- ビニール袋(レジ袋)
- 毛糸やすずらんテープ
- シール
- 油性ペン
- セロハンテープ
- ハサミ
作り方
1.ビニール袋に油性ペンで絵をかいたり、シールを貼ったりして飾りつけをします。
2.ビニール袋の底に、すずらんテープや毛糸をセロハンテープで貼ります。
3.ビニール袋の持ち手部分をつなぐように毛糸を結びつけ、その毛糸の中間にもう1本毛糸をつけて持ち手をつけたらできあがりです。
持ち手部分の毛糸の長さを変えることで、凧の飛び方も変わるでしょう。
子どもの様子によって、シール貼りや絵をかく工程を子ども自身でできるようにすると、よりオリジナリティのある凧になるかもしれません。
凧で遊ぶときは、凧の飛び方に気を取られて前を見ずに走る子どももいるかもしれないので、広い場所で周囲に気をつけながら遊ぶよう援助するとよさそうです。
ビニール袋の製作アイデア~季節にちなんだモチーフ編~
最後に、ビニール袋を使って製作できる、季節にちなんだモチーフのアイデアを2つ紹介します。
ビニール袋こいのぼり
子どもの日のシーズンにぴったりの、ビニール袋の形を活かしたこいのぼりの製作アイデアです。
1枚のレジ袋から親子のこいのぼりを作ることができますよ。
用意するもの
- ビニール袋
- チラシ
- 丸シール
- 花紙もしくは紙テープ
- タコ糸
- ハサミ
- セロハンテープ
- ペン
作り方
【親子こいのぼり】
1.ビニール袋に半分より少しずらしたところで線を引き、大きさが異なるように2つに切りわけてこいのぼりの胴体を作ります。
2.袋の口の方をこいのぼりの尾びれの形になるように切り取り、袋の底の方は一部に小さな三角形の切り込みを入れ、口の形にします。
3.丸シールを半分に切ってウロコの形にしてから貼りつけ、白い丸シールに目玉をかいて貼りつけたらこいのぼりのできあがりです。
【吹き流し】
1.チラシを棒状に丸めてテープで留めます。
2.花紙を細長く切り、片方をセロハンテープで束ねて吹き流しを作ります。
3.(1)で作った棒の3箇所に、タコ糸を巻き付けて縛ります。
4.吹き流しと親子のこいのぼりを、(3)でつけたタコ糸にそれぞれセロハンテープで留めたらできあがりです。
こいのぼりに貼るウロコのシールは、好きな数だけ、好きなところに貼れるように援助すると子どもは指先を使いながら自由に楽しんで作れそうです。
子どもの年齢や様子によって貼るシールの大きさを変えたり、オリジナルのイラストをかいたりするとよいかもしれません。
ビニール袋の雪だるま
冬のシーズンの飾りとしてもぴったりの、ビニール袋を使った雪だるまの製作アイデアです。
用意するもの
- ビニール袋
- 紙コップ
- 毛糸(15cm×4本から5本)
- 綿
- 綿棒
- コットンボール
- 画用紙
- 接着剤
援助のポイント
雪だるまのマフラーとなる毛糸や帽子となる紙コップの色は、子どもたち自身が好きな色にできるようにすると、よりオリジナリティのある雪だるまが作れるかもしれませんね。
子どもの年齢や様子によって、ビニール袋の大きさを変えて大小さまざまな雪だるまを作ったり、顔を直接油性ペンでかいたりしてもよさそうです。
保育園でビニール袋を使った製作を楽しもう
今回は、保育園でビニール袋を使った製作をするときの注意点や製作アイデアを紹介しました。
ビニール袋は簡単に加工ができ、形もアレンジしやすい材料です。
魚やパラシュートの手作りおもちゃや凧といった運動遊びのアイテム、こいのぼりなど季節のモチーフの飾りまで、さまざまな製作ができるかもしれません。
今回紹介したアイデアを参考にしながら、保育学生さんオリジナルの作り方などを考えて、保育園の子どもたちといっしょにビニール袋を使った製作を楽しんでみてくださいね。