保育園や幼稚園では、実習前にオリエンテーションを行うところもあるでしょう。園の説明や実習の流れをお話してもらったあとに、質問をする場面もあるかもしれません。気になっていることを事前に確認することができれば、実習もスムーズに進められそうですね。今回は、実習前のオリエンテーションで質問する意味と確認すべき項目について紹介します。

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■目次
実習前のオリエンテーションで質問する意味
保育園や幼稚園では、実習前にオリエンテーションを行うことがあるかもしれません。
そもそもオリンテーションとは、実習の1カ月ほど前に実習する園を訪問して、実習中の注意事項や1日の流れ、必要な持ち物などを確認する事前訪問です。
説明を受けているなかで、不明点や確認しておきたいことなどが出てくるかもしれません。 実習前の不安を解消したり、服装や持ち物といった実習の準備をスムーズにしたりするためにも、オリエンテーションの段階で質問しておくとよいでしょう。
具体的な質問内容として、以下の項目が挙げられます。
- 園の概要でくわしく知りたいこと、確認したいこと
- 活動内容や子どもたちとの関わり方
- 実習時の諸経費
- 指導案の掲出方法
- 実習当日の服装、持ち物
あらかじめ聞きたいことをピックアップしておいた場合、オリエンテーションの段階で説明される場合もあるので、当日の状況を見て質問するとよいですね。
では、実習前のオリエンテーションで質問すべきことについてくわしく説明します。
実習前オリエンテーションの質問項目:①園の概要で気になった点など
園の概要を知ることは、保育士として働くうえでの指標になり、子どもたちを保育するにあたって大切なものになります。
事前に情報収集していた場合はもちろん、当日のオリエンテーションで説明を受けた場合でも、詳細を聞きたい場合や気になった点などがあれば、積極的に質問するとよいでしょう。
実習前オリエンテーションの質問項目:②活動内容・子どもとのかかわり方
園の子どもたちが関心を持っていることや実際に取り組んでいる活動などを聞いておくと、実習時の保育活動や教育活動に活かすことができるかもしれません。
また、保育学生さんが実習で乳児クラスを担当する場合、どこまで関わってもいいのか、障害を持つ子どもへの配慮のしかた、対応方法などについてもきちんと聞くことで、いざという時も冷静に対処できるでしょう。
実習前オリエンテーションの質問項目:③諸経費などの精算方法
実習期間の諸経費について質問してもいいかもしれません。
園によって給食費やおやつ代、謝礼金などの諸経費がかかることがあるようです。
目安としていくら程かかるのか、また精算方法についても忘れずに確認しておくと安心ですね。
実習前オリエンテーションの質問項目:④指導案について
実習日誌の提出方法や期限は園によって異なるようです。
オリエンテーションの段階であらかじめ指導案の提出方法や期限について質問しておくと、実習中も余裕を持って書くことができそうですね。
実習前オリエンテーションの質問項目:➄実習期間中の服装
保育活動を行うときの服装や行き帰りの服装についても、オリエンテーションで質問しておくべき事項といえそうです。
実習期間の服装
通勤中
行き帰りの服装はスーツの場合と私服の場合が考えられます。
スーツの場合はビジネススーツ、もしくはリクルートスーツを着用するとよいでしょう。
私服の場合は、園の職員や保護者と会った際にいい印象を持ってもらえるよう、オフィスカジュアルを意識するとよさそうですね。
ジャケットにシャツやブラウスなどを着用し、色は黒やグレー、ベージュといった落ち着いた色合いのものを着るのが一般的なようです。
実習中
通勤時の服装とは別に、実際に現場に出て子どもたちと接するときの服装についても聞いておきましょう。
園でエプロンを貸与してくれる場合や、動きやすい格好であれば特に指定がないという園もあるので、質問しておくと安心ですね。
また、実習中名札をつけることもあるでしょう。
その際、安全ピンを使用してもよいのか聞くと手作り名札を作る際の参考になるうえに、子どもへの安全に配慮していることを伝えることができそうです。
服装に関する園の規定
服装に関して園の規定がないかも確認しておきましょう。
エプロンや靴下は、キャラクターがえがかれているものを着ると、子どもたちが保育学生さんに興味を持ってくれるきっかけになったり、喜んでくれたりするかもしれません。
しかし、園によってはキャラクターのものを禁止しているところもあるようです。
そのため、当日注意されないように前もって規定の有無を確認しておくと安心ですね。
実習前オリエンテーションの質問項目:⑥必要になる持ち物
実習当日に必要な持ち物を聞いておくことで、保育活動を任されたときもスムーズに対応できそうです。
名札、外履きや上履きなどある程度の持ち物は、保育学生さんも実際の実習を想定して用意するかもしれません。
しかし、給食室に入るときに必要になる三角巾や白衣、昼食で使用するコップなど、想定しにくい持ち物もあるので、事前に質問しておいたほうが確実に対応できるでしょう。
実習前オリエンテーションの質問項目:➆その他
自転車の置き場所や傘の置き場所なども聞いておくといいかもしれません。
雨に濡れた傘は、そのまま立ちかけておくと園内の床や設備を濡らしてしまう可能性があるので、梅雨の時期などは忘れずに聞いておくとよさそうです。
自転車で通勤する場合は、駐輪場を確認しておくと実習当日もスムーズに対応できるでしょう。自転車通勤ができるかどうか不安な方は、あわせて質問しておくと確実です。
実習前のオリエンテーションに向けて準備・確認しておくこと

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実習の準備も大切ですが、オリエンテーションに参加するための準備や確認も重要になります。オリエンテーションに向けて準備しておくといいことを説明します。
園へのアクセス方法
オリエンテーションに参加する際、遅刻は厳禁ですので事前にきちんと確認おくことが大切です。
- 自宅から園までの行き方
- 園の最寄り駅(またはバス停)から園までの行き方
- ICカードの残高
事前に自宅から園までの行き方を調べておきましょう。
場所によっては電車の路線を乗り継いだり、電車とバスを両方使用して移動したりすることも考えられます。
普段行き慣れていない場所だと、乗り換えがうまくできないこともあるので時間の調整もしておくといいでしょう。
また、スムーズに移動ができるようにICカードを利用する方は、残高不足にならないよう前もってお金を入れておくと安心ですね。
訪問時間
園に訪問する時間は事前にきちんと確認しておきましょう。
交通状況は日によって異なり、遅延することも考えられます。
そのため、指定の訪問時間よりも5分~10分くらい前を目安に到着するといいでしょう。
ただし、あまり早すぎてしまうと、園の職員や園長先生に迷惑をかけてしまうかもしれないため注意が必要です。
身だしなみや服装
オリエンテーションでは、園の職員、子どもや保護者の方とすれ違うかもしれません。
その際、不快な印象を与えない服装と身だしなみも確認しておきましょう。
<チェック項目>
- 服装(スーツ、私服)のしわや汚れ
- 髪型のまとめ方、髪色の明るさ
- 爪の長さ
- メイクの濃さ
スーツ、もしくは私服にほつれや汚れがないかあらかじめチェックしておきましょう。
髪型は清潔感を意識し、髪が長い方は一つにまとめておくとよさそうです。
髪色は黒、もしくは暗めの茶色などに染め直して、きちんと整えておくことも大切になります。
メイクは基本ナチュラルにすると、園の職員や保護者の方も印象がよいかもしれません。
爪は短く切り、ネイルなども控えておくとよいですね。
アクセサリー類は、子どもと触れあう仕事のため身に付けないことが望ましいので、オリエンテーション当日や実習期間中もつけないほうがよいでしょう。
持ち物
オリエンテーションのための持ち物も事前に用意しておきましょう。
- 必要な書類
- メモ用紙
- 筆記用具
- クリアファイル
- 印鑑
- 上履き
そのほか、ハンカチやティッシュも忘れずに持っていきましょう。
園からプリントや資料を配布されることがあるので、クリアファイルはA4サイズの書類が収まるものを持っていくときれいに収まるかもしれません。
実習前のオリエンテーションでは質問することを事前に考えておこう
今回は、実習前のオリエンテーションで質問すべき項目と、オリエンテーションに参加する際に準備しておくことを紹介しました。
実習前のオリエンテーションで質問するときあらかじめ知りたいことをいくつかピックアップしておき、メモにまとめておくと対応がしやすくなりそうです。
実習をスムーズに進めるためにも、不安に思っていることは実習前のオリエンテーションで積極的に質問しましょう。