独学で保育士試験の合格を目指している就活生さんもいるでしょう。通学したり、通信講座を受けたりしないためモチベーションの維持や計画的な勉強など大変なこともありますが、独学をするうえでのコツや勉強法が分かれば効率的に取り組めるかもしれません。今回は、独学で保育士試験に臨む場合の勉強法やコツ、メリットなどを紹介します。
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■目次
独学でも保育士試験に合格できる?
保育士試験は、大学や短大を卒業しているなどの要件を満たすことで受験できるため、独学で資格取得を目指している就活生さんもいるでしょう。
厚生労働省の資料によると、2018年の保育士試験の合格率は約2割となっており、難易度は高いようです。
その理由として、9科目に渡る筆記と実技の両方に合格する必要があることや出題範囲が広いなどが影響しているのかもしれません。
保育士試験は「一般社団法人 全国保育士養成協議会」という機関が行っています。
合格した科目は受験した年を含めて3年間の有効期間があるため、勉強法のコツを掴むことにより、独学でも保育士資格を取得できるかもしれません。
独学で保育士試験の合格を目指すメリットとデメリット
独学にはさまざまなメリットとデメリットがあるため、自分に向いているか確認したうえで行うと、より効率よく勉強できるかもしれません。
メリット
まずは、独学で保育士試験の合格を目指すメリットを見ていきましょう。
自分のペースで勉強できる
独学のメリットとして、自分のペースで勉強できることが挙げられます。
通学の場合は、専門の学校などに行って勉強をするため、決められた時間割りに合わせて行動する必要があるでしょう。
一方、独学では通勤や通学中、早朝や深夜の時間帯など自分のライフスタイルに合わせて勉強ができるため、自分の時間が確保しにくい方にはメリットといえそうです。
自宅など好きな場所で勉強できる
自分の好きな場所で勉強できることも独学のメリットかもしれません。
独学は教材さえ持っていれば、図書館やファミレスなど自宅以外の場所でも勉強することができます。好きな場所で勉強できるので、空いている時間を有効活用できるでしょう。
費用を最小限に抑えられる
独学は通学と違って交通費がかからず、テキストや教材は購入しても数千円から数万円で抑えることができるようです。
保育士試験に関する本はさまざまあるため、筆記試験の内容を一通り網羅しているものやイラストや図が記載されているものなど、自分にあった参考書を購入すると勉強しやすくなるかもしれません。
デメリット
さまざまなメリットがある一方で、どんなデメリットがあるのでしょうか。
モチベーションを保ちにくい
一人で勉強することで、モチベーションの維持がしにくいというデメリットがあるでしょう。
通学では、講師の方や同じ目標を持つ方が近くにいるため、添削してもらえたり悩みを共有できたりすることで、保育士試験に合格するというモチベーションを保てるかもしれません。
しかし、独学の場合は勉強をするもしないも自分次第のため、強い意志がないとモチベーションを保ちにくい傾向にあるようです。
最新情報を自分で収集する必要がある
独学では、保育士試験に関する情報を自分で収集する必要があるので、デメリットに感じる方もいるかもしれません。
保育士試験では、児童福祉法など保育に関する法律の改正により、出題される問題が変更になることがあるようです。
そのため、こまめな情報のチェックが大切になりますが、通学の場合は必要な情報を学校側が精査して教えてくれるでしょう。
しかし、個人だと情報の確認に漏れが発生したり、勉強と平行して情報を探すことを手間に感じたりすることも考えられます。
もしも、独学で勉強するのが向いていないと感じたら、通信講座や予備校などの機関を利用して資格取得を目指すのも一つの方法です。
では、独学で勉強する場合は、どのような勉強法を行うと効率よくできるのでしょうか。保育士試験の勉強法についてくわしく見ていきましょう。
独学での保育士試験の勉強法
保育士試験は筆記科目が9つと多いため、効率よく勉強することが大切です。
独学の勉強法について具体的に説明します。
過去問や予想問題集を繰り返し解く
保育士試験はテキストを読み込んで覚えることも必要ですが、ただ覚えるだけでなく過去問や予想問題集を解くことも大切になります。
過去問や予想問題集を繰り返し解くことで、自分が苦手な分野が明確になるかもしれません。
苦手な分野が分かったら、その部分を集中的に勉強したり内容がテキストを読み返したりして、さらに理解を深めていくといいでしょう。
独学で勉強するときは、科目別の教材と科目すべてを網羅している教材の2つのタイプを用意すると勉強がしやすくなりそうです。
難しい科目を重点的に勉強する
保育士試験の筆記では、難易度が低い科目と高い科目があるようです。
満遍なく勉強をするよりも、難易度が高い科目に集中して取り組むほうが効率よく勉強できるでしょう。
特に「社会的養護」「教育原理」「社会福祉」がつまずきやすいといわれているため、その3つを重点的に行うと合格に近づくかもしれません。
マークシート方式の回答に慣れておく
保育士試験の筆記科目では、すべてマークシート方式で回答することになります。
マークシート方式に慣れておくため、同様の方法で何回か解いておくといいかもしれません。筆記試験は科目の6割以上をとることで合格となるため、手早く解けるように練習しておくといいでしょう。
保育士試験を独学で勉強するときのコツ
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保育士試験で合格に近づくための勉強のコツを紹介します。
勉強する期間をきちんと定める
勉強する期限をきちんと決めないとメリハリがなくなり、勉強の効率が悪くなることもあるでしょう。
そのため独学で保育士試験の勉強するときは、きちんと期間を定めることがコツといえるでしょう。できれば1週間ごとに勉強のスケジュールを立てると、進捗状況が分かりやすくなりそうです。
また、スケジュールは頑張れば達成できそうな内容にすると、より達成感が得られて、モチベーションの維持につながるかもしれません。
100点ではなく60点以上を目指す
保育士試験の筆記と実技はともに100点満点中、60点以上を得点できればどちらも合格となります。
すべての科目で100点はとれるように勉強すると、人によっては時間がかかってしまうかもしれません。
保育の理解を深めることも大切ですが、6割以上正解することを目標にして、苦手分野に多くの時間を割くなど効率よく勉強しましょう。
実技は家族や友人に見てもらう
保育士試験には筆記だけでなく、実技もあります。
音楽表現や言語表現の実技は、子どもたちが自分の目の前にいる想定で試験を受けるため、明るく笑顔で行うといいでしょう。
しかし、自分では良し悪しが分かりにくいので、家族や友人に見てもらうと改善点をアドバイスしてくれるかもしれません。
スマートフォンなどで実技をしている様子を録画すると、一人でも客観的に自分の実技の様子を確認できるでしょう。
勉強法のコツを覚えて独学で保育士試験に合格しよう
今回は、保育士試験の難易度や合格率、独学で勉強するときの勉強法とコツなどを紹介しました。
保育士試験は専門の機関が行っており、筆記と実技の両方に合格する必要があります。
そのため覚えることが多く、一般的に難易度が高いと試験といえるでしょう。
独学は個人で行うため、試験に関連する情報収集は大変かもしれませんが、空いた時間に好きな場所で勉強できるので、就活生さんのライフスタイルに合わせて勉強することが可能です。
今回紹介した勉強法やコツを活用して、独学でも保育士試験の合格を目指しましょう。