保育園に雪が積もったら楽しみたい雪遊び。冬ならではの自然の楽しさを子どもたちにも味わってほしいですよね。雪遊びには定番の遊びの他にも、さまざまな遊び方ができるようです。今回は、保育園で雪遊びをするときの遊び方を、乳児・幼児の年齢別に紹介します。あわせて保育におけるねらいや注意点もまとめました。
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保育園での雪遊びのねらいとは?
雪が積もった日には、保育園で雪遊びをすることもあるでしょう。
ここでは、保育園で行なう雪遊びのねらいについてまとめました。
冬ならではの自然にふれ、その不思議さを味わう
冬にしか味わえない雪という自然物。
白くて冷たいその不思議な感触にふれることで、自然の偉大さを感じたり興味を持ったりすることにつながるかもしれません。
雪にふれるだけでなく、雪が積もって様変わりした保育園の風景も楽しむことができるとよいですね。
水や氷の性質に気づく
雪は触ると冷たく感じ、手に取ると体温で溶けて水になってしまいます。
実際に雪にふれてみることで、雪は氷であることや、氷の性質を知るきっかけとなるようです。
日陰の雪と日向の雪の感触や、踏み心地を確かめてみると違いがわかりやすいかもしれません。
普段使わない身体の動きを楽しむ
雪を踏みしめるときは滑らないよう慎重に歩いたり、雪に足を取られるためいつもより、ももを上げながら歩いたりするでしょう。
そのような普段とは異なる身体の使い方につながるようです。
また、雪の上に思い切り寝転んだり、雪を投げたり、そり滑りをしたりなど遊びの中でも多様な身体の動きを楽しめそうですね。
保育園での雪遊びの遊び方アイデア:乳児
ここからは、保育園での雪遊びのアイデアについて紹介します。
まずは、乳児の子どもといっしょに楽しめる雪遊びを見ていきましょう。
雪の感触遊び
まずは、雪を触ってみる、握ってみるなどしてその感触を味わってみましょう。
乳児の子どもたちには「ひんやり冷たいね」「しゃりしゃりしてるね」など、その触り心地を簡単なオノマトペで伝えていけるとよいですね。
保育学生さんが手に雪を握って温め、雪が水に変わる様子を見せるのも面白そうです。
つらら探し
雪が降るほど寒い日には、つららができていることもあるかもしれません。
つららにふれてみたり、小さなつららを折ってみたりしてみましょう。
ただし、つららが溶けると落下して、子どもがけがをするおそれがあるので、先端のとがったものには近づかないよう注意することが大切です。
つららの他に、霜や水たまりの氷も見つかるかもしれません。
氷を拾って、その冷たさや美しさをじっくりと味わうのも楽しそうですね。
型抜き
カップや型に雪を入れて、型抜きをしてみましょう。
スコップやスプーンがあると便利です。
使う道具は、あらかじめ土や汚れを洗っておくと雪が汚れずきれいに仕上がります。
型抜きをしたものをケーキやプリンなどに見立てて雪のレストランを開くのも楽しいかもしれません。
木の実や葉っぱを使って飾りつけしても楽しめそうですね。
雪の色遊び
食紅を水で溶かしたもので色を付けると、雪で色遊びを楽しむことができます。
さまざまな色を用意し、並べたり混ぜたりしながら形作りをしてみましょう。
かき氷やアイスクリームに見立てるのもよいですね。
雪は戸外のものなので、子どもが口に入れないように側で見守りましょう。
保育園での雪遊びの遊び方アイデア:幼児
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幼児の子どもといっしょに楽しめる雪遊びの遊び方を紹介します。
人型スタンプ
まっさらな雪に手形や足形をつけてみましょう。
手をグーにしたり、指先で小さな穴を開けたりすればスタンプ遊びを楽しめます。
雪の上に寝転んで、人型を付けて遊ぶこともできるでしょう。
思い切り寝転べば、全身で雪の感触や冷たさを感じられそうですね。
雪にお絵かき
木の枝や、棒を使って雪にお絵かきをするのも楽しそうです。
大きな絵をかいたり、友だちと協力してかいたりと、普段とは違うダイナミックなお絵かきができるでしょう。
ほかにも、ペットボトルに色水を用意し、雪を着色してみましょう。食紅を水に溶かした絵の具を使ってお絵かきすることもできそうです。
じんわりと色がにじむ様子を味わえるとよいですね。
ペットボトルキャップにきりで穴を開ければ、少しずつ色水を出せるので使いやすくなりますよ。
雪で動物作り
雪で形作りを楽しみながら、動物を作ってみましょう。
ぎゅっと手で押さえたら雪が固まることや、枝などで削って形を整えられることに気づけるとよいかもしれません。
友だち同士で協力して大きな作品を作る遊びも楽しそうです。
葉っぱや枝を集めて、動物の耳や目などを表現するのに活用してみてもよいですね。
宝探し
保育学生さんがカラーボールなどを雪に埋めておけば、宝探しができそうです。
一定時間ごとに、宝物を隠した場所のヒントを出していくと盛り上がるかもしれません。
宝探しの前に、雪の下に危険物がないかしっかりと点検を行ない、子どもが探すスペースを決めておくなど、安全に配慮して行なうようにしましょう。
雪玉キャッチボール
雪を丸めて雪玉を作り、雪玉キャッチボールをやってみましょう。
雪玉はぎゅっと握りすぎると、当たったときに痛いので優しく固めるようにするとよいですね。
顔に向かって投げないよう、事前に約束を決めておくことが大切ですね。
4歳児や5歳児では、チームに分かれて雪合戦を行なうのも楽しそうです。
雪玉を作る人と投げる人に分かれたり、雪を集めて防御壁を作ったりと、チームごとに作戦を立てられるとさらに盛り上がるかもしれませんね。
的あてゲーム
ビニールシートなどで的を作れば、雪玉の的あてゲームができるでしょう。
画用紙に点数をかいてラミネート加工を施し、養生テープで貼り付けておくとゲーム性が高まりそうですね。
他にも、バケツやたらいをめがけて投げ、雪玉を入れられるか競うやり方も楽しいかもしれません。
保育園で雪遊びをするときの注意点
保育園で子どもといっしょに雪遊びを行なうときの注意点をまとめました。
安全に留意する
事前に遊ぶ場所に出向いて、しっかりと安全を確認しておくことが必要となるでしょう。
落下物、危険物の除去
日中になり暖かくなると、木々に積もった雪やつららなどが落ちてくる危険があります。
取り除けるものは、遊ぶ前に落としておくと安心です。
また、雪が積もる前に、地面にあるとがった岩やガラス片、動物の排泄物を取り除いておきましょう。
雪を食べない
見た目は白くてきれいな雪でも、大気中のチリやホコリを含んで汚れているでしょう。
また、地面に落ちているものを口に入れるのは衛生的ではありません。
雪を口に入れないよう、事前に約束をしておき、活動中も見守るとよいですね。
凍結や危険箇所の注意
地面の凍結や、屋根の上からの落雪など危険な場所も見つかるかもしれません。
事前に雪下ろしを行なうとともに、しっかりと見回っておき、危険箇所には立ち入り禁止のロープを張っておきましょう。
体調管理をする
子どもの年齢にもよりますが、戸外にいるのは30分~40分を目安にするのがよさそうです。
遊びに夢中になっていると身体は温まりますが、手足を冷やしすぎると風邪を引きやすくなります。かいた汗が次第に冷えてしまうことにもつながるでしょう。
早めに声をかけ、遊びを切り上げられるようにするとよいですね。
また鼻水が出てないか、体温は平熱かなど子どもの体調をしっかりと把握しておくことも大切ですね。
水分補給をこまめにする
厚着をしていると思った以上に汗をかく子どももいるでしょう。
寒さのためのどの乾きを感じにくいかもしれませんが、保育学生さんがこまめに声をかけて給水できるようにするとよいですね。
防水、防寒対策をする
雪遊びの前には保護者にお知らせを行ない、防水や防寒のできる衣類を用意してもらいましょう。
雪がたくさん積もっている場合にはスキーウェアやレインコート、長靴などを用意してもらうとよいかもしれません。
また、厚着をしたまま身体を動かして遊ぶと汗をかいてしまいます。
下着は吸水性のよいものにする、着替えを用意するなどのお願いができるとよさそうです。
また、お湯を用意しておくと、雪を触って冷えた手を温めるのに役立ちそうです。
40度前後のお湯をポットなどに用意し、温めたあとはしっかりタオルで手を拭くようにしましょう。
以上の項目を参考に、実習先や就職先の先輩保育士さんと相談しながら雪遊びを計画できるとよいですね。
保育園で雪遊びを楽しもう
今回は、保育園で雪遊びをするときのねらいと遊び方、注意点を紹介しました。
雪遊びには、冬ならではの自然に親しむ、雪の性質の不思議さを味わうといったねらいがあるようです。雪玉キャッチボールや動物作りなど定番の遊びの他にも、色遊びや宝探しなどさまざまな遊び方ができます。
雪遊びの日には、子どもが安全に遊べるよう落雪や凍結に気をつける、遊ぶ時間や子どもの衣類を調整するなどの注意点に気をつけて行なうようにしましょう。
遊び方や注意点を知って、保育園で雪遊びを楽しんでくださいね。