さまざまな種類がある毛糸。保育園では製作の材料の一つとして活用することもあるようです。どのような使い方をしているのか、どんな製作ができるのが知ることができれば、実習に役立てられそうですね。今回は、製作における毛糸の特徴や、巻きつけたり紐通しをしたりしてできる作り方のアイデアを10個紹介します。
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保育園の製作における毛糸の特徴
ふんわりとした優しい風合いの毛糸は、マフラーや帽子を作る材料というイメージが強いかもしれません。
保育園では、毛糸を製作の材料として使うこともあるようです。
製作における毛糸の特徴は、以下のようなことが挙げられるでしょう。
- ぐるぐる巻いたり、切ったり、貼りつけたりと加工がしやすい。
- やわらかい素材のため、乳児から扱える。
- 種類や太さ、色のバリエーションが豊富なため、さまざまな製作に活かしやすい。
毛糸には毛羽立ちがあり滑りにくいので子どもの指でも握りやすく、製作を通して指先の訓練をすることができるかもしれませんね。
ここからは、毛糸を巻きつけて作るものや紐通しをして作るもの、切って使うもののジャンルにわけて、アイデアを10個紹介します。
毛糸を使った製作~巻きつけるアイデア~
まずは、毛糸を巻きつけて作る製作のアイデアを5つ紹介します。
コットンボール
風船に毛糸を巻きつけることで簡単にできる、コットンボールの作り方です。
用意するもの
- 風船 1個
- 鈴
- 接着剤液(接着剤を水で薄めたもの)
- 毛糸
- 針
製作のポイント
コットンボールを作る工程では接着剤液を使うため、学生さんが作るようにしましょう。
風船の中に入れる鈴が小さめだと、コットンボールができ上がったときに網目から落ちてしまうので、風船の入口からギリギリ入るサイズのものを選ぶことがポイントです。
また、毛糸を風船に巻くときは、同じ方向からではなく「鳥の巣」をイメージして、いろいろな方向から巻きつけると上手にできるかもしれません。(コットンボールのくわしい説明はこちら)
みのむし
ダンボールに毛糸をぐるぐる巻いて作る、かわいいみのむしのアイデアです。
用意するもの
- ダンボール
- 毛糸
- ペン
- テープ
- はさみ
作り方
1.ダンボールにみのむしの顔(円形)と胴体(楕円形)の線をかきます。
2.みのむし顔部分に、ペンで好きな表情をかきます。
3.線に沿って、はさみで切り取ります。
4.毛糸の先端を結び、テープで留めてから胴体部分にぐるぐると巻いていきます。
5.巻き終わったらまた先端を結び、テープで留めてできあがりです。
2色~3色の毛糸を組みあわせれば、カラフルでよりかわいらしいみのむしを作れるでしょう。
ダンボールを切り取る作業は学生さんがやり、巻きつけるところは子どもがやるようにすると、2歳児頃から楽しめるかもしれません。
クリスマスツリー
毛糸ならではのあたたかい風合いの、クリスマスツリーの作り方です。
用意するもの
- 画用紙
- 毛糸(緑)
- タコ糸 18cm
- テープ
- 接着剤
- 筆記用具
- はさみ
- ビーズや綿など飾りつけのパーツ
製作のポイント
画用紙におうぎ形の線を引き、切り取るところは学生さんがやっておきましょう。
紙を円錐型にしたり毛糸を巻きつけたり、好きな飾りつけをしたりする工程は、2歳児以降の子どもといっしょに楽しめそうです。
毛糸を巻きつける際、接着剤を使わない場合はのりや両面テープで代用してもよいかもしれません。(クリスマスツリーのくわしい説明はこちら)
リース
紙皿と毛糸を使った、かわいらしいリースの作り方です。
用意するもの
- 紙皿
- 毛糸
- ビーズなどの装飾パーツ
- フェルトペン
- カッティングマット
- カッターもしくはハサミ
- 接着剤
製作のポイント
紙皿の内側をカッターもしくはハサミを使って切り抜くところは、学生さんがやるようにしましょう。
毛糸の巻き始めの部分は、テープで留めてもよいかもしれません。少し隙間を空けて毛糸を巻くように意識すると、ビーズなどの装飾がしやすそうです。(クリスマスツリーのくわしい説明はこちら)
雪だるま
かわいい毛糸の帽子をかぶった、雪だるまの作り方です。
用意するもの
- トイレットペーパーの芯 1本
- 毛糸(赤や青など) 30本~50本
- 毛糸(白)
- 乳酸菌飲料の容器
- はさみ
- 接着剤
製作のポイント
毛糸を1本ずつトイレットペーパーの芯に巻きつける工程は、指先の器用さと集中力が必要になるので、年中~年長児向けといえそうです。
何色かの毛糸を使えばカラフルな帽子になり、よりかわいらしい雪だるまの人形に仕上げられるかもしれませんね。
毛糸を使った製作~紐通しのアイデア~
次に、紐通しを楽しみながらできる製作のアイデアを2つ紹介します。
きのこ
画用紙に紐通しをして簡単に作れる、きのこの製作アイデアです。
用意するもの
- 画用紙
- 毛糸
- はさみ
- テープ
- 穴あけパンチ
作り方
1.さまざまな色の画用紙を、きのこのかさと茎の形に切り取ります。
2.かさの外側に、穴あけパンチでいくつか穴を空けます。
3.裏側に毛糸の先端をテープで貼りつけてから、穴から穴へ通していきます。
4.すべての穴に通し終わったらテープで留め、余った毛糸を切ります。
5.かさの部分と茎をテープで貼り合わせてできあがりです。
毛糸を通す工程は、2歳児頃からできるかもしれません。子どもの様子にあわせて穴の大きさや数を調整するとよさそうです。
子どもの好きなようにランダムに通したり、順番に通したりして、できあがりの模様の違いも楽しむとよいでしょう。
サンダル
足形をとった紙を紐付きサンダルの形にアレンジした、かわいらしい製作アイデアです。
用意するもの
- 画用紙
- 絵の具
- ダンボール
- 厚紙を貼った色画用紙
- 毛糸
- 穴あけパンチ
- はさみ
- のり
製作のポイント
サンダルの型紙ができあがったら、実際に子どもが履きながら紐通しや蝶々結びをしてみるのもよいでしょう。靴紐を足のサイズにあわせて結ぶ練習にもなるかもしれませんね。(サンダルのくわしい説明はこちら)
毛糸を使った製作~切って使うアイデア~
最後に、毛糸を切って使う製作アイデアを3つ紹介します。
冷やし中華
毛糸を麺に見立てて簡単にできる、冷やし中華の作り方です。
用意するもの
- 毛糸
- 色画用紙
- はさみ
- 紙皿
製作のポイント
子どもが毛糸をはさみで切る場合は、あまり束を大きくしないことがポイントになります。何回かにわけて切り、必要な量を用意しましょう。
毛糸の麺が用意できたら、それぞれオリジナルの具材をイメージしながら色画用紙や折り紙などで冷やし中華を盛りつけ、ごっこ遊びなどに活用するとおもしろそうです。(冷やし中華のくわしい説明はこちら)
鬼のお面
毛糸で髪の毛を表現する、鬼のお面の作り方です。
用意するもの
- 紙皿
- 毛糸
- 厚紙
- 折り紙
- 輪ゴム
- はさみ
- カッター
- 接着剤
- のり
- テープ
- 穴あけパンチ
- クレヨン、鉛筆、ペンなど
作り方
1.紙皿を子どもの顔にあて、裏面部分に目や鼻の下書きをします。
2.表面の全体を覆うようにして、好きな色の折り紙をのりで貼ります。
3.厚紙を鬼の角の形に切り取り、紙皿の上部分にテープで貼りつけます。
4.裏面にかいた目の位置にあわせてカッターで穴をあけてから、表面にペンや折り紙を使って鬼の顔を作ります。
5.毛糸をくしゃくしゃにし、鬼の髪の毛を用意したら、頭の部分に接着剤で貼りつけます。
6.紙皿の左右に穴あけパンチで穴を空け、輪ゴムを結んでできあがりです。
厚紙を切るところや紙皿に穴を空けるところは、学生さんが行うとよいでしょう。
鬼の顔や髪の毛を作る工程では、子どもがイメージする鬼の色や表情を自由に表現できるよう、さまざまな色の画用紙や折り紙、毛糸を準備しておくとよさそうです。
オリジナルの鬼のお面を使って、豆まきごっこを楽しむのもおもしろいかもしれませんね。
美容師さんごっこ
毛糸を髪の毛に見立てて、美容師さんごっこを楽しむこともできそうです。
用意するもの
- 紙コップ
- 毛糸
- ペン
- はさみ
- キリ
製作のポイント
紙コップにキリで穴を空けるところや毛糸を結んで穴に通すところは、学生さんがやるとよいでしょう。
実際に毛糸をはさみでカットするときは、子どもが誤って手を切らないように注意しながら見守ることが大切です。
切りたいところから手を離して持つようにしたり、紙コップを持って切るようにしたりと、安全に遊べるような援助ができるとよいですね。(美容師さんごっこのくわしい説明はこちら)
さまざまなやり方で毛糸の製作を楽しもう
今回は、保育園の製作における毛糸の特徴や、巻いたり切ったりして行う製作のアイデアをまとめて紹介しました。
毛糸は、子どもの手でも扱いやすく種類も豊富なため、製作に取り入れやすい材料の一つといえるでしょう。
ふんわりとした素材の特徴を活かして、みのむしのおもちゃやクリスマスの飾り物、鬼のお面などさまざまな製作ができそうです。
紹介したアイデアを参考にしながら学生さんオリジナルのアレンジ方法を考えるなどして、保育園の子どもたちといっしょに毛糸を使った製作を楽しめるとよいですね。