面接やエントリーシートで聞かれるガクチカ(学生時代に力を注いだこと)の例文を知りたい保育学生さんもいるでしょう。今回は、新卒の保育学生さんが就活で使えるガクチカの例文と書き方のポイントを紹介します。勉強やゼミ、ボランティアなどの学業系と、部活・サークルや趣味といった課外活動系などテーマごとにまとめました。
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ガクチカを書くときのポイント
そもそもガクチカとは「学生時代に力を注いだこと」の略語で、保育学生さんが取り組んできたことや人柄を知るために質問されるようです。
面接やエントリーシートでよく質問される項目なので、就活をしている保育学生さんは自己分析でガクチカを考える人が多いのではないでしょうか。
まずは、ガクチカを書くうえで基本となる書き方のポイントを紹介します。
わかりやすい文章を心がける
ガクチカを書くときは、採用側にとっての読みやすさ・伝わりやすさが重要なポイントと言えるでしょう。
力を注いだことが何個かあっても、一度にすべて伝えようするとそれぞれの内容が乏しくなってしまいます。
そのため、何か1つのエピソードに絞って伝えるとよいでしょう。
また、以下のような順で書くとわかりやすい文章になりそうです。
- 結論(何に力を注いだか)
- 取り組んだ理由、きっかけ
- 具体的なエピソードの内容
- そこから得られた学び
順序よく説明することで、エピソードの内容や保育学生さんの人柄が明確に伝わり、採用の可能性もアップするかもしれません。
その経験を通して得られたことを伝える
学生時代のエピソードを通して、保育学生さん自身が何を学んだかを説明するとよさそうです。
採用側が知りたいのは学生さんが取り組んだ内容はもちろん、その経験を通してどんな力を身につけたかということかもしれません。 また、なぜそれに取り組もうと思ったかという動機や理由も重要となるでしょう。
エピソードはしっかりと深堀し、自己分析しておくことが大切です。
就職後に活かせることをアピールする
その経験から得られた学びが、就職後どのように活かせるのかを説明できるとよりよいでしょう。
保育とは関係のないエピソードでも、その経験を通して得た力が発揮される場面があるかもしれません。
園の特徴や保育士の仕事内容などと照らし合わせ、具体的に就職後のどんなシーンで活かしていけるかを想像するとよいようです。
ガクチカを書くときは、以上のポイントをおさえておくと効率よくアピールできそうですね。
書き方がわかったところで、実際に例文をみていきましょう。
【学業編】ガクチカの例文
ここでは、学業にまつわるエピソードをもとにしたガクチカの例文を紹介します。
養成校での勉強をテーマにした例文
私が力を注いだことは、保育心理学の勉強です。
養成校での授業で、ピアジェの保存の法則に関するエピソードを学んだことを機に心理学の面白さを知り、自主的に学び始めました。
心理学の授業で気になったことを質問するのはもちろん、書籍や論文を読んでの勉強も進めています。
子どもの思いを汲み取るためには、認知の発達や言語の獲得などといった発達心理学の知識を活かしていけると考えています。
今後も心理の勉強はもちろん、入職に向けて保育士に求められる知識を幅広く学びたいです。
留学をテーマにした例文
私は1年のカナダ留学を通して、語学力の向上に力を入れました。
留学の動機は、グローバル化していく社会で貢献できる語学力を身につけるとともに、海外での生活を体験し視野を広げたいという思いからです。
日本でも交換留学生に選抜されたため、ある程度の自信を持っていた語学なのですが、現地の方々との会話はテンポが早く、正直ついていけないと感じることもありました。
しかし、諦めずに現地のサークルなど、日本人のいない場所に顔を出すうちに、徐々にスムーズに会話できるようになり、継続することの大切さを学ぶことができました。
この経験から、保育士としても粘り強く子どもとかかわり続けられる人でありたいと考えています。
ゼミをテーマにした例文
私は所属ゼミでの「障がい児を取り巻く保育の現状」に関する研究に力を注ぎました。
実習で発達障がいを持つ子どもと接したことで、保育施設に通う障がい児やその保護者が直面している問題を目の当たりにし、関心を持ったことが研究の動機です。
研究を進めるうちに、グレーゾーンの子どもに対する支援の問題や、現場の保育士さんが個々のケースに合わせて援助している内容などを知ることができ、インクルーシブな保育の大切さや難しさを実感しています。
また、なるべく多くのケースを見たいと考え、10施設にアポイントを取って保育の見学やインタビューをさせていただき、実践内容に関する知識も深まりました。
この知識を入職後の子どもとのかかわりに活かし、個々の特性に寄り添ったかかわりができる保育士になりたいです。
ボランティアをテーマにした例文
私は被災地の力になりたいという思いから、災害支援のボランティアに力を注ぎました。
現地での救援物資の配布や、子どもたちのお世話をする中で、「支援を押し付け過ぎない」「事前にしっかり準備してから向かう」など現地の方々の思いに配慮することの重要性を実感しました。
この経験から何事でも相手の立場に立って考える意識を持つようになり、共感力や気配り力を磨くことができたと感じています。
保育士として、子どもの立場に立つことはもちろん、保護者や地域の方々の立場に立ったかかわりをしていきたいです。
【課外活動編】ガクチカの例文
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学業だけでなく、課外活動で取り組んだことも就活の場ではよいアピールになるようです。
ここでは、課外活動にまつわるエピソードをもとにしたガクチカの例文を紹介します。
アルバイトをテーマにした例文
私が力を入れたのは飲食店でのアルバイトです。
ピーク時は非常に忙しくなる店で、働き始めた当時はまったく仕事ができないことが悔しく、仕事の合間に先輩の仕事ぶりを観察したりメニューを家で暗記したりしました。
努力の甲斐あり、3カ月が経つ頃にはオープン作業や発注など幅広い業務を任せられるようになり、1年後にはバイトリーダーに就任させていただきました。
最初につまずいても、プラスアルファの努力で現状をよくしていけると知ることができたため、保育士の仕事をするなかでもプラスして努力する向上心を忘れずに自己研鑽したいと考えています。
部活をテーマにした例文
私は学生時代、弓道部の活動に打ち込みました。
弓をひく姿にあこがれて入部しましたが、入部後半年間はハードな基礎トレーニングばかりで弓を握らせてもらえない期間が続きました。
初心者であった私は、「まずは基本の練習をしっかりとやり込もう」と決意し、練習には休まず参加し、自主トレーニングや食事の栄養バランスにも気をつけるようにしました。
体力が身についた結果、ばてることなく集中して部活に取り組めるようになり、顧問にも認められ大会の選抜メンバーに選ばれました。
部で鍛えた忍耐力と、ここぞというときの集中力は人一倍であると自負しています。
保育をするうえで、体力を活かした運動遊びを展開するとともに、安全に注意して見守っていきたいです。
サークルをテーマにした例文
私が力を注いだことは、所属していたダンスサークルの部員収集活動です。
開設して間もないサークルであったこともあり、コンテスト出場に必要な部員数に満たなかったことが部の課題でした。
そのため、私たちは部員の募集に尽力することを決め、勧誘を企画しました。
まずはサークルの存在を知ってもらうことが大切だと考え、チラシの配布やSNSの開設、学祭の出演などに取り組みました。
その中で最も大切にしていたことが、部全体で目標を共有しながら計画を進めることです。
勧誘人数などの目標の数字や企画の目的について話し合いながら取り組むことで、メンバー間で目的意識を同じように持つことができたと考えています。
その結果、目標の部員数を達成し、コンテストに出場できました。
この経験から、メンバー間で目的意識を共有しながら取り組むことの重要性を認識しました。
保育士として働くときも、同僚とのコミュニケーションを欠かさず、チームワークの向上に役立てていきたいです。
趣味をテーマにした例文
私はハンドメイドの作品製作と販売に力を入れていました。
当初は趣味としてアクセサリーなどを製作していましたが、友人が販売イベントに誘ってくれたことがきっかけで、イベントやネットでの販売を開始しました。
イベントやネットでの発信を通して、自分の作品を誰かに喜んでもらえることの喜びを感じるとともに、お客さんのニーズに応えることや販売対応の難しさも感じることができました。
この経験を通して、製作のスキルの向上はもちろん、手作りするものの温かみや伝播力を再認識いたしました。
手作りする機会が多い保育園の環境でも、子どもに楽しんでもらえるものづくりを続けていきたいです。
例文を参考にガクチカを書いて、就活に役立てよう
今回は、ガクチカの例文や書き方のポイントを紹介しました。
ガクチカを書くときには、その経験を通して得られたことや、就職後どのようにその学びを活かすかを伝えられると評価がアップするでしょう。
ゼミや留学、ボランティアなど学業に関するエピソードでは、知識の豊富さや志望の高さをアピールすることにつながりそうです。
アルバイトやサークル、趣味といった課外活動に関するエピソードでは、保育学生さんの人柄や得意なことを印象付けるのに役立つでしょう。
ガクチカの例文やポイントを面接準備やエントリーシートに活かしてみてくださいね。