冬が近づく11月、4歳児クラスの月案作成に悩む新卒保育士さんもいるかもしれません。落ち葉を使った遊びや作品展の準備など、子どもが楽しめるよう計画したいですよね。今回は、4歳児クラスで使える11月の月案の文例を紹介します。養護・教育のねらいや活動に加え、安全や健康に関する配慮と月反省の書き方などもまとめました。
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■目次
11月の4歳児クラスの特徴とは?
晩秋となり、秋から冬へと季節が移り変わる11月。園庭に落ち葉が積もるようになったり、作品展に向けた活動が始まったりする頃かもしれません。
そんな11月の4歳児クラスでは、以下のような特徴が見られるでしょう。
- 自分の思いや考えを言葉にして伝えようとする。
- 友だち同士で思いを出し合いながら、秋の遊びを楽しむ姿が見られる。
- 秋の自然物を使って工作や見立て遊びを楽しむ。
季節の変化や行事の楽しさを味わいながら過ごせるように、11月の月案を計画していきましょう。
【11月】4歳児の月案の文例:前月の子どもの様子
月案では、前月の子どもの様子をもとに11月の計画をしていきます。くわしい文例を見てみましょう。
- 子ども同士でごっこ遊びのイメージを共有しながら遊ぶ姿があった。
- 気の合う友だち同士で誘い合い、グループで活動することをよろこぶ子もいた。
- 戸外を探索するなかで、秋の自然物を発見することを楽しんでいた。
4歳児クラスの様子や子どもが楽しんでいる遊びを把握し、11月の月案に活かしていきましょう。
【11月】4歳児の月案の文例:今月のねらい・活動内容
ここでは、11月の4歳児クラスの月案に使えるねらいや活動内容の文例を紹介します。
今月のねらい
ねらいは、養護と教育の2つの視点から文例をまとめました。
養護のねらい
- 気温の変化にあわせて身支度を整え、心地よく過ごす。
- 自分の身支度や係活動を自発的に行い、意欲的に生活する。
教育のねらい
- 秋から冬への季節の変化を味わう。
- いろいろな素材にふれて遊び、豊かな表現を楽しむ。
活動内容
ねらいをもとに、4歳児に経験してほしい具体的な活動を書いていきます。
養護
<生命>
- 気温や活動量に合わせて衣類などを調整しようとする。
- 咳やくしゃみをするときには手で覆うようにして、衛生意識を身につける。
<情緒>
- 保育者に思いを受け止めてもらい、安心して生活する。
- 当番や係活動を通して自信を深める。
教育
<健康>
- 身体を思い切り動かしながら心身を開放して遊ぶ。
- 縄跳びやフープ遊びを通して多様な動きを経験する。
<人間関係>
- 話し合いや活動を通じて、クラスでの一体感を味わう。
- 子ども同士で思いを伝え合い、互いを尊重しながら落ち着いて過ごす。
<環境>
- 秋の自然を発見し、見つけたものを遊びや製作に活用する。
- 必要な物品や材料を用意しておき、さまざまな素材や道具を使って遊ぶ機会を保障する。
<言葉>
- 言葉にならない思いを保育者に代弁してもらい、安心感や聞いてもらううれしさを味わう。
- 言葉遊びを通して、文字や言葉の面白さに気づく。
<表現>
- 描画や唱歌を通して、感じたことをのびのびと表現する。
- 多様な技法を使いながら製作することを楽しみ、表現の広がりをよろこぶ。
11月の4歳児クラスでは、言葉のやり取りを通じて思いやイメージを共有できるよう、活動を考えるとよさそうです。
また、作品展の準備として製作や造形活動も子どもの実態に合わせて計画していきましょう。
【11月】4歳児の月案の文例:環境構成と保育者の援助・配慮
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11月のねらいや活動内容をもとに、月案に記入する環境構成や援助、配慮の文例をまとめました。
養護
生命
- 身体を動かして暑くなったら上着を脱ぐなど、体温調整のしかたを伝える。
- ペープサートなどを使い風邪の予防方法をわかりやすく伝え、衛生意識を育む。
情緒
- 一斉活動を行うときは、集団遊びが苦手な子どもたちも安心できる場づくりをする。
- 簡単な手伝いを頼んだあとはしっかりと感謝を伝え、意欲や自尊心を養っていく。
教育
健康
- 鬼ごっこなどの身体を動かす遊びに誘い、戸外に出て十分身体を動かせるようにする。
- 縄跳び、フラフープに苦手意識のある子には、やり方やコツを伝え、いっしょに練習する時間を作る。
人間関係
- 共通の目的を持って行事に取り組めるよう、保育者がリードしながら話し合いの機会を設ける。
- 友だちのよいところに気がついて認められるよう、集まりの時間によいところ探しゲームを行う。
環境
- 木の実や落ち葉を消毒して保育室に置いておき、工作に使えるように準備する。
- 接着剤やホチキスなど、共用の工作道具を用意して安全な使い方を教える。
言葉
- 子どもの思いを代弁し、「○○くんに伝えてごらん」と促すことで、思いを言葉で伝える経験を積めるようにする。
- 文字に興味を持つ子が出てきたら、ひらがなの絵本やあいうえお表を用意して見本を見ながら書けるようにする。
表現
- 子どもの素朴な表現を受け止め、しっかり褒めながらよさを認める。
- 製作をする前には下準備や試作を行い、子どもたちにやり方やコツ、技法の面白みを伝えられるようにする。
11月には落ち葉や木の実がたくさん拾えるようになるので、4歳児の子どもたちが自然にふれ合えるよう準備しましょう。
また、造形活動が盛り上がるように、必要な道具を揃えたり、子どもの表現をほかの子にも知らせたりといった配慮を月案に書いておくとよさそうですね。
【11月】4歳児の月案の文例:家庭連絡・安全・食育
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11月の4歳児の月案の作成に活かせる、家庭連絡・安全・食育の文例をまとめました。
家庭連絡
- 作品展の日程とともに子どもたちの取り組みの様子を伝え、期待感を持って参加してもらえるようにする。
- 戸外遊びで使用する上着の用意を呼びかけ、フードがなく着脱しやすいものを持参してもらう。
健康・安全・衛生
- 寒い日の戸外遊びでは上着を着用し、暑くなったら脱ぐなど調整することを伝える。
- 暖房器具の点検を行い、安全に使えるよう準備しておく。
食育
- 遠足に参加し、戸外でお弁当を食べて特別な食事の雰囲気を楽しめるようにする。
- 正しい食器の配置を意識しながら配膳できるよう声をかける。
11月頃になると、風邪や感染症などが流行り始めるかもしれません。月案でしっかりと予防対策を立て、子どもたちの健康を守っていきましょう。
また、作品展の日程を保護者の方に伝え、参加を促すことも大切と言えますね。
【11月】4歳児の月案の文例:反省・自己評価
11月の4歳児クラスの月案に記入する、反省や自己評価の文例を紹介します。
養護
- 寒くなると鼻水が出る子が増えた。なるべく温かく過ごせるように、活動の内容や室温などを調整することができた。
- 手伝いをお願いするとよろこんでやってくれる姿が見られた。
教育
- 保育室に自然物を飾るコーナーを設けることで、子どもたちの発見をクラス全体で共有できた。
- 描画や粘土といった造形活動では、子どもたちのイメージを大切にしながら声をかけ、じっくり取り組める環境を整備できた。
月案で計画したねらいなどをもとに保育を振り返り、反省や自己評価を考えます。
11月になると風邪を引く子が増えやすいため、健康や衛生に関する配慮を振り返るのもよいでしょう。
月案に活用できる11月の4歳児保育のポイント
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最後に、4歳児クラスの11月の月案に活用できる保育のポイントをまとめました。
ケンカの仲裁は子どもの思いを受け止めながら
4歳児クラスでは、友だちと言い合いになると、絶対に譲らない子どもや、うまく話せずに泣きだす子どももいるかもしれません。
それぞれの気持ちを受け止めたうえで、相手の気持ちに気づいたり、互いに折り合いをつけて仲直りしたりできるとよいですよね。
ケンカの仲裁では、落ち着いた環境で冷静に子どもたちの気持ちを聞いていきましょう。
作品展では子どもそれぞれのよさが発揮されるように
11月頃に作品展を計画する保育園も多いでしょう。子どもたちの造形活動の成果をまとめ、取り組みの様子を来場者に伝えられるとよいですよね。
作品作りに取り組むときは、子どもたちがイメージを膨らませて楽しめるような声かけや導入がポイントとなりそうです。
また、子どもたちが作品展を通じて、達成感を味わったり自信を深めたりできるように、活動の進め方や展示方法などを工夫してみましょう。
絵本に親しめる環境作りを
11月30日の「絵本の日」にちなんで、読み聞かせの時間や絵本コーナーの充実を図ってもよいかもしれません。
4歳児クラスの読み聞かせでは、子どもたちが気に入っているシリーズもので季節をテーマにした絵本や、少し長い物語などを選んでみるのもよさそうです。
本のしまい方や配置などを整備して、子どもたちが絵本を読む楽しみを味わえるように絵本コーナーの環境を整えていきましょう。
文例を知って11月の4歳児クラスの月案を作成しよう
今回は、11月の4歳児クラスで活用できる月案のねらいや援助の文例を紹介しました。
11月の4歳児クラスでは、子ども同士が考えを伝え合いながら、作品展に向けた製作や自然遊びを楽しめるよう月案を計画しましょう。
ぐっと冷え込み、風邪を引きやすい時期でもあるため、上着の準備や手洗いといった対策も重要になりそうです。
月案の文例を参考に、11月の4歳児クラスの保育に役立ててみてくださいね。