子どもを深夜まで受け入れたり、泊めたりするベビーホテル。保育士として入職を考えているものの、概要や仕事内容が分からない方もいるでしょう。今回は、ベビーホテルとはどのような保育施設かについて紹介します。あわせて、一日の流れや働くうえでのメリット・デメリットも具体的にまとめました。
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■目次
ベビーホテルとは
ベビーホテルとは0歳から6歳までの子どもを深夜や早朝まで預かり、多様なサービスを提供する保育所のことを指します。
認可外保育施設に分類され、現在は「夜間保育」「24時間保育」などと呼ばれることが多いようです。
また、「ホテル」という名称が付くものの必ずしも宿泊機能があるとは限らず、以下のいずれかを常時運営する施設を指します。
- 夜20時以降の保育活動
- 宿泊を伴う施設
- 利用児童のうち一時預かりの児童が半数以上
上記の通り、夜20時以降まで運営していればベビーホテルと名乗ることができるようです。
そのため、施設によって24時間対応をしたり深夜まで運営したりなど、開園時間は大きく異なるでしょう。
出典:平成21年地域児童福祉事業等調査結果の概況:用語の定義/厚生労働省
ベビーホテルの一日の流れ
ここでは、ベビーホテルの一日の流れをまとめました。
施設によって異なるものの、24時間保育の場合は基本的に以下のようなスケジュールになるようです。
6:30~起床・朝食
7:00~登園開始
10:00~遊び
11:30~昼食
13:00~午睡
15:00~おやつ
16:00~自由遊び
18:00~夕食
20:00~就寝準備
21:00~就寝
ベビーホテルでも18:00に夕食、21:00に就寝というように、一般的な家庭と変わらない生活を提供していることが分かります。
働くうえでは子どもの生活リズムが乱れないように、就寝準備を時間通りに行うなど規則正しい生活を送るためのサポートが求められるかもしれませんね。
ベビーホテルで働く保育士さんの仕事内容
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ここからは、ベビーホテルで働く保育士さんの業務をくわしく紹介します。
一般的な保育園と共通する仕事内容
特別なイメージのあるベビーホテルですが、日中の保育についてはおおむね一般的な保育園と同様の業務を任されるようです。
例えば、まだ上手に食事ができない子どものために、スプーンの持ち方を教えたり食事の介助をしたりするでしょう。
また、普通の保育園と同じく、睡眠や排泄、遊びの援助なども行い、健康的な生活を送れるようなサポートをするようです。
ベビーホテルならではの仕事内容
沐浴・入浴
夜間の保育にも対応しているベビーホテルでは、子どもの沐浴・入浴を行う場合もあるかもしれません。
ベビーホテルで沐浴・入浴も済ませることで、「仕事が忙しくてお風呂に入れられない…」「深夜にお風呂に入れるのは難しい」などの保護者の悩みに対応できるでしょう。
入職を考えている方は沐浴・入浴の方法をしっかり復習しておくとよいかもしれませんね。
寝かしつけ
ベビーホテルの運営時間によっては、寝かしつけをする場合もあるでしょう。
中には保護者が近くにいない不安から、泣き出してしまう子どももいるかもしれません。
そのため、頭をやさしくなでるなど、子どもの寝かしつけの方法を入職前に学んでおくとよいでしょう。
ベビーホテルで保育士として働くメリット・デメリット
続いて、ベビーホテルで保育士として働くメリットやデメリットを解説します。
メリット
月給が比較的高くなる
ベビーホテルで働く利点として、月給が高くなることが挙げられるでしょう。
深夜や早朝に働けば深夜手当などが支給されるようなので、仕事へのモチベーションが高まるかもしれません。
しかし、園によって手当の金額は変わるため、入職を希望する保育学生さんはあらかじめ求人票などを確認するとよいでしょう。
保育の経験を積める
ベビーホテルによっては沐浴・入浴や寝かしつけなど一般保育園と異なる業務を担えるので、保育の経験を多く積めるかもしれません。
特に24時間の保育に対応している施設では、子どもの一日の生活を通してかかわる機会がありそうです。
また、ベビーホテルには基本的にクラス分けがないため、幅広い年齢の子どもを見ることでスキルアップにつながるでしょう。
デメリット
勤務時間が不規則になる可能性がある
深夜や早朝も運営しているベビーホテルでは、勤務時間が不規則になるというデメリットがありそうです。
シフトによっては生活リズムが崩れてしまい、体力や気力がもたないことも考えられるでしょう。
そのため、深夜や早朝のシフトに入る際は休憩中に仮眠を取るなど、自分に合った対策方法を見つけることが大切です。
人手が足りない場合もあるかも
施設によっては夜勤を希望する保育士さんが足りず、人手不足の問題を抱えている場合もあるかもしれません。
特に入職したばかりでは慣れない業務も多く、人手が足りないと戸惑ってしまうこともありそうです。
そのため、入職を検討する場合は園見学や説明会を通して勤務体制などを確認してから志望先を決められるとよいでしょう。
ベビーホテルで保育士として働くには
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ベビーホテルは認可外保育施設に分類されることから、勤務するには特別な資格は必要ないようです。
施設によっては保育士資格が必要な場合もあるため、保育士養成課程以外に所属する学生さんは注意しましょう。
また、ベビーホテルでは幅広い年齢の子どもに対応したり、生活全般のサポートをしたりするため、働きたい保育学生さんはしっかりと勉強しておくことが大切ですね。
ベビーホテルの保育士の求人状況
2020年現在、ベビーホテルの施設数は1255カ所となっています。
2010年時点では1579カ所存在しており、近年にかけて減少傾向にあるものの、保護者の働き方の多様化から夜間保育のニーズは高まっていると言えそうです。
そのため、これから保育士の求人が充実していくことも考えられるでしょう。
また、最近ではベビーホテルと名乗る施設は少ないようなので、求人を探したい保育学生さんは保育士求人サイトなどで「夜間保育所」「24時間保育」と調べてみるとよさそうです。
なかなか見つからないときは保育士就活支援サイトに登録し、アドバイザーに求人を探してもらったり、就活に関する相談をしたりするとよいでしょう。
出典:認可外保育施設の施設数・入所児童数の推移/e-Stat
ベビーホテルについて知り、保育士の就活に活かそう!
今回は、ベビーホテルとはどのような保育所かについて解説しました。
ベビーホテルは子どもを深夜や早朝まで預かったり、泊めたりする保育施設のことを指します。
子どもの沐浴・入浴や寝かしつけなどベビーホテルならではの業務もあるので、保育のスキルを高められる職場と言えるでしょう。
保育学生さんはここで紹介したベビーホテルの特徴を踏まえ、保育士の就活に活かせたらよいですね。
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