1歳児クラスを担任する新卒保育士さんのなかには、2月の月案作成に悩む方もいるかもしれません。節分に向けた取り組みや、発達に合わせた環境設定などが気になりますよね。今回は、1歳児クラスで使える2月の月案の文例を紹介します。養護・教育のねらいや活動に加え、安全や健康に関する配慮と月反省の書き方などもまとめました。
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■目次
2月の1歳児クラスの特徴とは?
まだまだ冷え込む日が続くものの、春らしい日差しの暖かさを感じられる日もある2月。
そんな2月の1歳児クラスには、以下のような特徴が見られるでしょう。
- 身支度に意欲を持ち、保育者の手を借りず自分でやろうとする姿が増える。
- 友だちの様子や遊びへの関心が強まり、褒められている姿を見て刺激を受けたり、同じ場所で遊ぼうとしたりする。
- 保育者に誘われてトイレで排尿しようとする姿が見られる。
できることが増えて自信が得られ、身の回りのことに意欲を持って自発的にやろうとする場面が多くなるかもしれません。
このような1歳児の子どもたちの特徴を踏まえて、2月の月案を立ててみましょう。
【2月】1歳児の月案の文例:前月の子どもの様子
まずは2月の月案に使える、前月の子どもの様子の文例を紹介します。
- 電車や積み木などの玩具を介して、友だちと同じ遊びを楽しんでいた。
- 休み明けの疲れからか、体調を崩したり落ち着かなかったりする様子が見られた。
- 戸外に出たあとの手洗いや上着の着脱に関心を持ち、保育者に促されると自分でやろうとする子どもが増えた。
2月頃になると、1歳児クラスの子ども同士でも友だちとのかかわりが増え、並行遊びをする姿があるかもしれません。
このような1歳児の子どもの姿をもとに、2月の月案でねらいや援助を計画できるとよいですね。
【2月】1歳児の月案の文例:今月のねらい・活動内容
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2月の月案に記入する1歳児クラスのねらいや活動内容の例を見ていきましょう。
今月のねらい
ここでは、ねらいの文例を養護・教育の2つの視点に分けてまとめました。
養護のねらい
- 健康に必要な習慣を知り、保育者の誘いに応じてやってみようとする。
- 安定的な生活リズムのもと、落ち着いて生活する。
教育のねらい
- 好きな遊びを見つけ、じっくりと遊び込む。
- 保育者や友だちとやり取りをしながらつもり・見立ての遊びを楽しむ。
活動内容
養護面の活動内容は生命・情緒の2つの視点、教育面は5領域に基づいてまとめました。
養護
<生命>
- 清潔で快適な環境のなか、のびのびと過ごす。
- 手洗いや着替えを通して身の回りを清潔に保つ心地よさを感じる。
<情緒>
- 身の回りの支度に意欲を持ち、自分で行うことで達成感を味わう。
- できたことや頑張ったことを保育者に認めてもらい、意欲を育む。
教育
<健康>
- 巧技台や平均台を使って、段差を上ったりバランスを保ちながら歩いたりすることを楽しむ。
- 気温が低すぎない日は戸外に出て、身体を十分に動かして開放感を味わう。
<人間関係>
- 生活のなかで「名前を呼ばれるまで待つ」「食事の前に挨拶をする」など簡単な決まりを知り、守ろうとする。
- 友だちのやっている遊びに興味を持ち、観察することやいっしょに遊ぶことを楽しむ。
<環境>
- 小麦粘土遊びなど指先を使った遊びを楽しむ。
- 玩具を片づける場所がわかり、使ったあとは保育者といっしょにしまおうとする。
<言葉>
- 自分の思いや要求を一語文や二語文で表現して伝えようとする。
- 好きな絵本を見て、オノマトペを真似たり「リンゴだ」と発見を言葉にしたりして楽しむ。
<表現>
- タンポを使って鬼のお面製作を楽しみ、節分に親しみを持って行事に参加する。
- マラカスや鈴などの簡単な楽器を持って音を鳴らすことを楽しむ。
2月の1歳児クラスでは、自分でできることが多くなり、さまざまなことに挑戦しようとする姿が増えるでしょう。
また、好きな遊びや玩具といったこだわりも出てくるかもしれません。それぞれが好きな遊びをするなかで、友だちや保育士さんと言葉のやり取りを楽しめるとよいですね。
【2月】1歳児の月案の文例:環境構成と保育者の援助・配慮
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ここでは、2月の1歳児クラスにぴったりな環境構成や保育者の援助・配慮の文例を紹介します。
養護
生命
- 室温に留意しながら換気・加湿を行い、子どもが過ごしやすい環境を作る。
- 率先して手洗いをしようとする子どもの姿を知らせ、他児の意欲につなげる。
情緒
- 支度などはなるべく同じ手順で行うことで、子どもがやり方を理解して意欲を持てるようにする。
- 「自分で」という思いを尊重し、安心してじっくり挑戦できるように側で見守る。
教育
健康
- 走る・跳ぶ・登る・蹴るなどさまざまな身体の動きを十分に経験できるよう、安全な遊びの環境を整える。
- 室内遊びが続くと走ったり動いたりしたくなるので、気持ちを発散できるようのびのびと遊べる活動を取り入れていく。
人間関係
- 順番や玩具の貸し借りなどは、子どもの気持ちに共感しながらも、繰り返し決まりを伝えていく。
- 友だちの様子をじっと観察している子どもには、無理に誘わずに自分のタイミングで遊びを始められるよう見守る。
環境
- 粘土を取り入れるときは、「まんまるさん」「こねこね」など子どもが形の変化などに親しめるような声かけをする。
- 片づけの時間には、「車さんのおうちどこかな」と声をかけるなど、子どもが楽しんで行えるような工夫をする。
言葉
- 子どもの言葉に応答し、言葉を補ったり代弁したりしながら思いが伝わるよろこびを味わえるようかかわっていく。
- 簡単な劇遊びを取り入れて、お気に入りの絵本の言葉を真似ながら遊ぶ機会を作る。
表現
- 子どもと同じお面を被って鬼になりきり、和気あいあいとした雰囲気のなか豆まきのやりとりを楽しむ。
- 紙コップや空ボトルなど身近な素材を使った手作り楽器を用意して、子どもが関心を持って遊べるようにする。
2月頃になると、1歳児クラスでもイメージを持って見立て遊びをしたり、思ったことを簡単な言葉にしたりする姿が増えるようです。
子どもたちの想像の世界や関心のあることに寄り添いながら、より遊びが盛り上がるよう援助しましょう。
【2月】1歳児の月案の文例:家庭連絡・安全・食育
1歳児の2月の月案に記入する、家庭連絡、安全、食育に関する配慮の文例をまとめました。
家庭連絡
- 保育園での感染症の流行状況を家庭と共有し、注意して過ごしてもらえるようにする。
- クラスで行っている取り組みや人気の遊びを掲示し、家庭でも親しめるよう配慮する。
健康・安全・衛生
- 戸外に行くときは、路面の凍っている部分やつららなどがないか確認し、安全に遊べるよう職員同士で情報共有を行う。
- 体調のよくない子どもがいる場合、静かな場所で休めるよう環境構成と職員配置を工夫する。
食育
- 冬の野菜が出てくる絵本を読み、季節の食材に関心が持てるように伝えていく。
- フォークやスプーンの持ち方や使い方の手本を見せ、徐々に身につくよう繰り返し伝える。
寒い日が続く2月。気温の低い午前中には、保育園でも水たまりや路面が凍っていたり、園舎につららができていたりするかもしれません。子どもたちの安全のため、危険な箇所を確認して職員同士で共有しておきましょう。
また、2月の月案には風邪や感染症の防止対策について記載しておくことも大切です。1歳児の子どもたちが健康に過ごせるよう留意できるとよいですね。
【2月】1歳児の月案の文例:反省・自己評価
1歳児クラスの2月の月案に使える、反省や自己評価の文例を紹介します。
養護
- 鼻水が出ている子どもが多かったので、こまめに拭き取るよう声をかけるとともに、家庭と連携して体調を見守ることができた。
- 戸外に行くときは風の強さや凍結の有無などを確認し、安全に戸外遊びを実施することができた。
教育
- 並行遊びを楽しめるように、玩具を数を多めに揃えて、遊びのスペースを広く確保していった。
- 製作で作った鬼のお面を行事でも活用することで、子どもたちの意欲を引き出すことができた。
養護面においては、寒い時期の感染症の予防対策や、冬ならではの安全確認ができていたかを重点的に振り返るとよいでしょう。
また、2月の月案で計画した遊びや行事の活動内容をもとに、援助方法や環境構成が適切だったかを反省することもポイントと言えますね。
月案に活用できる2月の1歳児保育のポイント
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最後に、月案に活かせる2月の1歳児クラスの保育のポイントをまとめました。
節分は年齢に合わせた活動で行事に親しもう
豆まきをして鬼を追い払う保育園の節分行事ですが、1歳児クラスで行うときは年齢に合わせた配慮が必要と言えます。
鬼を怖がって泣いてしまう子どもが多いため、的当てゲームとしてアレンジしたり、製作したお面を被ってなりきることを楽しんだりと、楽しい雰囲気で行えるよう配慮しましょう。
また、大豆を誤飲してしまうおそれがあるため、パックに入ったものや紙を丸めたものなどで代用するとよさそうですね。
「自分でやりたい」気持ちを尊重して見守る援助を
2月頃になると、着脱や排泄など一人でできることが増えてくる1歳児の子どもたち。
取り組む姿を見守るとともに、上手にできたらしっかり褒めることが大切です。支度には少し時間がかかってしまうかもしれませんが、一人ひとりが達成感を十分に味わえるようじっくり見守れるとよいですね。
進級に向けて、子どもたちの意欲や自主性を高められるよう、丁寧にかかわっていきましょう。
見立て遊びを楽しみ、想像の世界を豊かにできるように
2月になると1歳児クラスの子どもたちの多くが満2歳児となり、「何かに見立てて遊ぶ」見立て遊びや「知っていることを再現して遊ぶ」再現遊びを楽しんでいる頃かもしれません。
保育士さんがかかわるときは、想像の世界に入って遊びの仲間として接するとともに、イメージが深まるような声かけを心がけていきましょう。
例えばままごと遊びでは「もぐもぐ」と食べ真似をしたあとに「お茶もくださいな」と声をかけるなど、遊びが広がるようにかかわれるとよいですね。
文例を知って2月の1歳児クラスの月案を作成しよう
今回は、2月の1歳児クラスの月案に役立つねらいや環境構成、反省の文例を紹介しました。
立春を迎えてもまだまだ寒い日が続くので、感染症の予防や防寒対策に注意していきましょう。
身の回りの支度をある程度自分でできるようになる頃なので、しっかり褒めて意欲を育めるとよいですね。
月案の文例を参考に、保育園の1歳児クラスの計画に役立ててみましょう。
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