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【実例あり】ペープサートの指導案の書き方。実習に役立つねらいや年齢別のポイント

ペープサートは部分実習などに取り入れやすい教材の一つですが、指導案の書き方に悩んでいる方もいるのではないでしょうか?年齢にあわせたねらいや導入を考えることで、活動の流れが見えてくるはずです。今回は、保育実習でペープサートを行うときの指導案の書き方を紹介します。年齢別のポイントや実例もまとめました。

保育実習でのペープサートの様子

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実習でペープサートをするときのポイント

手軽に取り入れられる視覚教材の一つ、ペープサート。人形が動いたり、絵が裏返って変わったりする面白さがあるため、子どもたちに人気の出し物ですよね。


そんなペープサートですが、部分実習や責任実習で取り入れるときはどんなことに気をつけるとよいのでしょうか?



年齢に合った題材を選ぶ


子どもたちにペープサートを楽しんでもらうためには、年齢に合った題材を選ぶことが大切です。


クラスの子どもの様子を観察して、興味のあることや好きなものなどをしっかり把握しておきましょう。


また、年齢によって集中できる時間も異なります。年齢別の題材選びのポイントは、後半で紹介しているのでチェックしてみてくださいね。



離れていても見やすい大きさで作る


部分実習などで行う際は、後ろにいる子どもからもよく見えるよう、大きさを工夫するのもポイントの一つ。


サイズだけでなく、はっきりとした色遣いにしたり、登場人物を明確にかき分けたりすることも、わかりやすいペープサートを作るうえで重要になるでしょう。



本番を想定して練習する


ペープサートが完成したら、本番に近い環境で練習することが大切です。


物語や歌を覚えることはもちろん、ペープサートを出す順番に並べたり、動かし方を工夫したりと、練習を重ねる中で演じ方に磨きをかけていきましょう。




【項目別】ペープサートの指導案の書き方

保育実習でのペープサートの指導案を書く様子

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続いて、指導案に記載する以下の5つの項目について、書き方のポイントを紹介します。


  • ねらい
  • 導入
  • 環境構成
  • 予想される子どもの姿
  • 保育者の援助


ねらい


ペープサートを行うねらいは、主に以下が挙げられるでしょう。


  • ペープサートの動きや絵に関心を持って見る。
  • ペープサートを見聞きして、物語の世界を楽しむ。

ただし、これはペープサート全般に言える内容であり、題材によってねらいが異なるので注意が必要です。


例えば、食べ物を題材にしたものであれば「食べ物の名前や形に関心を持つ」など、実際に使うペープサートに合わせてねらいを考えるとよいですね。



導入


保育活動に欠かせない導入ですが、ペープサート自体が子どもの興味を惹きつける役割を持っているため、無理に手遊びや素話といった導入を考える必要はないかもしれません。


「いきなりペープサートを始めるのは不安」という実習生さんは、話を聞く雰囲気を作るため「はじまるよ」「おはなし」などの手遊びからスタートするのも一つの手ですね。


関連動画:【手遊び歌】おはなし/保育士バンク!

関連動画:導入の定番手遊び『はじまるよ』/保育士バンク!



環境構成


子どもたちが快適な環境でペープサートに集中できるよう、保育室の環境構成を考えてみましょう。
ここでは、テーブルなどの台を使う場合と使わない場合に分けて解説します。


台を使う場合

台の下など見えないところにペープサートを用意します。

テーブルを使う場合、クロスや大きな布をかけておくと台の下が見えなくなり、より子どもたちが集中できるかもしれません。


台の高さや子どもの様子に合わせて、子どもたちに椅子に座ってもらうか、体育座りで見てもらうかを決めるとよさそうです。


台を使わない場合

続いて、実習生さんが自身の胸の前などでペープサートを動かす場合について紹介します。


ペープサートをスムーズに取り出せるよう、ケースなどを用意しましょう。
ビニール袋などはがさがさと音が立ち、子どもが気になってしまう可能性があるので避けるのがベターです。


また、子どもたちの気が散りにくいように実習生さんは壁を背にして座るとよいでしょう。


後ろの子からは見えにくい可能性があるため、子どもたちには扇状に並んでもらうとよさそうですよ。



予想される子どもの姿


活動中の子どもたちの反応や動き、発言などを予想して指導案に記載しましょう。
特に、子どもたちが笑ったり発言したりしそうな場面を記載しておくと、実際演じるときに役立つかもしれません。


また、中には集中できない子どもや、話を聞く姿勢が整うまで時間がかかる子もいるかもしれません。そうした姿を予想しておくことで、どんな援助をするか考えることができるでしょう。



保育者の援助


予想される子どもの姿をもとに、実習生さんが行う援助を考えておきます。


ペープサートを演じるときに気をつけるポイントや、子どもの反応への対処、集中できない子どもへの反応などをメインに指導案に書いてみましょう。


また、導入やまとめの仕方なども記載しておくことで、スムーズに活動できそうですね。



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【年齢別】ペープサートの指導案の例文

保育実習でのペープサートの様子

taka/stock.adobe.com


続いて、ペープサートの指導案の例文を0歳児から5歳児までの年齢別に紹介します。
年齢に合わせた題材選びのポイントもまとめているので、参考にしてみてくださいね。



0歳児・1歳児


0歳児・1歳児は5分以内程度を目安に、短いペープサートを選ぶことがポイントです。


身近な動物や食べ物、丸・三角・四角といった記号が出てくるものなどを楽しんでくれるかもしれません。


繰り返しのある題材や歌を使ったものも好まれそうですね。


ねらい

  • ペープサートの動きや絵を見て、楽しい雰囲気を味わう。

環境構成

  • 落ち着いて見ることができるよう、マットや棚などでスペースを作る。
  • 実習生も床に座り、子どもたちと同じ目線で楽しめるように演じる。

予想される子どもの姿

  • ペープサートをじっと目で追ったり、歌に合わせて身体を動かしたりする。
  • ペープサートをさわりたくなり、実習生のもとに近づく子どももいる。
  • 内容に興味が湧かず、他の場所に行こうとする。

保育者の援助

  • 子どもたちが集中できるよう、ペープサートを見せるタイミングや話す速さを工夫する。
  • 立ったり動いたりすることを過度に咎めず、集中して見ている子どもが楽しめるよう最後まで笑顔で演じる。

まだ椅子でのお座りを練習中の子どもがいる0歳児・1歳児クラスでは、床に座った状態で演じると安心かもしれません。


ペープサート中に動き出してしまう子どももいるかもしれませんが、「座ってね」と笑顔で声をかけ、すぐお話に戻ることがポイントと言えるでしょう。



2歳児・3歳児


保育実習でのペープサートの様子

milatas/stock.adobe.com


2歳児や3歳児クラスでは、繰り返しのある短い物語や童話、クイズが人気のようです。


歌詞を覚えて歌えるようになる頃なので、童謡を使ったものも楽しめるかもしれません。


ねらい

  • ペープサートを楽しみ、思考力や想像力を育む。

環境構成

  • 座る場所がわかるよう、椅子もしくはござを用意する。
  • どの子どもからも見えるようペープサートの見せ方を工夫する。

予想される子どもの姿

  • 思ったことや印象に残ったことを口々に話す。
  • 途中で飽きてしまい立とうとする子どももいる。

保育者の援助

  • 子どもの発言に対しては、笑顔で頷いたり発言を拾ったりしながらペープサートを演じる。
  • 集中できる時間が短い子どもには、あらかじめ保育者の近くに座るようにしてもらう。

椅子やござなどで座るスペースを示しておけば、落ち着いた環境になるかもしれません。


2歳児・3歳児クラスでは、友だち同士で場所の取り合いや押し合いにならないよう、ペープサートを始める前に位置の調整をするとよさそうです。



4歳児・5歳児


4歳児・5歳児は、長い物語も少しずつ楽しめるようになる年齢です。昔話や絵本をもとにしたペープサートをするのもよいでしょう。


クイズや言葉遊びなどを取り入れた参加型で楽しめる題材も、子どもたちによろこんでもらえるかもしれませんね。


ねらい

  • 友だちといっしょにペープサートの面白さを分かち合い、集中して楽しむ。

環境構成

  • 子どもたち自身に椅子を列に並べてもらい、座って聞ける環境を作る。
  • 物話の世界に集中できるよう、片づいた環境でペープサートを始める。

予想される子どもの姿

  • 面白いセリフや言葉遊びを真似したり笑ったりする。
  • 知っていることや思ったことを発言する姿が見られる。
  • 隣にいる友だちとおしゃべりをしている子どもがいる。

保育者の援助

  • 声色やセリフの速度、ペープサートの動かし方を工夫して、物語の世界を表現する。
  • 子どもたちの発言に共感したり頷いたりしながら話を展開する。
  • 集中していない子どもには、目線を送ったり小声で声をかけたりする。

4歳児・5歳児クラスでは、子どもたち自身も集中力がついてきて、話を聞くときのルールも少しずつ身につくようになります。


一方、友だちと仲が深まる時期のため、おしゃべりを始めてしまう子もいるかもしれません。おしゃべり好きの子どもたちが固まらないよう、「支度ができた子から座る」など始め方を工夫するのもポイントですね。




【実例】ペープサートの指導案

2歳児に向けて「シルエットクイズ」のペープサートをするケースを想定して、指導案の実例を紹介します。


ペープサート指導案

こちらの指導案で使用している「シルエットクイズ」のペープサートは、以下の動画で作り方を紹介しています。


丸、三角、四角以外にも、さまざまな形のクイズを用意して楽しんでみてくださいね。


関連動画:【クイズあそび】出し物にも最適なシルエットクイズをやってみよう/保育士バンク!



指導案がしっかり書ければ、ペープサートの実践も安心!

今回は、保育実習で使えるペープサートの指導案の書き方と例文を紹介しました。


人形を動かして遊ぶペープサートは、0歳児や1歳児などの乳児さんから4歳児・5歳児まで幅広く楽しめるのが特徴です。


取り入れる題材に合わせてねらいや演じ方を工夫して、子どもたちと楽しい時間を過ごせるとよいですね。


指導案の実例を参考に、実習にペープサートを取り入れてみましょう。



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