6月の保育実習で製作遊びを行いたいと考える実習生さんもいるでしょう。かたつむりやてるてる坊主など梅雨のモチーフを取り入れれば、季節感を味わいながら楽しめそうですよね。今回は、6月の製作アイデアを実習生さん向けにまとめました。指導案に使えるねらいや援助のポイント、導入から活動の流れなどを徹底的に解説します!
hakase420/stock.adobe.com
■目次
6月の保育実習で製作遊びを取り入れるポイント
6月の保育実習で製作遊びを取り入れるときは、どんなことを意識するとよいでしょうか?
6月に意識したいポイント
6月にぴったりなモチーフとして、てるてる坊主やあじさい、カエルなどが挙げられます。
その時期ならではのモチーフを製作に取り入れることで、季節の自然や風習に関心を持つことにつながるかもしれません。
実習では必ずしも季節の製作を行う必要はありませんが、時季に合った保育をしたいと考える実習生さんは参考にしてみてくださいね。
製作遊びのポイント
製作遊びを取り入れるときは、子どもたちができることをしっかり把握することが大切です。
クラスでの遊びや普段の様子から、使えそうな道具や技法を考えてみましょう。悩んだときは、担当の保育士さんに相談してみるのもよいですね。
子どもにとって難しい部分は実習生さんが手を添えたり、事前に準備しておいたりとサポートしましょう。
6月の保育実習に使える製作:0歳児・1歳児向け
まずは、0歳児・1歳児クラスで使える製作アイデアを紹介します。
1.フィンガーペイントでてるてる坊主
崇正 魚谷/stock.adobe.com
0歳児・1歳児クラスでは、絵の具の感触を楽しめるフィンガーペイントを製作に取り入れてみましょう。
ねらい
- 絵の具の感触や色の混ざり合いを楽しみながら製作する。
用意するもの
- 画用紙(白)
- 丸シール(黒・赤)
- 絵の具
- 絵の具皿
- 汚れ防止シート
- ふきん
- スモック
- はさみ
作り方
<実習生さんの事前準備>
1.画用紙をてるてる坊主の形にカットしたものを人数分用意します。
2.赤い丸シールを半分にカットし、口の形をしたシールを作ります。シールの列ごとにカットしておくと子どもがめくりやすくなります。
<子どもといっしょに行う工程>
1.画用紙のてるてる坊主に黒い丸シールと赤い丸シールを貼って顔を作ります。
2.指に絵の具をつけ、てるてる坊主の身体の部分に色を塗ります。
3.絵の具をしっかり乾かしたらできあがりです。
活動の流れと援助のポイント
①準備
子どもたちにスモックを着用してもらいます。
さらに、絵の具を水で溶いてふきんとともに机に用意しておきましょう。
②導入
子どもたちに、実習生さんが作ったてるてる坊主を見せてみましょう。
「ぬりぬりして素敵なてるてる坊主を作ってみよう」と声かけをするとよいですね。
③製作
1~2人のグループに分かれて順番に製作してもらうとスムーズかもしれません。子どもたちに椅子に座ってもらい、絵の具を手につけて塗りたくりをしてもらいましょう。
④まとめ
楽しかったねと共感の言葉をかけて、活動をまとめます。
吊るす場所があればそこで乾かして、子どもたちが見れるようにしてもよいかもしれません。
2.スポンジスタンプであじさい
Chikako Kamitori/stock.adobe.com
スポンジを使ってあじさい模様のスタンプを楽しんでみましょう。0歳児・1歳児のどちらでも取り入れられそうな製作です。
ねらい
- スタンプで絵の具がつく様子や、押すときの感触を楽しむ。
用意するもの
- メラミンスポンジ 1個
- 乳酸菌飲料の空き容器 1個
- 輪ゴム 2本
- 画用紙(青・紫・ピンク・緑)
- 絵の具
- 絵の具皿
- のり
- 汚れ防止シート
- ふきん
- スモック
作り方
<実習生さんの事前準備>
1.メラミンスポンジに輪ゴムを十字になるようにかけて、あじさいのスタンプを作ります。
2.(1)を乳酸菌飲料の空き容器の口に差し込み、持ち手の部分を作ります。絵の具の色に応じて、複数本用意するとよいでしょう。
3.青・紫・ピンクの画用紙をあじさいの形にカットしたものを人数分用意します。
4.緑の画用紙をあじさいの葉の形にカットしたものを人数分用意します。
<子どもといっしょに行う工程>
1.スタンプに絵の具をつけて、あじさいの画用紙にスタンプします。
2.自由にスタンプしたら、のりで葉っぱを貼りつけてできあがりです。
活動の流れと援助のポイント
①準備
子どもたちにスモックを着用してもらい、絵の具を水で溶いてふきんとともに机に用意しておきましょう。
絵の具で汚れないよう、机にシートを敷いておくこともポイントです。
②導入
導入でスタンプをするところを見せて、子どもたちに製作のイメージを持ってもらうとよさそうです。
1歳児クラスでは、「あめふりさんぽ」など雨の日をテーマにした絵本を読んでみるのもよいでしょう。あじさいが登場するものを読めば、さらに関心を育めそうですね。
③製作
一度にスタンプ遊びをするのは難しいので、1~2人のグループに分かれて順番に製作してもらいましょう。
子どもたちに椅子に座ってもらって画用紙を配り、スタンプに絵の具をつけてから手渡します。
④まとめ
十分にあじさいのスタンプを楽しんだら、葉っぱを貼りつけてできあがりを子どもといっしょによろこびましょう。
「あとで飾ろうね」「今度お散歩であじさいを探そうね」など、今後に期待感を持てるような声かけもよいですね。
6月の保育実習に使える製作:2歳児・3歳児向け
続いて、2歳児・3歳児クラスの保育実習で使える6月の製作アイデアを見ていきましょう。
1.パッチンカエル
2歳児や3歳児の子どもたちが簡単に楽しめるパッチンカエルの製作を紹介します。
ねらい
- イメージを持って製作に取り組み、作ったおもちゃで遊ぶことを楽しむ。
用意するもの
- 牛乳パック 1本
- 輪ゴム 1本
- はさみ
- 油性ペン
作り方
<実習生さんの事前準備>
1.牛乳パックを適度な大きさにカットし、輪ゴムをかけるための切り込みを入れて半分に折っておきます。
2.見本のパッチンカエルを一つ用意します。
<子どもといっしょに行う工程>
1.牛乳パックに油性ペンで好きな絵をかきます。
2.輪ゴムをかけたらできあがりです。(詳しい説明はこちら)
活動の流れと援助のポイント
①準備
子どもたちの人数分の材料を用意しておきます。
②導入
用意しておいたパッチンカエルを使い、実際に跳ぶところを子どもたちに見てもらいましょう。
③製作
材料を配り、製作に移ります。油性ペンは譲り合って使う、カエルは友だちに向かって飛ばさないなどの約束を事前に確認しておくことがポイントです。
④まとめ
できあがったら、実際にカエルを跳ばして遊んでみましょう。
誰のカエルが最も高く跳ぶか競ってみるのもよいですね。
2.にじみ絵の傘
にじみ絵の淡い色合いは6月のモチーフにぴったり。ここでは、3歳児頃から楽しめそうな傘の製作を紹介します。
ねらい
- 絵の具がにじむ様子を味わいながら製作する。
用意するもの
- 半紙(正方形) 1枚
- 絵の具
- 紙コップ
- 画用紙 1枚
- はさみ
- のり
- 水性ペン
- ふきん
- 汚れ防止シート
作り方
<実習生さんの事前準備>
1.人数分の半紙をカットしておきます。予備も用意しておきましょう。
<子どもといっしょに行う工程>
1.半紙にさまざまな色の絵の具をつけます。
2.よく乾かしたらできあがりです。(詳しい説明はこちら)
活動の流れと援助のポイント
①準備
絵の具を溶いて紙コップに用意しておきます。机に汚れ防止のシートを敷いて、ふきんも用意しておきましょう。
絵の具で濡れた半紙を乾かすためのスペースも確保しておくとスムーズですよ。
②導入
絵本「あおくんときいろちゃん」を読んで、色の混ざり合いの美しさを伝えてみましょう。
実習生さんが製作を実演してみるのもよいですね。
③製作
実際ににじみ絵を楽しんでみましょう。「絵の具はちょっとずつつけようね」と伝え、色の混ざり合いに気づけるよう促すとよいかもしれません。
時間に余裕があれば、何回かにじみ絵を試してみてもよいですね。乾かすときは、どれが誰の作品かわかるように名前を明記しておくことがポイントです。
④まとめ
製作をしてみた感想を子どもたちに聞いてみましょう。
楽しかった思いや気づきに共感し、乾いたら飾ろうねと約束をして活動をまとめてみてくださいね。
6月の保育実習に使える製作:4歳児・5歳児向け
ここでは、4歳児・5歳児クラスの保育実習で使える6月の製作をまとめました。
1.かたつむりの時計
6月10日は時の記念日。数字や時間について関心を持ち始める4歳児や5歳児では、6月の製作としてかたつむりの時計を作ってみるのもよいでしょう。
ねらい
- 時間や数字に親しみながら時計の製作を楽しむ。
用意するもの
- 紙皿 2枚
- 画用紙(クリーム色、水色)
- 画用紙で作った長針・短針
- 画用紙で作った目玉
- ボタン
- 糸
- モール
- のり
- セロハンテープ
- 水性ペン
作り方
<実習生さんの事前準備>
1.人数分の紙皿に画用紙を貼り、長針・短針をつけておきます。
2.モールを適度な長さにカットし、目玉を用意します。
3.製作の見本を1つ作っておきましょう。
<子どもといっしょに行う工程>
1.時計の針がついた紙皿に、数字を書き込みます。
2.クリーム色の紙皿を半分に折り、(1)に貼りつけます。
3.モールに目玉を貼って、本体にセロハンテープで貼ります。
4.かたつむりの口をかいたらできあがりです。 (詳しい説明はこちら)
活動の流れと援助のポイント
①準備
必要な材料に加え、グループごとにセロハンテープ・ペンなどの道具を用意しておきます。
②導入
「1日中休まず、2本の針をくるくる回しているものなんだ?」など、時計に関するクイズを出してみましょう。
簡単なクイズだとすぐに正解できることもあるため、まずは難しい問題を出して少しずつヒントを教えていくとよいかもしれません。
③製作
時計に関する話や約束の確認が終わったら製作に入ります。
工程数が多いため、一つの工程が終わってから次の材料を配るなど、子どもが集中して取り組めるよう工夫するとよいかもしれません。
数字の書き方に迷っている子どもには、時計を見て確認するよう伝えましょう。
④まとめ
できあがったら、かたつむり時計の針を動かして遊んでみましょう。「3時は?」「12時は?」とクイズ形式で行ってもよいですね。
「とけいのうた」を歌って活動を締めるのも楽しいかもしれません。
2.カラフルな傘のモビール
揺れている様子がかわいらしい傘のモビールを作ってみましょう。
少し複雑な製作なので、4歳児・5歳児クラスでもしっかり説明しながら行うとよいですね。
ねらい
- 完成形のイメージを持って製作することを楽しむ。
用意するもの
- 画用紙
- モール
- セロハンテープ
- はさみ
- のり
- ふきん
作り方
<実習生さんの事前準備>
1.各色の画用紙を円形にカットしたものを人数分用意します。
2.モールを適度な長さに切って、柄の形に変形させておきます。
3.グループごとに見本を用意しておきましょう。
<子どもといっしょに行う工程>
活動の流れと援助のポイント
①準備
材料を1人につき1セット用意しておきます。
グループごとに、見本を1つとセロテープを準備するとスムーズです。
②導入
「あめふりくまのこ」など6月に合ったペープサートを歌い、雰囲気を盛り上げてみましょう。「いろいろなかさ」などの傘をテーマにしたシアターを行ってもよいですね。
そのうえで製作の見本を見せて、子どもの作ってみたいという意欲を引き出すとよいでしょう。
③製作
子どもたちにのりなどの道具を取りに行ってもらい、約束を確認したあとで材料を配って製作に入ります。
10色の画用紙を貼り合わせるのは時間がかかるため、5~6色程度に枚数を減らしておいてもよいかもしれません。
モールをつける工程では、子どもたちの様子を見ながら個別にやり方を伝えて援助してみましょう。
④まとめ
全員分の傘を紐でつなげてモビールを作りましょう。室内に飾れば、子どもたちも達成感やうれしさを味わえそうですね。
6月の保育実習で製作遊びをやってみよう!
今回は、6月の保育実習で製作遊びを取り入れるときのポイントやアイデアを紹介しました。
製作遊びを行う場合は、子どもたちへの導入や援助、事前準備が大切。6月にぴったりなアイデアとともに、保育実習の指導案を考えてみてくださいね。
保育士就活バンク!では、保育実習や学生生活に役立つ情報から、就職活動に関するノウハウも公開しています。
「自分らしく働ける保育園を見つけたい」「一人での就活は不安…」など、就職に関するお悩みは、保育士就活バンク!にお気軽にご相談ください!
自分に合った保育園で、楽しく保育のお仕事をしてみませんか?