0歳児クラスで行う部分実習に向けて、活動のネタを探している方もいるでしょう。月齢によって差が大きい時期なので、どんな遊びがよいのか悩んでしまいますよね。今回は絵本や感触遊びなど、0歳児クラスにぴったりな部分実習のアイデアを5つ紹介します。指導案に活かせるねらいや導入例、援助のポイントもあわせてまとめました。
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■目次
0歳児の部分実習でおさえておくポイント
0歳児クラスで部分実習を行うとき、どのように活動を設定したり指導案を書いたりするべきか悩む方も多いかもしれません。
まずは、0歳児の部分実習を計画するうえで知っておきたいポイントを見てみましょう。
月齢によってできることの差が大きい
0歳児の子どもたちは、それぞれの月齢によってできることに差が見られる時期と言えます。
指導案を立てるときは、一人ひとりの発達を把握して個々に合わせた援助を考えることが大切になるでしょう。
集中できる時間は短め
0歳児の子どもたちは、一つの遊びをじっくり楽しむよりも、興味が次々と移り変わっていく姿が見られるかもしれません。
そのため、5分から10分程度を目安に活動を区切って指導案を作成することで楽しく活動できるでしょう。
また、活動中は遊びに興味がない子がいても無理にやらせる必要はないようです。遊びに関心を持ってもらうには、実習生さんが楽しむ姿を見せることが大切かもしれません。
誤飲や事故に注意!
何でも口に入れてしまう子どもが多い0歳児クラスでは、誤飲防止のため小さな玩具やパーツは使用しないようにしましょう。
また、伝い歩きができるようになったら、机の上や棚にしまってあるものに興味を示す子もいるようです。
子どもの手が届く範囲に危険なものを置かないように、注意して環境設定をすることが大切です。
0歳児の部分実習で意識するポイントがわかったところで、活動例を見ていきましょう。
指導案に活かせるねらいや援助のポイントもまとめました。
【0歳児の部分実習】活動例①ふれあい遊び
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「さかながはねて」の手遊び歌を使ったふれあい遊びをしてみましょう。
ねらい
- 温かい雰囲気の中、保育者とふれあうことを楽しむ。
- 歌を通して手や足などをのびのびと動かす。
事前準備
- 「さかながはねて」の手袋シアターを用意します。
活動の流れと援助のポイント
①準備
安全にふれあい遊びを楽しめるように、室内を片づけてフラットな環境を用意しましょう。
②導入
まずは「さかながはねて」の手袋シアターを実施して、子どもたちの関心を惹きましょう。
実習生さんが楽しそうに演じることで、0歳児の子どもたちも「何だろう?」と興味を持ってくれるかもしれません。
③活動
歌を歌いながら、子どもたちの頭やお腹、背中などにふれて遊びましょう。
何回か歌ったら、手足を優しくぎゅっと握ったり、「お魚さんの群れがきたよ」と言ってこちょこちょとくすぐってみたりするとよろこんでくれるかもしれません。
子どもたちが手や足を動かしたときにぶつからないよう、適度な間隔を空けることもポイントです。
④まとめ
「面白かったね。また遊ぼうね。」と楽しかった気持ちに共感して、活動をまとめましょう。
手袋シアターの魚を見せて、「お魚さんにバイバイしようね」と声をかけてみてもよさそうですね。
【0歳児の部分実習】活動例②絵本の読み聞かせ
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絵本「じゃあじゃあびりびり」を例に、読み聞かせの活動例を紹介します。
ねらい
- 読み聞かせを楽しみ、音の響きの面白さを味わう。
事前準備
- 絵本を用意します。
活動の流れと援助のポイント
①準備
絵本に集中できるように、玩具などを片づけてすっきりとした環境を作ります。
②導入
手遊び歌を歌って、子どもたちの注目を集めましょう。
「まあるいたまご」や「おはなし」など、0歳児の子どもたちが親しみやすいゆったりした短い曲を選ぶとよいかもしれません。
③活動
絵本の表紙を見せて、読み聞かせを始めます。
子どもたちがオノマトペの面白さを味わえるよう、はっきりとした発声で読んでみましょう。各ページの文章量が少ない絵本ですが、すぐにページをめくらず絵を見るための間を意識するとよいですね。
④まとめ
絵本を読み終えたら、特別なまとめの時間は挟まず「おしまい」と伝えて活動を終えてよいでしょう。
絵本が気になってふれようとする子どもがいるかもしれないため、「絵本にタッチすることを促し興味が満たせるようにする」など対応を考えておくとよいかもしれません。
【0歳児の部分実習】活動例③マラカスで楽器遊び
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手作りのマラカスを使って、楽器遊びをしてみましょう。
ねらい
- マラカスを振って音を出すことを楽しみ、素朴な音を味わう。
事前準備
- 人数分のマラカスを作って用意しておく。
乳酸菌飲料の空き容器などにビーズや木の実などを入れてマラカスを手作りしましょう。
子どもたちがふたを開けないように、ビニールテープでしっかり固定しておくことが大切ですね。
活動の流れと援助のポイント
①準備
子どもたちがぶつかったり気が散ったりしないよう、室内を片づけておきます。
②導入
実習生さんがマラカスを持ち、「見て見て!」と声をかけながら音を鳴らしてみましょう。
興味を持った子どもから、一つずつマラカスを渡していきます。
③活動
まずは自由に音を鳴らして楽しんでもらうとよさそうです。「カラカラ鳴ってるね。」「ビーズの色がきれいだね。」と子どもたちの様子に合わせて声をかけてみましょう。
続いて「おもちゃのチャチャチャ」「手をたたきましょう」などの童謡に合わせて、マラカスを振って楽しんでみるのもよいですね。
④まとめ
「よくできました。」と拍手をして活動を締めましょう。
子どもたち一人ひとりからマラカスをもらって、片づけをします。
【0歳児の部分実習】活動例④絵の具の感触遊び
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ファスナー付き保存袋に画用紙と絵の具を入れて、袋の上からさわって感触を楽しめる絵の具遊びを取り入れてみましょう。
ねらい
- 絵の具の感触を楽しみながら、色が混ざり合う様子を味わう。
事前準備
- 画用紙をファスナー付き保存袋に入るサイズにカットしておきます。
- 数色の絵の具を用意します。
活動の流れと援助のポイント
①準備
画用紙の上に各色の絵の具を出して、ファスナー付き保存袋に入れます。
このときたっぷりと絵の具を出すことで、より感触を楽しめるようになるでしょう。
②導入
子どもたちに袋を見せて興味を惹きます。実習生さんが袋の上から絵の具を塗り広げて、色が混ざり合う面白さを伝えるとよいですね。
③活動
子どもたちに袋を渡して自由に感触遊びを楽しんでもらいましょう。
中には絵の具の冷たくやわらかい感触を嫌がる子どももいるかもしれません。無理強いはせず、実習生さんがお手本を見せたり、足やお尻など手以外の部分で感触を楽しんでもらったりするとよさそうです。
④まとめ
遊びを十分に楽しんだら、子どもたちから作品を受け取りましょう。
「気持ちよかったね」「きれいな色になったね」と声をかけて、子どもたちが充実感を味わえるようにするとよいかもしれません。
袋から画用紙を出して絵の具を乾かし、作品として保育室内に飾ってみるとよいですね。
【0歳児の部分実習】活動例⑤トンネル遊び
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ダンボールなどで作ったトンネルをくぐって遊んでもらいましょう。
ねらい
- トンネルくぐりを通して、のびのびと全身を動かして遊ぶ。
事前準備
- ダンボールを加工して0歳児の子どもが入れるトンネルを作ります。
分かれ道や顔を出せる窓、出入口のカーテンなどを作ると、より遊びが盛り上がりそうですよ。
活動の流れと援助のポイント
①準備
室内にある玩具や机・椅子などを片づけて、トンネルを用意します。
②導入
トンネルの側について、子どもたちを誘ってみましょう。
「何かな?」「ハイハイで通ってみてね」などと声をかけてみるとよいですね。
③活動
トンネルをくぐって楽しむ子どもたちを見守ります。
窓から声をかけてみたり、「おーい」と呼びかけたりしていっしょに楽しみましょう。
トンネルの出口でタンバリンなどを鳴らし、「こっちだよ」と誘うとよいかもしれません。
④まとめ
終了の時間が近づいたら「これで最後の一回だよ」と伝え、トンネルを抜けた子どもたちに「楽しかったね」と声をかけて活動を終えましょう。
楽しさに共感するとともに、「また遊ぼうね」と期待感を持てるような声かけをするのもよいですね。
0歳児の特徴をおさえて部分実習を成功させよう
今回は、0歳児クラスで取り入れられる部分実習の活動例を紹介しました。
0歳児クラスでは子どもたちの成長に合わせて、絵本の読み聞かせや絵の具遊び、トンネルなどを部分実習に取り入れるとよいでしょう。
記事で紹介した例を参考に、部分実習の計画や指導案に活かしてみてくださいね。
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