3歳児クラスで部分実習を予定している学生さんのなかには「どんな活動をしよう?」と悩む方もいるかもしれません。製作や室内遊びなど子どもが興味のある内容を選び、15分~30分でまとめられるとよいですね。今回は、3歳児にぴったりな部分実習アイデアを5つ紹介します。ねらいや援助など指導案に役立つ例文もチェックしてくださいね。
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■目次
3歳児の部分実習でおさえておくポイント
3歳児クラスで部分実習を行うときは、どのような点に気をつけるとよいのでしょうか。
個々のやりたい遊びを十分楽しめるよう見守る
3歳児頃の子どもたちは友だちと同じ遊びをしているように見えても、友だち同士でイメージを共有したり、同じ目的を持って取り組んだりすることは難しい時期のようです。
部分実習の指導案を立てる際は、各々が自分のやりたい遊びを十分に楽しめるように、時間配分や環境設定を考えるとよいかもしれません。
友だちとのやり取りを仲介する
先述の通り、自分の世界で遊びを楽しんでいる3歳児の子どもたちですが、徐々に友だちとのやり取りも増えてくる頃です。
おもちゃの貸し借りや「遊びに入れて」のやり取りをしようとする姿が見られ始めるので、友だち同士のつながりを仲介していきましょう。
子どもの好奇心を刺激する
3歳児は、いろいろなものに関心を持って「なんで?どうして?」と尋ねることが増える”なぜなぜ期”にあたる時期です。
ただ、まだ難しい言葉で説明しても理解しづらい頃でもあるよう。
そのため部分実習に取り組む際は、「不思議だよね」「〇〇だからかもしれないね」など子どもの思いに共感しつつ、考えを深められるような声かけを意識するとよいかもしれません。
【3歳児の部分実習】活動例①絵本の読み聞かせ
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絵本「へんしんトンネル」を例として、絵本の読み聞かせをするときの活動例を紹介します。
へんしんトンネルを通ると『かっぱかっぱ(河童)』→『ぱかっぱかっ(馬)』とまったく別のものに変身するという言葉遊び絵本です。
ねらい
- 音の響きを楽しみ、言葉に関心を持つ
- 何に変身するか予想しながら絵本を見る
事前準備
絵本の下読みをして、実際の部分実習を想定しながら読む練習をしておくと安心ですね。
特に、言葉を繰り返すうちに別のものに変身してしまう…という面白さが伝わるよう、言葉のつなげ方やページのめくり方を工夫するとよいでしょう。
活動の流れと援助のポイント
①準備
絵本の読み聞かせができる環境設定をして、子どもたちに集まってもらいます。
3歳児クラスであれば、「先生がゴザを敷いたらその上に座る」などお集まりの前の流れが浸透しつつある頃かもしれません。
クラスの流れに沿って準備を計画するとよさそうです。
②導入
「はじまるよ 」など、活動への期待感が持てる手遊びを行い、話を聞く雰囲気作りをしましょう。
クラスで人気の手遊びがある場合、そちらを使うのもよいかもしれません。子どもたちの様子に合わせてアレンジしてみてくださいね。
③活動
「はじまり、はじまり」と前置きをして絵本を読み始めます。
子どもたちの反応を見ながらゆっくり読んだり、早口で読んだり、話し方に抑揚を持たせるとよいでしょう。
長い時間集中するのが難しい子がいる場合、担当の保育士さんと対応方法を話し合っておくと安心してクラス全体に目を配れそうです。
④まとめ
最後に、「〇〇は何に変身したんだっけ?」とクイズをしてみてもよいかもしれません。
クラス名や園の名前など、身近なワードを使って言葉遊びをして締めくくるのも楽しそうですね。
【3歳児の部分実習】活動例②かみなりゲーム
15分程度で簡単に楽しめるかみなりゲームを3歳児クラスの部分実習に取り入れてみましょう。
<遊び方>
1.子どもたちは仰向けに寝転がります。
2.オニである実習生は「か、か、…」と声をかけます。
3.実習生が「かみなり!」と言ったら、子どもたちはうつ伏せになっておへそを守ります。
4.実習生は「かみさま」「かみのけ」「かみひこうき」などのフェイントを挟みます。子どもたちは「かみなり」以外の掛け声では動かないよう、注意深く言葉を聞いて行動します。
5.(2)~(4)を繰り返して遊びます。
ねらい
- 保育者の言葉をよく聞いて行動しようとする
- 集団でルールのある遊びをする楽しさを味わう
事前準備
特に準備いらずで取り入れられる室内遊び向けのゲームです。
説明の言葉かけや導入に使う手遊びの練習は前もってしておきましょう。
ゲームの流れや実施する場所などを、担当の保育士さんと打ち合わせておくことがポイントですね。
活動の流れと援助のポイント
①準備
まずは、遊戯室やプレイルームなど広いスペースに移動します。
実習では使えない場合、保育室を片付けて子どもたちが十分に身体を動かせる広さを確保しましょう。
床に寝転がって行うゲームなので、なるべく清潔な空間が望ましいですね。
②導入
最初に「かみなりどんがやってきた 」の手遊びで導入してみましょう。
話を聞く雰囲気が整ったら、ゲームのルール説明に移ります。
「かみなりさんが出てくるゲームをやってみよう」と語りかけると子どもの意欲を引き出せるかもしれません。
説明のあとには、2回ほど練習をしてみましょう。
もしかみなりを怖がる子どもがいた場合は、「上手に避けたら大丈夫だよ」「先生が守ってあげるね」と安心できる声かけをするとよさそうです。
③活動
子どもたちに円になって仰向けに寝転んでもらい、ゲームを始めます。
「か、か、…」と思い切り溜めてから「かみのけ!」とフェイントを出すと、子どもたちも盛り上がってくれるかもしれません。
間違えた子どもには、学生さんがオニになりきって「おへそをとっちゃうぞ」とくすぐりに行くなど、スキンシップをしてみるのもよいですね。
④まとめ
終了時間が迫ってきたら、「これが最後の1回だよ。みんなよく聞いていてね。」と前置きをして最後の掛け声を始めましょう。
ゲームを終えたあとは楽しかった気持ちに共感し、「一回だけ間違えた人?」「一度も間違えなかった人?」と尋ね、次回への期待につなげるとよいかもしれません。
【3歳児の部分実習】活動例③製作遊び
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続いて、3歳児といっしょにはさみを使った製作遊び をするときの例を紹介します。
活動時間は30分ほど見ておくとよいでしょう。
ねらい
- 一回切りの製作を通してはさみの使い方に慣れる
- 製作を通して達成感を味わう
事前準備
<用意するもの>
- 画用紙(クリーム色、赤色など)
- はさみ
- のり
画用紙は子どもたちがカットしやすいよう、帯状に切ったものを準備しておきましょう。当日スムーズに配るためにも、グループごとにまとめておくとよいですね。
活動の流れと援助のポイント
①準備
グループごとに机と椅子を用意します。のりを使用するので、のり用のふきんも忘れずに備えておきましょう。
子どもたちにははさみとのりを取ってきてもらいましょう。
②導入
製作の完成物を見せて導入をします。予め作っておいたピザを見せて「これなんだ?」と子どもたちに尋ねてみましょう。
子どもから「ピザ」と正解が出たら、「今日ははさみとのりを使って、美味しそうなピザを作るよ」と説明しましょう。
③活動
<1:はさみで切ろう>
はさみの使い方や持ち方から丁寧に実演し、製作のお手本を見せます。
安全に使うために「刃を友だちに向けない」などお約束の確認も忘れず行いましょう。
一回切り用の帯状の画用紙を配ったら、実際にはさみを使って具をカットしていきます。
テーブル別に子どもの様子を見て周り、戸惑っている子や使い方に慣れていない子をサポートしましょう。
早く切り終えた子には、「どんなふうに具を載せるか考えてみてね」と退屈にならないよう声をかけるとよいかもしれません。
<2:のりで貼ろう>
15分程度経過を目安に、のりで具を貼り始めます。切り終わった子から順に進めていくとよいでしょう。
のりの使い方については詳しく説明し、「お母さん指でのりをすくう」「お豆と同じ大きさののりを取る」など丁寧な伝え方を意識するとよいですね。
先ほどと同様に子どもの様子を見て周り、のりの使い方や貼り方を個別にフォローして周りましょう。
④まとめ
製作が完成したら、棚の上に置いて乾かします。混み合ったときは順番に並ぶよう促すとよいですね。
「美味しそうなピザができたかな?」など、達成感を味わえるような声かけをして、活動をまとめましょう。
【3歳児の部分実習】活動例④むっくりくまさん
クラス全体で楽しめる「むっくりくまさん」の歌遊びを使った15分~30分程度の室内遊びの活動例を見てみましょう。
”かごめかごめ”などの昔遊びと似た簡単なルールなので、3歳児クラスでも取り入れやすいですよ。
ねらい
- 緊張と解放のメリハリを楽しみながら身体を動かす
- 集団で歌いながら追いかけっこを楽しみ、一体感を味わう
事前準備
遊びの流れとルールを子どもたちに説明できるよう、おさらいしておきましょう。
<遊び方>
1.くまさん役を一人決め、くまさんを中心にして円を作ります。
2.「むっくりくまさん」を歌いながらくまさんの周りをぐるぐると周ります。
くまさんは歌詞に合わせて寝ているふりやあくびをするふりをします。
3.歌い終わったら、周囲の子どもは「くまさん起きて!」と声をかけます。
4.くまさんは目を覚まして、子どもたちを追いかけます。
5.誰かが捕まったら、もう一度(2)から繰り返します。
3歳児クラスの部分実習では、実習生さんがくまさん役をするとスムーズかもしれません。
活動の流れと援助のポイント
①準備
動きやすい服装に着替え、広々と遊べるスペースに移動しましょう。
②導入
「森のくまさん」のペープサートをして、雰囲気作りをします。
子どもたちと遊び方や約束事の確認をして、ゲームに移りましょう。
③活動
子どもたちは歌を知らない可能性もあるため、担当の保育士さんとともに大きな声で歌い、リードします。
くまさんを怖がって泣いてしまったり、逆にわざとつかまろうとしたりなどさまざまな子どもの姿を予想して、対応方法を考えておくと安心ですね。
3歳児クラスの場合、捕まった子をアウトにしたりくまさん役に交代したりすることはせず、また輪の中に戻って楽しめるようにするとよいかもしれません。
④まとめ
「一度も捕まらなかった人?」「また遊びたい人?」などと尋ねて遊びの内容を振り返り、活動を締めます。
【3歳児の部分実習】活動例⑤忍者ごっこ
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最後に、忍者になりきって楽しむ表現遊びを取り入れる部分実習例を見てみましょう。
- 平均台で橋渡りの修行
- 跳び箱でジャンプの修行
- すずらんテープをくぐって蜘蛛の巣くぐりの修行
など、アイデア次第でさまざまな遊び方ができますよ。
30分程度の時間を確保しておきましょう。
ねらい
- 忍者になりきって表現することを楽しむ
- さまざまな身体の動かし方を経験する
事前準備
子どもが忍者になりきれるアイテムを用意しておくとよいかもしれません。
頭につける頭巾やリストバンドなどがあると、より雰囲気が盛り上がりそうですね。
また、活動中にBGMを流せるよう、音楽プレーヤーを準備しておくのも一つの手です。
活動の流れと援助のポイント
①準備
身体を動かして遊ぶので、広々としたスペースを用意しましょう。
園の状況に応じて、園庭や遊戯室といった場所を使わせてもらうのもよいかもしれません。
平均台や室内鉄棒、フープなど必要な物品を配置し、安全確認を実施します。
②導入
実習生さんが忍者の頭巾を被って登場し、「私は、じつは忍者の里からやってきた〇〇忍者です。みんなに特別な術を教えにきました」と忍者になりきって話をしてみましょう。
「秘密の道具」と称してリストバンドや頭巾を配布し、子どもたちにもつけてもらったら準備は万端です。
③活動
それぞれの修行を順に楽しみます。実習生さんがお手本を見せて、子どもたちにチャレンジしてもらうようにしましょう。
一通り行ったら、好きな修行を自由に楽しめる時間を設けるのもよいですね。
④まとめ
終わりの時間の5分ほど前になったら、「そろそろ最後の1回だよ。一番かっこよく決めてね」と終了の見通しを持てる声かけをします。
「ジャンプの修行をがんばった忍者さんはいるかな?」「蜘蛛の巣くぐりが一番得意だったよっていう忍者さんは?」と活動を振り返り、充実した気持ちにしっかり共感します。
「また来る日まで、みんな修行をしっかりがんばってね」と伝え、活動を締めましょう。
3歳児の特徴をおさえて部分実習を成功させよう
今回は、3歳児クラスで部分実習を行うときのポイントに加え、指導案に活かせるねらいや導入例を紹介しました。
制作や絵本の読み聞かせ、室内遊びなど、クラスの状況に合わせて例を使い分け、実習を成功させましょう!
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