保育園や幼稚園で使われる言葉には、現場特有の言い回しや難しい専門用語がたくさんあります。保育士として働き始める前に、保育用語をマスターしておきましょう!今回は、は行の用語を解説していきます。
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よく使う保育用語【は】
発育
子どもが大きく育っていくこと。例えば、身長や体重などです。
発達
子どもの言葉、運動能力、身体能力などの機能面や精神面での育ちのことを指します。
保育の中では、「発達段階」「発達に合わせた」などの言い回しが、よく使われるかもしれません。
発達障がい
生まれつき、脳の働き方の違いにより幼児のうちから行動面や情緒面に特徴がある状態のことです。
自閉症スペクトラム症、注意欠如・多動症(ADHD)などが含まれます。
保育の中で、子どもの発達に関する話や障がいに対する心配の相談などを行うこともあるかもしれません。身に着けておいた方がよい分野のひとつでしょう。
出典:知ることから始めよう みんなのメンタルヘルス/厚生労働省
パラシュート反射
生後10カ月頃までにあらわれる無意識的な反射のことです。
うつ伏せの常態から、両脇をささえるように身体を持ち上げて頭を前方向に傾けさせたとき、自然と赤ちゃんの両腕が前に出て、バランスを取るかのような姿を指します。
9、10カ月検診の検査項目となっています。
腹ばい
お腹を下向きにして寝そべり手足が動いたり、頭を上げて起きたりしている状態が腹ばいです。
腹ばいと似ている言葉が「うつ伏せ」です。お腹を下にして、頭から全身地面につけて寝そべっている状態がうつ伏せのため、意味は異なります。
バギー
赤ちゃんのお散歩などの移動で使用します。ベビーカーとの違いは特にないようです。
保育園の散歩では、数人で座れる大きなものや、立って乗るタイプのものもあります。
よく使う保育用語【ひ】
ヒヤリハット
危険な場面があったが、幸い災害や事故には至らなかったこと。
思いがけないでき事に「ヒヤリ」としたり、事故寸前のミスに「ハッ」としたりすることが由来です。
表出
他人から見たら分からない、自分自身が感じたことや考えていることなどを他人に分かるように、思いがけず外に表すこと。
具体的な例を上げると、ペインティングや水遊びなど、子どもが自由気ままに楽しめる遊びは「表出」、ゲーム遊びや英語、ブロックを積むなどは「表現」となるようです。
ひとり遊び
ひとりで遊んでいる状態のことで、生後数か月から始まります。
しかし個人差があるため、保護者の中には、「ひとり遊びをしない」と悩んだり、反対に「ひとりで遊んでばかり。友だちができないのではないか」と心配になったりする人もいるようです。
発達や個性のひとつだと捉えられるように、援助する必要があるかもしれません。
非認知能力
考えや取り組み方、行動などの日常生活や社会に出る中でとても大切な能力のひとつです。
学力などの「認知能力」を育てることも大切ですが、内面的な能力を指す非認知能力こそが、保育で育みたい能力ではないでしょうか。
人見知り
子どもが、親しい人以外に対して緊張する様子のこと。
1歳頃から人見知りが激しくなる子どももいますが、全く人見知りしない子もおり、表れ方はそれぞれ異なります。
保育園でも、担任ではない先生に対して人見知りすることもあるでしょう。
百日咳
百日咳は、長い間咳が続く症状から名前がつけられた病気です。
最初は、鼻水、くしゃみなどの症状から始まり、徐々に咳込みがひどくなり長期間続くようです。
乳児期早期では、単に息を止めているような無呼吸発作からチアノーゼ、けいれん、呼吸停止と進展することがあるため、注意が必要な病気です。
病児保育
子どもが病気になった際、自宅での保育が困難な場合に病院・保育所などで病気の子どもを保育します。
病気になっても安心して子育てができる環境整備を図ることが目的です。
出典:病児保育事業/内閣府
よく使う保育用語【ふ】
プール熱
プール熱とは、咽頭結膜熱のこと。
アデノウィルス感染により発熱、喉の痛み、結膜炎といった症状があります。
プールでの接触などによって観戦することもあるので、「プール熱」と呼ばれています。
風しん
風しんとは、風しんウィルスによって引き起こされます。発熱や発疹、リンパ節の腫れなどの症状があります。
分離不安
信頼や愛着のある人、物から離れることに不安を感じる状態を指します。
子どもは主に親などの養育者に対して分離不安を感じ、泣いたり離れられなかったりします。分離不安は正常な発達のひとつです。
プリスクール
英語を使う環境の中で、未就学児の保育を行う施設がプリスクール。
幼稚園に近い時間帯で運営されている場合が多いようです。
欧米では、5歳までが通う教育施設を指すため、少し意味合いが異なります。
よく使う保育用語【へ】
ヘルパンギーナ
ヘルパンギーナは、代表的な夏風邪のひとつです。発熱や口の中に水疱性の発疹が表れるなどの症状があります。
平行(並行)遊び
子どもが同じ遊びをしていてもかかわりを持たない状態のことを指します。
例えば、同じブロックで遊んでいても、Aくんはお城づくり、Bくんは線路に見立てて遊んでいる、といったようにそれぞれが別の遊びを楽しんでいる状態です。
互いに無関心、というわけではなく、交わることはなくとも遊びを真似したり、安心感を持っていたりするようです。
よく使う保育用語【ほ】
哺乳反射
赤ちゃんが口になにか触れると吸ったり、探したりする反射能力のこと。
出生後、すぐに反応が見られ7カ月頃までに消失する場合が多いようです。
保育料
保育料とは、保護者が負担する子どもを預ける保育園に必要な費用のこと。金額は各家庭の所得によって異なります。
保育所保育指針
保育所の保育で基本となる考え方です。
保育のねらいや内容など保育の実施に関わる内容と、これに関連する保育園運営に関する内容について定めたものが書かれています。
保育理念
「保育理念」は園のコンセプトです。どのような保育園にしたいのか、根本的な考えを示しています。
保育方針
園が行う保育に対する考えを示しています。保育理念を基盤に、保育に対する方向性を考えていく必要があるでしょう。
保育目標
子どもたちにどのように育ってほしいかという指標となります。
保育理念や方針はすでに園や上司が決めていますが、保育目標は日頃子どもたちを保育する担任や保育士さんたちが、考えて目標設定することが大切でしょう。