絵本の読み聞かせは保育士さんにとって、とっても大事なスキルです。
絵本を読むときに、緊張でガチガチだったり、気持ちが入っていなかったりすると、子どもたちにも自然と伝わってしまいますよね。
そこで今回は、読み聞かせをする上でのポイントや、オススメの絵本をご紹介したいと思います。
絵本の読み聞かせで信頼感アップ!
「ただ絵本を読むだけ」と考えて、何も準備せずに読み聞かせにトライすると、必ずと言って良いほど失敗します。意外ですよね。
子どもの心に響かせるためのポイントを、いくつかご紹介します。
◯3回は下読みを
最低でも3回、下読みをしましょう。
1回目は、あらすじを理解するために読む。
文章をしっかり頭に入れる事を念頭におき、とくにどんな登場人物が出てきて、何が起こって、それにはどんなメッセージが込められているのかをまとめておきましょう。
2回目は、絵を中心に読みます。
子どもたちは、やはり絵にひきつけられます。
じっくり絵を眺めて、どんな場面かを想像しておきましょう。
3回目は、下読みの総仕上げです。全体の流れをおさらいしましょう。
◯焦らず「ゆっくり」を意識
大勢の前での読み聞かせだったりすると、緊張して声が出なかったり、自分でも気づかないうちに、早くすらすらと読んでしまいますよね。
絵本を読むときは、焦らず、文章の途中途中でゆっくりとした呼吸を入れてみましょう。
緊張が和らぐのと同時に、それが良い「間」になって、より一層絵本の世界に引き込む演出になることもあります。
◯難しい言葉の説明を用意
昔話を読む時に、必ずぶつかるのが子どもの「なぁに?」という一言です。
例えば、「おじいさんは山へしば刈りに」というと、「しば刈りってなぁに?」といった具合です。
下読みの際に、子ども達がひっかかりそうな言葉を事前にチェックしておき、わかりやすく答えられるように準備しておきましょう。
◯通る声を意識
聞きやすい、通る声を意識します。
もちろん声質は人それぞれですから、「美声」ではなく、自分なりでOKです。
相手が聞きやすいように、声のトーン、ボリューム、滑舌などを良くするように気を付けてみましょう。その心遣いが伝わりますよ。
大人数に語りかけるなど、大きな声を出さなければならない時も、無理に声を張り上げる必要はありません。
腹筋を意識して、通りのいい声をめざしましょう。
読んであげたいおすすめ絵本
続いて、現役保育士さんに聞いた「年齢別・子どもに読んであげたいおすすめ絵本」をご紹介します。
◯0~1才におすすめの絵本
『もこもこもこ』
作: 谷川 俊太郎 絵: 元永 定正
大人にとってはとっても不思議な絵本です。
「しーん」「もこもこ」「にょき」何が何だかわからないものが地面から生えてくるのですが、これが不思議と子どもにハマる!絵本初体験の赤ちゃんにもおすすめ。
この絵本を読むだけで、コミュニケーションが取れると保育士さんからも評判です。
子どものツボを押さえたこの絵本で、実習園でも人気者になれてしまうかも!
◯1~2才におすすめの絵本
『どんどこ ももんちゃん』
作: とよた かずひこ
大人気、ももんちゃんシリーズの一作目。
桃っぽい、あかちゃんぽい外見のももんちゃんが共感を呼ぶのか、赤ちゃんたちはももんちゃんにくぎ付け!ももんちゃんがどんどこどんどこ走っていく様子は声に出してもリズミカルで楽しく、最後には大人でもジーンとしてしまう結末が待っています。
◯2~3才におすすめの絵本
『よるくま』
作・絵: 酒井 駒子
優しい絵と優しい物語がとても素敵な絵本です。
お母さんを探しているという「よるくま」と男の子の物語。
夜の町をさまよう二人はどこか神秘的で、絵を見ているだけでもうっとりしてしまいます。
いつでもママと一緒にいたい、でもいられない・・・。
そんな保育園に通う子どもの心によりそってくれる絵本です。
◯4~5才におすすめの絵本
『おもちのきもち』
作: かがくい ひろし
おもちがおもちのきもちを話す、とってもユニークな絵本。
人の気持ちを考えて、と子どもに教えている保育士さんに「おもちのきもち」を考えるきっかけを与えてくれます。
兄弟たちがたたかれ、のばされているのを見てしまったお餅が怖くなって逃げ出すというストーリー。
最後には、なんと自分をたべてしまう!?なんて、びっくりなオチも・・・。
お正月でなくとも楽しめる、爆笑必須の絵本です。
自分も絵本を楽しもう
自分が楽しい、面白いと思ったことって、ついつい人に「ねえねえ、聞いて!」と伝えたくなりますよね。
そう思えるようになるまで絵本を読み込んで、子どもたちに読みかせてあげて下さい。
読み聞かせる本人が楽しんでいれば、読み方の上手い・下手に関わらず、子どもたちは聞き入ってくれるはずですよ。