保育士の採用において面接はきわめて重要な意味を持ちます。
書類選考だけで安心してはいけません。
先方はあなたと一緒に働ける人か、続けて働いてくれそうな人か、その人物を注意深く観察しています。
今回は面接をクリアするために抑えておくべき基本から応用を徹底解説します。
◆面接の「志望理由」のコツ
必ず面接で質問されるのが志望理由です。
志望理由は保育士という仕事に対する意欲をはかるために問われる質問です。
この質問を活かし、積極的に自己PRしましょう。
◯志望理由の回答例1「子どもが好き」
保育士を目指す人は「子どもが好きだから」「子どもがかわいいから」という理由で保育士を目指しはじめた人も多いと思います。
もちろん、それを理由にしても良いと思います。
ですが、それだけでは抽象的で漠然としています。
面接をしてくださる相手が、あなたの人柄を思い描きやすい具体的なエピソードを付け加えることがおすすめです。
◯志望理由の回答例2「体力がある」
保育士には「体力」も欠かせません。
保育士の仕事は朝も早いですし、夜も遅いこともあります。
元気いっぱいの子どもたちと接することが基本ですから、園庭を一緒に走り回ったり、たくさんの子どものトイレや食事のお世話をしたり、仕事内容は本当にハードです。
そのため、保育士の志望理由に体力をアピールすることもおすすめです。
◯志望理由の回答例3「人づきあいが得意」
保育士は子どもと接する以外にも、保護者との関わりも必要です。
それから、保育士同士の連携も必要不可欠な仕事なので、人づきあいが不得手だと業務に支障をきたしかねません。
学生時代やアルバイト経験などでチームワークを養えた機会があれば、それを具体的に志望理由に付け加えることもおすすめです。
◯志望理由の回答例4「社会貢献のため」
近年、待機児童・保育士不足が社会的な問題になっています。
社会貢献という目線を志望理由に入れてみることも良いかもしれませんね。
◆面接「逆質問」の6つのコツ
保育士の採用面接で最後に必ず出てくるのが「何か質問はありますか?」という面接官からの質問です。
いわゆる「逆質問」は就業意欲の高さをアピールするチャンスです。
◯コツ1:逆質問の数
逆質問しようと思っていたことが、面接中に解決してしまったということはよくあります。
そのため、逆質問の数は多く用意しておく方が無難です。
◯コツ2:メモを持参する
面接でメモを見ながら話すことは良くないと思いがちですが、逆質問の時は事前に質問を書いたメモを見ながらでも悪い印象になることはありません。
◯コツ3:必ず調べる
募集要項などを見ればすぐ分かるようなことを質問してしまうと、それほどやる気がないと捉えられて逆効果です。
調べて分からなかったことを聞いたり、調べたことを更に掘り下げて聞くようにしましょう。
◯コツ4:コミュニケーション重視
逆質問はアピールチャンスでもあるので、「はい・いいえ」で終わるような質問は避けましょう。
コミュニケーションがとれる質問の方が、自分のことをアピールできるのでおすすめです。
◯コツ5:面接官によって変える
保育士の面接試験の場合、面接官が園長の時もあれば、現場の保育士の場合もあります。
面接の際に余裕があれば、どの質問が面接官に受けが良いか、考えて質問すべきです。
◯コツ6:面接中の会話を掘り下げる
面接中の会話の中で盛り上がった話や、面接中に聞いた話を「具体的にはどのような…」というように掘り下げるような逆質問がベストです。
園についてしっかり知ろうとする意欲が面接官にも伝わりやすくなります。
◆面接に遅刻した場合のリカバリー法
ダブルブッキングや遅刻などあってはならないミスが起きるのが就職活動です。
もし、面接に遅刻してしまった場合、信頼を回復するためにはどのような対応がベストでしょうか。
◯遅刻することが分かった時点
指定された面接の時間に間に合わないと分かった時点で、即、採用担当者に連絡を入れましょう。
連絡の方法はもちろん電話で、連絡する際は以下の内容を伝えましょう。
1.電話の第一声は「お世話になっております」。
2.自分の氏名を名乗り、採用担当者を呼び出してもらう。
3.採用担当者が電話口に出たら、状況を伝え、指示を仰ぐ。
◯到着直前
最寄り駅に到着後、後何分で会社に到着するのかを再度連絡しましょう。
◯到着後
到着後、面接が始まる前に、採用担当者の貴重な時間を割いてしまったことに対して、しっかりと謝罪しましょう。
◯面接中の態度
遅刻してしまったことを悔いて暗い気持ちになるのは分かりますが、それを態度に出してはいけません。
◯面接終了後
面接が終了した後、退室する前にもう一度謝罪しておきましょう。
◯帰宅後
面接に遅刻したという事実は変えられるものではありませんが、帰宅後に謝罪の気持ちと入社したいという強い意志を綴った手紙やメールを採用担当者あてに送付しましょう。
◆面接で「モンスターペアレント」のことを聞かれたら?
面接では予期しない質問が出てくることもしばしば。
例えば、学校や園などに対して自己中心的で理不尽な要求をしてくるモンスターペアレントについて尋ねられたら、どのように回答すべきでしょうか。
以下に回答の一例をご紹介します。
◯回答例
「園に保護者が怒鳴り込んできた場合、まずは応接室などに通し、冷静に話し合える環境を整えます。
保護者がモンスターペアレント化したのは、普段の対話不足も原因の一つだと考えます。
保護者が何を要求しているのかをしっかりと聞き、気持ちを落ち着けてもらえるように配慮します。」
◆すべては自己PRにつながる。
自信を持って回答を
面接とは誰でも緊張し、嫌なものです。
しかし、筆記試験とは異なり、面接は自由に回答を生み出せるのが特徴です。
絶対的な正答はないのです。
相手の質問内容をよく聞き、よく理解し、内容に沿った自分なりの回答をすれば良いのです。
そして回答はすべて自己PRにつながります。
質問されることを喜び、自信を持って回答しましょう。