保育士を志す学生にとって大きな試練となる保育実習。
誰もが緊張し、思っていた通りにいく人のほうが稀です。
そういう実状はありますが、保育実習を前にした学生が実習を恐れる理由の一番の原因は「知らない」ということです。
何をすれば良いのか、何を求められているのか、禁止事項は何なのか、これらがしっかりと把握できていないと失敗も多くなりますし、それによって叱責されることも増えてしまいます。
なので、ここでは保育実習を受けるにあたって、知っておくべき事柄を紹介します。
◆実習生に求められているポイント
○(1)明るい笑顔
実習園では、子供から好印象であることを第一に求めます。
口角を上げて笑うようにし、優しい爽やかな印象を与えましょう。
保育実習では緊張して、表情が硬くなることがあります。
そうすると、何を考えているのか分からない、怒っているように見える、不機嫌に見えるなど、相手に誤解を与えてしまうことがあるので、気をつけましょう。
また、派手な化粧、ネイル、派手な柄の服装などにも気をつけ、優しい笑顔で穏やかな印象を与えましょう。
穏やかな印象を与えることで子供たちも自然と心を開いてくれるようになります。
○(2)子供のお手本となる実習生
保育士はもちろん、保育実習生も見本となる存在です。
子供は何でも見ています。
そして、真似をします。
なので、言葉遣いや、身のこなしにも注意が必要です。
例えば、子供にも丁寧な言葉遣いをする、ポケットに手を入れない、脱いだ服はたたむ、脱いだ靴は揃える、入室前にはノックをする、足を組まない、机にひじをつかない、などです。
また、挨拶もしっかりするようにしましょう。
子供に真似されても恥じのない保育実習生を実習園では求められています。
○(3)健康
実習園では、子供と生き生きと笑顔で関わることが求められます。
その為には、心身の健康と、体力が必要です。
睡眠不足や朝食を抜くことは、日中の活動、注意力や集中力などに影響が出てしまいます。
日頃からバランスの取れた食事に気を配り、体力をつけ、規則正しい生活を送るようにしていきましょう。
また、保育実習中に風邪を引いてしまうケースが多いです。
風邪を引かないように、体力をつけておきましょう。
○(4)積極性
保育実習中、何をどこまでしたら良いか戸惑い、消極的になってしまうことがあります。
自分から子供の視線に合わせたり、寄り添う気持ちで接していくと良いでしょう。
また、保育の妨げにならないように、保育者に質問をしたり、手伝いをするなど、自分から動くようにしましょう。
積極的に動くことにより、自分への学びも増えると共に実習園での印象が良くなります。
これらの内容が実習園で求められるポイントです。
ほかのこともできるに越したことはありませんが、これを抑えることが重要だとして落ち着けるようにすることも大切だと思います。
保育実習は緊張しますが、これらのことに注意をし、挑みましょう。
◆実習はどのように評価される?
保育実習では、実習先、学校の指導実習者により評価されます。
多くの教科は大学や短大の先生が評価しますが保育実習では外部の評価を受けるということで特に気になるところだと思います。
もちろん評価するにあたっては基準となるものがありますので、そこを抑えることで保育実習への理解ができ、気持ちも少し楽になると思います。
○ポイント1:PDCAサイクル
評価基準の評価は、計画し、実行したことを評価し、そして修正するというサイクルになります。
ここで大切になるのは、評価で終わらずに修正に繋げ、また新しい計画を立てて、挑戦するということです。
保育実習は保育現場で実際に学ぶだけでなく、社会人としての振る舞いや、プロの卵としての専門性を問われる場でもあります。
まだ、社会人経験のない実習生とプロの視点が異なるものなので、実習生が頑張ったつもりでも、プロとしての評価基準には達していないと評価される場合もあります。
なので、実習先の評価基準を知っておくことで、それにふさわしい振る舞いを心がけることができます。
○ポイント2:知識・技術
評価は「良い」「普通」「努力が必要」の3つで評価されます。
知識・技術の評価基準は、施設の理解、1日の流れの理解、乳幼児の発達の理解 子供や利用者のニーズの理解、保育計画・指導計画・支援計画の理解、保育・養護技術の理解、チームワークの理解、家庭・地域社会との連携、子供や利用者との関わり、職業論理、健康・安全への配慮となります。
このように、実習記録から評価されるものや、保育実習中に評価されるものがあります。
なので、保育実習も実習記録も手を抜くことはできません。
○ポイント3:態度
態度に関する評価基準は、意欲・積極性、責任感、探究心、協調性となります。
意欲・積極性は、自ら積極的に子供たちと関わりを持っているかを見られます。
自分から実習生に声をかけることができない子供に対しても積極的に声をかけ、関わろうとする姿勢が評価されます。
責任感、探究心は遊びの中で、子供たちに様々な遊びを提供したり、一緒に楽しもうとする気持ち、責任を持って子供たちの安全や安心を守ろうとする気持ちが評価されます。
協調性とは、自ら子供たちの輪に入って子供たちと関わりを持てているかを評価されます。
保育実習生と言っても、子供からしたら「先生」です。
子供たちの安心安全の確保、子供たちが楽しむ遊びの提案を積極的にしていきましょう。
◆大切なのは実習生に求められているものを知ること!
保育実習はあくまでテストとしてではなく、高度な授業を受けることだと心得ておくことが重要です。
もちろん園児から見れば「先生」となるあなたですが、実習園の先生からは「生徒」である、と考えると、多少は気持ちが楽になりませんか?先生になる第一歩として、実習生としてできることを全うしましょう!